秋号№25 2006年 9 月 桐生自然観察の森 15日 TEL/FAX 0277-65-6901 〒376-0041 群馬県桐生市川内町二丁目 902-1 E-mail [email protected] http:www.city.kiryu.gunma.jp/web/home.nsf/hp/shizen 開園時間 夏時間(3 月∼10 月)9:00∼16:30 冬時間(11 月∼2 月)9:30∼16:00 休園日 毎週火曜日(火曜日が祝日のときは翌日) 祝日の代休日、年末年始 今年の夏の始まりは8月に入ってからでした。梅雨入 りは平年並みの6月8日ごろでしたが、7月中は30度 を越える日が少なく、結局梅雨明けも7月30日頃にな りました。気象庁によると、関東地方では平年に比べて梅雨明けは遅く降水量も20%ほど多か ったそうです。8月に入ると気温も上がり本格的な夏となりました。 そんな夏に観察の森で話 題になったニュースを2つご紹介します。 みじかい夏でした ブッポウソウがきた! 夏の珍客騒動 2 題 その1 ブッポウソウ 「ブッポウソウがいますよ」と教えてくれたのは、足利の田中金 弥さんでした。それが7月27日、その後私達が観察できたの は、8月13日からでした。それから毎日24日の夕方まで姿を見 ることができましたが、25日からみえなくなりました。その後4日 ほど見ていたのですが確認できず、移動した、ということになりま した。 ブッポウソウは、群馬県のレッドリストにも記載されている希少 種です。その姿の特徴は、ずんぐりした頭と赤いくちばし、赤い 足です。観察の森の個体は、毎日観察の森の駐車場を囲む稜 線にある、枯れた何本かのアカマツのどれかにとまっていまし た。駐車場からは、スコープがないと行動や体色がわからないく らいの距離にいて、観察していると朝 7 時頃に南のほうからやっ てきて、その日最初に止まった木の周辺に、ほとんど一日いまし た。同じ枝で、餌をとったり、足をちぢめて休んだり、羽づくろいを したりして過ごしていました。見ているとカミキリムシのような大き な甲虫やトンボを食べる行動も見られました。 群馬県の東の方では、記録がないそうで貴重な観察記録。と なりました。来年も来てくれると楽しいですね。営巣してくれるよう に、巣箱掛けも計画中です。 夏鳥として渡来、山地の森林 で繁殖する。とくに「仏教の霊地 の森林」など人間に見つかりや すい場所で繁殖しているのを観 察され、平安時代以来ブッポウ ソウ(仏法僧)と鳴く霊鳥と思わ れていた。昭和初期になって、声 の持ち主はコノハズクであること がわかり、「ブッポウソウ」コノハ ズクが声のブッポウソウとなっ た。羽色は派手だが、色に調和 性が無く、美しい鳥といわれるこ とは少ないようだ。 その2 ハゴロモの 正体解明 スケバハゴロモ→ 詳しくは図鑑を見てください。 ハゴロモの幼虫が今年の夏、たくさん見られていました。白い 綿毛をたくさんつけた幼虫です。たくさんいるので、レンジャーの一 人が成虫になるまで飼ってみたところ、思っていた成虫にならずび っくり。そこからみんなで調べ始めました。すると、同じような綿毛 の幼虫の中に4種類のハゴロモがいることがわかりました。アオバ ハゴロモ、スケバハゴロモ、ベッコウハゴロモ、アミガサハゴロモの 4種類です。よく見ると幼虫も形に違いがあることがわかりました。 ━ 2006 ━ 今年もたくさんの方々が、いろいろな所から夏の観察の森を訪れました。子どもたんけん隊はいつ もと同様、満員御礼状態。子供たんけん隊の新しいプログラムも登場しました。そのほかに大学生 の野外実習や社会人のセミナー、市外の子供たちの環境学習としての利用もありました。 新プログラム ▷ ロープウォーキング これは低学年向けのプログラムです。アイスブレイ キングと観察前の心と体の準備体操の要素を入れ たものです。 まず、園内の段差のないところを全員がロープにつ ながってゆっくり一回りしてきます。ロープの先頭はリ ーダーです。リーダーは、みんなの探検気分を盛り 上げながら探検に出発。最初は何にやるんだろう、 どこへ行くんだろう、と不安そうな子ども達ですが、ロ ープを頼りに歩き出します。みんなでいろいろなもの 見たり聞いたりしながら、終点のハンミョウ広場に到 ロープにつながって歩く 着。この頃には、こどもたちも森の中の観察者にすっかり変身。 つづいてロープから離れ、レンジャーがだす「お題」をさがして チョウの不思議③ 広場を駆け回ります。「石をさわる!」「木の幹をさわって!」 さ 渡りをするチョウ 季節的に移動するチョウには、世界 らに問いかけます。「さわった場所には何かいない?冷たい? 的に北アメリカとメキシコを行き来す 暖かい?木の上で何か音がしてない?」すると 「セミの抜け殻 るオオカバマダラが有名ですが、日本 だ!」「ジャコウアゲハのさなぎ発見」「セミが鳴いてるよ」「キノ にもアサギマダラという同じマダラチ コが生えてる」次々に子供から声が上がります。最後に「この広 ョウ科のチョウが長距離移動をするこ 場で自分が一番好きなと場所に行って。」みんなが好きな場所 とが知られています。アサギマダラの を見つけたところで「目をつぶって――。」ゆっくり心を落ち着け 移動が証明されたのは、1980年の マーキング調査で、種子島から福島ま させて、おしまい。次の森の中の観察に移っていきます。 で1,100キロの移動が初めて確認 されたことによります。その後、全国 東京農工大学 地域生態システム学科 60 人 各地でマーキング調査が行われるよう になり、途中の中継地やルートが解明 野外実習に来園 旧東村に研修施設のある東京農工大の学生が観察の森を されつつありますが、そのメカニズム については未だ研究中のようです。 訪れました。目的は、里山の自然の利用形態のモデルのひと ぐんま昆虫の森でもチョウに符号を つとしての施設見学でした。大学生の利用は初めてでしたので、 書いてマーキング調査をおこなってい お互いに興味深く、理解を深めることができました。 ます。 ▷ 森林で癒しを!「森林ヒーリング講座」 10月29日(日) 森の中に入ると不思議と気持ちが落ち着いてきませんか。「森林 浴」という言葉は、桐生出身の神山恵三さん(元共立女子大教授) が作り出した言葉です。フィトンチッドなどの樹木から発散される物 質が、生き物に影響をあたえることは科学的に証明されつつありま す。最近では、とくに人間との関係が重視され、血圧や心拍数を安 定させたり、脳へのよい刺激を与えることが実証されています。「森 林療法」「森林セラピー」という言葉もよく耳にするようになってきまし た。 そこで、今回は森からの癒しについて考えてみます。 ◎第1部10:00∼12:00 講演 「森林の生き物への影響」 林 倶子先生(群馬工業高等専門学校) 樹木から分泌される物質が生き物にどのような影響を与えているか、科学的な観点からお話しし ていただきます。 ◎第2部13:00∼15:00 実習 「森の中をきもちよく歩くには」 森の中をゆっくり気持ちよく歩くにはどうしたらよいのでしょうか。楽しみながら歩く、ゆっくり歩く、 自分にあったペースで、自然のチカラを体に感じながら歩いてみましょう。 ○昼食持参、ハイキングに適した服装、靴でご参加ください。 みなさんのご参加をおまちしています。 友の会からのお知らせ △土壌観察会 ∼土の中の宝石をさがそう!∼ 自然界における土の役割を学びます。フィールドで採取した土の粘土質をていねいに洗い流して、 残った小さな粒を顕微鏡で覗いてみると・・・・ 日 時 平成18年10月8日(日) 10:00∼15:00 雨天決行 場 所 桐生自然観察の森 (レクチャールームと野外) 講 師 筑波大学大学院生命環境科学研究科助教授 農学博士 田村憲司先生 定 員 30名(先着順) 参加費 無料 持ち物 昼食、筆記用具、使わなくなったお茶碗、お持ちの方はルーペ等 申し込み 桐生自然観察の森 0277−65−6901 △赤城・鍋割山 秋のハイキング&自然観察会 5月に雨天中止となった行事の秋バージョンです。春とは違った山の様子が見られるでしょうか。 日時 平成18年10月22日(日) 小雨決行(天候によっては山麓付近の観察会のみ) 午前8時 箕輪ひめゆり駐車場集合 午後3時 現地解散予定 コース ①鍋割山山頂までのがんばりコース ②山麓付近をのんびり歩く自然観察コース 参加費 100円(保険料)当日集金 申し込み 桐生自然観察の森 0277−65―6901 ※ 申し込み時に参加希望コースをお知らせ下さい。 山麓コースでは、今回も津久井芳雄さんにご指導していただけることになりました。 ※ 現地集合が難しい方はお申し出ください。ご案内致します。 ※ 昼食持参、ハイキングに適した服装、靴でご参加ください。 桐生自然観察の森行事あんない ○行事等のお問合せやお申し込みは直接観察の森へどうぞ 月 日 曜 時 間 および 行 事 10 11 1 日 10:00∼12:00 キノコの観察会 講師:群馬野生きのこ同好会 15 日 13:00∼15:00 秋を感じる観察会 「秋」といえば------。季節を感じてみましょう。 29 日 10:00∼15:00 森林ヒーリング講座(前頁に詳細があります) 3 金 18:00∼20:00 十三夜の月を見る会 月をみながら宇宙のことを考えてみませんか。 まだまだわからないことがたくさんある宇宙、その神秘的な 世界についてみんなで話してみましょう。 5 日 10:00∼12:00 親子でネイチャークラフトを作ろう 19 日 10:00∼12:00 バードウォッチング第 1 回 26 日 10:00∼15:00 里山観察と管理体験教室 「里山の植物」についてのお話と管理実習 3 日 9:00∼12:00 市民探鳥会 日本野鳥の会(群馬県支部桐生分会)との共催事業です。 17 日 10:00∼12:00 バードウォッチング第 2 回 12 ☀桐生自然観察の森 TEL/FAX 0277−65−6901 〒376-0041 群馬県桐生市川内町 2 丁目902−1 Email [email protected] 開園時間 2 月∼11 月=9:30∼16:00 3 月∼10 月=9:00∼16:30 休園日 火曜日および祝日の代休日 http://www.city.kiryu.gunma.jp/web/home.nsf/hp/shizen その他 要申し込み 定員30人
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