2012年7月29日発行 - 中部教区愛知西地区

2012年11月18日
第79号
中部教区愛知西地区
表題はサウルに追われペリシ
テに逃れたダビデの詩で、三つ
にに大別されます。
自分を苦しめ、陥れようとす
る敵がいる。しかしたとえ強者
であっても肉=人間に過ぎない、
と神に信頼します〈2~5節〉。
陥れ、言葉で痛めつける敵は
軍事的なものではないでしょう。
まさに今日、わたしたちが直面
している災害、原発、沖縄等の
苦しみを思わされます。そして
嘆きの涙を数えられる神に迫り
ます。「あなたの革袋に涙を蓄
えてください」と。神は歩みを
数えるお方です(ヨブ ・ )。
〈6~ 節〉
そのお方と相対して嘆きは信
愛北教会牧師 服部 尚子
ひさ こ
詩編五六篇一~十四節、
一二六篇五~六節
説教「
わたしの涙を
あなたの革袋に」
発行人
発行所
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愛 知 西
聖徒の日・永眠者記念日を迎
え、愛北教会ではご遺族を招き、
故人の写真を飾り、永眠者記念
礼拝を守り、墓前礼拝にまいり
ました。
初期教会では厳しい迫害の時
代に秀れた殉教者の死を覚え、
苦難に備えたと言われます。
中世の修道院では「主を覚え、
死を忘れるな」(メメント・モ
リ、メメント・ドミネ)を合言
葉に、信仰の修練と人への奉仕
がなされました。
詩編五六篇より私たちのあり
ようを学びたいと思います。
この詩は苦難に遇い、救いを
求める嘆きの詩で、涙の谷底か
らの叫びが響いてまいります。
頼と讃美に変えられ、感謝の献 おられます。「多摩川の 春ふ
げ物が献げられます。
くらむ 土手の上 はしって
〈 ~ 節〉 はしって 脱ぎすてる ゆうべ
神は泣く者と共におられます。 まとった涙の衣」と…。その文
エジプトの地で嘆く民の叫びを 集の中に、夫を亡くしたイギリ
聞かれました。「神は弱い者の スの婦人の詩(植村正久訳)を
砦」(イザヤ ・4)。涙する 見出しました。「家に一人を減
者 の 側 に 立 た れ る 神 を 詩 人 は じたり さはれ はるか彼方に
「涙の革袋」と言うのです。
われらの行くを待ちつつ 天
「涙の革袋」に、思いをとめ に一人をましぬ」
たいと思います。
私の甥の子、ひかりちゃんは
脳障害で生まれました。とても
目のきれいなかわいい子でした。
米国のドーマン式の訓練のため、
多勢のボランティアさんが集ま
り、大きな輪が拡がりました。
歳で天に召されました。『ひ
かり』という赤い表紙の文集を
座右においております。
ひか りち ゃん のパパ の名 は
「束穂」と申します。
涙と共に種を蒔く人は
喜びの歌と共に刈り入れる。
種の袋を背負い、泣きながら
出て行った人は
束ねた穂を背負い
喜びの歌をうたいながら
帰ってくる。 (詩一二六)
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『わが涙よ、わが歌となれ』
の著者、原崎百子さんは東京神
学大学の時の級友でした。原崎
清牧師と結婚され、金城学院の
教師をしておられたと思います。
突然、腸がんになっているのを
知り、「でも、やっぱり『リン
ゴ の木を 植え続 けまし ょう』
(ルター)」と日常の生活を続
け、日記を綴り「わが呻き、わ
が讃美の歌となれ、わが苦しい
息よ、わが信仰の告白となれ、
わが涙よ、わが歌となれ…」と
記しておられます。
また私が婦人矯風会を退職し
て農村伝道神学校で学びました
時、やはり級友だった方が、突
然、車の事故で亡くなり、お母
さまの鈴木信子さんが『涙の衣
をぬいで』という文集を綴って
世に在って、涙の革袋を負い
世に仕 えてま いりま しょう 。
「また会う日まで」を歌いつつ。
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集 日本キリスト教団
編
地区ニュース
編集委員会
小 林
光
名古屋市熱田区
玉の井町9-28
14
12
愛 知西 地 区 ニュ ー ス
( 1 )
愛 知西 地 区 ニュ ー ス
( 2 )
管 されたこと
敗戦の日をおぼえての祈祷会
が 紹介されま
「大東亜戦争・小学生が兵器製造」 した。
戦時中 、付
属幼稚園にも掲げられていた立
派な額に入れられた「教育勅語」
のプレートも見つかり、これは
会場で見せていただくことがで
きました。幼稚園でも「教育勅
語」を唱和させられていた事実
が浮かび上がりました。
一八教会四九名の参加者から
数人が祈りを合わせて後、用意
された茶菓で交わりを深めるこ
とができました。
地区委員 森田喜之
今年の祈祷会は、八月一五日、
新築された名古屋新生教会を開
場に開催されました。地産地消
の木造建築で落ち着いた会堂。
また正面を飾るステンドグラス
風につくられた明かり取り窓は
保育園児たちの作成したもので
す。
よしかず
名古屋新生教会の寺田仁 計牧
師の説教に始まり、熱田教会会
員の田村富士雄兄の立証をいた
だきました。
戦時中の勤労奉仕などの体験
から敗戦を経て信仰に至る歩み
が、二度と同じ過ちを繰り返し
てはならない、その戦争責任告
白の信仰に立って熱く語られま
した。
熱田教会で改修工事のために
古い書類などの入った箱を移動
したことがきっかけで、戦時中
に教団から教会に送られてきた
「 国民儀 礼実施 」の通 知や、
「皇国必勝の為の祈願をするよ
うに」との通牒などがあること
が分かり、これを田村さんが保
2012年11月18日
平和を求める祈りと祭典に参加して
に、これまでのことを見据え
つつ、これからのこと、ハナ
去る8月12日、在日大韓基督教会名古屋教
(一つ)になるとはどのよう
なことか、に目を向けさせてくれるもので
会にて、150名ほどの参加者が集い、平和を
求める祈りと祭典が開催されました。今回
した。
金さんの講演では、新しい入管制度の問
の祭典では、朝鮮学校で働かれてきた蔡一
恵(チェ・イレ)さんの一人芝居、「ハナ
題点が指摘されました。外国の方の日本に
おける在留資格にはいくつかの段階があり
にな ったその 日には 」の上演 と、K CC
(在日韓国基督教会館)館長、金成元(キ
ますが、これまでは各自治体が行う外国人
登録制度があったので、なんとか日本で暮
ム・ソンウォン)さんによる講演、「新入
管体制がもたらすもの~多文化共生社会に
向けての課題~」が行われました。
らしていくことができた人が、国が一括す
る新しい入管法のもとでは何の保証も無く
なってしまう場合が出てきます。また、在
蔡さんの芝居は、長年日本で暮らしてき
た一人のオモニがこれまでを振り返る、と
留している人の間での格差を広げる制度に
なっている、ということです。このような
いう内容でした。芝居が終わり、素の蔡さ
んを見た人が、「こんなに若い方だったん
国が、誰にとっても暮らしやすいところで
あるのだろうか、と考えさせられます。
ですね」と驚くほどの演技でしたが、我々
社会部
北垣
創
ま す。カトリ ックが信 徒に
壮年会連合
婦人会連合 共催 信徒研修会
「 功績」を求 めていたの に対
信仰改革 宗教改革五〇〇年記念 し 、 ル タ ー が 求 め た の は 「 信
仰 と愛のわざ 」でした。 信仰
九月二三日、名古屋中央教会 は「神の恵みに対する生きた大
を会場に、五八名の参加者を得 胆な信頼であり、そのためには
て信徒研修会が開かれました。 千度死んでもよいと言うほどの
確信」 で、「 自分の 手にな る
〔自己満足としての〕『義』の
要求から自由にし、神のみ旨を
かしこみ進んで隣人の必要に応
えていくもの」と説きました。
橋本先生の明快で暖かな語り
口、質疑応答での真摯なお応え
が心に残りました。
壮年会連合 伊藤 廣
講師は神戸ルーテル神学校教
授で元校長の橋本昭夫先生にお
願いしました。テーマは「信仰
について学びたい」という委員
会の意見を受け「信仰改革~宗
教改革五〇〇年記念」に決まり
ました。厳密に言えば四九五年
ですが、その年にはご多忙をき
わめるので五年前倒しです。
開会礼拝で長田圭子牧師の聖書
の読み方に対する簡潔で鋭く印
象的なメッセージをいただき、
続いてきっかり九〇分の講義に
移りました。
「まじめに良心と教職者に従っ
て信仰生活をしていればいい」
というカトリックの「栄光の神
学」は、実は「神」という仮面
をかぶった人間の自己信頼にほ
かならないことをルターは看破
しました。そういった自己完結
的な「信仰」をルターは否定し
愛 知西 地 区 ニュ ー ス
( 3 )
CSこども大会
十月八日 月( ・休 、) C Sこど
も大会が金城学院大学体育館で
行われました。開催日程が例年
の十一月三日から変更されまし
たが、参加教会・伝道所十五、
参加人数百三十三名と昨年とほ
ぼ同様でした。今年のテーマは
「みんなで力を合わせよう」で、
二部構成にしました。
第 一部「わたし の見た被 災
地」は 、ボランティア報告 会
ま き
で、高 橋満喜さん、大場千 尋
さんが東日本大震災について、
被災地 の様子、ボランティ ア
の様子 、感じたことなど、 プ
ロジェクターで映像を交えて、
とても 分かり易く話され、 子
どもた ちも熱心に聞き入っ て
いまし た。例年、出席者は 自
分の似 顔絵を描いて貼り出 し
ていま したが、今年はそれ に
みんなで折った折り鶴を加え、
後日エマオへ届けました。
第 二部は恒例の ミニ運動 会
です。 今年はテーマに合わ せ
て、協 力が必要な種目を中 心
に行い ました。「魔法のじ ゅ
うたん」「ボール運び」「玉入
れ」「 三人四 脚」「 綱引き 」
「プレイバルーン」です。プレ
イバルーンは今回初めて取り入
れましたが、とても好評でした。
最後に、開始時間ですが、チ
ラシやポスターと申し込みの案
内で食い違っており、混乱を招
いて、ご迷惑をおかけしたこと
をお詫びいたします。
教育部 矢部 節
東海地震対策準備委員会は今年度、
名称を災害対策委員会と変え、津波や
水害等も守備範囲に含め、実際に事が
起こった場合に活動する委員会になり
要があること、今後も定期的に合同の
委員会を開催することが話し合われま
した。また、東京で行われている米国
救世軍の災害チャプレン・トレーニン
グの紹介などがありました。
災害対策委員会 石田聖実
スンチョル
福音派の諸教団・教会の教職の交わり
である東海福音フェローシップが地震
キム
ました。
この地域では私たちの委員会の他に、
めて感謝を申し上げる次第でご
ざいます。
来日したのが二〇〇一年三月
のことでしたので、早くも十一
年目になりました。神様の導き
と支えの中で、また、多くの方々
のお祈りの中で、何も知らなかっ
たこの地において、一つずつ学
んできた時間であったと思いま
す。私にとって今度の就任式は、
果して自分は牧師、また教師と
して生きているのかと、改めて
厳しく自問してみる時間でもあ
りました。
どうか、神様の導きが、私と
皆様の上に豊かにありますよう
祈ります。
の合同の委員会が開催され、東海地区
にも東北ヘルプのような組織を作る必
中京教会担任教師の就任
TEF地震委員会との合同委員会
中京教会担任教師
金 承哲
主の御名を賛美いたします。
この度は、神様の恵みの中で、
また、多くの方々のお祈りとご
指導を受け、中京教会の担任教
師として就任させていただくこ
とがゆるされました。中部教区
議長の井ノ川先生、当日就任式
を執り行ってくださった田口先
生、就任を祝うために来場して
くださった先生方、就任式のた
めにご奉仕くださった中京教会
の皆様に、この場を借りて、改
委員会を設けています。10月22日に日
本国際飢餓対策機構愛知事務所で両者
( 4 )
愛 知西 地 区 ニュ ー ス
2012年11月18日
【予告】
青少年連合クリスマス
日時 十二月八日(土)
二時半受付
会場 金城教会
対象 中高生
会費 無料。五〇〇円程度のプ
レゼントを用意すること
青年会連合クリスマス
日時 十二月九日(日)夕六時
会場 名古屋中央教会
テーマ 「東日本を忘れない」
メッセンジャー 高田恵嗣教師
(上野教会・元エマオ主事)
新年合同礼拝
日時 二〇一三年一月一日(火)
午前十一時~正午
会場 南山教会
説教 西岡知洋教師(南山教会)
ひ ろ し
全体研修会
日 時 二 〇一 三年 一月 十 四日
(月・休)午後一時半~四時
会場 金城教会
講師 米田浩司先生(ゴスペル
シンガー、名古屋ぶどうの木
国際教会宣教師)
主題 若者の心に寄り添う~引
きこもり、うつ病の経験から
「古道具への想い」
金山駅近くに「アンティー
ク館 」と書 かれた古 道具
長屋 があり ます。ま た地
下鉄吹上駅近くにアンティーク
品ばかりのビルがあります。私
は心身共に疲れた時、このどち
らかに行って気持ちを休めます。
行くのは夕方、少し薄暗くなっ
てからが最高です。店内にオレ
ンジ色の電燈が灯り、何ともノ
スタルジックな雰囲気が漂い、
別世界に自分が迷い込んだよう
な錯覚に陥ります。明治~昭和
の時代を生き抜いてきた生活雑
貨や家具たちが声なき声で私に
語りかけてくる時もあります。
高価な骨董品は見るだけにし
て、買うのは安い古道具です。
①古くて、②趣があって、③使
えるもの。この三点が選ぶ基準
です。先日はアルマイトの弁当
箱と二〇センチの竹の物差しを
買いました。どちらとも十分に
使い込んだ跡があり、懐かしさ
に満ちています。
一九六〇年に東北で生まれ育
ち、七歳で都会に引っ越した私
には、田舎で過ごしたあの時代
の品々に触れることが心の安ら
ぎであり帰郷なのです。
小林 光