「研究会概要」版 ■横断的研究会: 土木事業は、土砂流出防止や土砂災害の抑制に寄与 し、安心で安全な社会基盤の提供につながる。土木分 野においても、木材の持つ、比強度が高い、適度な弾 性がある、熱伝導率が低い等の材料としての長所、あ るいは木材を利用することによる森林活性化効果、炭 素貯蔵効果、省エネ効果、化石資源代替効果等、地球 温暖化防止に資する効果といった効率性だけでは計れ ない価値が見直され、木材を積極的に活用する動きが でてきた。このような流れをうけ、日本森林学会、日本 木材学会、土木学会は共に連携して、「土木における 木材の利用拡大に関する横断的研究会」を2007年の 秋に立ち上げた。 ・WTOの関係で国産木材を 特別に扱えない ・環境貢献・林業活性化に 定量性がない ・木材料にインセンティブ がない 土 木 ・木材の利用 ・構造物の構 築 (仮設、本体) ・木材利用ポテンシャルが不明 ・再造林や間伐の管理放棄 ・土木事業に対する仕様がない ・政策や設計図書による影響 ・腐朽・蝕害などの不安や誤解 ・信頼性・高耐久性・メンテナ ンスフリーが要求される ・コンクリートや鉄と同様の設 計法が要求される 環境貢献 森 林 ・品質のバラツキが不明確 ・素材価格に比し加工コストが高い ・必要量を安定供給する体制が未整備 木 材 ・加工 ・処理 ・運搬 ・植林 ・育成間伐 ・伐採 ■活動概要: 研究会の体制 (1)学際的研究による地球温暖化防止対策に対する木材利用 のメリットの抽出と定量化、木材利用ビジョンの作成。 (2) 土木分野での具体的な木材利用分野を、①橋梁、②砂防 ダム・河川構造物,③地下・海洋、④道路関連施設とし、木 材利用を拡大するための課題の検討と個別技術の開発の 推進。 (3) 土木分野における木材利用拡大に向けての情報公開とこ れによる学際的研究交流の推進。 ・シンポシウム等の開催による研究成果の公開と学際的研 究 交流。 ・WEBによる研究状況の情報公開。 <http://tbl.tec.fukuoka-u.ac.jp/3-ohdan/> ・土木における木材利用に関する手引き書の作成。 土木における木材利用拡大に関する横断的研究会・運営委員会 委員長 今村祐嗣(京都大学生存圏研究所 教授) WG1 :資源利用ビジョン WG2 :木橋利用 委員/16名 委員/18名 WG3 :治山治水利用 委員/15名 WG4 :地中海洋利用 委員/23名 WG5 :道路関連利用 委員/15名 ■土木におけるおもな木材利用例 集成材を利用した大規模木質構 造 かりこぼうず大橋(宮崎県) 大断面集成材を使用した 下路アーチ橋 小出橋(岩手県) 74年間利用された木杭(福井県) 港湾におけるウッドデッキ(神奈川県) 木製床固工(京都市京北町小塩) 木製ガードレール(岩手県) 秋川に設置された聖牛 (東京都) 聖牛:水の勢いを弱め、流れの方向 を制御する 木製法枠工(岩手県) Ver.1
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