JICA 英国事務所 英国援助情報ヘッドライン 19 December 2005 Vol. 7 From: 英国事務所長 <プレスリリース> 英国はシエラレオーネ支援に 2600 万ポンドの拠出を決定した。支援内容は財政支援に 1500 万ポンド、汚職追放に 500 万ポンド(即刻実施)、PRSP トラストファンドと選挙改 革にそれぞれ 300 万ポンドである。 (11 月 29 日) 英国はパキスタンの人道支援に 2500 万ポンドの追加拠出を決定した。主な使途は冬季に 必要な援助物資を届けるために国連が使用するヘリコプターの使用料 4 か月分を肩代わり するもの。また、英国工兵隊の派遣についても合意した。地震災害の復興支援としての英 国の支援総額は 1.28 億ポンドとなる。(11 月 24 日) 欧州諸国の開発大臣がブリュッセルにて共通の開発政策宣言について合意した。合意点 としては、EU の援助額を 2010 年には倍増すること、貿易キャパシティーを構築すること、 EC 経由の援助をすべてアンタイドにすることが含まれている。(11 月 22 日) アフリカ委員会が提案し、グレンイーグルスサミットで支持されたアフリカの投資環境 整備基金(ICF)に英国政府は 3000 万ポンドを払い込み、シェル社とアングロアメリカン 社もそれぞれ 250 万ポンドを提供する。ICF へは官民、国際機関などが共同出資し、NEPAD との連携も期待されている。ICF の有効期間は 7 年で、最初の3年間で 1.2 億ポンドの出資 を目標にしている。運営は過半数がアフリカ国出身者からなる理事会が行う。 (11 月 17 日) DfID は貿易に関する支援を 2010 年までに年間 1 億ポンドに増加させる。支援は特にサ ブサハラアフリカに向けられ、税関改革や EU 市場が求める衛生基準に合致する製品開発 に向けられる。例えばモザンビークではこの支援により収入を 7000 億ドルから 2.5 億ドル に増加させることに成功した。英国はこの経験は他国にも活用できると考えている。 (11 月 14 日) 英国に居住している 200 万人が昨年に途上国の家族や親戚などに送った送金総額は 27 臆 ポンドであったことが報告書で明らかになった。送金先国では多い順にインド、パキスタ ン、ジャマイカ、中国、ナイジェリアで、1 回あたりの送金額では 50 から 500 ポンドが最 も多い。全世界から途上国に送られる送金額は 1000 億ポンドと見積もられ、直接投資に次 いで多く、国際援助を上回っている。報告書では競争原理を導入することで送金希望者が 容易に送金方法を選択できるようにし、携帯電話や ATM などの技術の普及を提案している。 それに合わせて DfID は出身地への送金案内の情報サイトを更新し、手数料や送金にかかる 所要日数が容易に比較できるようにした。また、すでに東部アフリカでは携帯電話を利用 した送金、南アフリカではデビットカードの普及にも DfID が協力している。 (11 月 11 日) <ニュース> ネパール開発に関する会合がロンドンで 11 月 18 日に開催され、国連、世銀、IMF、ア ジア開銀、EU、欧州諸国、米国が参加した。会合では援助効果や人権について討議され、 ネパール国内情勢のために両方とも引き続き懸念材料であることが結論づけられた。 (11 月 23 日) DfID と財務省はグレンイーグルスサミットとミレニアムリビューサミットのフォローと して「コミットメントから行動へ」という保健医療、教育、成長に関する提言書を作成し、 世銀、WHO、ユネスコへ送付した。提言書では 18 カ国の最貧国の債務削減、2015 年を目 標に児童への初等教育と基礎医療サービスの提供、2010 年までに HIV・エイズ治療へのア クセスの確保を求め、途上国にはより積極的な国家計画や政策を求めている。 (11 月 21 日) SADC マラリア週間に合わせて DfID がモザンビークに新たな蚊帳プログラムを開始し た。このプログラムではイニャンバネ州では妊婦を優先とした蚊帳の配布を保健セクター 経由で行い、ナンプラ州では民間セクターを通じて蚊帳を配布する。それによって蚊帳の 流通システムが整い利用者が身近の商店で殺虫剤処理済の蚊帳を適正価格で購入できるよ うになる。(11 月 9 日) DfID は 2004 年から 2007 年までの女性のための国連基金(UNIFEM)に対する戦略を 発表した。その中で UNIFEM は PRS、国別共同アセスメント、国連開発支援フレームワ ークにて重要な役割があるとしている。(11 月 3 日) <演説> ブラウン蔵相は CAFOD(カトリック系国際協力機関)で講演し、途上国への貿易への支 援の必要性について、先進国に支払われている補助金 6 ドルが開発援助 1 ドル分の効果を 帳消しにしていると指摘し、非平等な貿易の改革は農業よりも重要であると述べた。また、 途上国においても貿易の自由化は外圧ではなく、各国が自ら決定することとし、そのため には貿易の能力構築も重要であると述べた。また、カシミール地震、中米の洪水、インド 洋津波などの自然災害に対する CAFOD の救済活動を評価し、カシミール地震では英国は CAFOD に 3300 万ポンドと空軍のヘリコプター3 機を提供していると述べた。さらに国連 が検討している緊急援助のリボルビングファンドに関して、OCHA が今月末にプロポーザ ルを作成するが、資金規模としては 5 億ドル程度が妥当と述べた。(11 月 17 日) ベン開発相はリーズ・メトロポリタン大学で講演し、アナン事務総長が「より多くの自 由」という報告書にて提唱している、開発と安全保障は共に重要であるが人権が保障され なければ共に成果がでないという点に同意すると共に、貧困削減には貧困者の声が意思決 定に反映することが重要で、開発には直接裨益する人々の参加を保障し、平等な社会を作 り、国はそれを保障する義務があると述べた。また、エチオピアにてデモ隊が弾圧され、 多数の死者が発生した事件に触れ、人権の重視とそれが実証されるまで援助を見直す旨を エチオピア首相に直接伝えたと述べた。そして、このような事情のためにエチオピアの国 家予算が影響を受け、貧困者への保健医療や教育の機会が削られてしまうことは憂慮すべ き事態だと述べた。(11 月 11 日) 以 上
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