サステイナビリティに向け た取り組 み 昭和シェル石油は、エネルギーソリューション・プロバイダーとして 、高品質のエ ネルギー製品やサービスを安全かつ安定的に供給すると同時に、環境負荷の低減 に挑戦し、持続的成長を目指しています。これを実現するために、株主・お客様・ 協力会社・従業員・地域社会などのステークホルダーと協力して、地球に配慮した 経営の構築を図ります。 持続的成長の実現を目指した「エネルギーチャレンジ」 シェル グ ループ は 、2008 年 に「 Shell Energy Scenario 2050」を発表し、その中で今後世界が乗り越えなければな プを通して、共同研究などによるエネルギーメニューの拡大 や、効率的な原油調達を実現しています。 また、エネルギー企業として日本のエネルギーの安全保障 らない「 Three Hard Truths( 3 つの避けがたい真実)」として、 に貢献することも重要な使命であり、法律に定められた適正 エネルギー需要の増大、エネルギー供給量の伸びの鈍化、環 な備蓄水準の確保にも努めています。 境問題( CO2 排出量の削減)の制約の増大をあげています。 今後とも世界的なエネルギー需要の増加が見込まれる中、 コ ー ポ レ ー ト セ ク ショ ン 当社はこのシナリオを参考にし、 「 Three Hard Truths 」がも 資源を確保し、エネルギーを安全かつ安定的に供給し続ける たらす将来の様々 な可能性に備え「安定供給」 「環境負荷の ため、原油調達から製品の供給・販売に至る全てのサプライ 低減」 「新エネルギーと環境配慮型製品の開発」の 3 つの分 チェーンにおいて、供給の最適化を追求していきます。 野での活動を通じて、エネルギー需要増に伴うCO2 排出量の 増加を阻止するためのチャレンジを続け、ステークホルダー エネルギーチャレンジ②「環境負荷の低減」 とともに環境に優しいサステイナブルなエネルギー供給体制 の確立に努めていきます。 大気、水質、土壌などの汚染防止対策を継続して実施する とともに、さらなるCO2 の排出量削減を目指して、製油所や サ ス テ イ ナ ビ リ ティ に 向 け た 取 り 組 み 輸送段階における省エネルギー や効率向上など、環境負荷 エネルギーチャレンジ①「安定供給」 の低減に向けての取り組みを積極的に行っています。 当社は株主でもあるシェルグループや、サウジアラビアの 製油所では環境に配慮した設備を目指し、排煙脱硫装置や 国営石油会社サウジアラムコとのグローバルパートナーシッ 排水処理装置などの公害防止装置への投資を継続的に行っ • 調達先との連携 • 適正な備蓄水準の確保 • サプライチェーンにおける安全・安定供給の確保 安定供給 ステークホルダーとの 協働 ステークホルダーとの 協働 サステイナビリティ 環境負荷 の低減 • CO2 排出量の削減 • 省エネ、リサイクル • 各種汚染対策 34 昭和シェル石油株式会社 アニュアルレポート 2009 新エネルギーと 環境配慮型製品 の開発 ステークホルダーとの 協働 • 次世代型 CIS 薄膜太陽電池事業 の規模拡大 • 環境配慮型製品の開発 てきました。また、大気汚染の原因物質を含まない燃料を使 る次世代型 CIS 薄膜太陽電池や 、バイオ燃料、GTL 燃料など 用するなど、総合的な汚染物質の除去技術の向上を目指した の環境配慮型製品のラインナップを拡充してきました。 取り組みを行っています。輸送部門では、タンクローリーや 今後も太陽電池事業を中心として、水素ステーションにお タンカーサイズの大型化、輸送効率の改善を通じて、輸送回 ける燃料電池自動車への供給試験、LPGを燃料とする家庭用 数の低減や燃料使用量の削減に努めています。 燃料電池の実証試験、電気自動車への充電サ ービス実証事 CO2 排出量の削減に関しては 、石油連盟が採用している 業など、環境負荷の少ない高品質な製品の開発・事業化への 「エネルギー消費原単位」の目標値の達成努力に加えて 、 取り組みを継続して行い 、将来のエネルギー を担うエネル 2008 年度より政府の自主参加型国内排出量取引制度に参加 ギーソリューション・プロバイダーとしての役割を果たしてい しています。 きます。 エネルギーチャレンジ③「新エネルギーと環境配慮型製 最新の CSR 活動情報:ウェブサイト 「 CSR 」 http://www.showa-shell.co.jp/society/ 品の開発」 コ ー ポ レ ー ト セ ク ショ ン 環境に配慮した製品の開発・提供に注力するとともに、多 様化するお客様のニーズを捉えながら、新エネルギー であ エネルギーチャレンジの具体的取り組み( IR3Sとの共催) 当社は 2007 年よりサステイナビリティ学連携研究機構( IR3S ) とともに「エネルギー持続 「ポスト京都議定書に向けた低 2009 年 10 月に国際シンポジウムとして第 4 回シンポジウム 炭素社会の構築」を開催し、日米欧各国の専門家を招き目指すべき「低炭素社会構築」に向け て各国がどのような対応が必要と考えているかを議論・討議しました。 「低炭素型都市システムの構築へむけ 2010 年 2 月に開催された第 5 回シンポジウムでは、 て」をテーマに、産官学それぞれの視点から低炭素型都市システムの構築へ向けての講演・ エネルギー持続性フォーラム 第 5 回公開シンポジウムの様子 提言を行いました。 当社は当フォーラムの取り組みやシンポジウムの議論を通じ社会のニーズを把握し、エネ ルギー戦略に取り入れることで低炭素社会に向けた取り組みに貢献するとともに、社会に対 してもエネルギー持続性に関する提言を行っていきます。 「確かな品質と安心」をお客様にお届けするために 当社では、 「確実な品質と安心」をお客様にお届けするとともに、石油製品をはじめとするエネルギーの安定供 給を通した継続的な社会貢献を確実に実践するため、昭和シェル石油グループ全体をあげて安全確保と品質保全 の徹底を図るべく、全社運動「 Safety & Quality First 」を展開しています。 2010 年度も 、全ての部署がこれまで取り組んできた全社運動を PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルのも とで継続実行し、グループ内の安全管理ならびに品質保全体制を一層強化すべく取り組んでいきます。 特に太陽電池事業において 、世界最大規模の生産能力を有する宮崎第 3 工場(国富工場)の建設・操業準備が 本格化しています。これらの新規事業に対しても、当社は HSSE マネジメントシステム(※)を適用し、リスクの抽出と 白木 郁 リスク低減策を進め、危険の芽を確実に摘み取っていきます。 ※ 当社グループでは 、シェルグループのシステムに基づいた健康( Health ) 、安全( Safety ) 、危機管理( Security ) 、環境保全( Environment ) ( HSSE-MS )」を運用しています。毎年 HSSEレビュー に について 、それぞれのリスクを包括的に管理する「 HSSE マネジメントシステム 基づくパフォーマンス改善に向けた HSSE 重点戦略を定め 、全ての部署がその達成に向けた「 HSSE 重点戦略アクションプラン」を策定、 実行しています。 執行役員 石油事業本部 [流通業務・不動産事業部門・ 輸入基地担当] ・ グループファンクションズ 部門担当] [環境安全( HSSE ) 昭和シェル石油株式会社 アニュアルレポート 2009 35 サ ス テ イ ナ ビ リ ティ に 向 け た 取 り 組 み 性フォーラム」を立ち上げ、長期的なエネルギービジョンの構築に取り組んでいます。
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