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ノバルティス ファーマ株式会社
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MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG
2010年12月13日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
ノバルティス(スイス)が発表しましたリリースの日本語訳(要約)をご参考までにお届けします。
ノバルティスの「ゾメタ®」、「ランセット」誌に第III相試験データが掲載
新たに多発性骨髄腫と診断された患者さんの全生存期間を改善
• 化学療法に「ゾメタ®」を追加投与した場合、経口クロドロネート*を追加投与した
場合と比較して、無増悪生存と全生存を有意に改善
*クロドロネート
日本では未発売の経口ビスホスホネート剤
• 「ゾメタ」は、クロドロネートと比較して、骨関連事象の有意な減少に加えて/
またその効果に関わらず、臨床的に有意な抗腫瘍効果を示す
• 世界的に権威のある医学論文誌に、ASCO で初めて発表された本データが掲載
複数のがん種における「ゾメタ」の潜在的抗腫瘍効果を示唆する臨床的エビデンス
を強化
2010年12月4日、スイス・バーゼル発 — この度、「ランセット」誌に、新たに多発性骨
髄腫と診断された患者さんにおいて、一次治療の化学療法に「ゾメタ®」(一般名:ゾレ
ドロン酸)を追加することで、経口クロドロネートを追加した場合と比較して、全生存(OS)
と無増悪生存(PFS)の有意な改善が示されたという研究結果が新たに掲載されました。
こうした生存期間に対する効果は、「ゾメタ」の骨合併症(あるいは「骨関連事象」SRE:
skeletal-related event)に対する効果に関わらず示されました1,2。
「ランセット」誌に掲載されたこの試験結果は、2,000名近くの多発性骨髄腫の患者さん
を対象とした「Medical Research Council (MRC) Myeloma IX(以下Myeloma IX)」
と呼ばれる大規模・無作為・第III相臨床試験で得られたものです1。これらの結果は、2010
年6月に米イリノイ州シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO: American Society of
Clinical Oncology)の第46回年次総会で初めて報告されました。
3.7年のフォローアップ期間(中央値)において、経口クロドロネートと比べ、「ゾメタ」
の追加投与により、死亡リスクは16%減少(HR=0.842、95%信頼区間0.74-0.96、P=
0.0118)、また無増悪生存イベントの相対リスクは12%低下しました(HR =0.88、 95%
信頼区間0.80-0.98、P=0.0179)。「ゾメタ」は、生存に関する評価項目においてクロドロ
ネートに対する優位性を示したことに加え、多発性骨髄腫に関連して発生するSREの予防
においても、ベースライン時におけるSRE既往の有無に関わらず、クロドロネートを有意
に上回りました1。
世界中で、毎年75万人以上の患者さんが新たに多発性骨髄腫と診断され、こうした患者さ
んの全生存期間の中央値は3年から5年です3。進行した多発性骨髄腫の患者さんの95%近
くが骨関連疾患を抱えており、治療しない場合、その半数がSRE(骨折、骨への放射線投
与や手術、骨病変および/または脊髄圧迫)を経験します4,5。
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英国のThe Royal Marsden and The Institute of Cancer Researchの血液腫瘍学の責任者で、
本試験の治験総括医の一人でもあるGareth Morgan教授は次のように述べています。「多
発性骨髄腫の患者さんを治療する血液専門医として、『ゾメタ』が示した生存ベネフィッ
トを非常に心強く感じています。『ゾメタ』のSREにする効果は以前から知られています
が、今回の結果は、『ゾメタ』が多発性骨髄腫の治療に新しい役割を持ち、この病気と闘
う患者さんの延命につながる可能性があるということを示唆しています」
「ゾメタ」は、多発性骨髄腫およびさまざまながん(乳がん、前立腺がん、肺がん、その
他固形がん)の骨転移において、骨合併症を減少あるいは遅延させるための治療薬、なら
びに悪性高カルシウム血症(HCM)の治療薬として、100カ国以上の国で承認されていま
す2。「ゾメタ」は、がんの治療において最も広く使用されているビスホスホネート製剤で
あり、これまでに世界中で390万人以上の患者さんの治療に使用されています。
ノバルティス オンコロジー事業部プレジデントのエルベ・オプノーは次のように述べて
います。「多発性骨髄腫の患者さんの全生存と無増悪生存が改善したことに勇気付けられ
ています。この大規模な試験の知見は、様々ながん種における『ゾメタ』の潜在的な抗腫
瘍効果を裏付ける新たなエビデンスとなるものです」
「MRC Myeloma IX」試験の詳細1,6
Myeloma IX試験は、骨疾患の重症度、生存期間改善の観点から、「ゾメタ」の静脈注射(3-4
週間ごとに4mgを投与)と経口のクロドロネート(1600mg/日)を比較した、第III相前向
き・多施設・無作為化・比較対照試験です。国際病期分類(ISS)で新たにステージI、II、
またはIIIと診断された、合計1,960名の英国とニュージーランドの評価可能な多発性骨髄腫
の患者さんが、全身状態、インフォームド・デシジョン、インフォームド・コンセントに
基づいて、intensive treatment群(自家造血幹細胞移植適応群)とnon-intensive treatment
群(自家造血幹細胞移植非適応群)のいずれかに登録されました。両治療群において、患
者さんは、二種類の第一選択療法(導入化学療法)のどちらかと、クロドロネートあるい
は「ゾメタ」の組み合わせの計4群に無作為に割り付けされました。
本試験の主要評価項目は全生存(OS)、無増悪生存(PFS)、そして奏効率でした。OS
は、無作為割り付けの後、何らかの原因による死亡までの期間、またPFSは、無作為割り
付けから疾患の進行あるいは死亡までの期間として定義されています。SRE(骨折、骨へ
の放射線投与、骨の手術、骨病変および/または脊髄圧迫)および安全性などが副次的評
価項目に含まれました。
3.7年のフォローアップ期間(中央値)では、「ゾメタ」の追加投与により、経口クロドロ
ネートと比較して、死亡リスクは16%低減(HR=0.842、95%信頼区間0.74-0.96、P=0.0118)、
無増悪生存イベントの相対リスクは12%(HR=0.88、95%信頼区間0.80-0.98、P=0.0179)
低下しました。
SREを経験した患者さんの割合は、クロドロネート投与群に対し、「ゾメタ」投与群で24%
減少しました(35.0%に対し27.0%;P=0.0004)。「ゾメタ」による延命効果は、新たに
多発性骨髄腫と診断されたステージI、II、またはIIIの患者さんで確認されました。さらに
全生存期間延長効果は、SREに対する抑制効果によるものとは独立して確認されました。
時間に依存する共変量としての最初のSREを含む探索的なコックスモデルにおいて、「ゾ
メタ」によるOSの改善は、SRE発生に関わらず、クロドロネートに対して統計的有意差を
保っていました。調整後の結果が示したところによると、「ゾメタ」では、クロドロネー
トに比べ、死亡リスクが15%(HR 0.85; CI 0.74-0.97; P=0.018)低下しました。さらに、
「ゾメタ」の投与により、患者さんが試験参加時に骨病変を有していたかどうかとは関係
なく、新たな骨病変の発生が減少しました。
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「ゾメタ」の忍容性プロファイルは確立されており、本試験の結果はこれまでのプロファ
イルと同様でした。「ゾメタ」およびクロドロネートの治療群で発生した顎骨壊死(ONJ:
osteonecrosis of the jaw)は、それぞれ、4.0%と1.0%未満でした。腎臓の影響は、両治療
群で同様であったことが報告されています。
ゾメタ®について
「ゾメタ」は、骨転移のある患者さんにおける骨関連事象(病的骨折、脊髄圧迫、骨への
放射線投与または手術)、悪性腫瘍による高カルシウム血症の予防に使用されています。
「ゾメタ」は、標準的抗がん剤治療との併用で、多発性骨髄腫や固形がんの骨転移のある
患者さんの治療薬として承認され使用されています。
静注ビスホスホネート製剤である「ゾ
メタ」は、毎月投与することで、転移を伴う乳がん、前立腺がん、肺がん、腎細胞がんな
どさまざまながん患者さんの骨合併症を減少または遅延させるうえで有効性を示す唯一の
治療法です。「ゾメタ」は、投与量が4mg、投与時間は15分と短く簡便であることから、
患者さんや医療現場にもメリットをもたらしています。
日本におけるゾメタの適応症は以下の通りです。
• 悪性腫瘍による高カルシウム血症
• 多発性骨髄腫による骨病変および固形癌骨転移による骨病変
参考資料
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5
6
Morgan G., et al. First-Line and Ongoing Treatment with Zoledronic Acid Improves Overall Survival in
Patients with Multiple Myeloma: Results of the MRC Myeloma IX Randomised Controlled Trial. Lancet.
Published Online. December 4, 2010.
Morgan, G., et al. Evaluating the Effects of Zoledronic Acid (ZOL) on Overall Survival (OS) in Patients
(Pts) with Multiple Myeloma (MM): Results of the Medical Research Council (MRC) Myeloma IX
study. Abstract #8021. American Society of Clinical Oncology 2010 Annual Meeting.
Podar K., et al. Emerging Therapies for Multiple Myeloma. Expert Opin Emerg Drugs. 2009:14(1):99-127.
Coleman R. E. Skeletal Complications of Malignancy. Cancer. 1997:Supp 1. 1588-1594.
Berenson J.R. Recommendations for Zoledronic Acid Treatment for Patients with Bone Metastases. The
Oncologist. 2005:10:52-62.
Morgan G., et al. MM IX Protocol. Version 3.0.
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その
内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどに
より、将来の結果が現在の予想と異なる場合があることをご了解下さい。なお、詳細につ
きましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照下さ
い。
ノバルティスについて
ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、高品質かつ安価なジェ
ネリック医薬品、予防のためのワクチン・診断関連事業、そしてコンシューマー向けの一般用医薬
品、コンタクトレンズ、動物用医薬品など、幅広い分野の製品を提供しています。ノバルティス・
グループ全体の 2009 年の売上高は 443 億米ドル、研究開発費は 75 億米ドルでした。スイス・バ
ーゼル市に本拠を置くノバルティスは、約 100,000 人の社員を擁しており、世界 140 カ国以上で製
品が販売されています。詳細はインターネットをご覧下さい。http://www.novartis.com
以上
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