1.1 電波干渉計と位置計測 - VERA

Vol13-honma
1.1 電波干渉計と位置計測
1.1
1
電波干渉計と位置計測
位置計測の精度を決める主要な要因は、望遠鏡の分解能および感度で
ある。多くの場合、分解能が高ければ高いほど、また、感度が高ければ高
いほど(SN 比が高ければ高いほど)位置決定能力は向上する。電磁波観
測の場合、望遠鏡の分解能 θ は、
θ≈
λ
D
(1.1)
で与えられる。ここで、λ は電磁波の波長で、D は望遠鏡の口径である。
電波の場合、波長 λ は光にくらべてはるかに長く、高い分解能を達成す
るためには口径 D を大きくする必要がある。例えば、地上で最も大き
い可動式望遠鏡として D ≈ 100 m を考えると、λ = 3 cm(周波数 10
GHz)の電波に対して分解能は 1 分角になる。これは人間の視力1に相
当し、光の大望遠鏡を用いた場合に比べると大変低い分解能である。この
ような問題を解決するために、ライル (M. Ryle) らによって生み出され
たのが電波干渉計である。電波干渉計は、複数の電波望遠鏡間で天体か
らの電波を干渉させ、実効的に大きな口径 D を合成する観測装置であ
る。電波望遠鏡間の距離が比較的小さく、望遠鏡間が直接ケーブルで接
続されている形式のものを、結合素子型干渉計と呼ぶ。一方、望遠鏡間
が数 100km から数 1000km 以上も離れており、ケーブルで直接信号を
やり取りしないタイプの干渉計は、超長基線干渉計(VLBI=Very Long
Baseline Interferometer )と呼ばれる。VLBI の場合、式 (1.1) の口径 D
を地球規模にでき、さらに、アンテナを衛星に搭載して宇宙空間に打ち上
げれば口径 D を地球直径より大きくすることもできる1) 。先の場合と同
様に波長 3 cm の電波を考えると、D = 10000 km の場合、分解能は 0.6
mas(ミリ秒角)となる。実際の VLBI 観測でも 1 mas を切る分解能が
すでに達成されており、あらゆる波長帯の観測で最も高い分解能が得られ
ている。したがって、VLBI 観測は位置天文学においても、非常に重要な
役割を果たしている。
1) 日本の宇宙科学研究所
(当時)が 1997 年に打ち上げた VSOP(VLBI Space
Observatory Programme) 衛星はこれを世界で初めて実現したものである。
Vol13-honma
2
1.2
電波干渉計の基礎方程式
干渉計の最も簡単な例として、図 1.1 のような2素子干渉計を考え、2
つの観測局で同じ電波天体を同時に観測するとする。この時、電波の伝播
速度が有限 (光速度 c) であるために、天体電波の同一波面が観測局1と
2に到達する時刻に差が生じる。この到達時間差を遅延時間という。遅延
時間は、アンテナや受信機内部での機械的遅延および大気や電離層によ
る伝播遅延がない理想的な状態では、天体の方向ベクトル s と基線ベク
トル B の幾何学的な関係のみから決まり、これを特に幾何学的遅延時間
(τg ) と呼ぶ。図 1.1 からわかるように幾何学的遅延時間は、
τg =
s·B
,
c
(1.2)
という簡単な関係式で表される。これが干渉計の基本方程式である。遅延
時間は干渉計の最も基本的な観測量であり、遅延時間を精密に測定するこ
s
s
╬૏
cǼI
⋧㕙
ǰ
᷹ⷰዪ㧞
B
᷹ⷰዪ㧝
⋧㑐಴ജ
図 1.1
2素子干渉計における基線と幾何学的遅延時間の関係の模式図。
Vol13-honma
1.3 相互相関
3
とで天体位置や基線の情報を得るのが電波干渉計の基本的な動作原理であ
る。実際、式 (1.2) において基線ベクトル B が既知の場合、任意の星に
ついて τg を計測してやると、その天体の方向ベクトル s を決定すること
ができる。もちろん、方向ベクトル s はベクトル量であるので、1回の
τg の計測のみから s を一意に決定することはできない。しかし、基線ベ
クトル B は地球回転とともに時々刻々変化するので、時間とともに遅延
時間 τg がどのように変化するかを観測すれば、式 (1.2) に従って天体位
置 s を決めることができる。また、同様に、天体位置 s が既知の場合は、
遅延時間 τg の観測から基線ベクトル B を求めることができる2) 。このよ
うに、天体位置を求める位置天文観測と、基線長を求める測地観測とは、
いわば表裏一体の関係にあることがわかる。
なお、実際の位置天文観測や測地観測では、観測される遅延時間には、
大気や電離層による伝播遅延、アンテナ内部で発生する機械的遅延、観測
局間での時計のずれ量などが付加される。このため、天体位置や基線長を
正確に求めるためには、これらの付加遅延を補正して幾何学的遅延を正し
く取り出すことが重要である。
1.3
相互相関
干渉計で遅延時間を計測するには、複数の局で受信した信号を局同士
で掛け合わせ、相互相関を取る必要がある。この処理をするのが相関器で
あり、干渉計観測に不可欠な装置である。例として、図 1.1 のような2素
子干渉計において観測された電波の相互相関を以下で考える。
まず簡単のため、天体からの電波は周波数 ν0 の単色平面波とする。こ
の時、観測局1、2で受信される天体電波(電圧)はそれぞれ、
2) この場合も複数の
V1 (t) = V1 cos(2πν 0 t + φ),
(1.3)
V2 (t) = V2 cos(2πν 0 (t − τg ) + φ),
(1.4)
τg が観測量として必要である
Vol13-honma
4
と書ける。ここで、τg は幾何学的遅延時間である。このとき、相関器で
得られる相互相関関数 R12 (τ ) は次のように定義される。
1
T →∞ 2T
R12 (τ ) = lim
T
−T
V1 (t)V2 (t − τ )dt
(1.5)
式 (1.3)、(1.4) を式 (1.5) 代入して積分すると、t に関する振動成分は
消えて、最終的に、
R12 (τ ) =
V1 V2
cos 2πν0 (τ + τg ),
2
(1.6)
という式が得られる。これが単色平面波に対する2素子干渉計の相関出力
を表す式である。式 (1.6) からもわかるように、相互相関の振幅は電波強
度に依存し、位相は幾何学的遅延時間 (τg ) に依存している。従って、干
渉計の相関出力から天体の強度や位置の情報を取り出すことができること
がわかる3) 。
式 (1.5) で τ を (τ − 1/4ν0 ) と置き換えた関数を I12 とする。このとき
式 (1.6) の cos 関数内の位相が 4 分の 1 周遅れることから、
I12 (τ ) = R12 (τ − 1/4ν0 ) =
V1 V2
sin 2πν0 (τ + τg ),
2
(1.7)
となる。今後の議論のため、上記の R12 を実部、I12 を虚部とするような
相互相関関数 C12 を導入する。すなわち
C12 = R12 + iI12 =
V1 V2 2πiν0 (τ+τg )
e
.
2
(1.8)
このように複素数で記述された相互相関を複素相互相関関数と呼び、この
ような処理を行う相関器を複素相関器という。複素相互相関関数 C12 に
おいても振幅が天体強度の情報を、位相が遅延時間の情報を持っているこ
とは実相関関数 R12 の場合と代わらない。
3) 一方、相互相関関数は波の初期位相
φ には依存しないことが式 (1.6) からわかる。
Vol13-honma
1.4 位相遅延と群遅延
1.4
5
位相遅延と群遅延
時間領域で記述された複素相互相関関数をフーリエ変換すると、周波
数領域での相互相関スペクトル(クロスパワースペクトルとも呼ばれる)
を得ることができる4) 。例えば、式 (1.8) の単色平面波の相互相関関数か
ら相互相関スペクトルを求めると、
S(ν)
=
=
C12 e−2πiντ dτ
V1 V2
δ(ν0 − ν)e2πiν0 τg ,
2
(1.9)
を得る。ここで δ はディラックのデルタ関数である。従って、単色平面波
を観測した際の相互相関スペクトルは確かに ν = ν0 の線スペクトルと
なっている。また、その位相 φ は、
φ = 2πν0 τg
(1.10)
で与えられる。すなわち、相互相関スペクトルの位相から幾何学的遅延時
間の情報を引き出すことができる。上記の議論では周波数 ν0 の単色平面
波の場合を考えてきたが、連続波の場合でも同様の議論が成立し、任意の
周波数に対して、φ = 2πντg の関係がある。図 1.2 は連続波の場合の位
相と周波数の関係を図示したものである。
相互相関スペクトルの位相から遅延時間を求める際には、通常、位相遅
延 φ そのものに代わって、群遅延 τgrp を用いる。群遅延 τgrp は、周波数
方向の位相傾斜によって記述される遅延量であり、以下のように定義さ
れる。
τgrp =
1 ∂φ
2π ∂ν0
(1.11)
位相遅延に代わり群遅延を使う理由は、観測位相は (0, 2π) の区間内の値
として得られ、真の位相に対して 2πN (N は整数値)の不定性を持つこと
にある。この状況は図 1.2 に示してあり、真の位相遅延量(φ = 2πντg 、
4) 自己相関関数(時間領域)をフーリエ変換すると、自己相関スペクトル(周波数領
域)が得られるのと同様である。詳しくはスペクトル解析の教科書を参照。
Vol13-honma
6
Ǿ㧩2ǸǵǼI
Ǿ
૏⋧ㆃᑧ
૏
௑
ᢳ
2ǸN
ਇቯᕈ
᷹ⷰ૏⋧
Ǹ
๟ᵄᢙ
図 1.2
⋧
ǵ
ǵ
ǵ
有限帯域 (ν1 , ν2 ) 間を観測したときの位相と周波数の関係図。
原点を通る直線)に対して、実際に観測される位相は (0, 2π) の区間内を
ぐるぐると回転する量になってしまい、真の位相遅延は決定できない。ま
た、位相遅延は群遅延に比べて遅延の測定精度が高いので5) 、大気や電離
層等の伝播媒質の揺らぎやアンテナ内での機械遅延といった付加的な遅延
に過敏に反応することも位相遅延の利用を難しくしている6) 。
群遅延を使って精度良く遅延時間を求めるには、帯域幅 W (=ν2 − ν1 )
をできるだけ広く取る必要がある。帯域が広がれば受信する情報量が増え
るので感度も向上し、群遅延の決定精度が大きく向上する。一方、取得す
る情報量が増えるために、データの転送速度や記録速度を高くする必要が
でる。群遅延を用いた位置天文観測や測地観測では、これを回避するため
に、狭い帯域幅(4 MHz∼8 MHz 程度)の帯域を適当な間隔をおきなが
5) 位相遅延と群遅延による遅延の決定精度の比は、オーダーとして観測周波数と帯域
幅の比で与えられる。例えば観測周波数 22 GHz、帯域幅 256 MHz の場合、位相遅延
による遅延決定精度は群遅延のそれに対して 22/0.256 ≈ 86 倍にもなる。
6) 最近では、位相補償
VLBI 観測などで、位相遅延を観測量として位置天文計測を行
う試みも行われており、将来の位置天文計測で主導的な役割を果たすと期待されている。
Vol13-honma
1.4 位相遅延と群遅延
7
ら櫛状にならべ、総記録帯域幅は増やさないで群遅延決定の有効帯域を増
やす工夫を行っている。このように、複数の帯域を合成して群遅延を精度
良く決定する手法を、バンド幅合成 (Bandwidth Synthesis) という。
Vol13-honma
8
1.5
電波源カタログ
国 際 天 文 連 合 が 現 在 採 用 し て い る ICRF(International Celestial
Reference Frame) 座標系は、国際的な VLBI 観測によって決められた
電波源位置によって構築されている。この座標系を構築している天体が
ICRF 電波源であり、ICRF 電波源カタログは現代位置天文学の重要な基
礎を成している。VLBI 観測できる電波源のほとんどは宇宙論的遠方にあ
る明るい電波源(クェーサーや電波銀河中心核)であり、年周視差や固有
運動を持たない最も安定な位置基準と考えられる。しかし、天体によって
は超光速ジェットを放出しているものもあり、構造の変化などによって
位置に不安定性を生じる場合がある。このため ICRF 座標系の構築にあ
たっては、このような誤差要因がなるべく少ない、最も安定した位置基
準天体を用いることに細心の注意が払われている。このようにして作ら
れた ICRF 電波源カタログには、1979 年から 1995 年の国際 VLBI 観
測に基づいて決定された合計 608 個の電波源位置がリストアップされて
おり、その中で最も位置安定度の良い 212 個が ICRF 座標系の定義天体
(ICRF defining source )となっている。残りの天体は、今後の観測次第
図 1.3
ICRF カタログに記載された 608 個の電波天体の赤道座標分布。
Ma ら (1992) より。
Vol13-honma
1.6 VLBI 観測装置の概要
9
で座標系構築に使用される可能性がある天体である。図 1.3 に天球座標上
での ICRF 電波源の全天分布を示す。座標系構築に都合が良いように、
天体の分布が等方的になるように電波源が選択されている様子がわかる。
ICRF カタログの後も、位置基準の候補となる電波源の探査は続けられ
ている。、ICRF 電波源については 2004 年の段階で 717 個まで拡充され
ている。また、米国の VLBA(Very Long Baseline Array) を用いて作成
が進められている VCS(VLBA Calibrator Survey) カタログは、このよ
うな電波源のカタログとして最大規模のものである。2005 年現在、VCS
カタログにはすでに 3000 個を超える電波源がリストアップされている。
これらの天体のうち明るく構造が簡単なものについては、将来、基準座標
系の構築に利用され、より多くの天体による、より高精度な座標系の構築
が期待されている。
1.6
VLBI 観測装置の概要
VLBI 観測装置は複数の観測局と1つ(場合によっては複数)の相関局
からなる。観測局では、各局で同時に同じ天体を観測し、その電波をデジ
タル信号に変換して磁気テープなどの媒体に記録する。相関局では各局で
記録された信号を再生し、相互相関を取ることで天体位置や基線長を求め
るのに必要な観測結果を得る。
図 1.4 は、VLBI 観測局の概略図を示している。アンテナ焦点部には給
電ホーンおよび受信機が設置され、天体からの信号を受信して増幅する役
割を果たす。この際、受信機による付加雑音をできるだけ小さくすること
が要求され、受信機を 4K∼20K の極低音に冷却することが多い。増幅さ
れた信号は周波数変換部(ダウンコンバーター)で、より扱いやすい低周
波数帯域に変換される。その後、信号はサンプラー(アナログ/デジタル
変換機)によってデジタル化してから磁気テープに記録され、最終的に相
関局に送られる。この際、各局で観測されたデータが可干渉性を失わない
ためには、各局間で正確な基準信号(正確な歩度を持つ時計といっても良
い)が必要であり、通常は水素メーザーがその役割を担う。相関局に送ら
Vol13-honma
10
局部
発信機
水素メーザー
(周波数標準)
アンテナ
受信機
(低雑音
増幅器)
サンプラー
(A/D変換機)
磁気記録
装置
ダウン
コンバーター
給電
ホーン
磁気テープに
記録し、相関局へ
図 1.4
VLBI 観測局における観測装置の概略図。
れた磁気テープは、各局間で同期を取りながら再生され、相関器で各局間
の相関を取る「相関処理」が行われる。
VLBI 観測で用いられる観測周波数帯域は広範囲にわたる。国際的な測
地観測(ICRF 座標系の構築も含む)に使用されるのは S 帯(2GHz 帯)、
X 帯(8GHz 帯)の2バンドである。このうち主に解析に使用されるのは
X 帯であるが、電離層による周波数に依存した遅延を補正するために S 帯
のデータも利用する。他にも、L バンド(1.6 GHz)、C バンド(5 GHz)、
K バンド(22 GHz)、Q バンド(43 GHz)などが VLBI 天文観測に利
用される。L バンドには OH、K バンドには H2 O、Q バンドには SiO と
いう特定の分子が出すメーザー (maser : Microwave Amplification by
Stimulated Emssions of Radiation) が VLBI 観測可能であり、クェー
サーや電波銀河中心核といった連続波源と並んで重要な観測対象になって
いる。これらのメーザー源の多くは銀河系内の星や星形成領域に付随して
おり、後述する位相補償 VLBI 観測による位置天文計測(年周視差およ
び固有運動計測)の対象として、現在研究が進められている。
Vol13-honma
1.7 位相補償 VLBI
11
200
100
0
-100
-200
50
0
-50
0
図 1.5
1000
2000
3000
VERA の局配置図(上)と2ビーム位相補償観測例(下)。下図
上段は2天体の観測位相(○および▲)で、大気の揺らぎにより激しく変
動している。(図中の位相 360 度は天体位置約 2 mas に対応する)。下図
下段は両者の差で、揺らぎがキャンセルされて位相差(相対位置に相当)
が安定しており、精密な位置計測が可能になる。本間ら (2003) より。
1.7
位相補償 VLBI
すでに述べたように、多くの位置天文観測や測地観測では、VLBI 観測
では観測帯域内での位相傾斜量である群遅延を使って幾何学的遅延時間を
求めている。これは、位相遅延における 2πN 不定性および大気揺らぎな
どの付加的遅延の影響のために、相互相関位相から遅延時間の情報を取り
Vol13-honma
12
出すことが難しかったからである。しかし、原理的には位相遅延の方が群
遅延よりも遅延の決定精度が格段に良く、位相遅延を用いて天体位置をよ
り高い精度で決定する新しい手法が現在研究されている。この手法は位相
補償 VLBI でと呼ばれる。位相補償 VLBI では、目的とする天体と、近
くにある参照天体を同時または交互に切り替えてほぼ同時に観測する。こ
のようにすることで大気や電離層の揺らぎ等を打ち消し、参照天体に対す
る相対位置を位相遅延を使って決定することができる。この方法では、目
標天体と参照天体が十分近接していれば(離角数度以内)、大気や電離層
の揺らぎが効率よくを打ち消されて高い位置安定度が得られることが知ら
れている。また、高い位置精度を持つ電波源カタログの整備により、あら
かじめ幾何学的遅延時間を位置を精度良く予測できるようになり、伝播揺
らぎを除去することで、2πN 不定性の問題も解決できるようになる。
すでにこのような方法を用いて、ヒッパルコス衛星を凌駕するような遠
方天体の年周視差検出も報告されており、位相補償 VLBI は今後、銀河系
規模での位置天文計測に重要な役割を果たすと期待される。日本の国立天
文台を中心とする VERA(VLBI Expolration of Radio Astrometry 、図
1.5) は、位相補償 VLBI に基づいて銀河系内の約 1000 個のメーザー天体
の距離と運動を計測するプロジェクトであり、位相補償観測のために2
ビーム同時受信機構を備えた世界でも類のない VLBI 観測システムを採
用している。図 1.5 下には VERA で2ビーム観測した際の位相揺らぎの
例を示してあり、主に大気揺らぎによって位相遅延が激しく変化している
ことがわかる。しかし、2ビーム間で差を取ると位相差は長時間にわたっ
て安定になり、大気揺らぎをキャンセルして、高精度の位置天文計測がで
きることを表している。