リグニン化学最近の進歩(2)

リグニン化学最近の進歩(2)
榊 原 彰
Ⅱ リグニンの構造分析
前章ではリグニン生合成による中間体の研究から,
構造単位間のかなり詳細な結合型を知ることができ
た。しかし,リグニン分子中のこの結合型の存在割合
を中間体の量的比率によって決定するわけにはいかな
い。したがって,この方法は詳細な知見を与えるが定
量的ではない。一方,E.AdlerおよびJ.Martonを
主体とするスエーデン学派は古典的な分析的方法では
あるが,単純な構造模型による比較研究を補助手段と
し,分解反応や特殊な化学変化にもとづいた最近の研
究法によってリグニン分子を定量的な立場から解明を
こころみている。そのいくつかを次に述べていくこと
にする。
ていることを意味する。いいかえれば0.3がフェノー
ル性,0.7がエーテル型グアヤシル基として存在して
いることになる。
Ⅱ一2 縮合型および非縮合型単位
前式に示したように遊離のOH( またはエーテル )
に対してオルト位で隣接単位のC原子と結合している
構造単位が存在することは生合成中間体Sub.Aの例
でも知られる。このようなベンゼン核でC−C結合を
もつ型を“縮合型”( condensed type )といい,そ
うでないものを“非縮合型”( noncondensed type)
という。Adler らはTeuberによって見出された反
応を利用して非縮合型単位の数を測定している。12)
Ⅱ−1フエノール性およびエーテル性グアヤシル基
E.Adler10) らは数年前,グアヤコールおよびその
置換体に過沃素酸ソーダを作用させ酸化することによ
り,メトキシル基がほとんど定量的にメタノールとし
て脱離することを見出した。
この反応を M.W.リグニンに適用したところ,ほ
ぼリグニンのメトキシル基3個毎に1分子のメタノー
ルを生ずることを知った。11)すなわち3個のグアヤ
シルプロパン単位毎に1個の遊離フェノール性水酸基
が存在し,2/3の単位はフェノール基でエーテル化され
λmax366(465)mμ
すなわちオルト位が遊離のフエノール性グアヤシルプ
ロパンはいわゆるフレミ一塩( potassium nitroso
disulfonate)によって,かなり安定な赤色のo−キ
ノンに酸化される。この反応を多数のモデル物質に適
用し,生じたo−キノンのスペクトル特性を研究した
結果,M.W.リグニンに適用した。すると酸化した
リグニンの赤色溶液はモデルのキノンと同一の吸収曲
線(λmax=366mμ;465mμに肩)を示した。吸収
スペクトルの定量的比較をした結果,このようなo−
リグニン化学最近の進歩
キノン群に酸化しうる単位はリグニン中にメトキシル
フェノール性単位のC−C縮合について,これまで
あたり0.16程度存在することを知った。すなわち非縮
知られたことは確率からして多分非フェノール(エー
合型のフェノール性グアヤシルプロパン単位が0.16あ
テル型)単位についてもあてはまると思われるから,
ることになる。前述のとおりフェノール性単位は全部
全単位についてみれば,恐らく約半数がC−C縮合を
で0.30であるから,差引いた残りの0.14が縮合型フェ
していると見てよいであろう。
ノール単位となる。つまり約半数のフェノール性単位
Freudenberg15) らはコニフェリール・アルコール
はベンゼン核オルト位で隣接単位とC−C結合してい
の5位を重水素で置換したものをパーオキシダーゼで
ることがわかる。
脱水素重合せしめ,DHP中の失われた重水素を測定
して,5−位で縮合している単位を算出
している。それによるとDHPのうちメ
トキシルあたり0.45が縮合型をとってい
る。この結果はM.W.リグニンからえ
た Adler の結果とよく合致する。
Ⅱ−3 カーボニル基とC=C二重結合
側鎖構造については,量的には少ない
がリグニンの化学反応にとって重要な意
味をもつカーボニル基とC=C二重結合
がある。
全カーボニル基の数についてAdler,
Marton14、16,17)らは種々の方法で研究
しているが,すべて一致し,メトキシル
あたり0.2程度の値である。すなわち平
A.Erdtman13)は例のイオン化Δε−法を用いてジ
均5単位毎に1個のカーボニル基が含まれている。用
フェニール結合をもつ2量体の数を推定したが,Br−
auns の native lignin を試料とした場合,遊離の
いた方法は次の3種である。
フェノール性水酸基をもっている単位のうちメトキシ
ルあたり0.06のジフェニール結合を算出している。2
い,遊離した塩酸を滴定する。
量体のうち1個のみが遊離のOHであるとすれば,こ
の値は0.12となる。その後,Marton14)は同様な方法
ideで還元して水酸基とし,増加した水酸基の定
1)塩酸ヒドロキシラミンによるオキシム化を行な
2)リグニン中のカーボニルをsodium borohydr−
でM.W.リグニンについて測定し,ほぼ類似した値
をえている。
量をする。
また他の研究においては100単位のうち3個がオル
ト位において隣接プロパン側鎖のβ−C原子と結合し
費量を容量分析によって測定する。(この方法
ていることを見出した。この構造はフェエール・クマ
ラン環が閑環した形であり(ⅩⅩⅤⅠⅠ)によって示さ
れる。この測定は,鉱酸で処理すると,(ⅩⅩⅤⅠⅠ)
型のものはフェニール・クマラン構造をとって閉環す
る性質を利用して行なわれた。
3)上述の還元において sodium borohydride 消
ではやや高い値0.2∼0.2/OCH8が与えられ
た。)
また種々の分光分析の方法によってカーボニルの形
態もそれぞれに異なっていることが知られた。
Ⅱ−3−1 共役カーボニル基
ベンゼン核および側鎖2重結合に共役するカーボニ
リグニン化学最近の進歩
ルの定量にはA.Erdtmanによって導入されたΔε
法が顕著な効果を発揮した。まずリグニンをNaBH4
( アルカリ溶液中)で還元すると cinnamaldehyde
およびaryl-2-ketone基のような共役性カーボニル
の chromophor が消失し,長波長の吸収が減少す
る。Borohydride( NaBH4 )還元によるΔε曲線
(Δεr−curve)が与えられるとスペクトル変化に
基づいてリグニン中に存在する共役性カーボニル
基が定性的にも定量的にも測定できるのである。
遊離のフェノール性水酸基をもつコニフェリー
ル・アルデヒド基はNaBH4 によって還元される
と,コニフェリール・アルデヒド・アニオンの極
大吸収である400mμ付近の吸収が減少する筈で
ある。実際にはこの付近のΔεr値は非常に小で
あったから,リグニン中のフェノール性コニフェ
リール・アルデヒド基の数は僅少であることがわか
る。340−350mμ付近の肩は非フェノール性コニフェ
リール・アルデヒド基に由来し,320mμにおける極
大および短波長の肩は非フェノール性 arylketone 群
のα−ケト基に基因する。
D.C.C.Smith18)はフェノール性aryl−α−ketone
はエーテル化されているものに比べて還元速度が極め
て緩慢であることを見出した。ところがリグニンにお
いては大部分のカーボニルが比較的急速に還元される
ので,見るべき量のフェノール性 aryl ketoIle 基は
存在しないものと考えられる。
結局,以上のような分析結果を綜合するとM.W.リ
グニンは<0.01のフェノール性,および0.03の非
フェノール性コニフェリールアルデヒド基,それに
<0.01のフェノール性および0.06の非フェノール
性aryl−α−keton 基が存在することがわかった。つ
まりその合計0.1(全カーボニルの約50%)がメト
キシル当りの共役系カーボニル基となる。側鎖β−位
のケト基は Δε法では検出できないが,全カーボニ
ル量をメトキツルあたり0.2とするとその差0.1が相
当することになる。
付近であるが,その位置のΔεh値によって約0,03の
Ⅱ−3−2 ベンゼン環に共役するC=C結合
モデル実験においては,このような多くのタイプの化
環共役エチレン基が水素添加されたことがわかった。
これはB.O.Lindgrenと三川19)による特殊呈色反
応によって測定したコニフェリール・アルコール末端
基の量と一致する。
これらの結果を下にまとめる。
全量:0.2CO/OCH3
Ⅱ-4 ベンジルアルコール基とベンジルエ−テル基
Holmbergの基礎的研究以来,リグニン化学におけ
るベンジンアルコール基およびそのエーテル化合物に
ついての研究は重要な位置を占め,歴史的な一エポッ
クをもたらした。このような基が亜硫酸法,クラフト
法などの木材蒸解に際し,化学反応の中心的役割を果
していることは周知のとおりである。その存在論拠は
詳細なモデル実験と生合成中間体によって示される
が,より直接的な証明および定量はAdler20)らによ
って行なわれた。
彼等は室温でメタノール性塩酸をリグニンに作用さ
せ,ベンジルアルコール基およびベンジルエーテル基
の全量を与える反応を見出した。それを下式に示す。
合物は相当するベンジル・メチルエーテルを生成し
A.Erdtman は水素添加−Δε曲線(Δεh)が共役
カーボニルのみならず芳香環に共役するC=C結合の
測定にも使用しうることを示した。コニフェリール・
アルコールの水素添加−Δε曲線の主な極大は260mμ
た。この反応をリグニンに適用すると約0.43のメトキ
シル基が導入されたが,14)これはベンジル位に入った
ものと考えられる。すなわちリグニン構造単位のうち
半数弱が活性に富むベンジルアルコール基またはその
リグニン化学最近の進歩
エーテル基をもっていることになる。しかしpheny−
lcoumaran 系または pinoresinol 系のような環状
ベソジルエーテルはメタノール−u−塩酸によってメチ
ル化を受けないから定量することはできない。
遊離のフェノール性水酸基と遊離のアルコール型化
合物は今までにも直接定量が可能であった。それは
Gioror21)によって初めてリグニンに適用されたchi−
non−monochloriminの呈色反応である。この方法に
変化する。24)このスチルペン類似の構造は,容易に識
別,測定しうる特性的な吸収スペクトルを与える。リ
グニンの場合にもこの反応は低分子のモデル物質同様
の速度で生成するが,そのスペクトル的考察により,
リグニン中にメトキシルあたり0.08の phenylcoum
aran 2 量体が存在すると結論された。この他に側鎖
β位とオルト位で縮合しているがクマラン環をつくっ
ていない2量体構造(XXVII)が0.03存在している
ことは前述のとおりである。
よると20構造単位につき1個程度であることが知られ
た。
またAdler22,23)らは最近,ベンジルアルコールが
ある特定のキノンによって(特にdichlor−dicyan−
p−chinon),相当するarylketone に酸化する反応
Ⅱ−6 アリールグリセロール-β-アリールエーテル
構造
リグニン分子中に arylglycerol-β-arylethr 型構
造が存在することは以前 H.ErdtmaIl により発生論
的に考察,仮定されたが,Adlerらによ
ってモデル物質として詳細に研究された
ものである。生合成中間体 Sub.Cに
相当する。
Adlerらはその存在の証明として,リ
グニンを希薄酸で加熱した際に生ずる多
種類の変化を分析的に把握した。25)その
常とう手段としてあらかじめモデル物質
について詳細な研究をし,次にえられた
結果をリグニンに適用するのである。主
反応はβ−arylether結合の加水分解で,(XXVIII)
を見出している。このようにして生じたα−aryl ke−
tone は前述のΔεr法によって確認,定量される。
その結果,遊離のフェノール性水酸基をもつべンジル
アルコール型単位は0.05,非フェノール性のものが
0.15となった。ベンジルアルコール基と非環式ベンジ
ルエーテルの和が0.43であるから,その差0.23は非環
式ベンジルエーテル型単位に相当する。
から1分子の水が脱離し,次いで生じたenol−aryl
ether(XXIX)が直ちに加水分解を受ける。その結
果,1)フェノール基の遊離(XXX)となり測定が
司能である。次に 2)keto alcohol基(XXXI)が
生成するが,同様に証明,定量可能なものである。
3)これらの中間体は徐々に変化をうけていわゆる
Hibbert のケトン群となるがやはり定性的にも定量
Ⅱ一5 フェニール・クマラン構造
これまでに述べてきたものの中には環状のベンジル
エーテル構造は含まれていない。このような型のもの
にフェニール・クマランがあり,生合成中間体 Sub.
Aはそれに相当する。Adler らはこの様な構造が天然
のリグニソ中に存在することを化学反応によって示
し,さらに定量を行なっている。
モデル物質dihydro−dehydro−diconiferylalcohol
を0.2Nの塩酸で加熱すると phenylcoumaron に
的にも測定できるものなのである。このような反応の
結果,全単位の25−30%のグアヤシルグリセロール型
のものがβ−位において隣接単位のフェノール性OH
とエーテル結合していることがわかった。
以上述べたことによって,リグニン中の主要な結合
型,側鎖構造がある程度,定量的に示されたが,もち
ろんすべてが明確になったわけではない。たとえば
Pinoresinol 型結合型については生合成の中間体
リグニン化学最近の進歩
4)フェノール性ベンジルアルコール基
0.05
エーテル型ベンジルアルコール基
0.15
非環状ベンジルエーテル(全量)
0.23
5)フェニール・クマラン2量体 0.08
閉環型フェニール・クマラン 0.03
6)アリールグリセロールーβ−アリール
エーテル結合 0.25∼0.3
Ⅲリグニンの構造式
既述のごとくリグニン生合成によ
る方法は構造単位間の詳細な結合様
式を明確にしつつあり,一方では構
造分析によっで官能基,結合型の定
量約な数値が示されるようになった
今日,これを基盤にしたリグニン像
を組立ててみることは無謀でない。
しかしリグニンのような物質の性質
上,小分子の有機化合物の構造式と
同一視することはできないのであっ
て,いわばリグニン化学の総とりま
とめ図とでもいうべきである。した
がってリグニン化学の進展にともな
Sub.B として知られているのみで直接リグニン中に
証明されていないし,Freudenbergの主張するdip−
heny lether,cyclolignan 等についても証明あるい
は定量約な値は不確実である。
って随時改変されるべき運命にあるが,かって大半が
スペキュレーションで構成されたリグニン想像図とも
いうべき構造式とは全く軌を異にするものである。
比較的最近提出されたリグニン構造式も少なくな
Ⅱ−7 とりまとめ
この章で主として Adler 一派による構造分析につ
いて述べたのであるが,これまでにえられた側鎖構造
の知見,結合型についての定量的な結果をとりまとめ
ると次のような表となる。
い。たとえば蒸解反応機構の知見に基づく三川の
式,26)生合成,構造分析を考慮した榊原の式,27)Br−
auns の式,28)核磁気共鳴を利用してえた McCar
thy の式,29)構造分析による Adler の式,7)および
最近の Freudenberg の式5)等があげられる。これ
らは細部に相違は見られるが,重要な点に甚だしい相
官能基および結合型 メトキシル基当りの数値
1)フェノール性グアヤシル基 0.3
非フェノール性グアヤシル基 0.7
2)縮合型グアヤシル基 0.5
非縮合型グアヤシル基 0.5
フェノール性OHをもった縮合型グアヤシル基 0.14
フェノール性OHをもった非縮合型グアヤシル基 0.16
ジフェニドル結合をもつ2量体 0.25 ∼ 0.32
3)コニフェリール・アルデヒド基(エーテル型) 0.03
α−ケト基 (エーテル基) 0.06
β−ケト基(フェノール性およぴエーテル型) 0.10
コニフェリール・アルコール基 0.03
違はない。代表例として最も新しい Freudenberg の
構造式を紹介する。これは以前Sidhu30)とともに発
表した原案を,その後の知見を加えて改案したもので
ある。Freudenberg は特にこの式が生合成の理論に
したがって脱水素重合のすえ形成されることを順を追
って説明しているが,ここでは省略する。
この式からえられる各官能基,結合形の量的割合が
リグニ y 化 学最近 の進 歩
か1 8 9 (1 9 6 3 )
C H ‡
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5 ) Ⅹ . F r e u d e n b e r g …P u r e
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( 19 60)
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a n d Applied Chem.,
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5, 9
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(1 9 6 2 )
壬1 e n −L
o u n g Chen:Dis−
S e r t a t io n (H e id e l b e r g ).
( 196 2)
7 ) E . A d le r :D a s Papier.
H 王C
O H
604 ( 196 1)
J H
8 ) K . F r e u d e n b e r g and F.
H Niedercon‥Ber.,91,
OH
5 9 1 (1 9 5 8 ) :K . F r e u d e −
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n b e r g and B.Lebmann
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:B e r ., 9 6 , 1 8 5 0 ( 1 9 6 3 )
9 ) K . F re u d e n b e rg , K .
Jo
F re u d e n b e rg の リグニ ン構造 式
n
e
s and H.Renner…
Be r ‥
9 6 ,
1 8 4 4
( 1 9 6 3 )
1 0 ) E . A d l e r and S.Hern−
e sta m
前表に示 した数値 と如何 なる関係にあ るか,対 照すれ
ば興味がある。 もちろん構成単位数が 1うしか な い の
;A c t a Chem.S−
C a n d ., 9 , 3 1 9 ( 1 9 5 5 )
11)
E
・
A
d
l e
r
・
S
・
H
e
r
n
e
s
t
a
m andI.Wallen!Svensk
P a p p e r s t id n ., 6 1 , 6 4 1 ( 1 9 5 8 )
で, このままでは多少矛 盾も生ず るが, リグニソの大
12)
E
・
A
d
l e
r and K・Lundquist=Acta Chen.Scand.,
15 , 223
略の像ほ このよ うに考えて よい と思 う。
(1 9 6 1 )
1 3 ) A ・ E r d t m a n and L・Hegbom;Svensk Pepperstidn.
61 , 18 7 ( 1958 )
Ⅳむ
す
び
14)
J
.
M
a
r
t
o
n and E.Adler…Acta Cbem.Scand,.
15 , 3 70
これ までに紹介 した最近の リグニソ化学 は一応構造
式が考慮 され る程度の進展をみせた。 しかも重要な結
王B
e
r
, .
小分子 のモデル物質に試みた反応がその まま複雑 な巨
4
,
3
2
2
7
( 1
9
6
1
)
13
,
7
5
( 1
9
5
9
)
!
1
5
,
3
5
7
( 1
9
6
1
)
1 7 ) J . M ar to n ,E . A d le r andI(.J.Persson;Acta
C h e m
の構造分析ほかな り直接的な知見を提供 しているが,
9
1 6) E .A d le r andJ.Marton:Acta Cbem.Scand.,
合型ほ定性的に も定量的にも決定 したかに見えるが,
まだまだ リグニソ化学の基礎は浅い。た とえば A d ler
(1 9 6 1 )
1 5 ) K .F r e u d e n b e r g ,Ⅴ .J o v a n o v i c and F.Topfmeier
18)
D
.
19)
B
.
C
0
. S c a n d ., 1 5 , 3 8 4 ( 1 9 6 1 )
.
C
.
S
m
.
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n
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…
N
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d H.Mikawa…Acta chem.Sca−
a
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r
e
,
1
7
6
,
9
2
7
( 1
9
5
n d ., 1 1 , 8 2 6 ( 1 9 5 7 )
大分子の リグニソに適用 して不都合がないか どうか ,
2 0 ) E .A d le r Fourth Lnternat.Congr.Biochemistr−
y , V o l . t , P 1 3 7 (1 9 5 9 )
多少疑問が残 る。 したが って何 らかの方法で もとの形
2 1 ) J . G ie r e r …A c t a c血em.Scand,.8,1319(1954),
を損わず に分解物を と り出 し,そ の構造が解明され る
ような直接 的な証明が是非必要であ る。 F r eu d en be ・
Be r
22)
H
.
‥
D
8 0 ,
.
B
e
2 5 7
c
k
e
(1 9 5 8 )
r and E.Adler…Acta chem.Scand.,
15 ,2 18 (19 61)
r g は
ミリグニソ とい うものほ粘 土の足を もった人形
23)
E
.
24)
E
25)
2 ) E .F re u d e n b e rg andJ.M.Harkin;.PIlytOCbemistry,
d
l e
.
A
d
r and T.Isbibara…Symposium on Lignin
is t r y , H e l s in k i , 3 − 7 ( 1 9 6 1 )
l e
r
,
S
.
D
e
l
i n and K.Lundquist王Acta Che−
m . S c a n d ., 1 3 , 2 1 4 9 ( 1 9 5 9 )
文献
1) P .
庇 1a so n ;S v e n s k kem.Tid.,9,133(1897)
A
C 血em
であるミとい った ことがある。至 言であ ると思 う。
E
.
A
d
l
e
r
,
ng .C bem
2 6) 三 川
J
.
M
.
P
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p
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r and E.Eriksoo王Ind.E−
., 4 9 , 1 3 9 1 ( 1 9 5 7 )
礼 !紙バ 技協 紙 11 ,19 1(19 57)
5
)
リグニ ン化 学最 近の 進歩
2 7) 榊 原
28)
F
.
E
.
M o n tre a l,( 196 1)
彰 :木 材工 業 14 ,11 (1959 )
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2 9) J .L .M c C a rth y a n d
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r e u d e n b e r g and G.S.Sidbu;Holヱforscbung
15 , 3 3
(1 9 6 1 ).
r n a t .C 、n g r . O f Pure and Applied Chemstry,
お詫
び
1 0 月号榊原彰氏の「 リグニソ化学最近 の進歩」に下記のよ うな誤 りがあ りま したので著
者並びに読者の方 に深 くお詑びいた し訂 正させて頂 きます 。
頁 2. 3. 4.
一一− −
誤
正
上か ら2 行 目
K .F ru d en b erg
K .F reu d en b er g
構造式Ⅰ
Ⅹ
D e h y d r o d d ia n is ie
D e h y d r o d ia n is ic
2 ,3 −D r m e t h o x y −
2 ,3 −D im e t h o x y −
クⅩ Ⅴ Ⅰ
6 , 右上か ら26行 目,
d ip h e n y トs , 4 ′−d i−
d ip h e n y le te r う , 4 ト d i−
C a b o x y l i e acid
C a r b o x y lic acid
6 位 に転位 した場合ほへ ミピソ
6 位に転 位した場合は メタへ ミ
酸を与 え
ピソ酸を与 え
H ■C Oセ
H l亡 O
H
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I
亡H
C H
I
C H
H ▲亡O H
H ■C ( I H
l
右上構造式
H c
∝仙
中
O H
○
( }∫
克ヰ
O xx一
7 , 右下構造式
.§ノ
H C ・・−
○
納戸1
.も/
1
Hこ −
0