三菱商事が進める サステナビリティへの取り組み - Mitsubishi Corporation

特集 2
三菱商事が進める
サステナビリティへの取り組み
三菱商事はグローバルな総合事業会社として、本業を通じた社会の持続的発展に貢献するため、
事業のあらゆる側面において持続可能な社会の実現を目指した取り組みを積極的に推進しています。
当社が進めるサステナビリティへの取り組みとして、
各営業グループが2008年度に推進した事業とその結果についてご報告いたします。
各グループ・部門での取り組み
全社開発部門
2009年度より、
「機能」
「分野」
「地域」
「顧客」の4つの開
発を全社開発と位置づけました。
「分野開発」
においては、
「新
エネルギー」
「環境・水」などの中長期的に成長が見込まれ、
次世代の柱となる事業に取り組んでいます。
に取り組むとともに、オフィスや物流などの事業活動全般に
三菱商事は、全社開発部門および新産業金融事業、エネ
おいても省エネルギーに努めています。さらに、さまざまな自
ルギー事業、金属、機械、化学品、生活産業の6営業グループ
然の恵みをもたらす生物多様性の重要性を認識して、自然環
体制で、幅広い産業を事業領域として、600社近くの連結対
境の保全に貢献していきます。
象会社と共に、世界中のお客様とビジネスを展開しています。
当社では、地球環境に関する自社の企業情報を適時・適
本業を通じた社会の持続的な発展に貢献するため、当社では
切に開示するとともに、さまざまなステークホルダーからのご
気候変動・地球温暖化への対応、資源の持続可能な利用、
意見を事業活動に反映しており、また、グローバルな環境法
生物多様性の保全などの地球環境への対応を重要課題と認
規制を遵守することはもちろん、法規制よりも高い水準の取
識し、事業の推進に取り組んでいます。
り組みや産業界における基準づくりの推進にも努めています。
こうした取り組みを通じて、今後もさらに当社の環境価値を高
環境価値の向上
めていきたいと考えています。
具体的には、エネルギーや資源の効率化や転換に関する
環境価値の創出・向上
気候変動への
対応
資源の
持続可能な
利用
生物多様性の
保全
資源
三菱商事の事業投資先のエム・エム・プラスチック(本社 :
千葉県富津市)は、家庭から出る廃棄プラスチック製容器包
装を回収・再資源化し、サンドイッチ成形技術による物流パ
新しい材料で製造する場合と比較して、重さ20kgのパレット
○ グリーンITへの取り組み
地球環境への対応が重要課題
循環型社会の実現に向けて
レットなどを製造しています。廃プラスチックを焼却処理し、
主な取り組み
新技術や新しい仕組みづくりを通じて、温室効果ガスの削減
※「主な取り組み」欄の
[ ]内は関連する事業投資先、出資先などを示します。
[アイ・ティ・フロンティア、
インフォセック、三鷹データセンター ほか]
1枚 当たり27kg のCO2
○ バイオペレットへの取り組み[フォレストエナジー日田・門川 ほか]
削減効果が期待できま
○ 太陽光・太陽熱・風力発電事業
す。プラスチックのリサ
○ バイオエタノール・ディーゼルへの取り組み
[北海道バイオエタノール ほか]
○ リチウムイオン電池の開発・製造・販売事業[リチウムエナジージャパン]
○ 排出クレジット創出事業
イクルを通じ、循環型社
会の構築に貢献してい
きます。
○ 上下水道事業[マニラウォーター、
ジャパンウォーター]
エム・エム・プラスチックで生産されたパレット
○ 食品廃棄物によるバイオマス発電事業[バイオエナジー]
○ 廃棄プラスチックから物流パレット製造
[エム・エム・プラスチック]
新エネルギーの取り組み
気候変動
世界規模での
温室効果ガス排出クレジット創出ビジネス
気候変動
三菱商事は、2009年3月、世界トップの総合新エネルギー
事業会社であるアクシオナ社(本社 :スペイン)が開発した太
陽光発電事業に参画しました。第1号案件として、ポルトガル
三菱商事は、
早くから排出クレジットに着目し、
排出クレジッ
のモーラ地区において、太陽光発電では世界最大規模となる
トビジネスに必要となるインフラ整備に取り組んできました。
45.8メガワットの発電を行います。
温室効果ガス削減プロジェクトには、事業性調査・提案から、
また、当社の出資先である北海道バイオエタノール(本社 :
関連手続や承認取得、ファイナンス、プラントの設置、モニタ
北海道札幌市)では、規格外小麦と余剰テンサイを原料とし
リング、排出クレジット販売とさまざまなステップがあり、当社
てバイオエタノールを生産しています。2009年3月、同社の生
ではこれらすべてのサービスをワンストップで提供できる体制
産工場が稼働を開始しました。
を整えています。2009年7月現在、当社がかかわる案件は、
当社の事業投資先であるフォレストエナジー日田(本社 : 大
国連登録済が30件、申請中50件、日本政府承認取得済30
分県日田市)
、
フォレストエナジー門川
(本社:宮崎県東臼杵郡)
件、そのほか検討中のプロジェクトが40件以上と、すでに100
は、余剰化した樹皮(バーク)を主原料に、石炭の代替燃料と
件を超えており、世界第3位の排出クレジットデベロッパーと
なるバイオ(木質)ペレットを製造しています。
なっています。
排出クレジット創出ビジネス担当者の声
私たちはこれまで、単なる排出クレジット
の売買にとどまらず、現場に赴き、実際の
温室効果ガスの削減活動を通じて知見と
ノウハウを蓄積してきました。今後は社内
他部署との連携を強化し、さまざまな事業
に排出クレジットのノウハウを活かすこと
ステークホルダーとの取り組み
環境法規制への取り組み
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Feature 2
環境・水事業開発本部
排出権事業ユニット
尾形 英昭
で、三菱商事の本業での付加価値を高め
ると同時に、地球環境に貢献することを
目指していきます。
ポルトガル・モーラ地区の太陽光発電所
Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2009
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特集2 三菱商事が進めるサステナビリティへの取り組み
金属グループ
エネルギー事業グループ
新産業金融事業グループ
アセットマネジメント、バイアウト投資などの投資金融、リー
石油・ガスのプロジェクト開発および投資を行うほか、原油、石
薄板、厚板などの鉄鋼製品、石炭、鉄鉱石などの鉄鋼原料、
底的な水質管理や作業員の安全面に十分に配慮した操業体
ス、不動産ファンドなどの産業金融、不動産の開発・保有・
油製品、LPG、LNG、炭素製品などの取引業務を行っています。
銅、アルミなどの非鉄金属原料・製品の分野において、販売
制を構築し、近隣地域のインフラ整備や文化財の保護、大学
取引、事業開発、投資などを行っています。
への寄附講座など、地域社会への貢献にも積極的に取り組ん
運営、物流・保険などの分野において商社型産業金融ビジ
ネスを展開しています。
主な取り組み
でいます。
○ バイオマス燃料への取り組み
主な取り組み
○ 石油精製会社排出の使用済触媒を主原料としたレアメタル回収に
○ 排出クレジットによるCO2オフセットリース[三菱UFJリース、三菱オートリース]
○ 自然エネルギーで動く設備リース[三菱 UFJリース]
・ソリューション、
三菱 UFJリース、
省電舎]
○ ESCO 事業[日本ファシリティ
○ 施設コンバージョンへの取り組み
○ 環境面と積載効率を追求したK2(軽い・重なる)パレットの販売
[三菱商事ロジスティクス]
○ ラック・パレットのリターナブル運用[三菱商事ロジスティクス]
○ コンピュータ・OA 機器のリユース・リサイクル[三菱 UFJリース]
○ 排ガス規制対応ディーゼルエンジンの搭載[三菱鉱石輸送]
オフィスや病院などさまざまな
施設の省エネを実現
よる合金鉄製造事業[メタルテクノロジー]
○ 省エネ機器普及促進、LNG 販売、燃料電池や水素利用の研究・
開発など[アストモスエネルギー]
○ ブルネイにおける太陽光発電実証プロジェクトへの取り組み
ブルネイにおける
太陽光発電実証プロジェクト
○ クリーンコールパワー研究所(国内電力会社10社が株主)への
環境や社会、安全衛生に対する取り組みを引き続き進めてい
石炭供給
きます。
○ アルミ再生塊ビジネス[日軽エムシーアルミ]
○ 白金族(PGM)リサイクル
○ 金属スクラップの取り扱い[メタルワン ほか]
○ 採掘跡地の自然環境修復
気候変動
三菱商事は、1972年にブルネイ液化天然ガスプロジェクト
した。ブルネイ国とのさらなる関係強化を目指し、当社の資金
[Mitsubishi Development Pty Ltd ほか]
世界最大級の原料炭炭鉱における
採掘跡地の自然環境修復
リハビリテーション後の
回復状況をモニタリング
生物多様性
拠出による太陽光発電実証プロジェクトの実施を決定、2008
三菱商事の事業投資先であるMitsubishi Development
年8月、
ブルネイ政府との間で覚書を締結しました。
Pty Ltd(MDP、本社 : 豪州シドニー)を通じて50%の権益を
(本社 : 東京都新宿区)は、高効率設備の導入や改善、制御に
本実証プロジェクトは、東南アジア地域で最大となる定格出
保有するBMA 炭鉱※1は、年間5,000万トンの高品質な原料
より、
オフィスや病院、
商業施設、
工場などの省エネやCO2削減
力1.2メガワットの太陽光発電設備を設置し、
運転開始から3年
炭 を生産しています。露天掘りによる操業を行っている当
を実現し、エネルギーコストの削減に貢献するESCO(Energy
にわたり、同国政府と共同で実証研究・運用評価を行うもので
炭鉱では、石炭の採掘のために表土をはがして別の場所に保
Service Company)
事業を展開し
す。得られたデータやノウハウは、同
存、採掘後にその表土を埋め戻し、採炭前に保存しておいた
ています。東京都立広尾病院や
国の人材育成を含めた太陽光発電
草木や周辺で採取した種子を使って植栽をする
「リハビリテー
東京都立墨東病院、調布市庁舎
の普及・実用化に大いに役立つと
ション」
(自然環境の修復)を行っています。修復後も定期的
など日本各地において約80件の
考えられ、当社は2010年の運転開
にモニタリングして、草木がしっかり根付いているか、生物が
案件を手掛けています。
始に向け、全力で取り組んでいます。
三菱商事の事業投資先の日本ファシリティ・ソリューション
第 4回優良 ESCO事業者表彰で金賞を受
賞した東京都立広尾病院エネルギーサービ
スESCO事業
実証プロジェクトにおける太陽光発
電設備の完成予想図
機械グループ
電力・ガス・石油・化学・製鉄などの主要産業素材の製造にか
機械などの一般産業用機器まで、幅広い分野の機械の販売取
かわる大型プラントから、船舶・鉄道・自動車などの物流・輸送
引、事業開発、投資などを行っています。
主な取り組み
○ クリーンコール技術(IGCC= 石炭ガス化複合発電、CCS=CO2回収・
貯留)への取り組み
※2
戻ってきているかをチェックしています。また、同炭鉱では徹
CO2回収機能を備えた発電設備建設
豪州のクリーンコール事業に参画
機器、宇宙・防衛産業向けの機器、建設機械・工作機械・農業
○ エコドライブ推進につながる車両管理システムの開発[ジクー・データシ
ステムズ]
※1 MDPとBHPビリトンがそれぞれ50%を出資する石炭合弁事業体
※2 製鉄の際に鉄鉱石と一緒に高炉に投入して、還元剤として使われるコークスのもととなる石炭
※3 Health, Safety, Environment, Community
グループ環境・CSR 担当者の声
鉄鋼原料や非鉄金属の既存資源はもちろ
ん、希少性・偏在性の高い金属資源(希少
金属・希土類およびウランなど)の安定確
保にも努めています。また、
“資源の持続的
な利用”の観点から、事業投資先における
環境・CSR 施策の取り組みも引き続き積
極的に推進していきます。
金属グループ CEOオフィス
投融資管理ユニット 神田 秀之
電気自動車の普及に向けて
気候変動
三菱商事は三菱重工業と共同で、オーストラリアのゼロジェ
「i-MiEV(アイ・ミーブ)
」
(2009年7月販売開始)に搭載する
ン社が開発主導する環境配慮型発電事業に参画し、その一
リチウムイオンバッテリーの開発・生産を行う「リチウムエナ
環としてフィージビリティ・スタディ(実現可能性調査)を受注
ジージャパン」に出資しています。
しました。環境負荷が低く発電効率の高い石炭ガス化複合
また、当社では国内では地方自治体や取引先、関連企業と
発電(IGCC)と呼ばれる方式に、CO2の回収・貯留(CCS)
連携し、電気自動車(EV)の普及に欠かせない充電インフラ
機能を組み合わせることで、CO2
整備に積極的に取り組み、EVの使用環境を整備しています。
の排出量を従来の石炭火力発電
加えて、海外ではEVの普及が各国
○ 電気自動車普及に関する取り組み[三菱自動車(i-MiEV)
]
○ バイオエタノールへの取り組み[北海道バイオエタノール]
○ 製鉄所への省エネ支援
より大幅に削減できる見通しです。
の環境対策に大きく貢献すること
○ 風力ファンドへの取り組み[グリーンパワーインベストメント]
○ 鉄道事業への取り組み
○ NAS 電池(ナトリウムと硫黄で構成される長寿命・大容量の電池)への
○ 海水淡水化プラントの取り扱い
CCS 機 能を備えた商 業 規 模の
をアピールして、欧州を中心とする
IGCC 発電所は世界初の試みで、
各国政府、自治体に対し、各種助
Feature 2
○ 廃水処理・排煙脱硫・脱硝装置の取り扱い
気候変動
三菱商事では、三菱自動車が開発する新世代電気自動車
○ 木質系バイオマスによる発電事業[神之池バイオエネルギー]
取り組み
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今後もHSEC※3への取り組みを経営の最重要事項として、
○ 金属・自動車・家電品のリサイクル・廃棄物処理事業[メタルワン]
に参画し、以来、日本へのエネルギーの安定供給に努めてきま
気候変動
主な取り組み
2015年の運転開始を目指します。
6月22日に都内で行われた記者発表会
成制度の拡充を働きかけています。
Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2009
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特集2 三菱商事が進めるサステナビリティへの取り組み
化学品グループ
生活産業グループ
全社での取り組み
石油化学品、
オレフィン・アロマ、
メタノール、
アンモニア、
クロー
衣食住の分野を主体に、
医療分野やメディアの活用も含めて、
コーポレートスタッフ部門が中心となり、組織横断型で全社
ルアルカリ、肥料、無機原料などの汎用化学品や、合成樹脂、
原料調達から消費市場に至るまでの幅広い領域で、食料品、
が一体となって、オフィスビルの環境配慮をはじめとする環
機能材料、電子材料、食品素材、医農薬などの機能化学品分
衣料品、紙・包装材、セメント・建材、医療材料などの商品を
境マネジメントシステムの活動、世界各地で継続して取り組む
野において、取引業務および投資などを行っています。
取り扱い、さまざまなサービスを提供しています。
社会貢献活動などを積極的に進めています。
本店ビルに
太陽光発電設備を導入
○ CO2ポリマーへの取り組み
○ 代替フロン・自然冷媒への変更[東洋冷蔵]
○ EDC(土壌・地下水汚染改良剤)の取り扱い
○ 海外植林事業
○ 生分解性プラスチックの取り扱い
○ 省燃費タイヤの国内販売協力
三菱商事では、本店(三菱商事ビル)屋上に、主要取引先
○ 環境保全用触媒への取り組み
○ 排水処理システム(中空糸膜)への取り組み
である三菱電機製の太陽光発電設備を設置し、2008年12
○ 純水製造・海水淡水化・再生水などの水処理膜への取り組み
○ レジ袋削減・簡易包装、
トレイやカップのリユース・リサイクル
○ 環境対応型塗料用原材料への取り組み[三菱商事ケミカル]
[ローソン、ライフコーポレーション、日本ケンタッキー・フライド・チキン]
月に稼働を開始しました。年間発電量は約1万 kW 時となっ
○ 太陽光発電関連資材への取り組み[三菱商事プラスチック]
○ 食品・食物残渣リサイクル
○ プラスチックのリサイクルシステムへの取り組み[三菱商事プラス
[ローソン、
日本ケンタッキー・フライド・チキン、東洋冷蔵、米久、
掛けた最初の事例となり、
2009年5月より業務を開始した丸
サンエス]
の内パークビルにも太陽光発電システムを設置しました。
○ 福祉用具リユース・寄贈[日本ケアサプライ]
[MC山三ポリマーズ]
○ 使用済みユニフォームの回収、
リサイクルインフラの構築
気候変動
ています。また、
これは当社が太陽光発電設備設置までを手
三菱商事は、帝人、住友精化、住友化学と東京大学などと
の産学連携により、原料の約半分にCO2を使用したプラス
チックの開発に2007年より取り組んでいます。このプラス
部材など、幅広い用途で活用が期待されています。当社は販
路開拓の役割を担う予定です。
※4 Life Cycle Assessment= 製造、輸送、販売から使用、廃棄、そして再利用までの各段階での
資源の消費、排出量を計量して、製品やサービスの環境影響を評価する手法
化学物質の安全性情報収集
「Japanチャレンジ」の取り組みに協力
ステークホルダー
「Japanチャレンジプログラム」は、厚生労働省、経済産業
省、
環境省と産業界が2005年から共同で取り組んでいる「官
民連携既存化学物質安全性情報収集・発信プログラム」で
す。さまざまな化学品の輸入を行う三菱商事は、プログラムの
開始当初からスポンサーとして積極的に参加。関係各社と共
にコンソーシアムを形成してデータを収集し、
これまでにソルビ
トール、キシロース、マルチトール、シュウ酸(二水和物)の4つ
の化学物質について「安全性情報収集報告書」を国に提出
しています。
これらのデータは、化学物質の安全性情報として国を通じ
て広く発信され、社会に提供されることとなります。
22
Feature 2
では、このプロジェクトを
1990年のマレーシアを皮
切りに、ブラジル、ケニア
で展開しています。
生物多様性
[アルパック フォレスト プロダクツ]
産・学・民が一体となったこのプロジェクトでは、さまざ
まな角度からサンゴ礁保全のための調査・研究を行い、サ
続に関する科学的調査を支援する業界団体)への参加[Princes]
ンゴ礁危機の原因究明と回復技術の確立・普及を目指し、
○ 水産資源管理・保全(大西洋クロマグロほか)
沖縄、米国ミッドウェイ環礁国立自然保護区およびセーシェ
○ Rainforest Alliance 認証コーヒーの取り扱い
ル共和国で研究活動を
屋上に設置された発電設備の稼働状況は、ビル1階
受付にあるモニターで、ご来社の方も確認ができます
○ FSC 森林認証を保持
チックは、従来の石油由来のプラスチックと比べ、LCA でみ
るとCO2排出量を約30% 減らせることが特長です。早けれ
的としています。三菱商事
○ ISSF(ツナ缶詰業者、科学者、及び環境 NGOによる水産資源持
※4
ば2012年度にも実用化される見通しで、太陽電池パネルの
生態系を蘇らせることを目
(沖縄、ミッドウェイ、セーシェル)
○ パルプ事業における持続可能な森林管理
気候変動
500年かかる熱帯林の再生を、40∼50年で自然林に近い
サンゴ礁保全プロジェクト
○ 使用済み綿製品のエタノール化パイロット事業
CO2を原料とするプラスチックの開発
種の宝庫といわれる熱帯林の減少は、深刻な地球環境
を密植・混植方式で植林することで、自然再生では300∼
主な取り組み
○ 遮熱塗料・省エネOAロールなど環境配慮型商品の取り扱い
生物多様性
問題の一つです。このプロジェクトでは、現地固有の樹種
主な取り組み
チック]
熱帯林再生実験プロジェクト
(マレーシア、ブラジル、ケニア)
マグロ資源に関する動き
行っています。沖縄での
研究への継続的な支援
生物多様性
マグロ資源に関し、2008年9月、三菱商事は大西洋クロマグ
廃棄物処理の取り組みで、
優秀賞を受賞
現在、過剰漁獲の状況にあるといわれている地中海クロ
が評価され、2008年度
に日本政府より紺綬褒
資源
章をいただきました。
ロソーシングポリシーおよび声明 を発表しました。このポリ
2009年2月、本店オフィス(三菱商事ビル)が、廃棄物処
シーと声明に基づき、当社は今後も漁業関係者と小売業者を
理に関する取り組みで、本店所在地のある東京都千代田区
つなぐサプライチェーンに携わるものとして、持続可能な資源
より、優秀賞を受賞しました。これは、廃棄物減量について
高知県が推進する「環境先進企業との協働の森づくり事
利用に責任を持って取り組みます。
の模範となる建物を区内の86カ所から選び、表彰したもの
業」に賛同した三菱商事は、2009年2月、三菱グループの
です。三菱商事を含む同ビル内のすべての事務所・店舗で、
創業者・岩崎彌太郎が生まれ育った高知県安芸市において、
再生処理を100% 行うゼロエミッションに取り組んでいま
県と市、および地元森林組合と森林保全パートナーズ協定
す。今後もさらにリフューズ、リデュース、リユース、リサイク
を結び、森づくり事業を開始しました。地域の環境保全に
※5
※5「大西洋クロマグロソーシングポリシー」
「クロマグロに関する声明」については、当社ウェブサ
イトをご覧ください(
「トップページ」→「環境・CSR 活動」→「環境・CSR 活動の取り組み」
に掲載)
グループ環境・CSR 担当者の声
当グループの08年度 EMS ※6活 動では、4本
部から各2件ずつの環境レビュー※7を実施し
ました。グループのビジネス活動を通じて環
境に貢献することを理想とし、グループのメン
バー一人ひとりの環境意識を向上させるため、
ルを推進し、身近なところから環境への意識を高めていくこ
貢献することを目的に、同市の山林を社有林として保有する
ほか、市有林の一部を含めた212haを「三菱商事 千年の
森(通称 : 彌太郎の森)
」
と名付け、将来にわたっ
て間伐などの森林整備
人に経験してもらうことを目指しています。
※6 Environmental Management System(P.32参照)
※7 三菱商事の環境レビューの取り組みについては、P.32∼33をご参照ください
生物多様性
とを目指していきます。
EMSのプロセスである環境レビューを多くの
生活産業グループ
CEOオフィス(内部統制)マネージャー
喜多村隆志
三菱商事 千年の森(高知)
や地域住民や社員への
ビルからの廃棄物は8品目に分別され、ビ
ル側指定管理業者、廃棄物処理業者の
立ち会いの下、全量が計量後に引き渡さ
れます
環境教育の場として活
用していきます。
東京ドーム約 45個分の広さに、スギ、ブナ、ミズナラ
など、多様な樹木が見られます
Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2009
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