市 長 演 述 要 旨 - 二戸市

平成26年第1回二戸市議会定例会
市 長 演 述 要 旨
平成26年2月25日
二戸市長
藤
原
淳
本 日 、 平 成 26 年 第 1 回 二 戸 市 議 会 定 例 会 が 開 催 さ れ る に 当
た り 、 平 成 26 年 度 の 市 政 運 営 並 び に 主 要 施 策 に つ い て 、 所 信
の一端を申し上げます。
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はじめに
先 月 の 市 長 選 挙 に お き ま し て 、無 投 票 当 選 で 市 政 を 担 わ せ て
いただくことになり、身の引き締まる思いで、あらためてその
職責の重さを痛感しております。
私 は 選 挙 に あ た り 、「 小 さ な ま ち の 大 き な 挑 戦 」 を 引 き 継 ぎ 、
「ともに築く、元気あふれるまち〝二戸″」を目指すことを公
約に掲げました。
前 市 長 の 想 い を 引 き 継 ぎ 、市 民 の 皆 様 と の 協 働 に よ り 二 戸 市
総 合 計 画 後 期 基 本 計 画 を 推 進 す る こ と は 、私 に 課 せ ら れ た 使 命
と感じております。
平 成 25 年 3 月 に 発 表 さ れ た 地 域 別 将 来 推 計 人 口 で 、 本 市 の
2 0 4 0 年( 平 成 5 2 年 )の 人 口 が 、2 0 1 0 年( 平 成 2 2 年 )の 2 9 , 7 0 2
人 か ら 1 0 , 8 8 2 人 減 の 1 8 , 8 2 0 人 、高 齢 化 率 4 3 . 7 % と 示 さ れ ま し
た。
人 口 が 3 分 の 2 に な り 、 そ の 半 数 近 く が 65 歳 以 上 と い う 推
計 結 果 に 、大 き な 衝 撃 を 受 け る と と も に 強 い 危 機 感 を 覚 え ま し
た。
-1-
人口減少は、地域経済をはじめ、教育、医療、福祉、防災な
ど、幅広い分野に影響を与えます。後期基本計画を進めるうえ
で、また、次期計画を策定する うえでも避けて通れない大きな
課題であります。
こ の 人 口 減 少 に 少 し で も 歯 止 め を か け 、元 気 な 二 戸 を つ く っ
て行きたい。
その想いから選挙にあたり「産業の振興による雇用の確保」
「防災対策の充実」「健康で誇りを持てるまちづくりの推進」
の 3 点を重点施策として、さらに、スポーツが創り出す元気を
ま ち づ く り に つ な げ る た め に 、「 国 体 に 向 け た 市 民 総 ぐ る み で
の 受 け 入 れ 準 備 」「 ス ポ ー ツ 選 手 の 育 成 支 援 」を 特 別 プ ロ ジ ェ
クトとして掲げました。
それぞれの施策については、ここに暮らす私たちが、常に心
に 留 め な が ら 努 力 を 重 ね 、長 期 的 に 取 り 組 ん で 行 く 必 要 が あ る
と考えております。
ソ チ 冬 季 オ リ ン ピ ッ ク の カ ー リ ン グ 競 技 に 出 場 し た 、苫 米 地
美 智 子 さ ん の 活 躍 は 、私 た ち に 勇 気 と 感 動 を 与 え て く れ ま し た 。
その裏には、日々のたゆまぬ努力があったと思います。
私も、「未来を変えたい」という強い決意をもって、努力を
怠らず、誠心誠意取り組んで参ります。
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2
二戸市を取り巻く環境
さ て 、 現 在 の 本 市 の 状 況 を 見 ま す と 、 平 成 26 年 1 月 31 日 現
在 の 住 民 基 本 台 帳 人 口 は 、 前 年 比 372 人 減 の 29,364 人 、 年 少
人 口 割 合 は 11.3% 、 老 年 人 口 割 合 は 31.6% と な る な ど 、 人 口
減少や少子高齢化が確実に進んでおります。
また、雇用状況は、岩手県全体の経済概況が 復興需要により
回 復 を 維 持 し て い る こ と か ら 、1 2 月 の 岩 手 県 の 有 効 求 人 倍 率 は
1 . 1 1 と 高 い 水 準 に あ り ま す が 、本 市 を 含 む 二 戸 地 域 は 0 . 8 8 と 、
依然として厳しい状況にあります。
国 に お い て は 、「 財 政 出 動 」「 金 融 緩 和 」「 成 長 戦 略 」 を 基 本
方針とした経済対策、いわゆる「アベノミクス」による施策が
展開され、円安、株価の上昇など 景気回復の兆しが出てきてい
る も の の 、そ の 効 果 が 地 方 や 中 小 企 業 ま で い き わ た っ て い な い
状況にあります。また、円安による燃料費の上昇や、TPP交
渉、米の生産調整の見直しなど、本市の基幹産業である農業を
はじめ、地域産業を取り巻く環境は、大きな転換期を迎えてお
ります。
このように、産業を取り巻く環境が混沌とするなか、夏恋、
冬恋、カシオペアブルーなど、本市の果樹が市場において高い
評価をいただいております。
生 産 者 も 若 い 方 々 が 多 く 、産 地 化 を 目 指 し 意 欲 的 に 栽 培 に 取
り組んでおられます。
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また、先日、二戸市で開催された「北いわて学生デザインフ
ァッションショー」に見られるように、次代の縫製業を担う若
い方々も、世界を視野に頑張っておられます。
さ ら に 、九 戸 政 実 プ ロ ジ ェ ク ト に よ る 地 域 活 性 化 に 向 け た 取
り組みなど、ともすれば、閉塞感が漂う 中で、郷土の英雄をテ
ーマに地域を発信する、新たな動きが芽生えております。
私も、このような、新しい流れを創り出す皆さん に負けない
ように、これからのまちづくりに全力で取り組んで参ります。
3
平 成 26 年 度 予 算 の 概 要
そ れ で は 、 平 成 26 年 度 予 算 の 概 要 に つ い て ご 説 明 申 し 上 げ
ます。
平 成 26 年 度 の 当 初 予 算 に お い て は 、 後 期 基 本 計 画 を 着 実 に
推 進 す る た め に 、「 二 戸 消 防 署 建 設 整 備 事 業 」 な ど を 計 上 し た
一方、
「 福 岡 中 学 校 建 設 事 業 」の 主 要 工 事 が 完 了 す る こ と か ら 、
一 般 会 計 の 総 額 を 、 昨 年 度 対 比 11.4% 、 20 億 3,400 万 円 減 の
158 億 4,100 万 円 と し て 編 成 い た し ま し た 。
歳 入 に お い て は 、市 税 が 6 . 9 % 増 の 2 8 億 6 , 1 0 0 万 円 を 、地 方
交 付 税 は 昨 年 と 同 程 度 の 64 億 6,500 万 円 を 見 込 ん で お り ま す 。
また、地方債は「福岡中学校建設事業」の借入がピークを過
ぎ た こ と で 51.8% 減 の 15 億 600 万 円 を 見 込 ん で お り 、 単 年 度
の プ ラ イ マ リ ー バ ラ ン ス は 、 76.4% と な っ て お り ま す 。
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普 通 交 付 税 合 併 算 定 替 の 逓 減 な ど 、今 後 一 般 財 源 の 減 少 が 見
込 ま れ る こ と か ら 、後 期 基 本 計 画 期 間 内 で の 市 債 発 行 限 度 額 を
設定した「二戸市中期財政フレーム」に沿って、プライマリー
バランスの黒字を堅持し、将来負担の軽減を図って参ります。
歳出においては、最終年度となる「福岡中学校建設事業」や
本格的な建設が始まる「二戸消防署建設整備事業」をはじめ、
地域の元気臨時交付金を活用した「スポーツセンター改修事
業 」 や 「 保 育 所 改 修 事 業 」、 あ る い は 昨 年 度 か ら 実 施 し て い る
「橋梁補修事業」など、人づくり、防災、スポーツ、子育てな
どの環境整備を進めて参ります。
ま た 、 引 き 続 き 「 健 康 生 活 推 進 事 業 」、「 に の へ 産 業 チ ャ レ ン
ジ 支 援 事 業 」、「 市 民 協 働 推 進 事 業 」 な ど 、 健 や か で よ り 地 域 の
活 力 を 高 め る 取 り 組 み を 進 め な が ら 、新 た な 取 り 組 み と な る 事
業につきましては、内容を精査し、予算化に向けて検討を重ね
て参ります。
4
分野別施策の方向
それでは、各分野の主な施策について申し上げます。
(産業活動が活発なまちづくり)
ま ず 、「 産 業 活 動 が 活 発 な ま ち づ く り 」 に つ い て 申 し 上 げ ま
す。
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市民の皆様が安心して、安定した生活を営むためには、産業
の活性化と働く場を確保し、所得の向上 を図る必要があり、こ
のことは本市の最も重要な課題であります。
農商工連携では、
「 に の へ 産 業 チ ャ レ ン ジ 支 援 事 業 」に よ り 、
バーニャカウダやジャム、ドレッシング をはじめ、加工工場と
も 連 携 し た 新 商 品 も 開 発 さ れ て お り 、引 き 続 き 商 品 開 発 や 起 業
に向けた支援をして参ります。
雇 用 の 受 け 皿 と し て 即 効 性 の あ る 企 業 誘 致 に つ い て は 、立 地
条 件 の 優 位 性 を 積 極 的 に ア ピ ー ル し な が ら 、本 市 の 農 畜 産 物 な
ど を 活 か し た 食 品 関 連 企 業 や 、若 者 定 住 を 促 進 す る た め に 男 子
型企業の誘致に取り組んで参ります。
また、新たに「実践型地域雇用創造事業」に取り組む準備を
進め、雇用環境の改善などにも努めて参ります。
農林畜産業については、男神・米沢・湯田地区の「県営畑地
帯 総 合 整 備 事 業 」、 浄 法 寺 川 又 地 区 の 「 経 営 体 育 成 型 県 営 農 地
整備事業」などに加え、新たな基盤整備地区の選定のための調
査事業を実施し、これからの農業を担う生産者を中心に、経営
の安定化や生産意欲の向上を図って参ります。
ま た 、人 ・ 農 地 プ ラ ン に 基 づ き 、新 規 就 農 者 支 援 や 農 地 集 積 、
経 営 体 育 成 に 取 り 組 む と と も に 、「 い わ て 地 域 農 業 マ ス タ ー プ
ラン実践支援事業」などにより、設備導入支援を行うことで、
安全・安心な高品質作物の生産を支援して参ります。
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さ ら に 、 本 市 が 「 牛 」「 豚 」「 鶏 」 の 産 地 で あ る こ と を 活 か し
た「二戸三大ミート発信事業」などにより、市内外 への情報発
信と販路拡大に努めて参ります。
商 業 に つ い て は 、「 石 切 所 に ぎ わ い 創 出 事 業 」 な ど 、 商 店 街
と 地 域 住 民 が 一 体 と な っ た 商 店 街 振 興 に 取 り 組 む と と も に 、今
後の振興策については、現状の把握と課題を整理したうえで、
商工会をはじめ関係機関と事業化に向けて協議を重ねて参り
ます。
観光については、自然や歴史、文化、食などの地域資源を組
み 合 わ せ て 二 戸 の 魅 力 を 発 信 し 、交 流 人 口 の 拡 大 に つ な げ る と
ともに、自然調査により貴重な動植物が確認された稲庭岳や、
山麓に整備したパークゴルフ場 、天台の湯を組み合わせ、一つ
の観光エリアとしてPRして参ります。なお、金田一温泉の活
性 化 に つ い て は 、観 光 振 興 に お け る 大 き な 課 題 の 一 つ と 捉 え て
おります。
旧岡本小学校跡地に整備を予定している歴史・文化交流施設
については、地域の方々による検討も始まっており、整備計画
の策定に向けて取り組んで参ります。
(地域を担う人を育てるまちづくり)
次 に 、「 地 域 を 担 う 人 を 育 て る ま ち づ く り 」 に つ い て 申 し 上
げます。
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少 子 化 や 家 族 形 態 の 多 様 化 な ど 、子 ど も た ち を 取 り 巻 く 環 境
は大きく変化しており、学校、家庭、地域、行政が連携を強化
し、心豊かな人間性を育む教育が求められています。
ま た 、貴 重 な 財 産 で あ る 史 跡 九 戸 城 跡 や 天 台 寺 本 堂 な ど に つ
いては、適切な環境整備や保存修理が必要とされています。
こ の こ と か ら 、こ れ ま で の「 学 力 向 上 プ ロ ジ ェ ク ト 事 業 」を 、
平 成 26 年 度 か ら 「 学 力 向 上 推 進 事 業 」 と し て 、 子 ど も た ち の
読書意欲を高め、魅力ある学校図書館づくりをサポートする、
学 校 図 書 館 支 援 員 の 巡 回 訪 問 を 新 た に 実 施 す る な ど 、児 童 生 徒
の学力と教員の指導力の向上に取り組んで参ります。
また、これからのまちづくりを担う子どもたちが、外国の文
化に触れ、生まれ育った郷土 に誇りを持ち、自分の将来を考え
る た め の 、「 国 際 理 解 教 育 活 動 支 援 事 業 」 や 「 槻 陰 舎 き ぼ う 塾 」
を引き続き実施して参ります。
文 化 財 の 保 護 ・ 活 用 に つ い て は 、「 天 台 寺 本 堂 ・ 仁 王 門 の 保
存修理」が本格化することから、事業が円滑に推進されるよう
支援して参ります。
また、史跡九戸城跡については、土地の公有化と発掘調査を
中 心 と し た 環 境 整 備 を 促 進 し 、関 係 団 体 と の 連 携 に よ り 史 跡 の
活用を進めて参ります。
スポーツ振興については、市体育協会などと連携しながら、
施 設 の 利 便 性 を 向 上 さ せ 、誰 も が ス ポ ー ツ に 親 し め る よ う な 環
境 づ く り を 進 め る と と も に 、競 技 ス ポ ー ツ や 選 手 育 成 に 対 す る
支援について、関係団体と協議を進めて参ります。
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(安全で安心して暮らせるまちづくり)
次 に 、「 安 全 で 安 心 し て 暮 ら せ る ま ち づ く り 」 に つ い て 申 し
上げます。
就 業 形 態 や 家 族 構 成 が 多 様 化 し 、少 子 高 齢 化 や コ ミ ュ ニ テ ィ
意識が希薄化する中、誰もが健康で生きがいを持ち、安全 で安
心して共に支え合う地域社会の実現に向けた取り組みを進め
る必要があります。
こ の こ と か ら 、 保 健 ・ 医 療 に つ い て は 、「 健 康 に の へ 2 1 プ ラ
ン (第 2 次 )」 に 沿 っ て 、 健 康 寿 命 の 延 伸 を 図 る た め 、 転 倒 予 防
と健康づくり事業に取り組んで参ります。
ま た 、健 康 診 断 等 の 積 極 的 な 受 診 勧 奨 な ど に よ り 受 診 率 の 向
上に努めて参ります。
低 所 得 者 対 策 に つ い て は 、生 活 困 窮 者 へ の 自 立 促 進 支 援 と し
て 、「 生 活 困 窮 者 自 立 促 進 支 援 モ デ ル 事 業 」 に よ り 、 本 人 の 状
態に応じた継続的な相談・就労支援を実施して参ります。
ま た 、消 費 税 増 税 に 伴 う 低 所 得 者 の 負 担 軽 減 を 目 的 と し た 臨
時福祉給付金など、支給に向けた準備を進めて参ります。
子 育 て 支 援 に つ い て は 、 保 育 環 境 の 整 備 の た め 、「 市 立 保 育
所の改修」を行うとともに、子ども・子育て支援新制度の本格
実 施 に 向 け 、「 子 ど も ・ 子 育 て 会 議 」 に お い て 、 地 域 の 子 育 て
支援策などについて検討を重ねて参ります。
また、不妊に悩む方の経済的負担の軽減 を図るため「特定不
妊治療支援事業」に取り組んで参ります。
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なお、子育て世代に対する医療費助成の拡充につい は、実施
に向けて助成内容の検討を進めて参ります。
国 民 健 康 保 険 事 業 に つ い て は 、将 来 の 広 域 化 を 見 据 え な が ら 、
今後不足すると見込まれる財源の確保策を早急に検討して参
ります。
また、浄法寺診療所の「CT診断装置」を整備し、地域医療
サービスの充実に努めて参ります。
このほか、予防接種、各種健診など で総合福祉センターを利
用 さ れ る 皆 様 の 利 便 性 を 向 上 さ せ る た め 、駐 車 場 の 整 備 を 進 め
て参ります。
災害に強い地域づくりについては、防災・救急拠点となる二
戸 消 防 署 の 整 備 を 進 め る と と も に 、「 自 主 防 災 組 織 の 設 立 ・ 育
成の支援」や「防災士」の養成など、地域・企業・行政が連携
した防災体制の強化を進めて参ります。
ま た 、高 齢 者 を は じ め と し た 災 害 時 要 援 護 者 避 難 支 援 の た め 、
引き続き市内全地域での連絡体制の構築を進めて参ります。
消費者行政については、昨年 、二戸地方で詐欺による被害が
発 生 し て い る こ と か ら 、消 費 者 の 安 全 と 安 心 を 確 保 す る た め に
も、継続的に関係機関と協力しながら相談体制の充実 と、犯罪
被害の予防啓発活動に取り組んで参ります。
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(生活環境が整備されたまちづくり)
次 に 、「 生 活 環 境 が 整 備 さ れ た ま ち づ く り 」 に つ い て 申 し 上
げます。
こ れ か ら の 社 会 基 盤 整 備 は 、老 朽 化 し た 施 設 の 計 画 的 な 維 持 、
修 繕 を 行 う と と も に 、施 設 の 効 率 的 な 運 用 を 図 る 必 要 が あ り ま
す。
また、環境負荷を低減させるため、ごみの減量化や資源化を
進める必要があります。
こ の こ と か ら 、 社 会 基 盤 整 備 に つ い て は 、 平 成 24 年 度 に 策
定 し た 橋 梁 補 修 計 画 や 、 平 成 26 年 度 に 策 定 す る 道 路 構 造 物 の
長寿命化計画に基づき、計画的な維持修繕に努めて参ります。
また、長年の懸案であった「岩谷橋架け替え事業」が本格的
な工事に着手することから、用地取得、建物等の移転補償など
を進めて参ります。
さ ら に 、「 市 民 協 働 道 路 整 備 事 業 」 な ど に よ り 道 路 環 境 の 向
上 を 図 る と と も に 、「 新 幹 線 二 戸 駅 周 辺 地 区 土 地 区 画 整 理 事 業 」
についても着実に推進して参ります。
「 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 」に つ い て は 、車 両 の 更 新 を 図 り な が ら 、
引き続き市民の足を確保して参ります。
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環境対策については、ごみ減量化に向けて、家庭、地域にお
ける水切りの徹底、あるいは、資源循環活動の推進など、環境
衛生組合や市民の皆様との協働により、ごみの減量化・資源化
に取り組んで参ります。
県 境 不 法 投 棄 事 案 に つ い て は 、岩 手 県 が 行 う 汚 染 土 壌 の 浄 化
が適切に処理されるよう引き続き注視して参ります。
(市民とともに歩むまちづくり)
次 に 、「 市 民 と と も に 歩 む ま ち づ く り 」 に つ い て 申 し 上 げ ま
す。
人口減少や地域コミュニティの衰退など地域を取り巻く環
境が変化するなか、市民と行政、団体、企業などが連携し、協
働 の ま ち づ く り を 推 進 す る と と も に 、宝 を 生 か し た 持 続 可 能 な
地域づくりを進める必要があります。
こ の こ と か ら 、「 市 民 協 働 推 進 事 業 」 に よ り 、 地 域 活 力 の 維
持向上のため、引き続き、町内会、NPO、市民団体、企業な
どが行う地域づくり活動に対して支援をして参ります。
また、
「 地 域 づ く り 計 画 」の 策 定 支 援 と 検 証 を 行 う と と も に 、
元 気 な 地 域 が 増 え る よ う 職 員 も 積 極 的 に 地 域 に 入 り 、対 話 を 重
ねて参ります。
さ ら に 、 平 成 28 年 の 希 望 郷 い わ て 国 体 に 向 け 、 来 客 者 に 本
市の魅力が伝わるよう、市民、企業、団体、行政などが一体と
なって、意識の醸成と受け入れ準備を進めて参ります。
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地域の「宝」については、自然や歴史・文化などに加え、高
齢 者 の 技 や 知 恵 な ど を 次 世 代 へ 伝 え 、宝 を 生 か し て 産 業 に 結 び
つける「宝興し」による地場産業の振興に取り組み、そこに暮
らす市民の皆様が愛着と誇りを持って暮らせる地域づくりを
進めて参ります。
また、地域おこし協力隊など、外部の視点から魅力を探り、
宝をめぐるエコツアーやインターネットをはじめ様々な媒体
や機会を捉え、本市の魅力を全国に情報発信し 、交流人口の増
加を図って参ります。
「にのへブランド海外発信事業」については、この事業で得
ら れ た 人 や 企 業 の ネ ッ ト ワ ー ク を 活 用 し 、生 産 者 や 関 係 機 関 と
連携しながら、国内外に本市の魅力を発信するとともに、特産
品の販路拡大により、地域産業の活性化につなげて参ります。
(スリムな行財政によるまちづくり)
最 後 に 、「 ス リ ム な 行 財 政 に よ る ま ち づ く り 」 に つ い て 申 し
上げます。
平 成 18 年 度 に 424 人 だ っ た 職 員 数 は 、 平 成 25 年 度 に は 344
人 と な り 、 合 併 後 7 年 間 で 80 人 減 少 し て い る 一 方 、 国 ・ 県 か
ら の 権 限 移 譲 や 法 制 度 改 正 な ど 、市 が 行 う 業 務 は こ れ ま で 以 上
に多様化、複雑化してきております。
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このことから、市職員の資質・能力の向上に向けた「職員研
修 の 充 実 」 に 努 め る と と も に 、 職 員 一 人 ひ と り が 、「 今 よ り 一
歩前に」という姿勢を持ち、常に市民の立場を意識しながら 市
民サービスの向上に努めて参ります。
行財政改革の推進については、今後、一段と厳しい財政状況
が 見 込 ま れ る こ と か ら 、第 二 次 二 戸 市 行 財 政 改 革 大 綱 に 基 づ き
各事業の改善点を検証しながら効率的な行財政運営に努めて
参ります。
自 治 体 連 携 の 促 進 に つ い て は 、官 民 が 一 体 と な っ た 交 流 を 進
め る こ と と し 、「 三 圏 域 連 携 事 業 」 な ど に 引 き 続 き 取 り 組 ん で
参ります。
また、東日本大震災を受け、様々な形の自治体連携も進んで
おりますので、これまでの産業振興や防災などに加え、より効
果的な連携について検討を進めて参ります。
な お 、継 続 的 な 被 災 地 支 援 と し て 3 名 の 職 員 を 被 災 自 治 体 に
1 年間派遣し、引き続き復興業務を支援して参ります。
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5
結びに
以上、市政運営と主要な施策について申し上げました。
私 は こ こ で 生 ま れ 育 ち 、多 く の 人 た ち と の 素 晴 ら し い 出 会 い
に恵まれ今日を迎えました。
そ の 一 つ ひ と つ の 出 会 い は 、欠 か す こ と の 出 来 な い 私 の 宝 で
あります。
人口減少は全国的な課題でありますが、本市もまさに、人口
減少・少子高齢社会という、これまで経験したことのない時代
を迎えようとしております。
「 チ ャ レ ン ジ し て 失 敗 を 怖 れ る よ り も 、何 も し な い こ と を 怖
れ ろ 。」 と い う 言 葉 が あ り ま す 。
私を育んでくれたこの二戸市に、何が出来るのか、何をすべ
きか、まだ手探りの状態です。しかし、何もしなければ、何も
変わらないし、何も生まれません。
私 た ち が 受 け 継 い で き た 二 戸 市 に 誇 り を 持 ち 、次 の 世 代 に つ
なげるために、若者や女性にも参加いただきながら、今いる場
所 か ら 一 歩 踏 み 出 し 、「 元 気 あ ふ れ る ま ち 〝 二 戸 ″ 」 を 目 指 し
果敢に挑戦して参ります。
議 員 各 位 並 び に 市 民 の 皆 様 に ご 理 解 い た だ き 、重 ね て ご 協 力
賜りますようお願い申し上げ、施政方針と致します。
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