整備の種類と従事者の資格 May. 2012 KeiKnowledge INC. 中溪正樹

整備の種類と従事者の資格
May. 2012 KeiKnowledge INC. 中溪正樹
1. ICAO ANNEX
・整備の種類は overhaul,
inspection, replacement,
・ 整備作業従事者に要求される資格としては
defect rectification, modification or repair.
aircraft maintenance のみである。
限定、及び、メンテナンス・リリースに関する限定については述べられていない
表-整備 1 整備従事者資格- ICAO ANNEX
ANNEX Ⅰ 4.2 Aircraft maintenance
4.2.1 ライセンス発給の条件
4.2.1.1 年齢 18 歳以上
4.2.1.2 知識
4.2.1.3 前提実務経験
航空機または部品の検査、サービシング、あるいは整備における以下の経験
a) ライセンスの区分が航空機の場合、最低
1) 4 年 或いは
2)認定訓練コースを修了している場合は 2 年
b)ライセンス区分がシステムやコンポーネントに限定されている場合 1) 2 年、或いは
2) 認定訓練コースを修了している場合は当局が定める期間
4.2.1.4 訓練
4.2.1.5 スキル
実証することが要求される
4.2.2 業務範囲と業務執行の条件
4.2.2.1 業務範囲
・航空機或いはその部品に関して、修理、改造、や装着(エンジン、アクセサリー、計
器、その他の機器の)等の作業を実施した上での耐空性の保証。
・検査、整備作業、あるいは日常のサービスを実施後メンテナンス・リリースの署名。
4.2.2.2 業務執行する上での要件
a) 業務の執行はライセンスに記入された以下の区分に従う
1)航空機
2)構造、発動機、航空機システム、あるいはコンポーネント
3)アビオニック システム或いはコンポーネント
c) 遡る 24 か月に於いて航空機或いはコンポーネントに関わる検査、サービシング,
又は整備を最低 6 か月間経験している事が求められる(或いはライセンス発給当局の
定めに従う)
4.2.2.4 国によっては、認定事業場にあってライセンス不所持者が所持者と同じ業務範
囲の執行を認めるが、その場合、その者はライセンス発給の条件を充足(meet)しな
ければならない
航空機の型式などによる
2.
FAR
表-整備 2 整備作業種類-FAR
大分類
大分類
Maintenance
確認者の資格
分類
mechanic
inspection
参照
FAR
authorization
inspection
○
○
Overhaul,
○
○
sec.43.2
Rebuild
○
○
sec.43.3
Major repair,
○
○
Appendix A to
Part 43
Minor repair,
○
○
preservation,
○
○
Replacement
○
○
Preventive
preservation,
○
○
Appendix A to
Maintenance
Replacement
○
○
Part 43
Major alteration
×
○
Appendix A to
Part 43
Alteration
Minor Alteration
×
○
表-整備 3 整備従事者の資格-FAR
FAR PART 65—CERTIFICATION: AIRMEN OTHER THAN FLIGHT CREWMEMBERS Subpart D—Mechanics
資格
rating
mechanic
airframe
powerplant
18歳以上、24か月以内に試験(筆記及び実地)に合
前提条件 格していること
repairman
Inspection authorization.
定置に執務環境を有しており、
設備,機器データを有している
事 65.91
certificated aviation maintenance technician school 最低 18 months の実務 mechanic airframe rating 及び
の卒業証書の提示
経験 又は認定訓練を受 mechanic powerplant rating 3
けている事
年以上保持しており過去2年連
経験要件 或いは以下の証拠書類の提示
(a) 最低18か月の一般的実務経験
続して実務に従事している事
(b)最低30か月のratingに関わる実務経験
65.91
知識要件
FAA筆記試験に合格
FAA筆記試験に合格
FAA実技試験に合格(147training schoolにて受験
実技要件 可)
最近の業務
過去2年間に6箇月の実務経験
経験
・機体関連の
maintenance又は
alteration(majorを除く)を
実施または監督した後の
メンテナンスリ・リース
業務範囲 ・part 91に定義する100hour inspectionのメンテ
ナンス・リリース
有効期限
なし
なし(但しrenewal要件あり)
・エンジン、プロペラー関
連のmaintenance又は
alteration(majorを除く)を
実施または監督した後の
メンテナンスリ・リース
・part 91に定義する101hour inspectionのメンテ
ナンス・リリース
なし
maintenance, preventive
major repair 又はmajor
maintenance, alteration alteration を含む作業の検査
の実施または監督 但し 及びメンテナンスリリース
運送事業者或いは整備 65.95
認定事業場に雇用された
一員として指定された範
囲の作業に限る。
メンテナンス・リリース
は出来ない
2年に一回. 行なうrenewal に
は実績経験やrefresh training
など様々な条件がある
3. EASA
3A 整備作業の種類
1. overhaul,
2. repair,
3. inspection
4. replacement
5. modification
6. defect rectification
・何れの種類についてもメンテナンス・リリースの為の確認は有資格整備従事者によって行われ、当局の直接検
査が必須である作業種類はない 。
・予期しない事態への対応として、出先等で所定の整備確認者が不在の場合、一定の条件の下自社または他社の
人員に一回限りのリリースを許す救済規定がある。
(Part M M607 及び M801)
3B 整備従事者の資格
表-整備 4 整備従事者の資格 -EASA
ライセンス
カテゴリー
A
B1
B2
C
業務範囲
( 右記各欄の作
業後のメンテナ
ンス・リリースが
出来る)
(Part M 66.A.20)
・軽微な定例ライン整備
・軽微なな不具合の修正
(ライセンスに明示された
範囲で、145認定事業所
の一員として実施した作
業に限る)
・以下に関わる整備
aircraft structure,
powerplant
mechanical Sys.
electrical Sys .
・以下に関わる整
備
avionic
electrical systems
Part-145 認定整備
事業所.ので行われ
る整備(機体全般に
関わる)
・特定の航空機型式の
taskに関してのみリリー
スが出来る。それには
145認定整備事業所 又
限定
は147 認定訓練施設で
大型機5.7t以上 実施される訓練及び試
小型機5.7t未満
験合格が必要.
(Part M 66.A.45)
・certificationに記載される航空機型式限定
・ 限定の取得には147 認定訓練施設(または当局)で実施され
る訓練及び試験合格が必要 ・但し小型機については簡易化さ
れた試験合格によって限定が取得できる(但しcomplexな機体
は除く)
経験要件
経験3年以上
(基本値であり、
訓練によって短
縮される)
(Part M 66.A.30)
経験5年以上(B1.1 経験5年以上
のみ)
小型機については型式限定ではなく,
group ratings(例:aeroplane turbine —
multiple engine), 或いは manufacturer
group ratings, 限定となる。(但しcomplex
な機体は除く)
・大型機の場合三年
以上の大型機による
カテゴリーBの経験
・小型機の場合3年
以上の小型機による
カテゴリー Bの経験
4. 航空法
表-整備 5 作業区分と従事者の資格
-航空法
作業実施後のメンテナンス・リリースの為の確認の可否(○:可 ×:不可) 但し騒音、排気関連作業を除く
航空運航整
航空整備士 航空工場整
国土交通 備士 認定事業場
(1等、2等)
備士
大臣
(1等、2等)
確認者
航空機の区分 A:航空運送事業、30席↑、15t↑
B:A以外の航空機
保守
作
業
の
区
分
整備
修理
A
B
A
B
A
B
A
B
A
B
軽微な 作業実施後のメンテナンス・リリースの為の確認不要
保守
一般的 ×
○
×
○
×
○
○
○
保守
軽微な ×
○
×
○
×
○
○
○
修理
小修理
×
×
×
○
×
○
○
○
大修理
×
×
×
×
×
×
○
○
○
○
小改造
×
×
×
×
×
×
○
○
○
○
大改造
×
×
×
×
×
×
○
○
○
○
改造
基本的には大修理及び改造は国土交通大臣の検査が必要とするものである。但し、排気及び騒音への影響が
ある大修理や改造の一部を除いては認定事業場に限り確認ができる。
表-整備6-整備従事者の資格
技能資格
航空法
業務範囲
限定
1等航空整備士
行なった整備の確認
型式
2等航空整備士
仝上、 但し高度の知識、能力を要する航空機の整備をを除く
型式
1等航空運航整備士 行なった保守および軽微な修理の確認
型式
2等航空運航整備士 仝上、但し高度の知識、能力を要する航空機に関わるものを除く
型式
航空工場整備士
行なった整備の確認
工場航空整備士資格を除いては型式が限定される。他国に比し限定が厳しい。
業務種類