民法の成年年齢を18歳に引下げることについて反対を する決議 現 在 、選 挙 権 を 1 8 歳 以 上 に 引 き 下 げ る 改 正 公 職 選 挙 法 が 成 立 し た こ と に 伴 い 、民 法 そ の 他 の 法 律 に お け る 成 年 年 齢 の 1 8 歳 へ の 引 き 下 げが検討されている。 民 法 は「 年 齢 二 十 歳 を も っ て 、成 年 と す る 」と 定 め て お り( 4 条 )、 未 成 年 者 の 法 律 行 為 は 法 定 代 理 人 の 同 意 を 得 な い 限 り 、原 則 と し て 取 消 を す る こ と が で き る と す る「 未 成 年 者 取 消 権 」を 定 め て い る( 5 条 1 項 ・2 項 )。現 行 法 の も と で は 、2 0 歳 未 満 の 若 者 が 悪 質 商 法 の 被 害 に 遭 い 、親 権 者 の 同 意 無 く 高 額 な 商 品 を 購 入 さ せ ら れ た と し て も 未 成 年 者 取 消 権 を 行 使 す る こ と に よ る 救 済 が 可 能 で あ る 。ま た 、親 権 者 の同意が無く未成年者が消費者金融やクレジットを利用することも 制限されている。 仮 に 民 法 の 成 年 年 齢 を 1 8 歳 に 引 き 下 げ た 場 合 に は 、1 8 歳 以 上 の 若者については未成年者取消権が行使できなくなることになる。 若 者 を タ ー ゲ ッ ト と し た 悪 質 な キ ャ ッ チ セ ー ル ス や マ ル チ 商 法・恋 人 商 法 な ど に よ る 消 費 者 被 害 は 後 を 絶 た な い 。若 者 の 多 く は 資 力 に 乏 し い こ と か ら 、こ れ ら の 悪 質 商 法 に は 、消 費 者 金 融 や ク レ ジ ッ ト が 悪 用 さ れ る こ と と な り 、若 者 が 多 重 債 務 の 状 態 に 追 い や ら れ て い る 事 案 も散見される。近時は、架空請求や携帯ゲームにおける高額な課金、 SNSを介したマルチ商法などインターネットに関わる様々な消費 者トラブルが急増しているが、その被害者の多くは若者である。 このような消費者被害の救済の手段として大きな力を発揮してき た 規 定 が 未 成 年 者 取 消 権 で あ る が 、成 年 年 齢 が 1 8 歳 に 引 き 下 げ ら れ る こ と に よ り 、未 成 年 者 取 消 権 が 行 使 で き る 対 象 が 狭 め ら れ る こ と と -1- な る 。言 い 換 え る と 、民 法 の 成 年 年 齢 の 引 き 下 げ は 、悪 質 商 法 の 被 害 者 や 多 重 債 務 と な る 若 者 層 の 拡 大 に 直 結 し て い る の で あ る 。社 会 人 の 出発点に立ったばかりの若者を経済的破綻に追いやってはならない。 民主主義の観点から政治に参加する権利を拡大した公職選挙法の 改 正 と 、未 成 年 者 を 消 費 者 取 引 上 あ る い は 家 族 法 上 の 観 点 か ら 保 護 を す る 民 法 の 成 年 年 齢 を 同 一 に 考 え る 必 要 は 全 く な い 。若 者 を タ ー ゲ ッ ト と す る 消 費 者 被 害 が 多 発 し て い る 現 状 を 踏 ま え る な ら ば 、未 成 年 者 取消権の行使範囲を縮小する民法上の成年年齢の引き下げには強く 反対である。 2015年9月12日 全国クレサラ・生活再建問題対策協議会 拡 大 幹 事 会 IN 金 沢 参 加 者 一 同 -2-
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