26HP2-25 購買サイクルの速い消費者の心的特性 心理情報学科 縄田友里 1.はじめに (指導教員 田中吉史) 回帰分析と、Big Five Scale 短縮版を説明変数、 まだ使用できるものを買い換えるという行 その他の尺度を従属変数とする重回帰分析を 動には様々な要因がある。そこで、購買サイク 行った。その結果、性格と購買サイクルには直 ルの速い消費者の心的特性を調査することに 接影響はなかった。また、被服関心度質問表で した。今回は生活必需品でもあり、好みや買う は「個性を高める」関心が購買サイクルに影響 頻度が個人によって大きく異なる衣服に焦点 しており、その関心は外向性、開放性、勤勉性 を当てる。 の性格因子から影響を受けていることが分か 衣服の購買サイクルの速さに対して、一般的 った(図 1,図中の数字は標準化係数を表す)。被 な消費態度や衣服に対しての関心、考え、また 服行動尺度では、流行性が購買サイクルに影響 性格傾向がどのように影響しているのかを調 しており、その行動は外向性と開放性の性格か 査することを目的とする。 ら影響を受けていることが分かった(図 2)。 2.調査方法 2.1 質問項目 編集した被服関心度質問表と被服行動尺度 (堀・山本,2004)の 47 項目、また消費全般に対 する消費態度を調査するために、現代消費者の 外向性 開放性 .221 .140 個性を 高める .310 購買 サイクル .154 勤勉性 図 1 性格と被服関心と購買サイクルの重回帰分析結果 消費態度(日本リサーチ総合研究所,2000)の 13 外向性 .265 項目、性格傾向を見るための Big Five 短縮版 流行性 開放性 (内田,2005)の 20 項目を用いた。また、実際の .440 購買 サイクル .132 消費事情について調査するために、一ヶ月に衣 図2 服に費やす金額と自由に使える金額、100 万円 以上より、性格は被服関心や被服行動、消費 もらったらいくら衣服に使うかを尋ねた。 なお、本研究では購買サイクルの速さを、一 性格と被服行動と購買サイクルの重回帰分析結果 態度を介して購買サイクルに影響を与える可 能性がある。 ヶ月に自由に使える金額のうち衣服に費やす 金額割合として定義した。 4.引用文献 2.2 調査対象者 堀洋道・山本眞理子(編)(2004) 心理測定尺度集 金沢工業大学の学生 226 名(うち女性 51 名) Ⅰ―人間の内面を知る<自己・個人内過程> サ であった。 イエンス社 2.3 実施方法 日本リサーチ総合研究所ホームページ 授業時に質問紙を配布し、一斉に回収または http://www.research-soken.or.jp 2008/11/12 個人で配布し回収した。 アクセス 3.結果・考察 内田照久(2005) 音声の発話速度と休止時間が 被服関心度質問表、被服行動尺度、現代消費 者の消費態度、Big Five Scale 短縮版の各因子 を説明変数、購買サイクルを従属変数とする重 話者の性格印象と自然なわかりやすさに与え る影響 教育心理学研究 53,1-13
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