予稿 (160kB) - NIES Lidar - 国立環境研究所

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N I E S オゾンレ-ザ・レーダによる大気観測
Observation of Atmosphere with NIES Ozone Lidar
中根英昭・林田佐智子。笹野泰弘・杉本伸夫・松井一郎
Hideaki NAKANE, Sachiko HAYASHIDA, Yasuhiro SASANO, Nobuo SUGIMOTO and lchiro MATSUI
国立環境研究所
The National Institute for Environmental Studies
Abstract
An ozone lidar system with excimer lasers and a 2m-telescope was installed in NIES in
March 1988 and has been operating for about five years. The ozone lidar system, exampls
of the observed data, variations of ozone, data during DYANA campaign, comparison with
SAGE II data and effects of stratosheric aerosols are shown.
1 . は じめに
国立環境研究所では1988年3月にオゾンレ-ザレ-ダを導入し、 8月に観測を開始したO 本装置は
注入同期型XeCl(308ni)、 XeF(351nm)エキシマ-レーザと不安定共振器タイ プのErFエキシマ-レー
ザ(248nm)、及び直径2mの望遠鏡を備えているO このレ-ザレ-ダによって得られたデータからデタ診断によ り信頼性の高いデータを選択し、オゾン高度分布の形で蓄積している。この間、データ
診断法の検討、集中観測(DYANA)における観測、 SAGEI 衛星データ との比較、 ピナ ツボ火山起源エア
ロ ゾルの影響とその補正手法の検討等を行ってきたので紹介する。
2.データ診断及びsAGED衛星データ との比較
Xeclレーザ、 ErFレ-ザから出た紫外線は、重水及び水素を封入したラマンセルを通り波長変換さ
れ、 339nm、 313nm等の波長の紫外光が得られ、もとのレーザ光と合わせて3波長または4波長の信号
が同一高度領域に対して得られる 308nm-351nmの波長組の信号から得られたオゾン高度分布と
308nm-339nra の波長組の信号から得られたオゾン高度分布の比較は、エア ロゾルの影響の診断、光
学系のアラ イ メ ントの良否の診断を行う上で有効であるO これは339nmと351nmの光は別個の光学系
から射出される こ と、オ ゾンによる吸収を受けないこ とによる Fig.1に2波長組から得られたオ ゾ
ン高度分布を重ねて示したが、両者がほとんど重なっており、エアロ ゾルの影響や ミ スアラ イ メ ン
ト による系統誤差を検出する ことのできない良好なデータであると考えて良い。また、取得された
データは、衛星センサ S A G E Iの観測結果と比較されたが良好な一致が得られている。
3.オゾン及び気温の変動
1988年9月から1992年12月までの高度別のオゾン変動をFig.2 に示す。高度20kmでは冬から春にか
けてオゾン濃度が高く、高度35kmでは逆に夏にオゾン濃度が高いO 前者は輸送の効果、後者は光化
学反応による ものと して理解することができる 1991年7月以降、 30km以下の高度領域ではピナツボ
火山噴火によるエアロゾルの影響によ り オゾン濃度に系統誤差が生じているため除いた。系統誤差
の除去は、エアロゾルの光学的性質の波長依存性が正しく与えられるならば可能であるが、多波長
を用いることによって、これらのパラ メータの妥当性を評価することを試みている(Fig.3)。
XeFレ-ザ光(351nm)はオゾンの吸収を受けず、また比較的出力も高いため、レーリー散乱を用い
た気温鉛直分布の測定に都合が良い。エアロゾルの影響の無視できる高度(30km以上)、約80kmまで
の気温の測定が可能である。 Fig.4 に測定例を示す。これは1990年1月から3月にかけて行われた
DYANAキャンへ〇一ン中の連続した3日間の気温の変動である。急激な気温変動が明瞭にと らえられている。
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Fig.
1.
observed
Ozone
with
profiles
the
NIES
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Year
with
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ozone
lidar
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Fig.
with
2.
the
Ozone
NIES
concentration
ozone
lidar
observed
for 4 years
at 20 - 40 km.
two wavelength pairs.
(wi)apコiniv
0 5 10 15
1017 1010 1Q19 1020
number density of ozone (molecu!es/m3)
1017 1018 1013 1020
Scatterlng Ratio
number density of ozone (mo一ecules/m3)
Fig. 3. Aerosol profiles and ozone profiles with and without aerosol correction
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Fig. 4. Change of the temperature profiles during the period
from January 24th-26th, 1990.
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