ワイパー浮き上がりの改善 ワイパー 提供:Valeo Systemes d'Essuyage社 自動車部品会社Valeo Wiper Systems(VWS)社では,最高 の製品のタイムリーな提供を 目指しています.そのために は,継続的な開発プロセスの 改善,仮想設計プロセスの改 良と検証, およびコストダウン, 製品の品質維持あるいは向上 が不可欠です.1997年以来, Fluentのソフトウェアは,こうし た目的のために利用されてき ました. 揚力 抗力 流れの方向 ワイパーブレードBTM 550上の圧力分布 CFD適用領域の1つとして,高速走行 する車のワイパーブレード浮き上がりを 最小にするというものがあります.これま でValeo社のエンジニアは試作実験で製 品の性能改善をしてきましたが,顧客に 新製品を供給するまでの時間的な要求 が強まったため,これに代わる方法が必 要となりました.その結果,CFD解析が 設計プロセスの主要コンポーネントとし て利用されるようになったのです. Valeo社製BTM 550(平面ガラス用ワ イパーブレード)に対する1997年の空力 性能評価試験では,CADからCFD解析 用のグリッド生成までに28日間を要しま した.今日では,これが4日間で可能とな り,設計期間が85%短縮されました. VWS社のエンジニアは,幾何形状の作 成にCATIAを,約600,000セルのハイブ リッドメッシュ生成用にGAMBITとTGrid を使用しました.その際,境界層メッシ ュは,y+値が最適な範囲に入るように生 成されました.FLUENTによるCFDシミ ュレーションでは,各ワイパー要素に作 用する力,および様々な位置での速度や 圧力といった物理的特徴が調べられま した.この研究から,ワイパーブレードの 上流側に特別設計のスポイラーを取りつ けることで,わずかな抵抗の増加のみで フロントガラス上のブレードに特別なダ ウンフォースを発生できることが確認さ れました.現在このようなスポイラーは ワイパーブレードの標準的な追加部品と なっており,特に高速でのワイパー性能 を高めることが可能となりました. V M S 社 は ,ワイパ ー 開 発 に お ける CFD設計プロセスの有効性を証明しま した.様々なワイパーブレード構成にお いて,CFDモデルの数値的な予測誤差 は揚力と抗力成分について3∼4%以内 でした.VWS社ではプロジェクトの増加 にともない,現在,統合されたCFD設計 コンポーネントを利用しています.これら の新しいプロジェクトには,ワイパーのゴ S4 流れの方向 ワイパーブレード後方の流線と表面速度ベクトル ム製ブレード後方の渦パターンに関する ものや,特定の自動車フロントガラス上 でのワイパーストロークに対するブレード の運動を調べるというものがあります. GAMBIT/TGridで生成されたワイパーのハイブ リッドメッシュ
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