-1- 寸評作成および公表に当たっての自己ガイドライン 1.寸評 - nifty

寸評作成および公表に当たっての自己ガイドライン
1.寸評公表の根拠
当面の間、演奏会開催当日、主催者が聴衆に対してアンケートの記入を要請した案件に
限定するものとする。アンケートを実施するということは、例え「立前」であるにせよ
演奏を改善したいという前向きな意欲が存在し、演奏が評価されることを全面的に承諾
する意思を明確に示しているからである。
2.記載内容
演奏会当日に実施された主催者側アンケートに記入した内容を基本とするが、テニヲハ
や誤字脱字、記入者の過失による明らかな誤りがあれば適宜修正するものとする。
3.記載書式
データを蓄積して資料として活用できるよう、実際に行なわれたアンケートの様式に関
わらず、以下の書式で記載するものとする。
(a) 演奏順に表題・作曲者・編曲者を記載した上、次の6段階の評価と寸評を付す。
S:聴衆に感動を与え、他の手本として推奨できる演奏
A:音楽としての要件を満たし、論評に値する演奏
B:楽曲に対する理解不足、明らかな練習不足など未熟で改善の余地がある演奏
C:重大な問題を数多く内包し、鑑賞に堪えない演奏。
D:定石を無視した独善的な楽曲構築、無断編曲や盗作といったルール違反
E:能力超過や示威的行為など演奏目的の不純、プロの誤指導による逸脱・失敗
(b) プログラムの記載に関わらず、外国作品の表題は当サイトの邦訳を用いるものと
する。同じく邦人作品表題の記載ミスがあった場合は、適宜修正する。
(c) 礼奏ないしアンコールについては可能な限り記載するが、出演団体が恒例で演奏
しているオープニングおよびエンディングのテーマ曲については記載を省略する。
(d) 作曲者および編曲者氏名については、プログラムの記載に関わらず、当サイトで
確認したフルネームで記載し、外国人の場合は当該母国語による表記とする。
(e) プログラムに編曲者の氏名の記載がなかった場合は、その旨を明記する。
(f) 以上を記載した後、
「その他」として上記以外のコメントを箇条書で列挙する。
(g) さらに必要があれば末尾に「付記」を設け、注記や見直しを加筆する。
4.個人情報に関する配慮
個人情報の保護に関する法律を厳守し、誹謗中傷や名誉毀損と曲解する向きがないよう、
個人氏名の記載はプロのみとし、アマチュアに関しては必要に応じて「指揮者」
「独奏者」
「コンサートマスター」等の肩書きで記載するものとする。なお、プロとは次のいずれ
かに該当する者である。
(a) 配布されたプログラムや関係サイト等においてプロと記載または自称している者。
(b) 要請または売り込みにより作曲、指揮、客演独奏等を継続し、対価を得ている者。
(c) 有償のリサイタル開催やCD販売を継続し、必要経費以上の収入を得ている者。
(d) 有償で教授し、その旨を公表して受講者を募っている者。
(e) 職務として教授や課外部活動の指導に当たり、給与を得ている教育機関の職員。
以上。
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北海道大学チルコロ・マンドリニスティコ「アウロラ」
、京都大学マンドリンオーケストラ
北大・京大ジョイントコンサート
日時:2012(平成24)年8月17日(金)18時30分開演
場所:札幌市民ホール
① シンフォニア ハ短調
評価:B
作曲:Vincenzo Bellini(編曲:中野 二郎)
いささか練習不足だが、その点は敢えて指摘しない。この作品でもっとも重要なのは
調声だが、ハーモニーやパート間の受け渡しがよくない。1stのコンミスを含む3
名の音が突出しているのを何とかしろ。トレモロとピッキングの音量バランスがトレ
モロに偏っていて妙な音形が現出しているのも問題。
② Elegia~マンドリンオーケストラのための悲歌~
評価:A
作曲:小林 由直
今年の京大は例年より音がきれいだ。最初は会場のせいかと思ったが、そうでもない
らしい。若干のフライングと1stのコンミスを含む3名の音が突出していたのは論
外だが、まずまずの演奏。あとはもっと想像力を働かせて。
③ 劇的序曲
評価:D
作曲:Arrigo Cappelletti
曲の本質を理解していないくせに強弱と緩急だけいじくって差別化を図ろうとするお
馬鹿演奏の典型。音楽に対する冒涜だ。そもそもプログラムの曲目解説からして同志
社のパクリだろ?「序楽※?」
「逝いた?」
「コンコルソ?」いったい今は何時代なの?
指揮者が「序曲」とは何たるかをはっきり理解していれば、絶対に今日のような演奏
にはならない。そしてカッペレッティがオルガニストでポリフォニックを偏重してい
ることに気付けば、あとは自ずと定まる。
※プログラムには『劇的序楽』と記載
④ プレリュード3
評価:C
作曲:吉水 秀徳
京大よりも汚い音。京大よりもひどいピックノイズ。ショックだ。音が汚く聴く気が
失せたし、モゴモゴして何やってるんだか分からない。指揮者も曲の流れを理解して
いないのでメリハリが感じられない。
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⑤ マンドリン酒場の夜 Version 2010
評価:C
作曲:湯淺 隆・吉田 剛士
一言で評すると、リズムをメロディーとして演奏している。はっきりいってダサい。
主犯は1stだが、指揮者やギター/ベースにも責任があると思う。
⑥ 水青きハワイ
評価:B
作曲:Albert William Ketèlbey(編曲:Silvio Ranieri)
ティンパニーが無ければ救いのない演奏。
まあ、第二部の3曲の中では一番ましだが、
もともと構成がよくない曲だけに、指揮者の解釈や楽曲構築能力の欠如が露呈した。
⑦ アルヴァマー序曲
評価:C
作曲:James Charles Barnes(編曲:桑原 康雄)
これも序曲だが、
「序曲」って何だか理解してるのか?また、もっとも重要な曲全体を
貫くシンコペーションによる独特のリズムが出ていないのは論外。これじゃ「アルツ
ハイマー序曲」だ。それから音頭取りだけの指揮者なら要らんって。指揮者として打
楽器やギターパートに何かいうべきことはなかったのか?
⑧ 「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント
評価:C
作曲:Ralph Vaughan Williams(編曲:柴田 高明)
これだけ長いと『劇的序曲』の手は使えないだろ?ちゃんと曲を理解していないから
山場が分からず、メリハリがつかない。結局、面白くない演奏になってしまう。この
指揮者は、はっきりいって音楽というものを全く理解していない。この作品は、はっ
きりいって手に余る。まるで無免許でダンプカーを走り回らせるような無謀な行為だ。
いくつかの基本的な決まりを押さえていれば、簡単に組み立てられる曲なのに…。定
演はもっと易しい基礎的な曲を定石どおり組み立てるべきだろう。
⑨
「セント・ポール組曲」より 終曲(礼奏)
評価:E
作曲:Gustav Holst
プログラムの本編が1曲もまともに仕上がっていないのに、礼奏で『セント・ポール
組曲』なんか弾くんじゃないっ!!だいたいジグが「あんたがたどこさ」になってる
ぞ!
【その他】
・ かなり以前から北大・京大ジョイントを聴いてきたが、はっきりいって北大の方が京
大より音が汚かったのは初めて。これは前代未聞の大事件だ。北大は危機感を持て!
・ 京大の副指揮者はもっと自分を前面に出して!来年は一皮剥けるかも…。
・ 北大は今年の定演もたぶん期待できない。一から出直して来年以降につなげよう。
・ 北大の楽器調整能力低下は深刻。第二部ではいきなりマンドリンのD線が低かった。
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