第8回 総合資源エネルギー調査会原子力安全 - 原子力規制委員会

資料 5
第8回
総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会
中越沖地震における原子力施設に関する調査・対策委員会
日
時:平成 20 年 12 月 22 日(月)13:30∼15:40
場
所:経済産業省本館 2 階東8共用会議室
議事録
出 席 者 :( 中 越 沖 地 震 に お け る 原 子 力 施 設 に 関 す る 調 査 ・ 対 策 委 員 会 )
委員長
班目
春樹
委
秋庭
悦子
北村
正晴
纐纈
一起
小林
信之
品田
宏夫
首藤
由紀
関村
直人
東嶋
和子
長辻
象平
西川
孝夫
野村
保
若山
正樹
渡邉
博文
員
(五十音順、敬称略)
1
○大村基盤課長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから「第8回中越沖地震における
原子力施設に関する 調査 ・対策委員会」を開 催い たします。
委員の皆様におかれましては、本日は、御多忙中のところ御出席いただきまして大変ありがと
うございます。
それでは、班目委 員長 、よろしくお願いい たし ます。
○班目委員長
こ の 委 員 会 は 、 前 回 は 10月 末 で す か ら 約 2 カ 月 ほ ど 前 に 開 か せ て い た だ い て お り
ます。その後、7号機に関しまして、耐震安全性評価とか、あるいは系統試験等についてある程
度実施が進み、それについての保安院の評価もまとまってきております。本日はそれについて御
審議いただきたいと思い ます。
それでは、まずは 事務 局から配付資料の確 認を よろしくお願いいた しま す。
○大村基盤課長
大 部で ございますが、上か ら紹 介します。
まず、資料1−1で「柏崎刈羽原子力発電所の耐震安全性の確認状況について」という説明資
料がございます。
資料1−2に「敷地・敷地周辺の地質・地質構造及び基準地震動の評価に係る報告書(中間報
告)」。
資料1−3として 「7 号機の耐震安全性に 係る 検討状況について」 。
資料1−4としまして「耐震安全性に係る信頼性の一層の向上を図るための今後の取組みにつ
いて(案)」、保安 院の ペーパーがございます。
それから、資料2−1としまして「設備健全性に係る確認状況について」というA4の説明資
料。
資料2−2としまして「7号機の設備健全性評価に係る中間報告(燃料装荷前の系統機能試
験)」。
資料2−3としまして、同じく「7号機の燃料装荷以降に実施された系統機能試験等に係る保
安院の確認状況につ いて 」。
資料3−1が、ニュースのプレースリリースのペーパー、7号機タービン建屋における火災に
関する資料がござい ます。
資料3−2としまして、7号機のタービン火災の関係の保安院のペーパーが1枚入ってござい
ます。
資料3−3としまして、今度は「6号機において発生した火災に対する立入検査の実施状況に
ついて」。
資料4としまして「新潟県中越沖地震を受けた柏崎刈羽原子力発電所に係る原子力安全・保安
院の対応(中間報告 )( 案)」がございます。
資料5としまして「IAEA第3回調査について(結果概要)」というペーパーがございます。
それ以外は、資料6は前回の議事録となっておりまして、参考資料が1∼6までという形でつ
いてございます。
以上でございます。
2
○班目委員長
どう もあ りがとうございました。
それでは、引き続 きま して定足数の確認を よろ しくお願いいたしま す。
○大村基盤課長
確 認を 行います。
運営規程上、定足数は全委員のうちの専門委員を除く過半数ということでございまして、本日
は 、 18名 の う ち 14名 の 委 員 に 御 参 加 い た だ い て お り ま す 。 小 林 委 員 に つ き ま し て は 、 後 ほ ど 来 ら
れるということで御連絡をいただいております。そういうことで、定足数を満足していることを
御報告させていただ きま す。
○班目委員長
どう もあ りがとうございました。
それでは議題に入りたいと思いますが、その前に、資料6が前回の議事録でございます。これ
につきましては、既に皆様にはお送りして御確認いただいているところではございますけれども、
もう一度見ていただいて、何かお気づきの点があったら、後ほどでも結構でございますので、事
務局までお申し出い ただ ければと思います。 よろ しくお願いいたしま す。
それでは、最初の議題に入りたいと思います。最初の議題が「柏崎刈羽原子力発電所の耐震安
全性の確認状況について」でございまして、これについては資料1−1∼1−4までございます。
このうち、1−2は、「東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所敷地・敷地周辺の地質・地質構
造及び基準地震動の評価に係る報告書(中間報告)」というものでございます。これは、耐震設
計小委員会の下に設置されました地震・津波、地質・地盤合同ワーキングにおける審議を経て取
りまとめられたもの でご ざいます。
それでは、まずは 御説 明をよろしくお願い しま す。
○森山審査課長
安 全審 査課長の森山でござ いま す。
それでは、資料1 −1 を使って耐震安全性の確 認状況について御説 明申 し上げます。
まず、1ページをお開きください。1ページ目に検討の全体像を載せてございます。左側の絵
でございますが、まずは基準地震動を策定して、これに基づき、建物・構築物、設備・機器の評
価を行う。合わせまして、建屋の基礎地盤の安定性ですとか、津波などの地震随伴事象の評価を
行うという流れでご ざい ます。
現在までの進捗状況でございますが、その右側に書いてございますけれども、この基準地震動
の策定までは、資料1−2にございます中間報告で取りまとめております。更に、原子力安全委
員 会 に お い て も 、 保 安 院 の 評 価 は 妥 当 と 認 め る 見 解 を 12月 11日 に 取 り ま と め て い た だ い て お り ま
す。
現在、この基準地震動に基づく設備や建屋、それから基礎地盤、地震随伴事象についての御審
議をいただいているところでございますが、この一番上に「今後の取組み」と書いてございます
けれども、この審議を踏まえまして、全国の原子力発電所に共通する課題ということにつきまし
ても、保安院として考え方を整理して、現在、御意見をいただいているという状況にございます。
本日は、その2ページにもございますが、まずは中間報告について、これは前回のこの委員会
でも、案でございましたが御報告しておりますので、そのポイントのみ御紹介して、現在検討い
ただいております7 号機 の評価の状況、ある いは 今後の取組みについ て御 説明申し上げます。
3
少しページをめくっていただきまして、4ページをお開きください。保安院におけます検討に
つきましては、新潟県の技術委員会のもとの小委員会でさまざまな御議論をいただいております
が、そういった議論も踏まえながら、把握しながら検討しております。特に、活断層評価におき
ましては、海域のF−B断層の北方域の問題、それから敷地周辺の真殿坂断層は活断層ではない
のかといったあたりが、 県における小委員会 の主 なポイントになって いる と承知しております。
5ページでございますが、こういった県の委員会に対しまして、保安院といたしましても逐次
検討状況について御 説明 してきているという状況 にございます。
それでは、中間報告のポイントでございますが、6ページ以降でございますけれども、7ペー
ジ、8ページをお開きください。中間報告につきましては、まずは中越沖地震による揺れが設計
時の想定を超えた要因について取りまとめ、その後、活断層評価について整理をして、そういっ
たものを踏まえた基 準地 震動の評価という構 成に なってございます。
中越沖地震による揺れが設計時の想定を超えた要因につきましては、まず、8ページにござい
ますように、F−B 断層 評価の経緯を書いて ござ います。
このF−B断層は、中越沖地震の震源断層面の浅部延長部に安全審査時に確認しておりました
が 、 当 時 は 活 断 層 と は 評 価 し て い な か っ た こ と 。 更 に 、 平 成 15年 に 再 評 価 を し て マ グ ニ チ ュ ー ド
7 と 評 価 し て お り ま し たが 、 実 際 の 中 越 沖 地 震 では 、 そ れ よ り も 小 さ な 6.8で あ っ た に も か か わ ら
ず、設計で想定した 揺れ を上回る揺れを観測 した ということでござい ます。
9ページに、こういった経緯を踏まえて、中越沖地震により観測された地震動が同規模の地震
から想定される平均的な地震動と比較して、顕著に大きかった要因を取りまとめてございます。
左側の絵にございますように、特に1∼4号機につきましては、平均的なものに比べて6倍程度
大きかった。その右側の四角にございますが、その揺れの要因といたしましては、震源の特性に
よ る も の で 約 1.5倍 、 そ れか ら 、 そ の 他 、 地 下 構 造と し て 堆 積 層 が 厚 い と いっ た こ と や 敷 地 直 下 の
浅部の褶曲構造、こ うい った影響があったという ことを取りまとめて おり ます。
10ページ以降にそ の活 断層評価についてま とめ たものでございます。
11ペ ー ジ に そ の 結 果 を 示 し て お り ま す が 、 発 電 所 に 影 響 の 大 き い 断 層 と い た し ま し て は 、 海 域
で は F − B 断 層 、 陸 域 で は 長 岡 平 野 西 縁 断 層 帯 を 評 価 し て お り ま す 。 そ れ ぞ れ 36km、 91kmと 評 価
してございます。
12ペ ー ジ か ら 、 そ の F − B 断 層 の 北 方 延 長 部 の 問 題 に つ い て 少 し 詳 し く こ の 資 料 に 載 せ て ご ざ
います。
13ペ ー ジ を お 開 き い た だ き た い と 思 い ま す が 、 こ の 問 題 は 一 部 の 論 文 に お き ま し て 、 こ の F −
B 断 層 、 F − B 断 層 は こ の 13ペ ー ジ に 赤 の 点 線 で か い て ご ざ い ま す が 、 更 に そ の 北 方 域 に 活 断 層
が延びているといっ た指 摘がございます。
こ れ に 対 し ま し て さ ま ざ ま な 観 点 か ら 検 討 し た わ け で ご ざ い ま す が 、 14ペ ー ジ は 、 保 安 院 が こ
の8月に実施しました海上音波探査の結果を載せてございます。F−B断層、それからその北方
域について音波探査を実施いたしました。この左側の下の絵を見ていただきますと、これがF−
B断層に相当する部分でございますが、F−B断層に相当する部分につきましては地下に褶曲構
4
造が見られます。しかしながら、この北方域についてはそういったものが見られないという結果
が得られております。
15ペ ー ジ に は 、 こ の 海 上 音 波 探 査 の み な ら ず 、 陸 域 も 含 め た 地 下 構 造 探 査 結 果 に つ い て 御 検 討
いただきました。その地下構造につきましては、この論文にありますような海域からの断層では
なくて、むしろ陸域におけます角田・弥彦断層の動きで説明することが妥当であるという評価を
いただいております。
16ペ ー ジ に 、 更 に そ の 実 際 の 角 田 山 の 段 丘 面 の 傾 斜 と い う も の を 断 層 モ デ ル を 用 い な が ら シ ミ
ュレーションして、実際にこの陸側の断層で西傾斜といいますか段丘面の傾斜が説明できるとい
ったことも評価しております。こういった観点から、この北方域には活断層はないと結論を得た
わけでございます。
17ペ ー ジ 以 降 が 、 真 殿 坂 断 層 に つ い て 補 足 し て ご ざ い ま す 。 真 殿 坂 断 層 は 17ペ ー ジ の 右 下 に ご
ざいますが、発電所の敷地内を通るものとして、「真殿坂向斜」と書いてございますが、ここに
ございます。
これまでの安全審査等におきましても、さまざまな調査結果から活断層ではないと評価してお
り ま す が 、 18ペ ー ジ に ご ざ い ま す よ う に 、 今 回 、 特 に ワ ー キ ン グ グ ル ー プ に お け ま す 指 摘 を 踏 ま
え て 、 改 め て ボ ー リ ン グ 調 査 を 行 い 、 約 24万 年 前 の 火 山 灰 の 確 認 を 行 い ま し た 。 そ れ が ほ ぼ 水 平
に 分 布 し て い る こ と か ら 、 耐 震 指 針 に お き ま し て は 12∼ 13万 年 前 以 降 の 活 動 性 と い う こ と で 評 価
いたしますので、それ以降の活動は見られない、すなわち真殿坂断層は活断層ではないという評
価をいただいている とこ ろでございます。
20ページ以降が基 準地 震動の評価でござい ます。
20ペ ー ジ に 基 準 地 震 動 を ま と め た 表 が ご ざ い ま す が 、 21ペ ー ジ 、 22ペ ー ジ を お 開 き い た だ き ま
す と 、 こ の 基 準 地 震 動 を 評 価 し た 断 層 の 震 源 モ デ ル を 載 せ て ご ざ い ま す 。 21ペ ー ジ が F − B 断 層
の震源モデルでございまして、中越沖地震の観測記録を踏まえたモデルの策定になってございま
す。
22ペ ー ジ は 、 長 岡 平 野 西 縁 断 層 帯 の 震 源 モ デ ル で ご ざ い ま し て 、 特 に 傾 斜 角 を 浅 く し て 、 柏 崎
刈羽原子力発電所の直下に断層が入るような、そういった不確かさの考慮もして評価をしたとい
うことでございます。
そ う や っ て 策 定 し ま し た も の に つ き ま し て 、 23ペ ー ジ で ご ざ い ま す が 、 超 過 確 率 、 こ れ は 新 し
い指針で求められておりますけれども、この基準地震動を超える地震の発生確率も評価するとい
う こ と で ご ざ い ま し て 、 10 -4 ∼ 10 -5 程 度 、 す な わ ち 平 均 し て お よ そ 1 万 年 ∼ 10万 年 に 一 度 程 度 の 確
率でこの基準地震動を超えるような地震が発生するというような評価結果となっております。J
NESによるクロス チェ ックも実施しており ます 。
更 に 、 24ペ ー ジ に 原 子 力 安 全 委 員 会 か ら の 指 摘 を 踏 ま え ま し て 、 確 認 用 地 震 動 と い う こ と で 、
活断層長さをベースとしたこのワーキンググループによる検討とはまた違った観点からの評価を
するということでやった結果、この基準地震動とほぼ同等だったということで御確認いただいて
おります。
5
25ペ ー ジ に 安 全 委 員 会 が 取 り ま と め ま し た 12月 11日 の 評 価 結 果 の ポ イ ン ト を ま と め て ご ざ い ま
す。活断層評価の手引に基づいて調査がなされていることですとか、指針で求められている手法
を踏まえている、あるいは策定過程における不確かさが考慮されている、それから中越沖地震の
知見の反映、更には、確認用地震動を策定して確認した、こういった観点から検討した結果、保
安院による評価結果 は妥 当であるという見解 をい ただいております。
以 上 が 中 間 報 告 の 内 容 で ご ざ い ま す が 、 26ペ ー ジ 以 降 に 、 現 在 検 討 中 の も の に つ い て 整 理 し て
ご ざ い ま す 。 少 し ペ ー ジ を 繰 っ て い た だ き ま し て 、 29ペ ー ジ を お 開 き く だ さ い 。 7 号 機 の 耐 震 安
全上重要な建物・構 築物 、機器・配管の耐震 安全 性評価でございます 。
まず、評価の方針といたしまして、今申し上げました基準地震動に対する耐震安全上重要な施
設の安全機能保持の観点から評価を行うということでございます。対象設備は、耐震安全上最も
重要なSクラスでございますが、耐震クラスの低いB、Cクラスであっても、その損傷によって
Sクラスに波及的な破損を生じさせるようなものについては評価をするということでございます。
では、評価のポイントにつきましては、その解析手法が妥当か、解析結果が基準値におさまっ
ているかといったことを確認することになりますが、JNESによりますクロスチェックも併せ
て実施するというこ とで ございます。
30ペ ー ジ 以 降 に 少 し 内 容 を 書 い て ご ざ い ま す 。 ま ず 、 建 物 ・ 構 築 物 に つ い て の 検 討 状 況 で ご ざ
い ま す が 、 30ペ ー ジ に 解 析 モ デ ル 図 を 示 し て ご ざ い ま す 。 こ の 解 析 モ デ ル は 、 中 越 沖 地 震 時 の 建
屋の応答を再現できるモデルということで、基本的には健全性評価を行ってきたモデルを使って
ございます。ただ、この健全性評価を行ったモデルにつきましては、設計時と若干違っておりま
す。この右の下にございますように、設計時には耐震壁としていなかった、補助壁と呼んでおり
ますが、実際、実態的には耐震壁と同じ能力を持っているものでございますが、こういったもの
を加えて実際の地震 の応 答を評価しているという ことでございます。
そ れ か ら 、 31ペ ー ジ に建 屋 の 解 析 結 果 を 示 し てご ざ い ま す 。 評 価 基 準 値が そ の ひ ず み と し て 2.0
×10 -13 と い う 基 準 値 が ご ざ い ま す が 、 こ れ に 対 し て 評 価 結 果 が 十 分 下 回 る も の と い う 報 告 が な さ
れております。現在 、J NESによるクロスチェ ック作業を行ってい る段 階にございます。
32ペ ー ジ に 機 器 ・ 配 管 系 の 安 全 性 評 価 の 状 況 で ご ざ い ま す が 、 こ の 地 震 応 答 解 析 モ デ ル に つ き
ましても、基本的には健全性評価で使ったモデルと同様のものでございますが、1つ違っており
ますのは、この左の下にございますが、実際に評価するに当たりまして、健全性評価の際には、
実際の揺れをできるだけ忠実にということで入力しておりますが、この耐震安全性評価に当たり
ましては設計と同じような手法、すなわち床応答の床の揺れに対しまして、更にこの周期方向で
ご ざ い ま す が 、 ±10% 拡 幅 と い う 行 為 を し て お り ま す 。 こ れ は 、 機 器 に 対 す る 入 力 の ば ら つ き 等
を考えて、こういった少し大き目の揺れを想定して行っているものでございまして、これは設計
時と同様の評価とな って ございます。こうい った 評価を現在行ってい ると ころでございます。
33ペ ー ジ に そ の ワ ー キ ン グ に お け ま す 主 な 意 見 を 載 せ て ご ざ い ま す が 、 今 申 し 上 げ ま し た よ う
に、工事計画認可時と若干違ったモデルを使っている、特に耐震壁として考慮していなかった補
助壁について今後どう対応するのかという御指摘もいただいておりまして、これまで工事計画認
6
可の図書には、この補助壁については記載がございませんでした。それが今後、工事計画の耐震
計算書の中にしっか りと記載して、規制上も 管理 をしていくことにし たい と考えております。
そのほか、評価に使っております数値、試験データ等の確認などについて、現在、御審議をい
ただいているところ でご ざいます。
34ペ ー ジ に 原 子 力 安 全 委 員 会 か ら の 意 見 を 載 せ て ご ざ い ま す 。 原 子 力 安 全 委 員 会 か ら も 、 こ の
安全性評価については何点か御指摘いただいております。1つは、入力地震動が従来の地震動と
どう違ってきているのかといった点、それから、地震応答解析評価におきまして、今申し上げま
したようなモデルの修正を行ったことが結果にどういうふうに影響するのかといった点などにつ
いて御指摘いただいておりまして、これにつきましても取りまとめ、報告をしていきたいと考え
ております。
次 に 、 津 波 で ご ざ い ま す が 、 36ペ ー ジ を お 開 き く だ さ い 。 36ペ ー ジ に 津 波 に 対 す る 安 全 性 評 価
のポイントを書いて ござ います。
ま ず 、 36ペ ー ジ の 右 の 方 に 、 ど う い う と こ ろ の 津 波 を 評 価 す る の か と い う こ と で 、 日 本 海 東 縁
部の地震活動域の中でこの発電所に最も影響があるようなところを選んで評価するということで
ございます。更に、その評価手法についても、左側にございますように、実際の津波が再現でき
るかどうかを確認す ると いう点でございます。
そ れ か ら 、 37ペ ー ジ に 、 こ れ は 東 京 電 力 に よ る 評 価 結 果 で ご ざ い ま す が 、 最 高 水 位 に よ る 津 波
の高さのみならず、引き津波、最低水位についても評価をする必要がございます。特に、停止し
た後も、冷却水は必要でございますので、この補機冷却水ポンプが十分海水を確保できるかどう
かという観点から評価しているということでございます。現在、御審議をいただいているところ
でございます。
39ペ ー ジ に 基 礎 地 盤 の 安 定 評 価 に つ い て 載 せ て ご ざ い ま す 。 地 震 時 の 原 子 炉 建 屋 等 の 基 礎 地 盤
が大丈夫かどうかということを評価する必要があるわけでございますが、取り分け、原子炉建屋
とその基礎との接点の部分ですとか、あるいは、この解析モデルに直線でかいてございますが、
この敷地内には古い断層がございます。こういった断層が地盤の中では比較的弱いということで、
こういったところで すべ りが起きないかどうかと いった点を評価して いる ところでございます。
この左下の絵は東京電力による評価結果でございますが、一部、基準地震動に基づきますと破
壊する部分がありますが、全体としては支持力は維持されるという評価結果となってございます。
現在、これにつきま して も審議をいただいている ところでございます。
最 後 に 41ペ ー ジ を お 開 き く だ さ い 。 こ れ ま で の ワ ー キ ン グ グ ル ー プ に お け ま す 検 討 、 審 議 を 踏
まえまして、保安院といたしまして、今後、他の発電所も含めた共通の問題として取組むべき課
題について整理をして、これについても現在御審議いただいているところでございますが、4点
まとめております。
1つは、新たな知見の反映の仕組みということでございます。先ほどのF−B断層につきまし
てもさまざまな御指摘がございました。情報の公開性というものについて御審議があったところ
でございますが、今後、新たな知見を収集し、継続的にそれを安全性評価に反映していくという
7
ことを定期的に公開の場で検討していきたいと考えておりますし、また事業者においても、申請
時のみならず、新たな知見の収集・蓄積を図ることが重要であるといった点をまとめております。
2つ目に確率論的安全評価ということで、今回超過確率の問題につきまして初めて指針策定後、
実施したわけでございますが、これにつきましても、他のバックチェックも含めて現在評価をし
ているところでございまして、そういった実施を進めながら、専門知見を持っておりますJNE
Sの協力を得て、今 後そ の内容を整理し、課 題の 抽出を行っていきた いと考えております。
また、地震動の観測につきましても、建屋の応答についてはさまざまなデータが今回得られま
した。これらは、今後、技術の高度化といった観点からも非常に重要なものでございまして、今
後、地震動の評価、観測というものをより充実させていくことが重要であると考えております。
また、地盤の地震観測につきましても、今回、特に地盤の特性ということが大きなポイントにな
りましたので、その 観測 の充実を図っていく こと を進めていきたいと考え ております。
最 後 に 調 査 ・ 研 究 と い う こ と で 、 保 安 院 に お き ま し て も 、 平 成 21年 度 か ら 、 こ の 耐 震 裕 度 の 問
題、あるいはサイト近傍での常時地震観測といった点について調査・研究の拡充を図っていきた
いと考えておりますが、この中越沖地震による検討の中で明らかになった課題も含めまして、関
係機関、関係学会との連携を密にしながら、また、更にIAEAといった国際機関との連携も強
化しながら積極的にその研究を推進していきたいと考えております。こういった点について、現
在考え方を整理して 御審 議いただいている段 階で ございます。
かなり駆け足でご ざい ましたが、以上で説 明を 終わらせていただき ます。
○班目委員長
どう もあ りがとうございました。
それでは、資料1−2の中間報告を御審議いただいた合同ワーキンググループの検討状況につ
きまして、纐纈委員 から 一言お願いしたいと思い ます。
○纐纈委員
資料1−2で「(中間報告案)」ということでお示しさせていただいております。
基本的な内容は、今、審査課長からお話がありました前半の部分、そこで既に非常によくまとめ
られておりますので、結論としてはここに書かれてあるとおりです。そこに至る経緯がるる資料
1−2に書かれております。かなり専門的になりますので詳しく御説明はいたしませんが、内容
的には、先ほど審査課長からお話があったような審議経過で先ほどの結論に至ったということで
ございます。
○班目委員長
どう もあ りがとうございました。
それでは、続きまして、構造ワーキンググループの方の審議状況については資料1−3にまと
められてございます が、 これにつきまして、 西川 委員から御説明をよ ろし くお願いします。
○西川委員
今 、 纐 纈 先 生 か ら 言 わ れ た も の の 後 に 「 耐 震 安 全 性 に つ い て 」 と い う こ と で 28ペ ー
ジ以降に書いてございますが、このように、今回、耐震安全性評価でやったところは、なるべく
現在の建物の状況を踏まえた評価をしようということで、設計のときには無視していますけれど
も、安全性を確保する上で無視している補助壁とか、そういうものを考慮しているということと、
コンクリートの実際の現状の強度を使って評価しているというようなところが、安全性評価のポ
イントでございます。
8
中身につきましては、ここに書いてございますとおりでございまして、補助壁を従来解析では
やっていなかったので、補助壁というのが構造の壁だと取扱うことについては、きちんとこの後、
ひび割れの管理とかそういうこともやってくださいねというようなことはやっております。それ
から、今までありましたクレーンとか、燃料取替機とか、そういうものについての検討も十分、
我々も評価していただいたものを検討して、その後のチェックについてもお願いしているところ
で、ここに書いてあ ると おりのことでございます ので、よろしくお願 いし ます。
○班目委員長
どう もあ りがとうございました。
それでは、ただいま御説明いただいた耐震安全性に関する検討状況について、委員の皆様から
御意見、御質問を受けたいと思います。何でも結構でございますが、何かございますでしょうか。
よろしゅうござい ます か。
では、ちょっとつまらない質問ですけれども、西川委員に、補助壁について、今回はこれを入
れないと合わないことがわかったので、きちんと解析に取込むようにするという方針は、これは
すべてのプラントに共通 になるのでしょうか。
○西川委員
物によりますけれども、一応は同じような仕様でつくられていて、鉄筋もきちんと
入 っ て い ま す し 、 厚 さ も 1 m と か 数 十 cmあ り ま す か ら 、 下 か ら き ち ん と つ な が っ て い て 、 そ れ な
りの配筋がしてあって、厚さがきちんとあるようなものについては、ほかの建物のバックチェッ
クについても、原則 とし ては考えましょうという 方針を取っていると思い ます。
○班目委員長
わかりました。では、今まではどちらかというと安全側だからいいやとしていた
ものについても、きちんとこれから取扱って安全裕度についてはっきりさせていこうという方針
ですね。
○西川委員
おっし ゃる とおりです。
○班目委員長
どう もあ りがとうございました。
ほかに何かござい ます でしょうか。よろし ゅう ございますか。
それでは、よろしかったら、この耐震安全性の検討につきまして、今後の進め方について事務
局から御説明をよろ しく お願いいたします。
○森山審査課長
今後の進め方につきましては、今申し上げましたように、まだ基準地震動Ss
に対します評価を今行っていただいているところでございます。現在、7号機の方から進めてお
りますけれども、6号機ほか順次検討していくこととしております。年内にはまたもう一度、年
末に構造ワーキングをお願いしておりますが、また来年、年明けまして、構造ワーキング、合同
ワーキングをお開きいただきまして、引き続きその評価を進めていただくという状況にございま
す。
○班目委員長
ありがとうございました。耐震安全性につきましても基本的な方針が決まったと
いうことで、ただ、まだ構造健全性等については引き続き検討が必要なようでございますので、
今後ともしっかりとした評価を保安院の方ではしていただくように、よろしくお願いいたしたい
と思います。
それでは、次の議題に移らせていただきたいと思います。次の議題は「柏崎刈羽原子力発電所
9
の設備健全性に係る確認状況について」でございます。資料としては2−1、2−2、2−3と
ございますが、資料2−2「東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所7号機の設備健全性評価に
係る中間報告(燃料装荷前の系統機能試験)」については、本委員会の下に設置された運営管
理・設備健全性評価ワーキンググループにおける審議の結果、まとめられたものということでご
ざいます。
それから、議題3の「柏崎刈羽原子力発電所6号機及び7号機の火災について」というのは、
これは、次に御審議いただく議題2とかなり密接に関係していますので、併せて御説明していた
だいて、まとめて審議ということにさせていただきたいと思います。それでは、事務局から御説
明をよろしくお願い いた します。
○山本検査課長
検 査課 長の山本でございます。
それでは、お手元の資料2−1をごらんいただければと思います。「柏崎刈羽原子力発電所の
設備健全性に係る確 認状 況」ということでござい ます。
1枚おめくりいただきまして3ページ目でございます。全体の「健全性確認・評価のフロー」
と書いてございます。左側の緊急点検等々書いてございますが、これは、地震発生直後に、事業
者におきましては緊急点検、特に「止める・冷やす・閉じこめる」機能の確認をまず実施したと
ころでございます。その上で、今回のこの中越沖地震に対しまして、設備あるいは建物が健全で
あるかどうかといったことをきちんと評価していくというのが真ん中の流れでございます。たく
さんの機器がございますので設備と建物と分けてございますが、点検・評価の計画をつくり、そ
れに基づいて点検を実施し、その結果を評価するとい流れになっています。また、点検・評価は、
機器単位、系統単位、プラント全体の点検・評価といった段階的に評価を実施していくというも
のでございます。
4ページをお開きいただければ、先ほど申した3点の流れでございます。評価の全体の流れと
しましては、まず、「機器単位の評価」を行います。現在一番進んでおります7号機でございま
す が 、 7 号 機 で 言 い ま すと 約 1,300の 機 器 が ご ざ い ま す が 、 そ れ の 個 々 の 機器 単 位 の 評 価 を し て ま
いります。その上で「系統単位の評価」を行います。個別の機器から組み合わされます安全機能
を担う系統が、それぞれ所要の機能あるいは健全性を維持しているかどうかを評価するものでご
ざいます。機器単位、系統単位の評価を踏まえた上で、発電所全体のプラント全体としての機能
があるかどうかといったものを評価するのが「プラント全体の評価」です。こういった3段階の
評価を実施して健全 性を 確認するといった流 れで ございます。
5ページ目をお開きいただきますと、現在の各号機の点検状況を示してございます。左側の欄
が東京電力による対応状況ということで、まず、この点検・評価計画書、これは私ども保安院か
ら指示したわけでございますが、これについては、すべての号機について点検・評価計画書が既
に提出されてございます。その妥当性を保安院が評価した上で、点検・評価がなされていると状
況でございます。
その隣の欄に進捗状況を示しておりますが、最も進んでおりますのが7号機であり、目視点検
は 既 に 100% に 達 し て い ます 。 続 い て 6 号 機 も 目 視点 検 等 々 は 大 体 済 ん で おり ま す 。 続 い て 3 号 機、
10
1号機、5号機が進 んで いるといった状況に でご ざいます。
右側の欄に設備健全性評価サブワーキングでそれぞれ各号機の状況について報告された主な内
容を示しております。更に、一番右側の欄に保安院の立入検査の実績として、事業者が行ってい
る点検・評価に当たりまして、保安検査官等が現場に立ち入りまして確認しているといった実績
を示しています。
6ページ目をお開きいただければと思います。設備点検に当たりましては、単に点検結果のみ
なちらず、その点検の実施プロセス、あるいは従事者の力量管理、点検の方法等につきましても、
保安院として立入検 査等 で確認しております。
7ページが7号機の機器単位の点検・評価の結果概要でございます。これにつきましては、前
回の本委員会でも御報告させていただきましたが、おさらいも含めまして念のため確認させてい
た だ き ま す と 、 ま ず 、 対象 と な り ま し た 機 器 が 全部 で 1,360機 器 ご ざ い ま す 。 そ の う ち 燃 料 装 荷 後
あ る い は タ ー ビ ン 復 旧 後に 行 い ま す 機 器 を 除 き ます と 1,190機 器 で ご ざ い ま す が 、 こ れ ら に つ き ま
しては、厳格に確認しているところでございます。点検については立入検査、応答解析につきま
しては、JNESによるクロスチェックといったことで評価しているところでございます。経緯
から申しますと、今年の4月に中間報告を取りまとめ、追加点検の指示をし、そして、この秋、
9月には報告書の素 案を 御議論いただいたところ でございます。
8ページ目でございます。7号機についての機器単位の点検・評価のまとめでございます。ま
ず、東京電力におけます点検・評価の方法については、基本方針を踏まえた適切な方法で実施さ
れ て い る こ と 。 そ れ か ら 、 1,360機 器 の う ち 1,190機 器 に つ い て は 、 基 準 に 適 合 し 、 安 全 上 問 題 な
いことを確認してご ざい ます。
解析結果につきましても、メカニカルスナバ1本を除きましてすべて判定基準を満足してござ
います。このスナバが1つ解析上超えておりましたけれども、これについては、機能試験などを
いたしまして健全性 を確 認しているところでござ います。
そ れ か ら 、 不 適 合 事 案 が 70件 程 度 ご ざ い ま し た が 、 こ れ に つ い て も 順 次 適 切 に 対 応 さ れ て い る
といったことでござ いま す。
したがって、緑の欄ところでございますけれども、保安院としての評価は、事業者が行いまし
た点検・解析の結果については、適切に実施されており、その結果も妥当であり、7号機の機器
単 位 の 設 備 の 健 全 性 は 維 持 さ れ て い る と 判 断 し て ご ざ い ま す 。 こ の 結 果 に つ い て は 、 10月 3 日 に
報告書を取りまとめいたしまして、原子力安全委員会に報告しているところでございます。原子
力安全委員会では、この「保安院の対応は、規制行政庁と事業者の責任分担の観点から適切であ
る」といった見解を いた だいているところでござ います。
9ページ目でございます。系統単位の評価についてであります。このあたりからが前回からの
進捗に関する報告となります。系統単位の評価といいますのは、それぞれの機器が構成する系統
におきまして、安全機能が健全に維持されているかどうかを確認するものです。7号機について
は23項目の試験項目 がご ざいますが、現在の とこ ろ20項目まで終了し てい る状況でございます。
10ペ ー ジ を お 開 き い た だ き ま す と 、 こ の 系 統 単 位 の 評 価 に つ き ま し て は 、 燃 料 装 荷 を 実 施 す る
11
といった試験項目も含まれますので、燃料装荷前と燃料装荷後に大きく2つに分けまして試験を
実施しているところ でご ざいます。
11ペ ー ジ が 、 燃 料 装 荷 前 に 行 い ま し た 系 統 試 験 、 全 部 で 14項 目 ご ざ い ま す 。 止 め る ・ 冷 や す ・
閉じこめる等々の機能について確認いたしました。右側の欄にありますが国の評価としましては、
必要な機能があるこ とを立会いなどで確認し たと ころでございます。
この系統単位の試験につきましては、通常の定期検査などで行います試験に加えて、特に地震
影響をよく見るという観点から、地震の前後のデータの比較でありますとか、あるいは不適合が
あり補修等行った箇所の動作等の状況について詳しく見るとか、そういう地震影響を踏まえた形
の点検をしていると ころ でございます。
12ペ ー ジ 以 降 、 そ の 系 統 単 位 の 試 験 結 果 の 幾 つ か の 代 表 的 な 項 目 を 御 紹 介 し た い と 思 い ま す 。
1 つ が 、 12ペ ー ジ は 「 非 常 用 炉 心 冷 却 系 の 検 査 」 と い う こ と で 、 こ れ は 冷 や す 機 能 の 代 表 的 な も
のでございます。緊急時におきまして、各種の注水を行いまして冷却させる、こういう機能があ
るかどうかを確認するものでございます。この試験の結果でございますけれども、非常用電源に
より供給された電力によりまして、炉心冷却機能が自動で起動し、性能を発揮することを確認し
たところでございま す。
次の「ほう酸水注入機能検査」、これは、制御棒以外のもう一つの止める機能でございます。
これについても、ほう酸水が適正に注入されて原子炉を冷温停止できるかどうかといった動作状
況を確認したところ でご ざいます。
14ペ ー ジ 、 「 非 常 用 ガ ス 処 理 系 機 能 検 査 」 、 こ れ は 閉 じ こ め る 機 能 の 一 つ の 例 で ご ざ い ま す 。
万一、放射性ガスが発生した場合、それを右側の図にありますように、フィルタ装置で安全に処
理をして排出できるかどうか、こういった機能が必要になってきますが、これらの装置を起動さ
せまして異常がなく 、所 定の機能を有してい るこ とを確認しました。
以上が燃料装荷前の試 験結果の主なもので ござ います。
15ペ ー ジ は 、 燃 料 装 荷 を 行 っ た わ け で ご ざ い ま す が 、 こ の 燃 料 装 荷 に 当 た り ま し て は 、 原 子 炉
に装荷する燃料の健全性の確認、移動作業に当たっての安全性の確認、燃料を装荷した状態での
安全起動の確認といったことで、この写真にありますように、私どもの保安検査官が立会いをし
まして、すべて安全 であ ることを確認して、 燃料 装荷作業が実施され たと ころでございます。
16ペ ー ジ が 、 今 度 は 、 燃 料 を 装 荷 し た 後 に 行 い ま す 試 験 項 目 で ご ざ い ま す 。 全 部 で 11項 目 ご ざ
います。そのうち既に8項目が終了してございますが、右側の欄の緑色をつけてございますが、
給水ポンプ関係、タービンバイパス弁、インターロック機能のタービン関係の3項目がまだ終了
してございませんが、それ以外の原子炉の主たる機能のところについては終了している状況でご
ざいます。
17ページ以降、具 体的 な幾つかの機能試験 の結 果について御紹介い たし ます。
1 つ 目 が 「 原 子 炉 停 止余 裕 検 査 」 で ご ざ い ま す。 こ れ は 、 制 御 棒 が 全 部で 205本 ご ざ い ま す け れ
ども、そのうちの最大反応度価値制御棒、これを引き抜いたとしても未臨界の状態を維持できる
かどうかを確認するものでございます。実際には右側の図にあるように、最大反応度を示す制御
12
棒を赤の+で書いてございます。7号機の場合は制御棒が2本で1組となってございます。この
2本を引き抜いて、 未臨 界の状態であるかどうか を確認したといった こと でございます。
18ペ ー ジ 、 「 制 御 棒 駆 動 系 機 能 検 査 」 で ご ざ い ま す 。 こ れ は 、 緊 急 時 に 制 御 棒 を 挿 入 い た し ま
して原子炉を停止させるものでございます。この試験では、実際に制御棒をスクラムさせます。
これは1組ずつ、2本ずつになりますが、スクラムテストという形で、実際に挿入いたしまして、
所定の時間以内に制御棒が入るかどうかを検査するものでございます。右の下に試験結果を書い
て ご ざ い ま す が 、 判 定 基 準 2.8秒 以 内 に 対 し ま し て 、 平 均 値 で ご ざ い ま す け れ ど も 1.2秒 以 内 と い
うことで、所定の機 能を 持っていることが確 認で きております。
19ペ ー ジ が 「 原 子 炉 格 納 容 器 漏 え い 率 検 査 」 、 こ れ は 閉 じ こ め る 機 能 の 確 認 で ご ざ い ま す 。 格
納容器というのは、右側の絵にあります赤い線で囲った部分、圧力容器の外側に格納容器という
ものがございまして、これは大きな建物の形状をしてございますが、これが十分な気密性を確保
し て い る か ど う か を 試 験す る も の で ご ざ い ま す 。実 際 に は 、 最 高 使 用 圧 力の 0.9倍 の 圧 力 を 加 え ま
して、漏えい率が所定の範囲内に入っているかどうかを確認したものでございます。結果は、所
定の判定基準内に収 まっ ているところでございま す。
次 の 20ペ ー ジ 目 以 降 で ご ざ い ま す 。 こ の 系 統 試 験 は 現 在 、 タ ー ビ ン 関 係 が ま だ 残 っ て お り 、 継
続中でございますが、この系統試験が終わりますと、次の段階としてプラント全体の評価を実施
してまいります。このプラントの全体評価に当たりましては、実際にプラントを起動いたしまし
て、通気・通風・通水・通電、入熱状態にいたしまして、プラント全体としての性能・機能、あ
るいは地震影響によります設備の異常の有無、こういったことを確認するということで、プラン
ト全体の機能試験を行うものでございます。この実施に当たりましては、保安院といたしまして
は、機器単位、系統単位の健全性がきちんと維持されているかどうかを確認した上で、このプラ
ント全体の機能試験 に進 むかどうかを厳格に 評価 した上で実施するこ とに しております。
21ペ ー ジ は 、 こ の プ ラ ン ト を 起 動 す る に 当 た り ま し て の 安 全 確 認 を 行 う こ と に し て ご ざ い ま す 。
先ほどの燃料装荷のときも安全確認を実施いたしましたけれども、プラントを起動するに当たっ
ては大きく3つの要件、1つは、不適合事象の処理がすべて終了しているかどうか。7号機につ
き ま し て は 、 既 に 71件 の不 適 合 が ご ざ い ま し た 。軽 微 な も の を 含 め る と 250件 の 不 適 合 が あ り ま し
たので、こういったものは事前にすべて対応が終了していることが必要でございます。あと、本
委 員 会 の 下 に あ り ま す ワ ー キ ン グ グ ル ー プ で 御 議 論 し て ま と め て い た だ き ま し た 「 教 訓 と 課 題 10
項目」についても適切に対応されているかどうかを確認してまいります。こういう不適合処理が
事前に終了していることがまず必要になってまいります。その上で、必要な安全機能を担う系統
が再構成され、そして操作の手順あるいは運転員の確保、こういったものが確保されることが必
要でございます。いずれにしましても、プラントを起動するにあたりましては、私ども保安院の
保安検査という形で 安全 確認の実施をしてい くこ とにしているところ でご ざいます。
22ペ ー ジ 、 今 後 の 予 定 と い う こ と で ご ざ い ま す が 、 ま ず 、 7 号 機 に つ き ま し て は 、 先 ほ ど 申 し
上げましたように、系統単位の機能試験を実施してきておりますが、蒸気タービンに関する試験
3項目が残ってございます。ただ、これはまた後ほど申し上げますが、7号機につきましては、
13
蒸気タービンの作業中に火災事故を起こしました関係上、それの復旧をし、健全性を確認し、現
在、タービンの復旧 作業 、組み立て作業を実 施し ている、こういう状 況で ございます。
したがいまして、今後の予定としましては、こういう蒸気タービンの復旧作業がきちんと完了
することがまず必要でございます。その上で、残されました3項目の系統試験をきちんと実施い
たしまして、所定の機能があるかどうかをまず確認する必要がございます。その上で、本委員会、
あるいはこの下にございます設備健全性評価サブワーキングで御審議いただきまして、系統単位
の健全性評価を行い、プラント全体の機能試験が実施できるかどうか、こういったものを判断し
た上で次のステップ に入 っていくというような手 順を考えているとこ ろで ございます。
23ペ ー ジ は 原 子 力 安 全 委 員 会 か ら の 御 意 見 と い う こ と で 、 10月 と 12月 に そ れ ぞ れ 御 意 見 を い た
だいているところでございます。我々に対する対応については一定の評価なり、あるいは御注文
をいただいているところでございますので、こういったような御意見を踏まえて適切に対応を行
っていきたいと考え てご ざいます。
最 後 に 、 24ペ ー ジ は 、 新 潟 県 の 技 術 委 員 会 で の 関 係 で ご ざ い ま す 。 私 ど も 保 安 院 の 検 討 状 況 に
ついては、これまで4回ぐらい、それぞれの小委員会の方にいろいろなテーマにつきまして御説
明しているところでございます。県の技術委員会では、7号機のみならず、他号機とも評価をす
べきではないかという御意見であるとか、「硬さ測定」によってどこまで評価できるのか、こう
いう御意見をいただいているところでございますので、私どもの考え方についてきちんとまた説
明していきたいと考 えて いるところでございます 。
以上が健全性評価に係ります確認状況ということで、お手元の資料2−2が燃料装荷前の系統
試験の中間報告を取りまとめさせていただいております。そして、資料2−3が、タービン関係
3項目残しておりま すが、それ以外の系統試 験の 確認状況についてま とめ たものでございます。
次の火災際関係でございます。資料3−1をお開きいただければと思います。柏崎刈羽の7号
機のタービン建屋に おき まして、今年の11月22日 に火災事故が発生し まし た。
これの火災の状況でございますが、1ページ目の火災の原因及び再発防止対策の1.本件火災
が発生した推定原因というところでございますが、これは、タービンロータの洗浄作業をするな
かで、引火性の高い洗浄液を噴霧する方法で実施してしまい、これに火がついて引火し、火災に
至ったというのが直接的な原因でございます。この火災は直ちに消火器などによって消し止めら
れたわけでございますけれども、こういう比較的危険性の高い作業をどうして実施してしまった
かといったことが大 きな 課題となりました。
主な要因は、1つは、直接的には、そういう危険性の高い行為を実施してしまったことと、そ
のような行為を事前に危険予知という形で評価し、必要な防護対策がなぜ講じられなかったかと
いった点が、大きな 課題 として挙げられました。
1.に主な背景要因をいろいろ書いてございますが、要するに、こういう危険な作業について、
危険予知の俎上に上げていく仕組みが十分ではなかった、あるいはそれを実施する作業員の安
全・防火に対する認識が不十分であったといったことが、大きな要因として挙げられるかと思い
ます。
14
2ページ目、再発防止対策といったところでございます。この原因究明と再発防止対策につき
ましては、東京電力から報告がございました。再発防止対策のポイントでございますが、第1点
目は、今回のこういう危険な行為については、ルール上禁止するという直接的要因の排除をする
ということ。
それから、(2)がチェック機能の強化と書いてございますが、こういう危険を伴うような作
業については、十分事前に評価をし、必要な防護対策を実施できるような仕組みに変えていくと
いったことでございます。特に、こういう今回の作業というのは、事業者として全く初めて実施
したということでありまして、こういう危険予知が十分できなかったということでございます。
そのために、この中に「3H」と書いてございますが、「初めて」実施するもの、あるいは従来
やっていたものを「変更」するもの、あるいは過去に実施していましたけれども、「久しぶり」
に実施するようなもの、こういったものについては、リスク評価が十分できておりませんので、
危険予知の対象にか なら ず挙げていくことにする でございます。
計画段階と書いてございますが、この中では、各種の評価の俎上に乗りますように、工事仕様
書等々に記載して、必ず安全の事前評価を実施する。この3Hに該当する場合は、安全の事前評
価を実施するという ルー ルに変えるということで ございます。
それから、3ページ目の実施段階につきましては、こういう結果を踏まえまして、実際の作業
を実施される方に、そういう作業の内容、あるいはそういった危険性があることを十分周知でき
るような体制にする とい うことでございます。
併せて、こういう危険な作業に対する認知が低かったといったことから、防火教育、あるいは
事業者からの協力会社に対する指導体制の強化といったことも実施するということでございます。
保安院の評価としましては、3ページの下からでございますけれども、再発防止対策は妥当で
あると評価しているところでございまして、今後、事業者の実施状況につきましては、保安検査
等で確認していきた いと考えてございます。
併せて、今度は資料3−2の方でございますが、今回のタービンで火災があったことに対しま
して、設備の健全性 に影 響があったのかどうかと いったことを評価し たも のでございます。
資料3−2でございます。今回の火災により、火炎を受けた対象でございますけれども、1.
の4行目あたりに書いてございますが、消火栓のカバー、避難誘導灯のカバー、それからタービ
ン自体、タービンを設置しているコンクリート構造の床面、それからエリア放射線のモニターの
カバーといったとこ ろが被害を受けているところ でございます。
これに対する健全性評価ということでございますが、消火栓とか誘導灯、放射線のカバーにつ
きましてはプラスチックでございますので、これをすべて取り替えるということにしてございま
す。それから、コンクリートにつきましては、床面の躯体への影響はないことが確認できており
ます。
それから、問題のタービン、これは一番影響を受けたわけでございますが、これについては、
材料の調査、レプリカを取ったり、硬度を測定したり、磁粉探傷を行いひび割れがないかどうか、
そして、裏面でございますけれども、たわみがないかどうかといったことの調査をいたしまして、
15
すべてこういった観 点か ら異常がないことが確認 されているところで ござ います。
したがいまして、3.にあります当院の評価ということで、今回のところ、修理をするところ
は当然ありますが、タービンに関しましては、健全性がきちんと維持されていると評価したとこ
ろでございます。
以上が7号機の火 災関 係でございます。
次は、資料3−3 でご ざいます。今度は、 6号 機で発生いたしまし た火 災でございます。
6号機の火災については、これもタービン建屋の地下1階の原子炉冷却系の熱交換器室におき
まして、配管サポートの耐震強化工事のため溶接作業を行っていたところ煙が発生したといった
も の で ご ざ い ま す 。 発 生 日 時 は 12月 8 日 午 前 10時 半 に 発 生 い た し ま し て 、 初 期 消 火 を 行 い ま し て
直 ち に 鎮 火 い た し ま し た が 、 消 防 署 に 通 報 ・ 連 絡 が さ れ ま し た の が そ の 約 1 時 間 後 の 11時 37分 と
い っ た こ と 、 そ し て 、 地 元 消 防 に よ る 現 場 確 認 に よ る 鎮 火 の 確 認 が 零 時 27分 と い っ た こ と に な っ
ているところでござ いま す。
保安院の対応のところでございますが、先ほどの7号に引き続きまして火災が起きたことは大
きな問題であり、かつ消防への通報に約1時間を要したといったことが大きな課題であると認識
しております。そのために、この発生いたしました翌日に、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所に
検査官が立入検査を いた しまして、特に通報 ・連 絡が遅れた点を中心 に検 査いたしました。
その内容が次の2ページ目以降でございます。この火災の原因につきましては、現在、調査中
でございます。恐らく溶接設備あたりから出たのではないかと思われますが、これについてはま
だ確定してございま せん ので、主として、連 絡通 報遅れ体制の問題に つい て検査いたしました。
特に2ページ目の3.4以下でございます。特に、この現場におきましては、作業を行ってい
た者のほかに火気専任監視員らを含めますと約4名の方がいたわけです。これらの者が初期消火
に従事いたしましたけれども、本来、この初期消火とともに中央制御室に報告することが必要で
あったにもかかわらず、周りの人間がPHSなどで連絡している状況を見て、既に通報している
のではないかと思い込み自ら通報しなかったといったことが、まず最初の遅れの要因でございま
す。更に、勿論、消火作業や気分が悪くなった作業員の救護といったことも当然必要でございま
すけれども、そういったことに心が奪われた結果、更にその後の連絡・通報するチャンスがあっ
たにもかかわらず、 報告 するのを失念してし まっ たということでござ いま す。
3ページ目以降でございます。協力会社による作業の管理状況ということで、今回の防火に関
係いたします火気専任監視員等に対します教育はそれなりに実施されているといった状況でござ
いますけれども、ただ、火災発見時の初期動作に対する訓練が実施されていないといったことと
か、あるいは原子力におけます火災への対応の重要性について、強調した内容になっていないと
いう問題がございま した。
それから、協力会社の管理状況といったことで、これらについては、それぞれの手順の中でチ
ェックするということになってございますが、ただ、細かく見ますと、この緊急時におけます連
絡通報先が、仕様書と施工要領書で若干異なっているといったところの不整合がありますので、
こういったところに つい ての修正が必要では ない かと考えているとこ ろで ございます。
16
最後の4ページ目でございますが、所見ということで、今回の通報の遅れにつきましては、火
災発生時に取るべき基本的動作が確実になされなかった。それで、だれかが連絡したのだろうと
いった思い込みが生じて、その結果として通報・連絡が正確に実施されなかったといったことが
確認されております。
それから、救護に関心が集中したということもありましたので、なかなかその後の報告の機会
もあったにもかかわらず、十分対応できていなかったということもありました。こういった点は
大変遺憾であると考 えて いるところでございます 。
いずれにしましても、今後、事業者から原因究明、再発防止対策等についての報告が出てまい
りますので、保安院としては、厳格に審査した上で、必要な対策を事業者に求めていきたいと考
えているところでご ざい ます。
長くなりましたが、以 上でございます。
○班目委員長
どう もあ りがとうございました。
それでは、本件について御審議いただく前に、運営管理・設備健全性評価ワーキンググループ
の主査をされている関村 委員から一言よろし くお 願いいたします。
○関村委員
運営管理・設備健全性ワーキンググループでは、特に、設備健全性にかかわるサブ
ワーキンググループの方で、機器レベル、系統レベル、それからプラントレベルといった形で、
各号機ごとにその試験の実施状況を確認していく、こういうことを進めてきたわけでございまし
て、既に、前回のこの委員会では、7号機に関しまして機器レベルの健全性がおおむね終了段階
にある、こういう御報告をさせていただいたわけでございます。それで、このサブワーキングで
は、7号機だけではなくて、1号機から7号機、これら全体を通じてどのような進捗にあるのか、
こういうことも逐次把握した上で、特に、7号機につきましては、系統レベルの試験について計
画書がどのように適切なものになっているか、保安院としてそれを確認する、プロセスについて
も確認するというところ、それから点検の結果を御報告いただいて確認をする、こういうことを
進めてきたわけでご ざい ます。
系統レベルの試験につきましては多数の試験をする必要があるわけですが、まずは燃料を装荷
する前に、一たん、ここに資料としてお取りまとめいただいていますように取りまとめをしたと
いう段階でございまして、今現在は、燃料も装荷されて、次のレベルでまだ残っている系統試験
について確認してい ると いうことでございます。
その系統レベルの試験につきましては、先ほども山本検査課長からお話がありましたように、
重点的に検討する項目としては、もう既に保安院の方から、例えば4つ重点的なものがあるので
はないかと指示がなされています。設備の健全性、機器レベルの健全性がきちんと確認された上
で系統試験に進む、これは当然でございますし、系統試験をやるに当たっては、一連の動作のス
テップがきちんと確認できるか、このような試験をきちんとやるべきであるということ。更に、
関連する機器で異常が発生した、異常が確認された設備については、その補修等がしっかりとな
された段階で系統試験に進んでいるかどうか、これを確認するということ。それから、4番目が、
勿論、地震の影響を把握するわけでございますので、地震前のデータと系統試験の結果を比較す
17
る、こういうような重点項目をきちんと見ていただきながら系統試験を進めてきているというこ
とかと思っております。それで、次のステップとしてのプラントレベルの試験につきましても、
この考え方等につい て検 討を進めてきているとい うことでございます。
更に、運営管理の面につきましては、先日ワーキンググループを開催させていただきまして、
教訓と課題ということで幾つかの項目を抽出することができたわけでございますが、これについ
て、東京電力自体がどのようにそれを反映しているか、更に、NUCIA等を通じて、それを全
電力で共有していただいて、各電力会社がどのようにその教訓、課題を生かしているか、こうい
う点につきましても御確認させていただくというようなステップを踏ませていただいております。
更に、今回火災があったという件につきましても、先日のワーキンググループの場でこの内容
について報告されたところでございます。特に、7号機、6号機、2件の火災があったというこ
とですが、これについては、今、さまざまな試験、検査等で多数の作業が行われているわけで、
当然こういうことがあり得る可能性は高まっているんだと。だからこそ、ここで述べられている
ような原因と対策を徹底していただく、更に再発防止策については徹底していただくということ
を議論していたところでございますし、7号機のタービンの火災の結果につきましては、先ほど
説明がありましたように、設備健全性の評価をするという我々ワーキンググループで進めている
本来の目的に立ち返って、いま一度、この火災の影響も含めて健全性の評価をしたところでござ
います。
このようなことで、6号機の方の火災については、これはまだ原因と対策というところまで御
報告いただいておりませんが、これについても通報遅れ等の課題があるということですし、保安
院の方も直後に立入検査に入っていただいた、こういう内容でございますので、今後、ワーキン
ググループで、この 件に ついても審議をして いく ことになるのかなと思っ ております。
以上でございます。
○班目委員長
どう もあ りがとうございました。
それでは、ただいま御説明いただいた内容につきまして、御質問、御意見を受けたいと思いま
す。何でも結構でございますが、何かございますでしょうか。それでは、野村委員からお願いし
ます。
○野村委員
今 日 の 資 料 の 中 で 確 認 し た い こ と が あ り ま す 。 資 料 2 − 1 の 19ペ ー ジ で す が 、 こ こ
には検査をされて、その測定時間あるいは判定基準が示されていますが、前の他の2つの事例に
ついては、確認しましたとか、あるいは検査結果が出ておるんですが、この事例では結果が紹介
されていないのは何 か意 味があったということで しょうか。
○山本検査課長
資料を簡単に省略してしまいました。検査結果はこの判定基準を満たしている
ことを確認してございます。試験結果の数値は、この資料には明示しておりませんでしたので、
おわび申し上げます。詳細の資料は、また資料2−3にも書いているところでございますが、こ
こもまだちょっと数字が書いてございませんので、最終的に、この系統機能試験、残りの3項目
が全部終わりました段階で、最終報告という形で取りまとめを予定をしてございますが、その中
には、具体的な試験結果の概要も含めまして取りまとめさせていただきたいと考えてございます。
18
○班目委員長
よろ しゅ うございますか。御 注意 いただいてありがと うご ざいます。
では、続きまして 、北 村委員お願いします 。
○北村委員
2点お伺いします。1つは、資料2−1の方ですが、この中で、一番最後のページ
に新潟県技術委員会での議論の状況を要約していただいたのは、皆さんと認識を共有するために
も大変意味があったろうと思っております。それについては、私としてもありがたく思っており
ますが、若干論点が、1枚にまとめられたので簡略化し過ぎたかなと思っている部分もありまし
て、取り分け前半の7号機のみでいいのかという議論については、多分、この論点と、全部見て
からでないとわからないのではないかという論点が一つと、もともと冒頭に、早い時期に7号機
と1号機を並行してやるという話があって、それが変わっているのか変わっていないのかと。つ
まり、当初は7号機と1号機を両方見てから考えようと保安院さんも考えていたのではないだろ
うか。それがもし変わったのなら変わった、変わらないなら変わらないで、そこら辺はっきり説
明してくれという声が、多分、地域ではかなり強いように思っておりますので、この資料を今す
ぐどうしてくださいとは申し上げませんけれども、今後の御説明の際に考えていただければと思
っております。それ が1 点です。
もう一点は、話が全然違って、こちらの火災の方の話ですが、これも資料3−3の4ページ目、
検査所見というところの6∼7行目あたり、「フォローの機会があったにもかかわらず、現場の
関係者が本来実施すべき措置を失念していたことも確認され、このことは極めて遺憾であると考
える」というのは、事実としてそのとおりだと思うのですが、これをこのとおり見てしまうと、
つまり、その作業員たち関係者が誠によろしくないという、そのところにかなり焦点が当たって
しまうような気がいたします。本来は、ヒューマンファクターの基本的な考え方として、なぜそ
ういうことが起こったのだろうか、やはりふだんからの教育・訓練なのか、あるいはいろいろな
ガイドラインの決め方なのか、そこら辺についての配慮が多分足りなかったからこういうことが
起こったので、そのことの方が、極めて遺憾、なのです。そういうことを一言確認させていただ
きたいと思います。 そう いう理解でよろしゅうご ざいますか。
○班目委員長
よろ しく お願いします。
○山本検査課長
ありがとうございます。まず、火災の方でございますが、これは所見という形
でまとめてございますが、御指摘のとおり、まだ原因並びに再発防止対策が出てきておりません。
こういったことが起きた背景要因、あるいはその構造的な要因は一体何かといったことをきちん
と分析した上で対応していくことが必要でございますので、これはまだ立入検査の結果だけのこ
としか書いていないという面では、確かにそのとおりでございますが、私どもとしましては、御
指摘にありましたように、そういう背景、事情、構造的な要因、あるいはなぜこういうことが起
きたのかというのをきちんと見きわめた上で、必要な対策が講じられるかどうかを確認していき
たいと考えてござい ます。
それから、もう一つ、新潟県の技術委員会に関する御指摘でございます。御指摘のとおり、ま
だこれは要約しか書 いて ございませんので、 詳し い中身は書いてござ いま せん。
それで、1号機と7号機を先行してやるという話ではなかったのかという点についてでござい
19
ます。確かに、私どもの保安院のこの委員会の下にありますワーキングにおきまして、特に事業
者の方からは、1号機と7号機を先行して、特に応答解析が中心だったわけでありますが、それ
ぞれ炉型の違い、それから場所の違い等がありますので、1号機と7号機を先行した応答解析を
やるといったことの表明がありまして、実はその結果につきましては、その2回後ぐらいに、1
号と7号機の大まかな地震応答解析の結果が報告されまして、それぞれ場所とか号機の違いもあ
ったわけでありますが、結果的に見ますと、それぞれ基準値の中におおむね入っているといった
ような報告がなされ たと ころでございます。
確かに、この点についてはそういう報告がなされましたけれども、しからば、ではどういうこ
となのかといった評価が、私どもまだ十分できているわけではございません。したがいまして、
こういう、7号機は既に先行して大分評価が進んでございますが、1号機についても、先日のワ
ーキングでまた報告がなされているところでございますので、1号機についてもきちんと評価を
やっていきたいと考 えて いるところでございます 。
いずれにしましても、特定の号機だけを評価するものではありませんで、私どもとしては、各
号機、それぞれ進捗に応じた形での評価をきちんとやっていきたいと考えているところでござい
ます。
○北村委員
ありがとうございます。次の議題とも多分関係あると思うんですけれども、是非わ
かりやすい説明ということで、一段と御努力いただければ大変ありがたいと思います。よろしく
お願いいたします。
○班目委員長
あり がと うございました。
ほかに何か御発言 ござ いませんでしょうか。そ れでは、東嶋委員お 願い いたします。
○東嶋委員
資料3−3で3点お伺いしたいことがあるんですけれども、1つは、この協力企業の作業員の
方が簡易消火器を使用し云々とありますが、地震後に、名称はちょっと忘れましたが、自衛消防
団のようなものを東京電力さんでこの柏崎刈羽原子力発電所でつくられていると思いますが、そ
れの動きはどうだっ たの でしょうか。
それと、この東京電力さんの事例に限らず、現在、全国の発電所で耐震強化工事を行われてい
るところがあり、幾つか火災などが起こったと聞いております。そして、火災も防げないような
発電所でプルサーマルができるのかという、この委員会とはちょっと関係ありませんが、そうい
う御批判も受けているようですので、本来の放射線の影響という安全性にかかわることではあり
ませんが、この通報・連絡のことについて、やはりきちんと地元の信頼を得られるようにしてい
ただければと思いま す。
そして、3点目で、非常に瑣末なことで申し訳ないんですが、3−3の1ページの1の一番最
後の行に、「本事象による外部への放射能の影響はない」とありますが、新聞などで放射能の影
響はないとかと言いますが、新聞などでこういう言葉を使うのはしようがないかと思うのですが、
保安院さんの資料として「放射能の影響はない」という言葉は、きちんとした言葉に直された方
がいいかと思います 。
20
以上です。
○班目委員長
あり がと うございました。お 答え いただけますでしょ うか。
○山本検査課長
まず、初期消火の関係でございます。この7号、6号、いずれも火災自体が非
常に小さかったものですから、まずは現場にいた作業員の方が消火器などによってすぐに消し止
めが行われたということでございます。7号機に関しましては、通報が直ちに行われましたので、
柏崎刈羽原子力発電所では既に自衛消防隊が結成されておりますが、自衛消防隊は、特に7号機
の場合は、直ちに駆けつけまして、外で、現場で出動があるかどうか待機していたという状況で
ございます。
6号機は、通報が1時間遅れたということになりますので、1時間後の通報後に直ちに駆けつ
けたということでございますが、ただ、初期消火は、先ほど言いましたように、消火器などで既
に消し終えていたと ころ でございます。
2つ目の火災事故については、確かに耐震強化で、火器類を取り扱うようなケース、それから、
7号機の場合のように石油類という危険物を扱うケースがどうしても出てまいります。こうした
行為に当たりましては、火災を起こさないというのは当然基本でございますし、火災が起きるこ
とによって、地域の方々が大変不安に思われるケースも当然出てくるかと思います。そういう意
味では、各事象の要因とか原因はさまざまではございますが、こういう火災を起こさない体制、
事前の危険予知、それから必要な防護対策、こういったものがきちんと対応できるように徹底し
ていくことが当然必要になってくると思いますので、それぞれの事業者に応じて、それぞれの原
因分析、再発防止策を踏 まえた上での対策の 徹底 を指導していきたい と思 っております。
それから、最後の「放射能の影響はない」、大変唐突な書き方で申し訳ございません。これは
一般的には、私ども、よく事故トラブル関係のプレス発表をいたしますときに、放射線の影響が
あったのかどうかとよく問われることがあるものですから、こういったことの書き方をしており
ましたが、確かに今回の火災では直接関係ないものでございます。やや唐突感がありましたので、
もう少し前後関係が わか るような形での説明 ぶり に今後改めていきた いと考えております。
以上でございます。
○班目委員長
○東嶋委員
○班目委員長
○首藤委員
よろ しゅ うございますか。
はい、 いい です。
では 、首 藤委員、何かござい ます か。
私も今までの先生方と類似の点で幾つか申し上げたいことがございます。まず1つ
は、資料3−1、3−2、3−3で示されている火災の件ですが、ほかの先生方もおっしゃられ
るように、最近火災が多く続いていて非常に問題だと私も聞いておりまして、そういった環境の
中で、先ほど北村先生がおっしゃられたように、3−3の表現ぶりが、やはり個人に問題があっ
たような言い方になるのは非常に気をつけなければいけないと思いますので、そういった形にな
らないように是非細 心の 配慮をしていただきたい 。
併せまして、例えば原因等を究明するに当たって、よりいろいろな背景、側面を調べる必要が
あるかなと思っておりまして、例えば3−1で7号機のお話ですけれども、2ページの再発防止
21
対策の(2)のところに、従来は手ふきでやっていたのが、洗浄剤噴霧の作業に変わったという
ことがあって、これは多分、従来のやり方と変えた原因が、きっと何か理由があるはずでして、
そういったところをしっかり見ていくと、今後どんなことに気をつけたらいいのかということも
はっきりすると思いますので、そのようなことも注目していただきたいですし、あるいは3−3
の方で、その作業に当たられている方ですとか、火災の監視員の方々の教育等についても触れら
れていますけれども、恐らく、最近いろいろと起こっているのは、作業の量も増えていることは
勿論ですが、量が増えているということは、過去にそういった作業の経験が余り多くない方も入
られていることが想定されるわけでして、従来の教育訓練と、そういった特別な作業が多いとき
の教育訓練でどれだけに配慮がなされているかとか、そういったことも少し考えてみる必要があ
るかと思いますので、そのあたりについても詳しく検討していただいて、再発防止をしていただ
きたいと思います。
も う 一 つ が 、 こ の 資 料 2 − 1 で す け れ ど も 、 そ ち ら の 20ペ ー ジ 以 降 で 、 今 後 、 プ ラ ン ト 全 体 の
評価に進みますということが記載されておりまして、これは私の勘違いかもしれませんが、ここ
でプラントを起動してやっていきますということを書いているということは、要は燃料も入って
いて、発電しているのと似た状態に進んでいくという意味だろうと思います。これは、やはり、
特に地元の方々にとっては、「本当に動かすのね」ということが非常に大きなことだと思うので、
そちらについて地元の方々にどのように御説明等されているのか、そのような形で実際に動かし
ていくということに対しての御理解をどのように得ているのかについて質問させていただきます。
○班目委員長
では 、お 願いいたします。
○山本検査課長
まず、火災の関係でございます。御指摘のとおり、特定の作業をミスした方だ
けの責任に負わす、これは大変大きな問題がありまして、むしろその構造的な要因に立ち返って
再発防止対策を検討 する というのは、御指摘 のと おりだと思います。
ちなみに、7号機の関係につきましては、お手元に参考資料2という形で東京電力の報告書を
つ け さ せ て い た だ い て お り ま す 。 そ の 報 告 書 の 後 ろ か ら 2 枚 目 の 32ペ ー ジ の と こ ろ に 、 こ れ は 概
要だけでございますが、今回の7号機のタービン火災がなぜ起きたのかといったことの要因分析
をしていきまして、特にそういう組織、体制に立ち返って、どこが課題であったかといったこと
の分析をした上で、再発防止対策を検討したものでございます。したがいまして、御指摘のよう
に、特定の行為だけに着目するのではなくて、それの背景要因、あるいは組織面の体制要因、そ
ういったものに立ち返った検討が必要であるということは、御指摘のとおりだと思ってございま
す。
6号機については、原因分析はまだこれからでございますので、なぜ通報が遅れたのかといっ
たところについて、その背景要因、組織的な要因も含めて検討していきたいと考えているところ
でございます。
それから、プラント全体の評価についてのご指摘でございます。これについては、まだ系統単
位の試験の結果が出ておりませんので、次の段階に行けるかどうかという判断はこれからしてい
くことになってまいりますが、勿論、系統単位の評価はきちんと終えて、次の段階に行けるかど
22
うかという技術的な評価、本委員会あるいはサブワーキングでのきちんとした議論をしていただ
くのがまず大前提で ござ います。
一方で、私どもこの設備健全性の結果につきましては、それぞれ地元の説明会、これはほぼ毎
月1回程度行ってございますし、それから地元の議会に対しましてもいろいろ説明を行っている
ところでございます。御指摘のように、地元の理解を得ることは大変重要な点でございますので、
こういう一つの大きな節目がいずれ来ることになってまいりますので、それに当たりましては、
さまざまな方法によりまして地元の御理解が得られるような形で私どもも努力していきたいと考
えているところでご ざい ます。
○班目委員長
よろしゅうございますか。ほかに何か発言がございますでしょうか。では、品田
委員どうぞ。
○品田委員
今のお話で、動かすつもりなのかという話だったと思うんですが、地元のみんなは、
動かすつもりなんだろうと思っていると思いますね。私を筆頭にですね。ただ、動かしていいか
悪いか、安全がもう大前提で、発電にたえるプラントになっていますよ、いろいろなことが条件
としてクリアされています、その条件のクリアがなかったら、もう御免被りたいわけですよね。
今までいろいろな、例えば東京電力もしかりだし、規制当局も、IAEAはちょっと違うかもし
れないですけれども、いろいろな人が、いろいろな努力をしているのは、やはりもとの形に、と
いうのは、発電所ですから、発電するというところに戻っていきたいという努力が今日なされて
いることだと思いま す。
それと、ひっきりなしに住民説明会というのをやられていますけれども、バイアスといいます
か、みんなで何とかして頑張ってもとに戻そうというところが大事なんだと思うんですよ。何か
妙に、日本の国でトラウマのせいでしょうか、当たり前のことを言うとたたかれるみたいなとこ
ろがありまして、まだそれを申し上げる段階にないとかと言っていますけれども、ちらっと言う
と無礼だとかという話になる面白いやり取りが見えたりしますが、それが言えないところが何か
妙な、どうも奥歯に物が挟まったといいますか、そういったところがあるんだろうと私は思いま
す。
行け行けどんどんで、早く再開しろなんていうことを申し上げるつもりは決してなくて、やは
り条件がそろえば運転再開につながっていくというのが自然な流れだと地元のみんなは思ってい
ると思います。
○班目委員長
ありがとうございました。いずれにしろ系統試験が終わっていない段階でプラン
ト全体の試験について日程を議論することはできないと思いますので、ちょっとその辺だけ御理
解いただければと思います。是非そこに入る前には、もう一度この会合を開かせていただいて御
確認いただきたいと思っ ておりますので、よ ろし くお願いします。
ほかに何かござい ます でしょうか。よろし ゅう ございますか。
それでは、この設備健全性評価につきまして、今後の予定について事務局から御説明をよろし
くお願いいたします。
○山本検査課長
既に今御指摘いただいたところでございますが、設備健全性、特に7号機につ
23
きましては、系統単位の試験がまだ終了してございません。したがいまして、まずこの系統単位
の試験を終了していくことが大変重要でございます。その前には、先ほど、火災事故がありまし
たので、タービンの復旧作業が今、事業者によって実施されております。これにはまだしばらく
時間がかかりますので、まず復旧いたしました上で、残りましたタービン関係の3項目の系統試
験を実施する。その結果を踏まえた上で、系統試験の全体的な評価をしていくということになっ
てまいります。その上でプラント試験に移行できるかどうかといったことを本審議会でまた御議
論いただくといったことになってくるかと思います。したがいまして、そういう意味では、いつ
プラント試験に入れるかどうかという日程につきましては、現在のところ全く決まっていないと
いったところが正直なところでございますので、私ども保安院としましては、一つひとつこうい
う評価と、それから先ほど御指摘いただきました地元の方々への説明、説明会等々ございますけ
れども、そういった こと にこれから順次取り 組ん でいきたいといった とこ ろでございます。
以上でございます。
○班目委員長
あり がと うございました。
それでは、設備健全性につきましては、現在7号機が先行して進んでございますけれども、こ
れはもうほかの号機についても、7号機と同等にしっかりとした評価をしてくださいますように、
保安院にはお願いしたいと。それから、特に説明をわかりやすくしていくということについても
御注意いただきたい と思 います。
それから、7号機及び6号機で起こりました火災については、本日もいろいろと委員の皆様か
ら御意見をいただいていますけれども、再発防止に向けてしっかりとした取組みをお願いしたい
と思いますので、よ ろし くお願いいたします。
それでは、議題4に移らせていただきたいと思います。議題4は、資料4「新潟県中越沖地震
を受けた柏崎刈羽原子力発電所に係る原子力安全・保安院の対応(中間報告)(案)」でござい
ます。この資料でございますけれども、前回の委員会におきまして一度概要を御説明してござい
ます。しかしながら、その後の進捗状況を踏まえまして加筆、訂正がされております。それから
もう一つ、資料5が「IAEA第3回(第2次フォローアップ)調査結果概要」でございます。
この資料4、5の両 方に ついて、続けて御説 明を 事務局からよろしく お願 いいたします。
○大村基盤課長
それでは、資料4でございますが、1枚めくっていただきまして、目次がござ
います。全体構成ですけれども、まず、「はじめに」というのがございます。それから、第一章
「検討の背景」がございまして、ここでは何が今回の地震で問題だったのか、それに対してどの
ように対応しようとしたのかについて背景を説明しております。第二章ということで「柏崎刈羽
原子力発電所の健全性の評価」、これは、建屋、構築物、設備・機器、これが健全であったかど
うかの評価について記載しております。第三章「新しい基準地震動の評価等」。今回の地震では、
設計時の想定した揺れを大きく上回っておるということでございまして、新しい基準地震動の設
定と評価について記載いたしております。第四章に「地震前後の施設の運営管理の評価」という
ことで、今回の地震における運営管理の観点からこれを評価するということで記載いたしており
ます。第五章が「事業者の自衛消防体制の強化」。変圧器の火災等、うまく対応できなかったと
24
いうようなこともありましたので、これを整理いたしております。それから、第六章で「情報連
絡・提供の改善」。第五章、第六章につきましては、自衛消防、それから情報連絡・提供に関す
るワーキンググループというのがこの委員会の下に設けられておりましたけれども、その報告書
をベースに書いてあるものでございます。それから、第七章としまして「地元への対応」、第八
章としまして「国際 連携 」という形で全体を まと めてございます。
それでは、3ページ目の「はじめに」のところでございますが、まず、前回もちょっと御説明
いたしましたこの報告書の目的、意図でございますけれども、この半分より少し下のところに書
いてありますように、個々の報告書がまとまってきている。今申し上げました自衛消防とか情報
連絡・情報提供に関するワーキングの報告を初めとしまして、保安院の報告書がかなりの数出て
おります。そういうことで、個々の報告書はまとまってきているんですけれども、この中越沖地
震への対応について、全体像は、それから全貌を見るというのはなかなか難しいわけでございま
して、しかもそれぞれが内容的にも非常に技術的なところが多いということで、専門家でもない
方も含めまして、より多くの方々に中越沖地震を通じた保安院の取組みをしていただこうという
ことでこの報告書をまとめるということでございます。ただ、今説明がございましたように、点
検とか評価、確認作業等、まだまだいろいろ続いております。したがいまして、今までの時点で
集約をして中間報告 とし て取りまとめようという 意図でございます。
4ページ目に「検討の背景」ということで、先ほど申しましたように、今回何が問題だったの
か、それに対してどのように対応しようとしてきたのかということについて記載いたしておりま
す。今回、設計時の想定したものを非常に大きく上回る揺れがあったということでございますが、
運転中、それから起動中であった原子炉につきまして、すべて安全に自動停止したということで、
止める・冷やす・閉じこめるという基本的な安全機能は確保されておるわけでございますが、し
かしながら、幾つか の問 題が発生したということ でございます。
(1)に設計時の想定を大きく超える揺れの発生ということで、例えば、1号機の原子炉建屋
に お き ま し て は 、 設 計 時に 想 定 さ れ た 最 大 加 速 度、 こ れ は 273ガ ル と い う もの だ っ た わ け で す が 、
こ れ に 対 し て 最 大 加 速 度 680ガ ル と い う こ と で 、 これ を 大 幅 に 上 回 る 揺 れ を記 録 し た と い う よ う な
ことがございます。
4ページ目の少し下の方に参りまして、そういう大きな揺れを経験いたしますと、このような
施設の健全性に問題は生じていないのかということで、これを確認していく必要があるというこ
と。それから、この揺れが設計で想定した揺れを大きく上回った要因は一体何なのかということ
を把握する。それを踏まえて、今後の耐震安全性の確認をするといった一連の耐震の安全性に関
する確認が必要にな って きたということでござい ます。
5ページ目に参りまして、(2)初動体制の不備。これも累次言っておりますように、変圧器
の火災への対応の遅れ、3号機の変圧器の火災がございました。この安全機能に直接関連するも
のではなかったということではございますけれども、かなり長い時間にわたって燃え続けたとい
うことで、非常に信頼を損なう結果になってきたわけでございます。それから、この火災により
まして、事業者の自衛の消防体制、初期消火要員の訓練、消火設備の耐震性など、幾つかのとこ
25
ろで不十分であると いう ことが明らかになってき たわけでございます。
それから、6ページの②にありますように微量の放射能漏れということで、今回の地震の揺れ
で、使用済み燃料のプール水が非常に大きく揺れまして、これが溢れた。その一部が外部に漏出
したというような事案がございました。それから、7号機におきましては、排気筒から微量の放
射性物質が外部に放 出さ れたというような事 案も あったということで ござ います。
あと、7ページ目に③情報連絡・通報の不備。これが、情報連絡・通報がなかなかうまくいか
なかったということもございまして、今、以上のような初動態勢に関するさまざま問題があった
ということでござい ます。
それから、(3)にありますように、地震直後に確認された設備の損傷等についての対応とい
う こ と で 、 地 震 発 生 後 から 、 全 体 で 3,000件 以 上 の 不 適 合 が 確 認 さ れ て い る。 こ の う ち の 安 全 上 認
められるものが88件 とい うことでございました。
それから、8ページ目に地震直後の保安院の対応ということで、(1)には発生直後の保安検
査官事務所の対応に つい て記載いたしております 。
(2)には経済産業大臣及び保安院長から事業者への指示ということで、まず、保安院長から
は、データの分析、原因の究明、耐震安全性の確認等についての指示、経済産業大臣からは、消
火活動の遅れの原因究明、今後の消火活動のあり方、それから放射性物質の漏えいに係る報告が
遅れた原因、再発防 止策 等、幾つかの指示を すぐ 行ってございます。
現地への要員派遣ということで、8ページの一番下のところには、その次の日以降、現地に対
してどういう派遣を 行っ たのかということが書い てございます。
9ページに(4)情報発信とございますが、やはり保安院の情報発信という観点で見ましても、
これも十分ではなか った という反省がござい まし て、それについて記 載い たしております。
同じく9ページの3.に、以上のような問題点を踏まえた検討課題ということで、整理いたし
ますと次のようなことでございました。まず、設計時の想定を大幅に超える地震に見舞われたと
いうようなこと。それから、変圧器の火災に対して、消火の関係の設備が機能しなかった。それ
から、情報連絡・提供に問題があった。それから、微量の放射線漏れが起きた。こういう一連の
事 案 が ご ざ い ま し て 、 10ペ ー ジ 目 に 、 こ う い う も の を 整 理 い た し ま す と 大 き く 3 つ の 検 討 課 題 が
あるであろうということで、今回の地震から得られる知見を踏まえた耐震安全性の評価、地震発
生時における原子炉の運営管理の状況と設備の健全性及び今後の対応、それから、地震発生時の
事業者による自衛消防体制、情報連絡体制、それから地元に対する情報提供のあり方、こういっ
た3つの課題にまと めて 検討を開始したとい うこ とでございます。
10ペ ー ジ 目 の 4 . 検 討 の 進 め 方 と ご ざ い ま す が 、 ( 1 ) の 基 本 方 針 の と こ ろ は 、 保 安 院 の 取 組
みの方針について記 載い たしております。
11ペ ー ジ で す け れ ど も 、 ( 2 ) に 、 こ れ は 検 討 の 体 制 に つ い て 記 載 い た し て お り ま す が 、 ま ず 、
調査・対策委員会、本委員会の設置についてということで、あと、保安部会の中に既にございま
す耐震構造設計小委員会、それから原子力防災小委員会、こういったものと連携しながら全体と
して審議を進めてい こう 、こういう体制が構 築さ れたわけでございま す。
26
そ れ か ら 、 12ペ ー ジ に 今 ま で の 報 告 が 出 さ れ て い る も の を 列 挙 い た し て お り ま す 。 保 安 院 に よ
る報告が幾つか、それから調査・対策委員会による報告ということで、特に自衛消防、それから
情報連絡・提供に関 する ワーキンググループの報 告書という形で報告 をい ただいております。
( 3 ) に 原 子 力 安 全 委 員 会 と の 関 係 と い う こ と で 、 昨 年 11月 に は 原 子 力 安 全 委 員 会 の 方 か ら 、
設 置 法 の 第 25条 に 基 づ き ま し て の 報 告 を 求 め ら れ て ご ざ い ま す 。 保 安 院 は こ の 指 示 に 対 し ま し て
順 次 報 告 を 行 っ て お る と い う こ と 。 そ れ か ら 、 原 子 力 安 全 委 員 会 で は 、 昨 年 12月 に 耐 震 安 全 性 評
価特別委員会というものを設置して、本件を審議しようという体制を整えてございます。これに
対しましても、保安 院か ら随時報告をしてお ると いう状況にございま す。
(4)に地元に対する広報・広聴、この取組み方針について記載いたしておりますが、この詳
細につきましては7 章に 記載をまとめてしてござ います。
そ れ か ら 、 13ペ ー ジ 目 に 国 際 連 携 と い う こ と で 、 I A E A の 調 査 団 、 そ れ か ら ワ ー ク シ ョ ッ プ
等、数々の活動をなされておりますが、これにつきましても詳細は八章で記載するということで
ございます。
以上、第一章におきましては、事象の発生から、それへの対応、どういう課題が設定されたの
かというようなこと の検 討の背景につきまして記 載いたしております。
そ れ か ら 、 15ペ ー ジ 目 以 降 は 第 二 章 で ご ざ い ま し て 、 ま ず 、 こ の 発 電 所 の 健 全 性 の 評 価 と い う
ことで、まず、施設の健全性評価の考え方ですけれども、何遍も申し上げますように、今回の地
震動が、もともとの基準の地震動を上回るものであったということで、想定外の大きな力がかか
った可能性があるということでございます。そうなりますと、目に見えたものは当然のことなが
ら、目に見えないものでも、何か損傷がないかどうかというようなことも含めて、これを厳しく
評価することが必要 にな ったわけでございます。
ただ、こういう地震後の健全性評価については、今まで余り参考となるような事例がなかった
ということで、今回、いろいろな審議会等の先生方も含めまして専門家の意見を踏まえながら検
討を行ってきたということで、基本的には個別の設備・機器の詳細な点検を基本としつつ、あと
は解析を組み合わせることによりまして健全性を評価するという方針で臨んできたわけでござい
ます。
具 体 的 に は 、 15ペ ー ジ の 下 の 方 に 健 全 性 評 価 方 法 に つ い て の 指 示 と い う こ と で 、 昨 年 11月 、 事
業者に対しましては点検・評価の作成についてということで具体的な方針の指示を行ってござい
ます。
16ペ ー ジ 目 に 、 こ う い う 指 示 を 受 け ま し て 、 東 京 電 力 の 方 か ら 、 7 号 機 に つ き ま し て は 昨 年 11
月、健全性評価に関します点検・評価計画というものが提出されております。これを確認して、
計画を妥当という形 で判 断いたしました。
3.に点検作業等の保安院による確認とございますが、その点検が適切に行われているのかど
うかということについてまずは確認する必要があるということで、立入検査などを通じまして確
認を行うということ にし たわけでございます。
16ペ ー ジ の 一 番 下 の 方 に あ り ま す よ う に 、 東 京 電 力 で 地 震 応 答 の 解 析 が 行 わ れ る わ け で す け れ
27
ども、これに対しては、原子力安全基盤機構(JNES)が独自のコードを持っておりまして、
これによる解析を併 せて 行って、妥当性も検 証す るという方策を取っ たわ けでございます。
17ペ ー ジ 目 の 4 . に 保 安 院 に よ る 7 号 機 に 関 す る 確 認 結 果 に つ い て と い う こ と で 、 こ こ は 大 き
く設備・機器と建物 ・構 築物と2つに分けて 記載 いたしております。
ま ず 、 ( 1 ) の 設 備 ・機 器 の 点 検 に つ き ま し ては 、 点 検 対 象 が 約 1,360機 器 あ る と い う こ と で 、
それの範囲の確認、それから、点検手法につきましては、それぞれの機器が種々ございますので、
そ れ に 応 じ た 点 検 手 法 が さ れ て い る か ど う か と い う よ う な こ と の 確 認 が さ れ て お り ま す 。 18ペ ー
ジに、点検作業につきましては、これは、実際の作業がプラントメーカー等の協力企業で行われ
るということもございまして、それがしっかりと管理されているのかどうかということにつきま
して、保安検査など を通 じて確認いたしてござい ます。
点検作業の手順につきましては、これも累次説明がございましたが、まずは個別の機器単位で
の点検が行われる。それが済みますと、機器の組み合わせによるシステム単位、これは系統試験
ということですが、それに移るということでございまして、個別機器単位につきましては、昨年
11月 か ら 今 年 の 9 月 ま で 、 も う 既 に 7 号 機 に つ い て は 実 施 さ れ た と い う こ と で ご ざ い ま す 。 こ の
点検作業につきましても、保安院の方から立入検査等で、これが行われているかどうかというこ
とを確認いたしてご ざい ます。
その結果ですけれども、ボルトの緩み、パッキンの劣化等、幾つかの不適合がございますけれ
ども、こういう不適合は直ちに安全上問題になるものではない、それからその対応も適切に取ら
れているというよう なこ とも確認されております 。
19ページに、それ 以降 、今年の10月以降、 系統 試験ということで、 これ が行われております。
そ れ か ら 、 19ペ ー ジ の 一 番 下 の 方 に 、 6 号 機 と 7 号 機 で 低 圧 タ ー ビ ン の 分 解 点 検 が 行 わ れ て お
りましたところ、一部に羽根の部分等にひび割れ等があることが確認されました。ただ、これは
地震によるものでは ない と推定されてございます 。
20ペ ー ジ 以 降 、 建 物 ・ 構 築 物 の 点 検 に つ い て と い う こ と で 、 対 象 は 、 原 子 炉 建 屋 、 タ ー ビ ン 、
それから排気筒、非常用取水路等でございますけれども、点検の結果、構造上問題となるような
ものはないということで評価が出てございます。あと、その点検作業につきましても、専門家の
意見を聴きつつ、立 入検 査により確認すると いう ことでございました。
20ページの一番下 の方 に、地震応答解析が 実施 されているわけでご ざい ます。
21ペ ー ジ に 建 物 ・ 構 築 物 、 そ れ か ら 設 備 ・ 機 器 に つ き ま し て 、 東 京 電 力 の 解 析 に つ き ま し て J
NESが独自のモデ ルで チェックをするというこ とで記載いたしてご ざい ます。
あ と 、 23ペ ー ジ 目 以 降 に は 5 . 評 価 の ま と め と い う こ と で 、 今 申 し 上 げ ま し た こ と を 整 理 し て
書いてございます。建物・構築物、設備・機器の点検、解析に特に問題はなかったこと、それか
ら、その実施状況に つき まして、保安院の方 でし っかり確認したとい うこ とでございます。
そ れ か ら 、 24ペ ー ジ 目 に 原 子 力 安 全 委 員 会 の 対 応 と い う こ と で 、 申 し 上 げ ま し た よ う に 、 原 子
力安全委員会に対しまして、進捗状況につきまして随時報告を行っておるということでございま
す。
28
7.に今後の取組みということで、今後、系統単位の評価が終わりますとプラント全体の評価
を 行 う と い う こ と で 、 25ペ ー ジ 目 の 下 の 方 に あ り ま す よ う に 、 系 統 試 験 は タ ー ビ ン 関 係 の 3 つ の
試験項目を残して終了しておるということで、プラント全体の機能試験につきましては、計画案
が示されておりまし て、 現在評価中というこ とで ございます。
27ペ ー ジ 目 以 降 、 第 三 章 と い う こ と で 「 新 し い 基 準 地 震 動 の 評 価 等 」 で ご ざ い ま す が 、 今 回 、
どうしてこういう非常に大きな地震動が生じたのかということで、今回得られた知見を反映いた
しまして新たな基準地震動を策定することになります。新しい基準地震動の策定につきましては、
安 全 委 員 会 の 耐 震 設 計 審 査 指 針 、 こ れ は 平 成 18年 に 改 訂 さ れ て お り ま す け れ ど も 、 こ れ に 従 っ て
行 う と い う こ と で 、 28ペ ー ジ 目 に 、 想 定 を 超 え る 大 き な 揺 れ が 生 じ た 要 因 と い う こ と で 、 こ れ は
今日説明があったとおりでございます。非常に大きな地震が起こった原因につきましては、地震
の特性、それから敷地周辺の地下の構造特性に着目した検討を行って、その要因を推定したとい
うことで、それが28ペー ジ目の①、②あたり にず っと書いてございま す。
30ペ ー ジ 目 以 降 に つ き ま し て は 、 3 . 新 た な 基 準 地 震 動 の 策 定 評 価 の 進 め 方 と い う こ と で 、 こ
れも今日もう既に説明がありました。敷地周辺の断層について調査・評価を行うということで、
そ れ に 基 づ い て 新 た な 基 準 地 震 動 を 策 定 す る と い う こ と で 、 31ペ ー ジ 目 に 4 . 活 断 層 評 価 の 結 果
というものが書いて ござ います。先ほどの説 明と 重複しますので、こ れも 省略いたします。
33ペ ー ジ 目 以 降 、 5 . 新 し い 基 準 地 震 動 の 評 価 と い う と で 、 実 際 は 発 電 所 の 敷 地 に ど の よ う な
地 震 動 を も た ら す の か と い う こ と に な り ま す け れ ど も 、 こ こ に つ き ま し て は 、 33ペ ー ジ の 一 番 下
のあたりからですが、「上記基準地震動に対応する各号機原子炉建屋基礎版上での揺れは、1∼
4号機側で704∼845ガル 、5∼7号機側で606∼738ガル」となってござ いま す。
そ れ か ら 、 34ペ ー ジ に 6 . 新 し い 基 準 地 震 動 に 基 づ く 耐 震 安 全 性 の 評 価 等 と い う こ と で 、 今 、
新しい設定がされた基準地震動に対しまして、実際の施設が耐えられるかどうかということでこ
れの評価が行われてございます。東京電力からは、7号機につきまして評価結果が出ておりまし
て、これに対しまして、今現在整理されておるということでございます。併せて、東京電力で
1,000ガルを設定して 補強 工事もされているという 状況にございます。
37ペ ー ジ に 耐 震 安 全 性 に 係 る 信 頼 性 の 一 層 の 向 上 を 図 る た め の 今 後 の 取 組 み に つ い て と い う こ
とで、これは先ほどの議題の一番最初にありました今後の新たな知見の反映等、そういう新たな
動きの取組みをして おり ます。
次 に 、 40ペ ー ジ の 第 四 章 で す け れ ど も 、 「 地 震 前 後 の 施 設 の 運 営 管 理 の 評 価 」 と い う こ と で す
が 、 こ れ は 昨 年 12月 に 取 り ま と め た 報 告 の 要 約 と い う こ と で ご ざ い ま す の で 、 こ こ は 省 略 い た し
ます。基本的には、止める・冷やす・閉じこめる等、あと電源の確保等についての評価が行われ
てございます。
あ と 、 43ペ ー ジ 目 以 降 、 不 適 合 事 象 へ の 対 応 の 評 価 。 幾 つ か の 不 適 合 事 象 に つ い て の 原 因 分 析
等、これも既に報告 があ ったものでございます。
49ペ ー ジ か ら 第 五 章 「 事 業 者 の 自 衛 消 防 体 制 の 強 化 」 。 こ れ は 、 基 本 的 に は こ の 過 去 の ワ ー キ
ンググループの報告 書の 要約という形で整理 いた してございます。
29
50ペ ー ジ に は 関 係 規 則 等 の 整 備 と い う こ と で 、 こ の 報 告 を 受 け ま し て 保 安 院 の 方 で ど う い っ た
措置がなされてきたのかということで、規則等の改正、基準の充実等、幾つかのものがございま
す。
そ れ か ら 、 53ペ ー ジ 目 以 降 、 第 六 章 「 情 報 連 絡 ・ 提 供 の 改 善 」 、 こ れ も 同 様 の ワ ー キ ン グ グ ル
ープの報告をもとに 記載 いたしています。
59ペ ー ジ 、 「 地 元 へ の 対 応 」 と い う こ と で ご ざ い ま す け れ ど も 、 こ こ は 住 民 説 明 会 、 そ れ か ら
地元自治体等での説明、新聞折込チラシの配布。今日も一部事例を出してございますけれども、
それからあと地域住 民の 会への参加等、広報 に努 めておるということ を書 いてございます。
一 番 最 後 、 61ペ ー ジ 、 「 国 際 連 携 」 で す け れ ど も 、 こ れ は 、 昨 年 8 月 か ら 始 ま り ま し て 都 合 3
回の調査が行われて ござ います。
あ と 、 63ペ ー ジ に 国 際 ワ ー ク シ ョ ッ プ と い う こ と で 、 今 年 の 6 月 に 開 催 さ れ た も の に つ き ま し
て、少し細かいです が、 内容を記載いたして ござ います。
以上、中間報告の 内容 でございます。
では、引き続きま して 国際の方の説明をさ せて いただきます。
○森田国際室長
国 際室 長の森田でございます。
資料5につきまして御説明させていただきます。これは、「柏崎刈羽原子力発電所へのIAE
A第3回調査について」でございます。第2次フォローアップで、調査としては3回目というこ
とでございます。
12月 1 日 ∼ 5 日 ま で の 1 週 間 、 I A E A の 3 回 目 の 調 査 を 受 け 入 れ ま し た 。 そ の 中 で 3 日 ∼ 4
日にかけましては、 柏崎 刈羽の現地の方にも 赴い ていただきました。
調査の目的でございますが、これは、IAEAが日本政府等との議論や発電所の現場調査を行
うことにより、これから得られる教訓を抽出・整理し、国際社会に発信・共有することを目的と
するということでご ざい ます。
今回のミッションメンバーは、ゴドイさんという方が団長で、その他、アメリカやイギリス、
フ ラ ン ス 等 、 欧 米 の 耐 震 分 野 な ど の 専 門 家 か ら 成 り ま す 10名 の ミ ッ シ ョ ン を 受 け 入 れ て ご ざ い ま
す。
具体的な検討項目でございますが、1つ目に、発電所の機器・建屋の点検など健全性の確認、
2つ目に、敷地周辺の活断層評価や基準地震動評価など耐震安全性の評価ということを検討項目
としていただきまし た。
結果概要でございますが、1枚めくっていただきまして、これは、正式には明年に発表されま
すが、まず、このミッションが終了した時点での団長のゴドイさんからのコメントをここでお話
しさせていただきま す。
2つ目の・ですけれども、柏崎刈羽原子力発電所では、耐震補強工事が大変進んでいることを
確認した。また、基準地震動は非常に安全サイドに立って評価されていたというコメントがなさ
れております。その次に、ミッションの目的は、今回の地震から得られる教訓を国際的に発信・
共有することであるが、日本側の十分な協力が得られ、また透明性の高いプロセスが採られてい
30
たと確信できるというコメントがございました。そして、IAEAからのコメント、質問の一つ
一つに対して、保安院、東京電力にはすべて適切に答えてもらったというコメントがございまし
た。
今後の予定でございますが、ミッションのレポートは明年1月にIAEAから原子力安全・保
安院に提出されます。また、同時にIAEAとしてもウェブページで公開する予定であると聞い
ております。また、IAEAとしては、今後とも協力していくとともに、今回のミッションで得
られた知見をIAEAの耐震安全基準の策定活動、それからIAEAに国際耐震センターという
ものが本年設立されておるのですけれども、こういった活動などに生かしていく予定であると聞
いてございます。
3ページ目、4ページ目に、このときのIAEAのプレスリリースを添付してございますが、
説明は割愛させてい ただ きます。
以上です。
○班目委員長
あり がと うございました。
以上、資料4、資料5につきまして、ただいま御説明いただいたわけでございますけれども、
これに対する御意見、御質問等をいただきたいと思います。何かございますでしょうか。それで
は、どうぞ、品田委 員お 願いします。
○品田委員
中間報告ですけれども、専門的な記載については、専門家のそれぞれ皆さんの意見
もあろうかと思いますが、これをここまでやってきましたということを読む人に知らせたいとい
う気持ちが非常によく出ている、よくできた中間報告だったと思います。最初のころといいます
か 、 こ う い う も の は 大 体 100人 の う ち 1 人 ぐ ら い しか 読 ま な い ん で す が 、 これ だ と 20人 ぐ ら い の 人
が読むのではないかと思いました。モノローグからダイアローグという、北村先生の御専門であ
りますが、そういう血が流れ始めたなと、私はすごく喜んでこれを全部読ませてもらいました。
これからもそういう姿勢を貫いていくからこそ、やはりいろいろな人とのコミュニケーションが
うまく成立して、い ろい ろな問題を解決でき ると 思いますので、評価 した いと思います。
○班目委員長
○東嶋委員
あり がと うございます。それ では 、東嶋委員、次に纐 纈委 員でお願いします。
今、大勢の方に読んでいただけるようなものになったとお褒めの言葉があったので、
あ え て 申 し 上 げ ま す け れ ど も 、 例 え ば 6 ペ ー ジ や 10ペ ー ジ な ど に 、 先 ほ ど 私 、 資 料 3 − 3 で も 申
し 上 げ た 点 な ん で す が 、 外 部 へ の 放 射 能 の 影 響 は な い と い う こ と で 、 こ の 6 ペ ー ジ と 10ペ ー ジ で
も「微量の放射能漏れ」という単語がありますが、正確な表現を迅速に、わかりやすくお伝えし
ましょうと言っている報告書なのにもかかわらず、どうして「放射能漏れ」という言葉を使うの
か御説明ください。きちんと言葉を定義されて、きちんとした表現を出されることが誤解を解消
していく第一歩では ない かと思うんですが、 その 理由を教えてくださ い。
○班目委員長
お答 えい ただけますか。
○山本検査課長
先ほどの御指摘もあった点でございますので、「放射能漏れ」というのは確か
に正確ではない表現だと思います。実際には、放射性物質が微量に含まれた水あるいは空気が出
ておりますので、そ うい うより正確な表現を 考え たいと思っておりま す。
31
○東嶋委員
これは一見ささいなことのように思えるんですが、新聞報道なども含めて、「放射
能漏れ」と書いたことによって、私自身、今回の地震が起こった後、全国の方々にいろいろこの
影響について御説明するときに、やはり放射能というのはどういうことなのか、放射性物質がど
ういうことか、放射線はどういうものかから御説明しないとわかっていただけないのですが、保
安院が「放射能漏れ」なんていう言葉を使ったら本当にごちゃごちゃになってしまうので、きち
んとそのことを定義され、なおかつ、どのように伝えられるかというのをよく踏まえて表現なさ
っていただきたいと、こ れは本当に心から御 要請 申し上げます。お願 いい たします。
○班目委員長
よろ しゅ うございますか。
それでは、続きま して 纐纈委員。
○纐纈委員
私の関 係し ている三章に関して 意見 を述べさせていただ きま す。
基本的には、今日御紹介があった資料1−1と資料1−2に沿って書かれていらっしゃって、
しかも、先ほど品田委員がおっしゃったように、わかりやすく書かれていると思いますが、ちょ
っ と や り 過 ぎ た 点 、 気 が つ い た の が 1 カ 所 、 28ペ ー ジ の 一 番 下 の ② の と こ ろ 及 び 29ペ ー ジ の ポ ン
チ絵、これは、ここまで書き過ぎるのは、そこまで分析が進んでおりませんので、ここまで書く
のは正しくないと思います。ですので、例えば資料1−1のスライドの9に書かれているような
記述に沿って正しい 表現 にしていただきたいと思 います。
○班目委員長
それ では 、これは御対応よろ しく お願いいたします。
続いて長辻委員お 願い いたします。
○長辻委員
この中間報告、非常によくできていると私も思います。ただ、これがここにも書か
れているように、目的が、「専門家でない方も含め、より多くの方々に」という、全体像をここ
で一つまとまって独立した形で今回の地震とその被害、それからその対策という、これが読み取
れる形であるのが一番いいと思うんですけれども、必ずしも、もう少しきめ細かくやっていただ
いた方がいいと思う のは 、読みにくい部分も ある わけです。
例 え ば 、 一 番 基 本 的 な 7 月 16日 に 発 生 し た 、 何 時 に 発 生 し た か 、 こ れ を つ か も う と 思 う と 読 み
進まないといけないんですね。8ページに、上から4行目ぐらいのところに、「地震発生から約
30分 後 の 10時 40分 頃 」 と な る と 、 こ れ を 引 き 算 し て 、 「 そ う か 、 10時 10分 ご ろ か 」 と な る ん で す
ね 。 そ し て 、 次 の 9 ペ ー ジ の 上 か ら 3 行 目 に 行 く と 、 よ う や く こ こ で 「 10時 13分 」 と 出 て く る ん
で す よ 。 こ ん な も の は 、 一 番 最 初 に 、 冒 頭 に 書 い て お く べ き な ん で す ね 。 こ の 10時 13分 と い う の
が 、 こ れ を 読 ん で い て も 、 例 え ば 10時 40分 と い う の が 午 前 か 午 後 か よ く わ か ら な い と い う の が あ
る ん で す 。 こ れ は 24時 制 で や ら れ る つ も り か も し れ な い け れ ど も 、 8 ペ ー ジ を 見 る と 「 翌 17日 の
午前4時ごろ」と、ここには「午前」と書いている。こういう細かいところをやっていただけれ
ば非常に読みやすくなるんです。あともう一つの頑張りなので、よろしくお願いしたいと思いま
す。
例えば、あと「JNES」という言葉が突然出てくるような節もあったと思うし。それで丸括
弧がついている部分もあるんですよ。だから、それはやはり初出のところに持っていくとか、サ
ブワーキンググルー プの「SWG」というの もい きなり出てくる部分 があ るし。
32
そ れ か ら あ と 、 難 し い な と 思 わ れ る 表 現 で 、 例 え ば 、 17ペ ー ジ で す け れ ど も 、 2 行 目 の 「 独 自
の コ ー ド に よ る 解 析 」 と い う 、 こ れ は も う 少 し 、 21ペ ー ジ の 方 に あ る 、 例 え ば 、 「 独 自 に 開 発 し
た解析プログラム」とか「独自のモデル」とか、このことを意味しておられるんだと思うんです
が 、 最 初 に 出 て く る の が 17ペ ー ジ の 「 独 自 の コ ー ド に よ る 解 析 」 な ん で す よ ね 。 こ れ な ん か も 非
常に読みにくい、そ うい うことがあると思う んで すね。
あと、細かいところで、ちょっと意味を取りかねるところがあるのでお尋ねしたいのですが、
42ペ ー ジ を 見 て い た だ け ま す か 。 42ペ ー ジ の ③ 「 閉 じ こ め る 」 安 全 機 能 か ら 11行 ぐ ら い 下 の と こ
ろに「それ以外の除く原子炉建屋内の各エリアにおいては」、これは何かの誤植ですよね。「そ
れ以外の除く原子炉建屋内の各エリアにおいては、放射線モニタによる測定値の上昇がないこと
を確認した。」、ちょっとこれはよくわからない。多分、単なる単純な誤植だろうと思うんです
け れ ど も 、 こ れ が 気 に な っ た の と 、 あ と 気 に な っ た 部 分 が 、 30ペ ー ジ の 上 か ら 2 行 目 で 、 「 今 回
の中越沖地震は、設計時には確認されていなかった活断層により発生したもの」、これは「確認
されていなかった」という表現でいいんですか、それとも「評価されていなかった」という、ど
ちらがいいんですかね。この中では「評価」と「確認」ということがかなり微妙な関係であった
と思うんですが、これは評価がいいのか確認がいいのか、ここはちょっとよくわからないのがあ
るんです。
あ と 、 55ペ ー ジ を 見 て い た だ く と 、 ( 2 ) で 表 現 の 工 夫 等 に よ る 分 か り や す い 情 報 提 供 、 こ こ
のところで、おしまいの方に「情報の受取手に対して情報提供を行う努力が必要である」という
部分があるんですが、この受取手というのは、この全体の文章を読むと、「誇大な被害を想像さ
せる情報や事実とは異なると考えられる情報が流れた際には」という条件がついていて、そこの
ところで来る受取手、この「受取手」という言葉が、今回の場合ですと、具体的に言うと外国の
通信社のことを意味しているのか、受け取って、誤った情報を流したものに対しての情報の修正
を促すべきであるということを言っているのか、それとも、それを更にそこから受け取った外国
の人たちに対して、それは間違っているので、これが正しい情報であるという補正を行うという
ことなのか、ここの とこ ろの受取手という意 味が もう一つよくわから ない なというのがあって。
あと、これで最後 にし ますけれども、この 起き た日が、これは日曜 日で したか祝日でしたか 。
○班目委員長
○長辻委員
海の 日で すね。月曜日ですね 。祝 日です。
祝日でしたか。これが、ですから保安検査官の方が少なくて到着に時間がかかった
と書かれているんですけれども、この地震が起きたときに、東京電力の一般事務棟の中にいた人
はほとんどいなかったわけですね。あそこは一番大きな損壊を受けたわけで、もし平日であそこ
に人がいたとしたら、これは大事故になって、全く別の様相を呈したと思うんですよ。救急車は
行けないとか、かなり大けがをした人がいるという全く別の、今我々がここでこういう話をして
いるのとは全然違っ た議 論が、曜日が違った だけ で起こり得る。
それから、あと、あのときは晴れていたのでよかったんだけれども、事務棟が使えなかったの
で、広場にホワイトボードを出していろいろ情報をまとめたということが行われたそうなんです
が、あれが雨が降っていたら、それは不可能だったわけですよね。だから、天候によること、あ
33
と曜日によること、これによって全く別の様相を呈した可能性があるので、そのことも若干触れ
ておかれた方が、今後の事例において、これは日にちがたってしまいますと、そのことを忘れて
しまいがちなので、 ここ ら辺は留意した方が いい と思います。
以上です。
○班目委員長
どうもありがとうございました。大変貴重な意見をありがとうございます。これ
はもう、是非個別に 対応 させていただきたいと思 いますので、よろし くお 願いいたします。
続きまして、小林 委員 。
○小林委員
非常によくまとまってはいると思うんですが、ちょっと1点だけコメントさせてく
ださい。
今までのいろいろな膨大な作業を含めて、それから、これからの「今後の取組み」という章が
入ったのは非常にいいと思います。ただ、ここをもう少し充実していただけたらいいかなという
気 が い た し ま し た 。 例 え ば 、 38ペ ー ジ の ( 2 ) の 確 率 論 的 安 全 評 価 と い う と こ ろ 、 こ れ 、 地 震 動
の方の確率論の話は出ていますが、ここで言う話は、多分それだけではなくて、構造強度とかそ
ういうことも含めてのことかなとちょっと思ったんですが、その辺のことをもしにらんでいるの
であれば、前に話がないから少し唐突にもなりますし、その辺、何が今までの中で議論されて、
その中で何が問題だから今後こういうことをしようというようなことをもう少し明確にしていた
だいたらいいかなと いう、それが1点。
それから、もう一つ、地震動の観測につきましてですが、これは私もずっと前から思っていた
んですけれども、建屋という核燃料にとって一番外のバリアですね、そこだけの加速度がはから
れている。何で格納容器とか、それから圧力容器とか、そういったもう一つ中、更に中ですね、
そのバリアの加速度をはかっていないのかなというのが、最初に私、非常に疑問に思いました。
そういうようなこと がこ こに書かれているのは非 常によろしいと思い ます 。
特に、圧力容器は非常に高温で放射線の影響も大きいところですので、はかるのは難しいかと
思いますけれども、しかし、やはり安全ということを考えたら、その辺、格納容器あるいは原子
炉容器の基部と頂部ぐらいは何とかはかれるように努力していただけたら、今回も非常に計算モ
デルと実際の実測値を合わせるところで苦労したと思いますので、そういうようなところ、あと、
その後の安全性にかかわる判断、その辺がもう少し適切に、速やかにいくのではないか、そんな
ふうに思います。是 非そ の辺よろしくお願い いた します。
○班目委員長
ありがとうございました。御趣旨はわかりましたね。それでは、対応させていた
だきますので、どう もあ りがとうございました。
では、秋庭委員お 願い いたします。
○秋庭委員
私も、品田委員のように、これはとてもわかりやすいと最初から言おうと思ったら、
次々いろいろな御指摘があって、だんだん言いにくくなってきてしまったんですが、でも、本当
に最初から、専門知識のない人でもわかるようにということを大変意識なさって書かれたんだな
ということをよく感 じ取 ることができました。
私も、一番関心のあるところは情報提供のところなんですが、第六章のところですが、ここの
34
部分でも、結局、地元の方々への情報提供が今回なかなかうまくいかなかったということがいろ
いろ書かれていますが、これに対する対策で、住民説明会などいろいろ書かれておりますが、携
帯電話の情報提供というか、そのことは書かれていましたかしら。私ちょっと目につかなかった
んですが。
○東嶋委員
55ペー ジ上 から7行目。
○秋庭委員
はい。 では 、それで大丈夫です 。
そ れ と 、 59ペ ー ジ の 新 聞 の 折 込 チ ラ シ と い う と こ ろ は 大 変 重 要 な と こ ろ だ と 思 う ん で す ね 。 な
かなか住民説明会や、あるいは地域住民の会とか、そういうところにも、全体のいろいろな普通
の人たちはなかなか行けないところもあります。いろいろな方に向けていろいろな対応をすると
いうことを考えられているということを大変評価したいと思うんですが、折込チラシのところで
も、是非地元の方たちが何を不安に思っているのか、その不安をもとに答えるという、そのスタ
イルがとてもいいな と思 いました。
それから、実は一昨日も私、柏崎刈羽原子力発電所に見学に行かせていただいて、地元の方た
ちとも交流してきました。地元の方たちも、一生懸命にいろいろな検査が行われ、工事が行われ
ていることに対して、安心というか信頼を持っているということをおっしゃっていましたが、や
はり最近の火事ということで、工事の品質管理というところが、本当にきちんとなされているの
だろうかということを疑問に思っているということを言われました。先ほどの話に戻って大変恐
縮ですが、やはり地震のところでは、今が肝心なところで、大変な工事をなさっていて、私も、
拝見していても、狭いところでいろいろやっていらっしゃって、いろいろなことが起きるとは思
いますが、やはり工事の方の労働環境の問題もあり、また、周りのそれを受け取る人たちが、何
かあったときに、やはり誤解をしてしまうということもありますので、是非その辺のところをし
っかり原因分析をして、また広く、柏崎刈羽だけではなくて、ほかの発電所にも水平展開ができ
るようにお願いした いと 思います。
以上です。ありが とう ございました。
○班目委員長
ありがとうございました。それでは、御趣旨は承って、反映させたいと思います。
ほかに。それでは 、野 村委員お願いします 。
○野村委員
全体構成についてコメントしたいんですが、恐らく今回の章立てをされるにあたっては、施
設・設備、それから耐震といったいわゆるハード面を先に置いて、それから運転管理とか情報・
連絡とか消防とか、そういったソフト面を後ろに配置されたのではないかと思料します。ただ、
これを専門家ではなくて一般の人にも読んでもらうのであれば、運営管理の章にある「止める・
冷やす・閉じこめる」といった、地震発生直後にそういった安全機能をきちんと確認した、確保
したというところが先にあって、その後にこういう施設・設備の話が順番として出てくる、そう
いう構成の方がよろ しい のではないかと思い ます 。これはコメントで す。
○班目委員長
ありがとうございました。これも是非検討させていただきたいと思います。よろ
しゅうございますね。
35
ほかに何かござい ます でしょうか。よろし ゅう ございますか。
それでは、今日、委員の皆様からかなり具体的で、しかも適切な御指摘をいただいていますの
で、それらをどう反映させるかを含め、今後の進め方について御説明よろしくお願いいたします。
○大村基盤課長
今日いただいたコメントを踏まえまして、また引き続き保安院の方で検討して
いきたいと考えてご ざい ます。
なお、後日、お気づきの点等ございましたら、今年はもうワーキングデイが2∼3日でござい
ますので、来年の年明けにでもメールにて御連絡いただければ、できる限り反映させていきたい
と考えてございます ので、よろしくお願いい たし ます。
○班目委員長
あり がと うございました。
本日予定されています議事は以上でございますが、何か委員の皆様からほかに発言ございます
か。よろしゅうござ いま すね。
御多忙中、大変恐縮なんですけれども、各小委員会とか、あるいはワーキンググループでは、
是非、柏崎刈羽原子力発電所の安全性について引き続き精力的な検討を進めていただきたいと存
じます。それから、その検討結果につきましては、この委員会にまた適宜、御報告いただくよう
にお願い申し上げた いと 思います。
本日の審議結果を踏まえまして、是非、最後に加藤審議官から一言いただければと思います。
よろしくお願いしま す。
○加藤審議官
本日は、班目委員長初め先生方、年末のお忙しい中、お集まりくださいましてあ
りがとうございまし た。
本日、主に中越沖地震で揺られてどうか、あるいは新しい基準地震動としてどんなものを考え、
それがもつのかどうか、その2点の検討状況を御報告させていただきましたけれども、昨年の7
月末にこの委員会の第1回を開いて以来、下のワーキンググループなどで、いろいろな分野の約
70人 の 専 門 家 の 先 生 に お 集 ま り い た だ き ま し て 、 合 計 延 べ 80回 を 超 え る 会 合 の 開 催 を し て こ こ ま
でまとめられてきた とい う状況でございます。本 当に心よりお礼申し 上げ たいと思います。
今後でございますけれども、本日も説明の中で触れましたが、地震で揺られてどうか、健全性
の評価につきましては、7号機の系統試験が3項目残っている状況であります。また、プラント
を動かしてやる機能の試験、どんなことをやったらいいのか、どういう点に注意しなくてはいけ
ないのか、こういった議論もいただいているところでございます。我々としては、その系統試験
の残り3項目、これは今、復旧中のタービンの組立てが終わらないとできないわけでありますけ
れども、それが済んだ暁には、その試験の結果、次の段階に入れるのかどうか、そういったこと
をまたきちんと御報告申し上げたいと思いますし、もう一つの新しい基準地震動でもつかの方で
ございますが、これも、西川先生の構造ワーキングを中心に今、精力的に御検討いただいている
ところでございます。こちらについても、まとまりましたらこちらの委員会に御報告させていた
だきたいと思います 。
そういうことで、技術的な次の段階としては、プラントを動かして、実際に核分裂を起こして
プラント全体の機能を確認するという段階があるわけであります。我々としては、そこに入るの
36
に安全上大丈夫かどうかということについて、この委員会にきちんと御報告させていただきたい
と思います。その後、実際にその試験に入っていくに当たっては、当然のことながら、これは東
京電力と地元県、市、村との間で安全協定がある話ですから、当然そういった関係者間でお話し
合いが行われるものと我々は考えております。その前提として、安全上問題がないのかどうかに
ついて、きちんと我 々は 物を言うということかと 思います。
それから、本日、火災の関係でもいろいろ御議論いただきましてありがとうございました。実
効性のある再発防止策を見出していくために、本日いただいた視点も入れまして取り組んでまい
りたいと思います。また、労働関係の事故も結構多く起きておりまして、現地の検査官は、労基
署とも連携して現場の状況の確認などに当たる試みも始めてございます。そういったことで、現
場の作業がきちんと進む ようにということも我々 として努力してまい りた いと思います。
最後に、中間報告案について、非常に短時間しかごらんいただいていないところ、いろいろ実
質的な御意見をいただきましてありがとうございました。そういった御意見を踏まえて更にブラ
ッシュアップしてまいりたいと思いますし、また、「放射能漏れ」等の表現については、まさに
情報提供ワーキングで御議論いただいたこと、そこの原点の精神によく立ち返ってやってまいり
たいと思います。
また、地元への説明ですけれども、私どもこれまで大体月1回のペースでやってきております
が 、 明 日 は 県 の 小 委 員 会 と 地 元 の 住 民 の 方 と の 意 見 交 換 会 が 行 わ れ 、 ま た 、 25日 に は 、 今 度 、 原
子力安全委員会が地元で説明会を行われるという状況になってきてございます。我々もまた、年
明け以降行っていくわけでありますけれども、そういったところともまた比べられるという要素
も出てまいりますので、またチラシの配布なども含めてしっかり取り組んでまいりたいと思いま
す。
そういうことで、また引き続き先生方には来年もお世話になりますが、よろしくお願いいたし
ます。どうもありが とう ございます。
○班目委員長
あり がと うございました。
それでは、最後に 連絡 事項等ありましたら事務 局からお願いします 。
○大村基盤課長
次回の開催につきましては、各ワーキング、小委員会等の検討を踏まえまして、
具体的な日程につきましては追って事務局から御連絡を差し上げたいと思いますので、お忙しい
ところ恐縮でござい ます が、御対応をよろし くお 願いいたします。
以上でございます。
○班目委員長
ありがとうございました。若干時間が超過して申し訳ございません。以上をもち
まして「第8回中越沖地震における原子力施設に関する調査・対策委員会」を終了させていただ
きます。
本日はどうも大変 あり がとうございました。
37