□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 西 い わ み 集 落 営 農 メ ー ル マガ ジ ン ~2010.9.9 第62号~ □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ <目次> 1 ほっトピックス 2 各集落組織の動き ①わくわくつわのサブソイラー実演会 ②移動型少量培地耕栽培(トロ箱栽培)の導入要望を! 3 ☆現地インタビュー☆ (農)豊郷 代表理事 北條義洋氏 に聞く! 4 イベント・”とくとく”情報 ①平成22年産水稲仮渡金について ②西いわみヘルシー元氣米の新米宣伝販売 ③吉賀町有機農業塾の開催 ④農政情報 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 ほっトピックス ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●飼料米の生産と利用のファーラム開催! 8 月 21 日益田駅前ビルEAGAで「第 5 回食料・農林業・環境フォーラム学習 会~飼料米への生産拡大戦略を探る~」が開催されました。 飼料米生産者として(農)丸山の郷の代表である村上さんがパネラーとして 参加され、「取り組みやすい作物であり、遊休農地対策となる」等の報告を初 め、養鶏農家・生協しまね・行政から飼料米生産に対する取り組み及び課題が 報告されました。 全体討議では、今後も継続した取り組みにしていくためには「安定した生産 量の確保」と「生産量に見合った助成金体系」、「新たな発想での栽培方法見 直し」等の意見が多数出され、今後の生産拡大への期待が大きいことを感じま した。 (益田普及部 領家) ●デザインセミナー開催 今年 3 月に津和野町で講演をして頂いた㈱四万十ドラマの畦地履正氏と、農 林水産物の生産から販売までをトータルでデザインされている梅原真氏をお招 きし、講演会と商品開発相談会が 8 月 20 日道の駅「シルクウェイにちはら」で 開催されました。講演会は満員、相談会でも、具体的な地域内の商品に対する アドバイスが多数ありました。圧巻だったのは、商品開発相談のあったとある 商品について、その日の内に東京での商談開始が決まったことです。スピード の早さに一同驚きました。今後とも是非、ご指導をいただけたらと思います。 (益田普及部 田中) ●西いわみヘルシー元氣米マーケティング研修会 7 月 29 日、日原山村開発センター大ホールにて、表題の研修会を開催しまし た。西いわみのブランド米である「ヘルシー元氣米」の生産者が集い、米のマ ーケティングについて研修を受けました。講演では、ホシノ・アグリ・コミュ ニケーション代表の星野康人氏から、「モノ」を売るのではなく「コト」を売 ることの大切さを学びました。『「モノ」を売ると、米は全国どこにでもある ため、必ず安売り競争となり、産地は疲弊してしまうが、その地域しかない資 源や物語を付加して売ることによって、唯一の商品として有利販売できる。』 との話がありました。その後、ヘルシー元氣米販売PJの経過報告がJAから ありました。会場内では、田んぼの生き物やかつての消費者交流会等の写真展 示、魚沼産コシヒカリとの比較試食会等があり、大いに盛り上がりました。 (益田普及部 松原) ●赤雁の里 農村歳時記 8 月 1 日 ( 日 ) に農村公園赤雁の里で、講師に吉賀町教育委員会教育次長 の吉中 力氏を招き、「第2弾田んぼの生き物調査」が行われました。毎年交流を行っ ている川崎市の子供達も参加し、田んぼと川で生き物調査に熱中しました。 見つけた生き物は、マシジミやギギ、アユなど約 20種類ほどで、閉会式の時 には吉中先生から「比較的きれいな川だ」との評価を受けました。また、子供 達の中には川で泳ぎだす子もおり、楽しんでいる様子でした。 昼食には流しそうめんと、赤雁の里スタッフ特製なますとおむすびで、参加 者全員美味しくいただきました。 (JA西いわみ営農企画課 橋本) ●鹿足郡水稲部会合同管内実証 ほ現地視察 8 月 10 日、鹿足郡内の3つの水稲部会合同で、管内に設置している実証ほの 視察を行いました。昨年に引き続き、元肥に鶏 糞を利用した栽培技術の実証やWCS用稲乾田 直播栽培のほ場を順番に見て回りました。WC S用稲乾田直播では、低コスト・低労働力を図 りながら、かつ収量・品質確保を目指して実証 を行っています。乾田直播は、コスト・労力が 削減できるものの雑草対策が最大の課題となっ ていて、適期に除草剤を散布しないと大変なこ とになってしまいます。しかし、この技術が確 立すれば、今後、管内で普及できるものと考え ています。また、鶏糞元肥施用実証ほでは、コシヒカリで 250kg/10a 、きぬむす めで 500kg/10a の鶏糞を施用していますが、一般栽培と比べても遜色ありません でした。安い鶏糞を使用することでコストの低減が図られるため、普及の可能 性は十分あると思われます。 (益田普及部 松原) ●中山間地域等直接支払協定集落推進連絡会議先進地視察研修 7 月 30 日、中山間地域等直接支払協定集落推進連絡会議 のメンバー等 35 名で 「条件不利地域での地域活性化&法人経営」をテーマとした視察研修を行いま した。 視察先① 上田西「百姓王国」(岡山県吉備中央町上田西) 平坦地がほとんどなく、急斜面が多くを占める条件不利地域です。人口 13 千 人( H18 から千人減)の農業中心の町であり、過疎・高齢化等に悩んでいまし た。そんな中、町長が直々に住民と対話する「ス ルメ談義」を開催し、農業分野でも「自然のあり のままで一大農業公園を!!」と「百姓王国」が 建国されました。ここには宿泊研修施設が備えら れており、中山間地域ならではの貴重な体験がで きると好評で、全国各地から小中学生を中心に数 多くの申込があります。 「百姓王国」では作物ごとに 12 名の大臣が置 かれ、組織的に連携が取られています。 体験農業の受入れ農家や、宿泊体験施設では非農 家も一緒に地域料理を提供するなど、住民同士の 宿泊体験施設の様子 連携が深まり、地域活性化に大きく寄与している とのことです。 視察先② 農事組合法人 仙養(構成員 11 名)(広島県神石郡高原町) 高原町の人口は 11 千人(高齢化率 43 %)と小さな町です。(農)仙養が活動 する地理条件は極めて悪く、「急傾斜地に農地が張り付いている」という表現 が適しています。 (農)仙養は、集落協定から法人化した組織です。経営としては、棚田で水 稲 4ha( 約 120 筆 ) で開始し、同時に県プロジェクトである「ピオーネ栽培」 1ha に 着手、本年に初収穫を迎えるそうです。 法人化の目的は、個々の農業では成立しないため経費を抑制することと、農 地荒廃を防ぎ、後継者が戻る場所を作っておくというものでした 。中でも「農 地が荒れると住民の心も荒んでしまう」という言葉が印象に残っています。 悪条件の中での経営であり、今後の見通しを尋ねると「先のことをあれこれ 考えても仕方ない!やるしかない!」と いう返答でした。 (農)仙養の代表は、独特の雰囲気を 持った仙人のような風貌をしており、発 言も力強く、リーダーシップを持たれた 方でした。 帰りのバスでは(農)仙養の話に勇気 づけられた方も多くおられ、代表の話題 で持ちきりでした。 当連絡会議は 22 年 12 月に解散します が、同時に「第 3期 :中山間直払連絡 会議」を設立予定です。今後も地域活性 化につながる活動を、精力的に行うこと としています。(益田支援C 五百蔵) 左端:(農)仙養 代表 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2 各集落組織の動き ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●わくわくつわの ~サブソイラー実演会~ わくわくつわの協同組合で昨年度導入した、振動サブソイラーの実演会を 8 月 19 日津和野町おくが野現地で開催しました。 昨年度は特に津和野町の菜種栽培において湿害が顕著であり、圃場内を額縁 状に明きょした圃場でさえ生育がよくあ りませんでした。今年度の菜種栽培では こうした経験をふまえ、明きょプラス弾 丸暗きょを施し、湿害回避を図ることと し、その前段で実演会を開催することと なりました。 当日はトラクターへの脱着実演の後、 実際に菜種栽培予定地で使ってみました が、トラブルもなく比較的スイスイと暗 きょができました。深さも 30cm まで弾 丸部分が入っており十分な深さと考えら れました。今後は各法人において 9 月末 の菜種播種までに作業していただく予定です。 (益田普及部 田中) ● 移動型少量培地耕栽培(トロ箱栽培)の導入要望を! 7 月 8 日に津和野町のほ場で集落営農組織を対象に「育苗ハウスを利用したト ロ箱栽培研修会」を開催しました。研修当日に数組織から、ぜひ取り組んでみ たいとの要望もあり、現在、普及部で栽培作物や導入機材選定の相談を実施し ています。希望する組織は早めに普及部まで御連絡ください。( 10 月末までに 連絡願います) なお、導入については「地域貢献型集落営農確保・育成事業」を利用予定で す。(補助率1/2以内) (益田普及部 領家) ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3 ☆現地インタビュー☆ ~益田市横田町 農事組合法人豊郷 ~ ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 平成 11 年度から始まった県営ほ場整備を契機に、後継者不足に対応し地域 全体で農業・農地を守っていくことを目的に、益田市横田町内 4 集落をエリ アとする集落営農法人を平成 16 年 3 月に設立した。 今回話を伺った北條義洋氏は平成 21 年 1 月から 2 代目代表理事に就任した。 平成 22 年度の経営面積は 29ha 、 うち水稲 16ha 、 大豆 12.6ha の 他、タラの芽 を 40a 新 植した。タラの芽は 23 年 2 月から収穫見込みである。 Q:代表になられて 2 年目になりますが、運営上気をつけている点はあります か? A:設立当初から比べて理事もだいぶん代わった。少なくとも役員には物事を オープンにして相談するように心がけている。わしが明日倒れても法人は 継続していかんといけんけー。 Q:「出役者がいない」という悩みがいろいろな法人で聞かれますが、大面積 をこなすのに人員を確保するための工夫はありますか? A:うちでは常時出られる人が 4 人、土日中心の臨時に出られる人が 5 人、その 他に農繁期に 7 ~ 8 人頼むこともある。 オペレーター確保のポイントは出てもらう ほとんどの人に機械に乗ってもらうこと。 法人設立前に、各家庭で機械に乗っていた ので問題はない。機械が大きくなっただけ のことじゃけー。 Q:苦労された点はありますか? A:どこも同じだと思うが、やはり人間関係を まとめること。前でも述べたように組合員 に率直に話すことやいろんな失敗も重ねて やっとスムーズにいくようになった。今で は物事を決めるときや日常の作業でもめることはほとんどないかのう 。 Q:将来こうなりたいというような 方向があれば教えてください。 A:今日の作業をするので精一杯!(笑)じゃが、今後高齢化が進むと周りの 農地はもう少し受けないといけんかなーと思っている。 今は 60 代が中心で運営しているため、 50 代以下の人たちに関心を持っても らう仕掛けも考えていきたい。 (聞き手:益田普及部 山﨑) ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4 イベント・”とくとく”情報 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●平成 22 年産水稲仮渡金について 平成 22 年産の水稲仮渡金が発表されました。主要な銘柄の単価は以下のとお りです。 円/30kg 品 種 1等 2等 3等 コシヒカリ(A米) 5,350 4,750 4,250 〃 (M米) 5,150 ハナエチゼン 5,000 4,400 きぬむすめ 5,100 4,500 ※JA基準米の場合の単価 ※ハナエチゼンは 9 月末までの入庫のもの。 ※低水分・高水分の場合は▲ 250 円。( 1,2 等) 3,900 4,000 (益田普及部 松原) ●西いわみヘルシー元氣米の新米宣伝販売 キヌヤ 4 店舗にて、ヘルシー元氣米の新米宣伝販売を行います。 日時・場所:9月18日(土)キヌヤ東町店、中吉田店 9月19日(日)キヌヤショッピングセンター 、西益田店 (益田普及部 松原) ●吉賀町有機農業塾の開催 吉賀町では、美しい自然環境を守り循環型社会実現のため有機農業に取り組 んでいます。今年度は、これから有機農業に取り組みたい人や興味をもたれて いる人を対象として全 10回 で「吉賀町有機農業塾」を計画しました。 第 1 回は、「有機農業とは」といった基本的なところから開催して、第 2 回以 降、専門的な講義・実習を交え農業簿記にいたるまで盛り沢山の内容での開催 を予定しています。 原則として、全 10 回を通して受講できる方を対象として申し込みの受け付け を終了していますが、一部公開講座もあり、詳しくは吉賀町役場産業課までお 問い合わせ下さい。 (吉賀町産業課 佐々田) ●農政情報 1.県単事業:地域貢献型集落営農確保・育成事業 経済の維持(高齢者の生き甲斐や所得確保等)、生活の維持(地元住民の生 活支援等)、人材の維持( UI ターン受け入れ活動等)等の活動により、農業 ・農村の活性化に貢献する組織を支援いたします。 地域貢献型集落営農機能強化支援事業 (1)野菜の少量多品目生産(例:野菜のトロ箱利用栽培など)、和牛放牧 などの地域の経済維持活動に取り組む場合の推進活動及び施設・機械 整備(ソフト及びハード事業) (2)地域住民の生活支援、環境保全活動、伝統文化継承など地域の生活活 動に取り組む場合の推進活動(ソフト事業) (3)都市住民との交流など地域の人材維持活動に取り組む場合の推進活動 (ソフト事業) 事業の詳細については、各市町担当者へご相談ください。 2.国庫事業:農畜産業機械リース支援事業 認定農業者、集落営農、新規就農者などが計画的な経営改善・発展に必要 な機械及び施設を、リース方式で導入する場合に支援する事業です。 申請の流れは、借受者(農業者)とリース会社が、共同で全農へ直接申請す ることとなっています。 申請書の応募期間は 9/1 (水)~ 9/30 (木) 全農必着です。 事業の詳細については全農のHPをご覧ください。 ( http://www.zennoh.or.jp/bu/seisanshizai/nouki-lease/index.html ) (西部農振C農政部 幸田) ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◎編集後記 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今年の夏は暑かったですね!常々、マスコミ用語は大げさだと思っていまし たが、今年は「猛暑」「酷暑」の言葉がふさわしいと感じました。それにして も、猛暑と酷暑どちらが暑いのでしょうか? 異常気象と叫ばれるようになり 10 年近く経ちます。今は異常が普通になって いるとも聞きますが、日本の夏は人間の体温以上の気温であるのが普通なのか ?暑すぎて野菜の価格が高騰するのが普通なのか??一方でコシヒカリの仮渡 金が 5 千円近くまで下がってしまうのが普通なのか???ちょっと話が飛躍し すぎました。私もこの暑さで頭が普通ではないのかもしれません 。(T.Y) 「西いわみ集落営農メールマガジン 」第62号 2010/9/9発行 このメールマガジンは集落営農育成に取り組まれている、あるいは関心のあ る農業者、関係機関の方々にお送りしています(2月に1回発行)。 配信先追加又は配信停止をご希望される方は、下記に連絡をお願いします。 また、感想等を遠慮なくお寄せください。投稿も大歓迎です。 バックナンバーを御覧になりたい方は以下のアドレスをご覧下さい。 http://www.pref.shimane.lg.jp/seibu_norin/magazine/ ◇編集スタッフ 重本・幸田(島根県西部農林振興センター 農政部) 領家・田中・山﨑・松原 (同センター 益田事務所 農業普及部 ) 五百蔵・石橋(益田市農業担い手支援センター) 水津(津和野町農業担い手支援センター) 佐々田(吉賀町産業課) 井川・橋本 (JA西いわみ 営農部 営農企画課 ) ◇送信担当 E-mail :島根県西部農林振興センター 益田事務所 松原 隆敏 E-mail : [email protected] F A X : 0856-31-9608 郵送・ FAX: JA西いわみ 営農部 営農企画課 井川 津多夫 TEL : 0856-23-1911 FAX : 0856-24-0453 ◇発行元:西いわみ集落営農組織連絡協議会 (事務局: JA西いわみ 営農部 営農企画課) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
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