デロイト トーマツ コンサルティング株式会社

技術を
企業・日本・世界の ために
役立てられるか」
と考え抜くのが
「 どうやって
コンサルタントの役割
ティングファームが扱う案件も、グローバルなものに
出 し て い る 今、企 業 の 経 営 戦 略 を 支 援 す る コ ン サ ル
日本企業の多くが新たな成長の可能性を〝世界〟に見
談いただくようになっています。
なのか」というような経営課題についても頻繁にご相
どのようなビジネスプロセスでつなぐのがより効率的
うすれば競争力があがるのか」「日本・ 海外の拠点を
いたのと同じような感覚で、海外に出張するようになっ
増えてきました。DTCの場合、日本国内に出張して
る文化をもつ海外の人たちと一緒に仕事をすることが
グローバルプロジェクトが増えてきたことで、異な
いるのでしょうか
コンサルタントの仕事にも変化は生まれてきて
グローバル化が当たり前のことになってきたことで、
なってきている。理系の持つ能力・可能性を、技術者
という生き方とは別のアプローチから生かせるコンサ
ルティング業界。グローバル化が進む中、同業界で働
く人はどのような魅力・やりがいを感じているのだろ
うか。デロイト トーマツ コンサルティング株式会社
(以下、DTC)
のパートナー、小 澤 正 章 氏に 話 を 聞いた。
今、コンサルティング業界に
日本企業の多くが成長戦略を描くのに苦労していま
ム自体も、よりグローバル化していくことが求められて
この傾向は続くでしょうから、コンサルティングファー
ていますから。
すが、既存のやり方では限界があり、まったく違う次
います。
求められている役割とは
元で成長戦略を提言・実行支援することが求められる
働く人の考え方・生活習慣・文化などの理解も大切に
う言葉の問題もありますが、言語だけでなく、一緒に
分かりやすいところで言えば、「英語が話せる」とい
例えば、エネルギーや社会産業基盤などのインフラ
ようになっています。
ビジネスでは企業が1社単独で技術を売り込んでも実
グローバル化によって新たにやるべきことは増えます
なると思います。
合によっては政府の力も合わせてビジネスを展開して
が、一方で新たなやりがいもあると思います。DTC
現が難しいものです。複数の企業もしくは業界団体、場
いくような事が必要になっています。DTCではルー
の顧客に日本企業が多くありますが、その日本企業が
ですから、コンサルティング業界 で 働 い て い る と「 グ
世界を相手に戦っていくためのサポートができるわけ
それ以外にも、最近はM&A(合併・買収)による
ローバルで活躍する日本企業の成長・発展を、自分が
ル形成戦略と言っていますが、このような新しい取り
業界再編にかかわるプロジェクトもグローバルでの競
後押ししている」という実感を得られるのではないで
組みも積極的に応援していきたいと考えています。
争環境を踏まえたものが多くなりつつあります。日本
しょうか。
当 社 の 場 合 、 世 界 1 5 0カ 国 に ま た が る デロ イ ト
企業が世界でビジネスを展開するのが「普通のこと」
になってきていますから、「海外拠点の組織運営はど
26
www.rikeinavi.com
ト ウ シュ トーマツのグローバルなネットワークを活用
組織・人事戦略」「世界共通で利用するシステム開発」
になります。最終的に“パートナー”になると、プロ
得て、良好な関係を築いていく役割も期待されるよう
ジェクトの全責任を負い、組織運営や、会社の経営に
といった案件にも対応できます。
もかかわるようになります。
企業の経営者あるいは経営に近い方たちと接点を持
できます。世界各国で蓄えてきた事例・知見を生かし、
ちながら、戦略を提言するだけでなく、その先の導入
入社してから、わずか
海外に進出していく日本企業を支えられるところが我々
の強みの一つ。日本企業のグローバル展開を支えられ
まで踏み込んでお手伝いしています。クライアントと
年ほどでパートナーにまで
るだけの基盤があるわけです。
どんな視点を持って企業を調べるべきでしょう
コンサルティング業界を志した場合、
コンサルティングファームのサービスも様々であり、
経営戦略の助言に特化したところもあれば、システム戦
略・導入などを中心に行うファームなど、様々です。ま
ずはコンサルティングファームごとにどのようなサービ
スを展開し、顧客から求められている期待値が何なのか
共に変革の実現までサポートすることで、「自分はこん
成長できる点もコンサルティング業界の特長です。
上り詰める人もいます。それだけのスピード感で早く
いる技術を通じて企業や社会に貢献するといった自己
ました。理系のキャリアを考えたとき、自分の持って
日本の企業は、技術力を武器にここまで成長してき
飛び込みました。コンサルティング業界で働く魅力とは
小澤様も理系出身でコンサルティング業界に
な貢献をしたんだ」と満足感を得られますし、共にプ
ロジェクトを進めたクライアントからも感謝や評価の
声を直接いただけます。そこがDTCで働く魅力なの
でしょう。
コンサルタントの業務とは、
どのようなものになるのでしょうか
例えば、われわれは企業経営に関することならテー
ネスアナリスト”として、上司・先輩からの指示を受
チやデータ分析をします。入社してしばらくは“ビジ
コンサルティングファームの内部では膨大な量のリサー
待されているのか」というような事を考えるのも同様
うな変化の激しい時代でも、企業がどのような事を期
ばもっと技術を活かすビジネスができるのか」「今のよ
くいかないことはあります。そんなときに、「どうすれ
しかし、技術的に優位でも事業・製品の展開がうま
実現の方法も一つの選択肢だと思います。
マによらず、コンサルティングできる体制を整えてい
けながら、会議資料・報告資料の作成をしてもらうこ
顧客から経営課題の相談を受け、 提言するまでに、
ます。ほぼすべての産業ごとに専門のコンサルタント
とが主な業務になります。
早稲田大学 理工学部 卒
プロジェクト全体を任される“マネジャー”へと昇格
タントの仕事に目を向けてもらえればと思います。技
そんな考え方に共感していただける人は、コンサル
どのように活用して社会に還元していくか。そんな視
します。マネジャーになるには、製造業や金融、消費
術を直接扱うことはありませんが、技術に詳しい人間
になり、その上のランクであるシニアコンサルタント
財、製薬といった特定の産業に関する深い知識、ある
と し て、「 ど う や れ ば 企 業 内 で 技 術 を 生 か せ る の か 」
点を持って働くところがこの仕事の魅力でしょう。
いはITや組織人事といったソリューションに関する
サルタントの仕事だと思います。
か」と考え抜くことにやりがいを感じられるのがコン
「どう使っていけば日本や世界のために役立てられるの
になると、チームリーダーの役割を担います。そして
に大事なことだと思います。ビジネスの視点で技術を
をそろえ、IT・組織人事といったソリューションを
小澤 正章
1人で業務ができるようになれば“コンサルタント”
軸に顧客をサポートする部門もあります。従って「グ
を知るところから始めたらどうでしょうか。
15
高い専門性が要求されます。
そしてマネジャーよりもさらに上位の“シニアマネ
ジャー”には、クライアントの経営幹部からの信頼を
www.rikeinavi.com
27
ローバル戦略の立案」だけでなく、「海外拠点に適した
デロイトトーマツ コンサルティング株式会社
パートナー