期末試験について 7 月 29 日 (火)1 時から期末試験を行います。教室は C23 教室です。中間試験のときと違う部屋なの で注意してください。15 分くらい前に来てください。試験範囲はテーラーの定理以降です。最低限、 演習問題 7∼10 は完全に解けるように (関数が多少変わっていても解けるように) なっておくことが 必要です。高得点を狙う人や積分の定義や一様連続関数などについても深く理解しておくと良いで しょう。 第八回レポート略解の訂正 3 (1)、フィードバックにも書かれてある通り私の答え f (2x+2)−f (−2x) は間違いで f (2x + 2) + f (−2x) が正しいです。例えば、f (x) = 1 や f (x) = x などの簡単な式を問題 および私の解答に代入すると、私の解答が間違っていること、そして、どの変形で間違ったのかがわ かります。 2014 年 数学通論 I 演習解答 9 (津川 光太郎) 間違いを見つけたら教えて下さい. x x+6 4 9 1 (1) 未定係数法により x2 −x−6 = x −x−6+(x+6) = 1 + (x+2)(x−3) = 1 − 5(x+2) + 5(x−3) x2 −x+6 ∫ x2 したがって x2 −x−6 dx = x − 54 log |x + 2| + 95 log |x − 3| ∫ x−1 ∫ t−1 ∫ ∫ 1 (2) 2 − x = t とおけば (2−x) dt = t−2 dt − t−3 dt = −t−1 + 12 t−2 = − 2−x + 3 dx = t3 2 2 1 2(2−x)2 5x+3 1 1 1 1 4 (3) 未定係数法により (x+1)(x−1) 2 = 2 · x−1 − 2 · x+1 + (x−1)2 ∫ dx ∫ dx ∫ dx ∫ 1 1 1 4 5x+3 − x+1 ) + 4 (x−1) したがって (x+1)(x−1) 2 dx = 2 ( 2 = 2 log |x − 1| − 2 log |x + 1| − (x−1) x−1 √ (4) x + 1 = t とおけば x = t2 − 1 より dx = 2t したがって dt ∫ dx ∫ 2dt ∫ dt ∫ dt √ √ √ = t2 −1 = t−1 − t+1 = log |t − 1| − log |t + 1| = log | x + 1 − 1| − log | x + 1 + 1| x x+1 √ 2 = t2t+1 (5) x2 + 1 = t − x とおくと x = (t2 − 1)/2t、 dx 2 となりこれを与式に代入すると dt ) ∫ ( 1 1 1 1 1 2 t − + 3 dt = ( t2 − 2 log t − 2 ) 4 t t 4 2 2t √ √ これに t = x2 + 1 + x を代入すると以下の答えが得られる。 ( 1t = x2 + 1 − x を利用すると計算が 楽である。) √ 1 √ 1 = x x2 + 1 − log( x2 + 1 + x). 2 2 2 2u 以下の (6),(7) は u = tan x2 とおいて du = 1+u , sin x = 1+u 2 , cos x = dx 2 ∫ dx ∫ x (6) 1+cos x = du = u = tan 2 ∫ du ∫ 1+cos x 4 −3 dx = 4 (u+1) = − 34 (tan x2 + 1)−3 (7) (1+sin 4 = − 3 (u + 1) x)2 1−u2 1+u2 を用いる. ∫ π/2 ∫ π/2 ∫ π/2 ∫ π/2 π/2 2 (1) 0 sin5 x dx = [sin4 x(− cos x)]0 +4 0 sin3 x cos2 x dx = 4 0 sin3 x dx−4 0 sin5 x dx。 ∫ π/2 ∫ π/2 ∫ π/2 ∫ π/2 8 ゆえに 0 sin5 x dx = 54 0 sin3 x dx 同様の操作で 0 sin3 x dx = 23 0 sin x dx = 32 よって 15 ∫π ∫ π/2 (2) x − π/2 = t とおくと 0 (1 − sin x) cos6 x dx = −π/2 (1 − sin(t + π/2)) cos6 (t + π/2) dt = ∫ π/2 ∫ π/2 (1 − cos t) sin6 t dt = 2 0 (1 − cos t) sin6 t dt (被積分関数が偶関数であることから) −π/2 ∫ π/2 ∫ π/2 ∫ π/2 2 ∫ 5·3·1 π/2 ここで (1) と同様にして 0 sin6 t dt = 56 0 sin4 t dt = 5·3 sin t dt = 1 dt = 5π を 6·4 0 6·4·2 0 32 ∫ π/2 ∫ ∫ π/2 π/2 6 6 π/2 6 6 1 得る。また 0 cos t sin t dt = [sin t sin t]0 − 6 0 cos t sin t dt よって 0 cos t sin t dt = 7 ゆ ∫π 5 えに 0 (1 − sin x) cos6 x dx = 16 π − 27 3 すみません。問題が間違いでした。正しくは (1) の左辺と (2) の第一式を交換してください。(1) 積分区間を [−π, 0] と [0, π] に分けて被積分関数が奇関数であることを利用すれば容易に示せる。 (2) 積和の公式より (期末試験においては積和の公式は暗記しなくて良いです。必要な場合には黒 板に書きますので。) ∫ π ∫ 1 π sin mx sin nx dx = − (cos(m + n)x − cos(m − n)x) dx 2 −π −π ∫π ∫π 一般に、整数 k に対して k ̸= 0 のとき −π cos kx dx = 0、k = 0 のとき −π cos kx dx = 2π が成立す ∫π る事が計算で確かめられる。これより題意が得られる。 −π cos mx cos nx dx も同様。 参考 [−π, π] 上の関数または R 上の 2π 周期関数 f (x) を a0 ∑ + (an cos nx + bn sin nx) 2 n=1 ∞ f (x) = と三角関数の無限和に展開することをフーリエ級数展開という。この展開が (つまり = が) どのよう な条件下でどのような意味において成立するかという疑問から発展した分野をフーリエ解析という。 ∞ 厳密な議論はさておき, 展開式の係数 {an }∞ n=0 , {bn }n=1 は 3 を用いると簡単な公式で導ける。例えば bn についてはフーリエ級数展開の両辺に sin mx を掛けて積分し 3 を用いると n = m の sin nx との 積の積分以外は 0 なので ∫ ∫ π π f (x) sin mx dx = −π −π ∫ = bm よって bn = 1 π ∫π −π ∫ π ∫ π ∞ ( ) ∑ a0 sin mx dx + an cos nx sin mx dx + bn sin nx sin mx dx 2 −π −π n=1 π −π sin mx sin mx dx = bm π. f (x) sin nx dx により係数を求められる。 例えば兄と弟のおこずかいを x 円 y 円とし、連立方程式を立てて解く問題は、兄と弟のおこずかい 金額を x − y 平面上の一つの点とみなして、条件を満たす平面上の点を求める問題と考えられる。関 数 f (x) をフーリエ級数展開するということは, f (x) を, (a0 , a1 , · · · , b1 , · · · ) という無限の成分を持つ 座標に対応する無限次元空間の一つの点とみなすことを意味する。現代的な微分方程式の理論にお いてこの考え方がとても重要であり、関数を無限次元空間上の点として解析する分野を「関数解析」 という (参考文献 新井 仁之著、「新・フーリエ解析と関数解析学 」、培風館)。 4 部分積分により ∫ ∫ 1 x 1 (x2 + 1) x2 In = dx = I + dx = In+1 − · 2 + In n+1 2 (n+1) 2 (n+1) n (x + 1) (x + 1) 2n (x + 1) 2n したがって In+1 = x 2n(x2 +1)n + 2n−1 I 2n n この漸化式より ∫ Jn+1 = 0 1 [ ]1 2n − 1 dx x 1 2n − 1 = + Jn = n+1 + Jn 2 n+1 2 n (x + 1) 2n(x + 1) 0 2n 2 n 2n また x = tan θ とけば J1 = 1 16 + 34 J2 = 1 16 + 34 ( 14 + 12 J1 ) = ∫1 dx = 0 x2 +1 1 3 + 32 π 4 ∫ π/4 0 1 dθ tan2 θ+1 cos2 θ = ∫ π/4 0 dθ = π/4 と求まる。よって J3 = ax+b 2 注 講義ノートの有理式の積分のタイプ (iii) (x2 +cx+d) n (ただし c − 4d < 0) の不定積分は以下のよう ax+b に求められます。(x2 +cx+d) n = b− ac a 2x+c 2 + 2 n 2 2 (x +cx+d) (x +cx+d)n と変形すると, 第一項の不定積分は y = x2 +cx+d と置換積分することにより計算出来て、第二項の不定積分は 4 のように漸化式を用いて計算できます。
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