日本語日本文学科

日本 語日本 文 学 科
日本語と日本文学の奥深さ、真髄に触れる研究を行います。
学 び の ポイント
■
学 科の学び
古典文学、近代文学、
日本語学の3つの柱を学ぶ
1 年次の「入門・基礎」、2 年次の「概論」
「基礎演習」の授業を通し、3 系統すべてについ
て確かな基礎知識を身につけます。3 年次には個々の興味に基づき、3 系統のいずれかに重
点を置き、
「演習」を核として主体的に学びます。4 年次は「研究法演習」を中心に自分の
研究テーマを掘り下げ、卒業論文を完成させます。
卒業論文
専門分野の研究
「世界の中の日本語・日本文学」
という視点での研究
■
従来の国文学科とは異なり、世界の言語の中の日本語、世界文学の中の日本文学という視
点から研究・考察していきます。過去の伝統を究め、未来へ向けて日本語・日本文学を育て
ることを目的として「対照言語学」
「比較文学」などの授業も設けています。
■
日本
古典文学
『万葉集』や
『枕草子』
など日本文学は多彩な古典に恵まれています。なかでも世界に誇る
日本文学『源氏物語』
を原文で読むことが学科創設以来の伝統です。そのため、1 年次に
変体仮名を読む力をつけるトレーニングを丁寧に行います。
入門・基礎
年次
年 間の流れ
4
日本語学
概論 基礎演習
古典の神髄である
『源氏物語』
を原文で学ぶ
カリキュラム
日本
近代文学
年次
日本 古 典 文 学
関係科目
各分野の基礎を学び、
日本語学、
日本文学の研究の意義を理解します
基礎を充実させ、
自分の興味のある分野の学習に取りかかります
日本古典文学、
日本近代文学、
日本語学の各分野の
「入門・基礎」
の
授業を通して基礎知識をしっかりと身につけます。
必修科目の
「概論」
で、
3 分野すべての基礎を学び、
選択科目の
「基礎演習」
で研究方法や思考力を養います。
日本古典文学入門・基礎 ●
源氏物語講読 1 ●
源氏物語講読 2 ●
日本古典文学概論 1 ●
日本古典文学を展望してその基礎知識を学び、あわせてその魅力を知る
日本古典文学基礎演習1∼4 ● ゼミナール
上代文学と中古文学
ピックアップ授業
日本古典文学演習1∼ 6 ● 日本古典文学講義 1∼ 5 ● 日本古典文学概論 2 ●
中世文学と近世文学
日本近代文学
関係科目
日本 語 学 関 係 科 目
関係専門科目
日本近代文学入門・基礎 ●
日本近代文学概論 1 ●
日本近代文学の特質について、明治・大正・昭和期の代表的な文学作品から学ぶ
明治と大正の文学
日本近代文学概論 2 ●
日本近代文学基礎演習1・2 ● ピックアップ授業
昭和と平成の文学
日本語学入門・基礎 ●
日本語学概論 1 ●
日本語学とはどういう学問であるかを
『万葉集』
『
、源氏物語』
、方言などを使って学ぶ
日本語の音韻・語彙
日本近代文学演習1∼ 6 ● 日本近代文学講義 1∼ 4 ● ピックアップ授業
日本語学基礎演習1・2 ● 日本語学概論 2 ●
日本語学演習1∼ 5 ● 現代日本語の文法
日本語学講義 1∼4 ● 日本語史 ● 漢文学基礎演習 ● くずし字解読基礎演習 ●
ピックアップ授業
パソコン日本語・日本文学 ● くずし字解読演習1・2 ●
日本語文法 1・2 ● 日本文学教養演習1∼ 4 ● 日本語学教養演習1・2 ● 日本文学特別演習1・2 ● 日本語特別演習1∼ 4 ●
書誌学 ● 対照言語学 1∼4 ● 書道 ● 比較文学 ● 日本語表現法1・2 ● 文学部
日本 語日本 文 学 科
年次
年次
自分の興味・関心を絞り、専門分野の研究を行います
研究テーマをさらに掘り下げ、卒業論文を完成させます
3つの分野の中から研究テーマを絞り、
専門知識を習得していきます。
また
「演習」
の授業を中心に、
自分で考え、
表現する力を身につけます。
必修科目の
「研究法演習」
を通して、
卒業論文の作成指導を受けながら、
4 年間の学びの集大成として卒業論文にまとめます。
『源氏物語』
、
謡曲、
江戸の怪異小説
『曽呂里物語』
変体仮名の習得、
『堤中納言物語』
『
、閑居友』
、
井原西鶴の浮世草子、
『万葉集』
、
絵本・絵巻
古代文学、口承文学、
『
、新古今和歌集』
、
松尾芭蕉の生涯と作品、
近松門左衛門
『心中天の網島』
と人形浄瑠璃、
『紫式部日記』
『
、讃岐典侍日記』
『常陸国風土記』
坂口安吾、石川淳、太宰治、泉鏡花、夏目漱石、志賀直哉、佐藤春夫、中里恒子、原民喜、尾崎一雄、林芙美子、大岡昇平、近代日本の短編小説など
近代日本の短編小説に描かれた
「父」
と
「母」
、
教材化された近代文学・現代批評
芥川賞作品、太宰治短編小説、日本近代文学と格差社会・戦争・戦後・高度成長、
研究法演習
夏目漱石 、
井伏鱒二、
芥川龍之介、
遠藤周作、
詩の読解と鑑賞、
沖縄近現代文学、
ジェンダーと日本近現代文学
[卒業論文作成の指導]
卒業論文
日本語研究の基礎的な知識・考え方、
明治期の日本語
『思ひ出』
、
擬古文作品
(室町物語)
、
現代方言研究、
キリシタン版ローマ字本
『天草版伊曾保物語』
人情本『春色英対暖語』、北原白秋『邪宗門』
『日葡辞書』
、明治期の文献を素材とした語彙分析
日本語の音声と音韻、日本語の述語部構造の研究、
日本語の歴史
(音韻、
アクセント、
表記、
話し言葉・書き言葉、
方言、
文法・語彙)
漢文学講義 ●
※青色の文字は必修科目 ●は基礎的科目 ●は専門的科目
ピックアップ授業
ゼミナール … 次のページをCheck!
ピックアップ授業
日本古典文学関係科目
日本語学関係科目
●主な科目紹介
【源氏物語講読 1】
●主な科目紹介
【日本語学入門・基礎】
『源氏物語』五十四帖のう
日本古 典文学 概 論 2
近世文学の小説・演劇・俳諧を学び
文学史的な流れをつかみます
近世文学の主要ジャンルである小説・演劇・
俳諧について広く理解します。それぞれの代
表作である上田秋成作『雨月物語』や近松
門 左 衛 門 作『 曽根 崎 心中 』、小 林 一 茶の
発句などを読み、特性と魅力を探ります。
日本近代文学関係科目
江戸期から現代に至る資料
日本 語 学 基 礎 演習2
ちの、桐 壺 巻 ∼ 幻 巻の内
や、
日本各地の方言の
『桃
容を本文を読み進めること
太郎』、
平安時代の日本語
によって理 解します。 物 語
を復 元した
『 源 氏 物 語 』、
の魅力を味わうとともに、作
漢字だけで書かれた
『万葉
品の背景や古典常識など
集』
を使い、
日本語学とはど
の理 解を深め、古 典 読 解
のような「 学 」であるのかを
の基盤を作ります。
学びます。
【日本古典文学講義 4】
人形浄瑠璃の成立と、
その
後の盛 衰から現 在に至る
歴史を学び、近松門左衛
門の
『 心 中 天の網 島 』を
精 読します。作 品の理 解
を深めるため随時 DVD 鑑
賞も行います。
文献を使った日本語学の基礎的な
知識と方法を修得します
【日本語学演習 3】
変体仮名で書かれた擬古
文作品(室町物語)
の影印
明治期の雑誌や新聞を読み、
「音読」できる
ようにする「作業」をとおして、文献を使った日
本語学の基礎的知識・方法を修得します。
また明治 期に手書きされた文献からどのよう
な問題を見出せるか考えます。
関連専門科目
●主な科目紹介
【日本近代文学基礎演習 2】
本を用い、翻刻・語釈・日本
語学の観 点に基づく考 察
や、
それらを元にした現代語
訳を行います。
●主な科目紹介
【漢文学基礎演習】
泉鏡花、
夏目漱石、
志賀直
日本 近代 文学 演習2
文学作品の構造を分析し、
文学研究の主要な方法を修得します
前期は
『芥川賞全集 第 9 巻』
に収録された
小説の中から一作品を選び、
その作品構造
について考察したことを発表します。後期は、
自分で研究対象の作品を選び、
その作品論
について発表します。
私 の時 間 割
中国古典の幼学書『蒙求』
くずし字 解 読 基 礎 演習
哉、佐藤春夫、中里恒子、
石 川 淳、原 民 喜、坂 口 安
に影響を受けて作られた日
吾、尾崎一雄、林芙美子、
本 の 漢 詩 文をテキストに、
大岡昇平、長谷川四郎な
基礎的な漢文読解力を身
どの短編小説を研究対象と
につけ、中国古典漢文と日
して、
近代文学研究の基礎
本 文 学との密 接な関 係を
を実践的に学びます。
理解していきます。
【日本近代文学講義 4】
専業主婦の大衆化と家族
観の変容、妊娠・出産する
身体の捉え方、母性と母娘
関 係をめぐる表 現など、日
本女性が直面してきた諸問
題を学び、
現代女性文学の
抱えるテーマを理解します。
実際の文献を使ったトレーニングで
「くずし字」を解読する力をつけます
Mon
齋藤 亜美さん
清泉を選んだのは
『源氏物語』
に力を入れていると知っ
たからです。授業は少人数制なので、先生と会話する
機会が多く、クラスの雰囲気が明るいのが特徴です。
日本語日本文学科の魅力は、さまざまな視点から日本
について学べるところです。また、共通教養科目の「日
本芸能文化」では、実際に能や浄瑠璃を体験すると
いうめったにできない経 験をさせてもらいました。今
後は
「漢文学講義」を受けて、高校時代に苦手だった
漢文を克服したいと思います。
江戸時代を中心とした、
さま
ざまな種 類の出 版 物の実
物を使い、書 誌 的 特 徴を
学びます。日本 古 典 籍 書
誌 学を習 得し、
くずし字や
変体仮名の読解力を身に
つけます。
[1 年次の時間割]
能や浄瑠璃を体験できる授業も。
日本について幅広く学べます
日本語日本文学科 2年
私立 八雲学園高等学校 出身
【書誌学】
仮名字形の基礎を学び、実際の文献を使っ
て、
「くずし字」を解読していきます。文献を自
分で読んで「翻字原稿」を作成し、仮名読
みクイズや文献を使ったトレーニングを重ねる
ことにより
「くずし字」を理解していきます。
Tue
1
や
『古文真宝』、
また、
それら
教職入門
英語Ⅰ
2 (会話・作文)
3
4
日本近代文学
入門・基礎
くずし字解読
基礎演習
Wed
情報科学入門
Ⅰ
英語Ⅰ
(講読)
健康・安全管理
暮らしの科学 情報科学入門
Ⅱc
Ⅱ
Thu
Fr i
S at
共通
基礎演習
人間論
日本古典文学
入門・基礎
美術Ⅱa
日本国憲法
体育実技・理論
(エアロビクス中級)
日本語学
入門・基礎
漢文学
基礎演習
日本文化史
5
文化人類学b
■は学科専門科目
文学部
日本 語日本 文 学 科
ゼミナール
文
日本 古 典
学 演習3
中世の説話集を題材に
編纂者の意図を探っていきます
「日本古典文学演習 3」では、
中世文学の
卒業論文のテーマである
式子内親王は、百人一首の
情熱的な和歌を通して興
味を持ちました。
当時の歌人がどのような
影響下で歌を詠んでいたのかも、
併せて考えてみると
よいですね。
作品の中から一つ選び、精読していきます。
昨年度の題材は
『古今著聞集』
という鎌倉
時代の説話集で、当時の宮廷の様子や
理 想と現 実のギャップなどが描かれ、項目
別に分類されています。中世の説話集は
編纂した人物の性格が色濃く反映するの
で、同時代の歴史資料と比べることによっ
て、編纂の意図を探っていく楽しみがありま
す。授業では学生が割り当てられた分担
部分を各自で語釈をつけ、
現代語訳をして
いきます。くずし字で書かれた写本を他の
伝本と比べつつ、
小さな疑問点から調査を
重ね、深い考察へとつなげていくことができる
ようになっていってほしいと思います。
繁森 慶子さん 姫野 敦子准教授
日本語日本文学科 4年
私立 武南高等学校 出身
優秀卒業論文のテーマ
●ヤマトタケル研究 ―異界訪問譚としてのヤマトタケル物語―
●『或る女』論 ―内田と木村を視座にして―
●『我が身にたどる姫君』論 ―女帝・前斎宮をめぐって―
●小沼丹『白孔雀のいるホテル』論 ―小沼丹をめぐる三つの湖―
●『無名抄』
にみえる
「花麗」について ―「幽玄」
とのつながり―
●日本語の選択疑問文 ―「どれ」
「どっち」
「どちら」の用法―
●『野ざらし紀行』考 ―旅への憧憬と理念の片鱗―
●「男ことば」を使う女性 ―漫画キャラクターを中心に―
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せい
[優秀な卒業論文に学ぶ]
[母国の文化を知ろう! ]
[機関誌『清』の発行]
優秀卒業論文発表会
日本古典演劇の鑑賞
日本語日本文学会
毎年 6月中旬に優秀卒業論文発表会が開催さ
れます。その年の卒業生の中から優秀な卒業論
文を数本選び、本人にその内容を発表してもらうと
いうものです。
後 輩が 卒 業
論文を書く上
でたいへん参
考になる、
本学
科ならではの
催しです。
1・2 年次の必修科目の課外授業として、歌舞伎、
文楽、能、狂言などを鑑賞します。鑑賞会の前に
は、
あらかじめ授業でその作品の時代背景やストー
リー、見どころ
などを 勉 強し
ていくので、
より
一 層 理 解が
深まります。
日本語日本文学科に所属
する専 任 教員と学 生 会員
からなる機関です。日本語・
日本文学を学ぶ学生が、
よ
り一層日本語・日本文学に
親しみ、会員相互の親睦と
研 究を促 進させるようにと、
1953 年に設 けられました。
運営は、役員を中心として、
学 生が主 体 的に行ってい
ます。
歌舞伎座前にて