P29 :山崎断層全域での重力測定

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山崎断層全域での重力測定
○ 竹内文朗・松村一男・中村佳重郎・渡辺邦彦・平野憲雄・西田良平・原宏史・河野芳輝
我々は、1980 年代から山崎断層系における重力測定を続けてきた。山断断層は兵庫県
から岡山県、鳥取県に及び、総延長 80 km にも及ぶ近畿では有数の断層系である。そこ
で我々は 967 点で観測を行い、金属事業団による 988 点の観測結果とをあわせて、
1,957 点での値を得ることが出来た。
昨年度の当講演では、この断層系の中の東部に位置する安富、暮坂峠両断層を中心と
する解析結果を示した。その結果は、断層を含む広い範囲のブーゲー異常が非常に複雑
な場所的変化を示しつつも、断層直上に数 mgal 程度の高ブーゲー異常が見られるという
ものであった。
今回はさらに山崎断層系西側での観測データから、断層系ほぼ全域でのブーゲー異常
を調べた。その結果、西側の大原断層、及び土万 (ひじま) 断層上では、上述のような傾向
は場所により認められない所と、むしろ強調される所も見られるた。
20
0
Line W6
ρ= 2. 6 7 g/cm 3
-2 0
km
0
20
0.0
40
10 .0
60
20.0 mgal
図1.1957 data から得たブーゲー異常。
断層に添い僅かに高い値が見られる。
図2.地下構造の例。(左図 Lne w6)
断層下に重い物の存在を仮定すると
(上手)、観測値を説明できる(下図)。
○ データ収録に、志知龍一様にお世話になりました。金属事業団データは地質調査所発行 (2000) の日
本重力 CD-ROM より利用致しました。また、計算には駒澤正夫様 のプログラムを利用いたしました。皆
様に厚くお礼申し上げます。