大質量ブラックホール多体系に おけるブラックホールの合体成長に 伴う銀河中心構造の進化 谷川衝、梅村雅之(筑波大学) 超大質量ブラックホール (Super Massive Black Hole: SMBH) • 10 -10 M のブラックホール • 銀河中心に存在 • 銀河の楕円体成分の質量の0.1% 10 ほどの質量(銀河との共進化?) SMBH質量[M ] 6 Magorrian et al. (1998) • 天の川銀河中心にもSMBH: 3-4 106M (Genzel et al. 2003) バルジ質量[M ] SMBH形成過程 • • 大部分はガスの降着で成長(e.g. Soltan 1982) 合体も寄与 • • 階層的構造形成 合体も必要? • • z 6で109M のSMBH (e.g. Fan et al. 2001) 初代星残骸( 100M )間に合わない • • Eddington降着でぎりぎり(Shapiro 2005) Eddington降着は断続的(Milosavljevic et al. 2009) 天の川銀河のSMBHも過去に合体を 経験している可能性がある SMBH合体過程 • 各SMBHは星からの力学的摩擦を受けて銀河 中心に落下 • 連星SMBHに近づく星が消滅し(loss cone depletion)、連星SMBHの進化が停止 (Begelman et al. 1980; Makino, Funato 2004) • 3つのSMBHがあれば2つが合体(Iwasawa et al. 2006) 銀河の星はSMBHから軌道角運動量をもらうため、 銀河の星の位相空間分布に合体の痕跡が残るはず 連SMBHと銀河構造 - loss cone depletion - Makino, Funato (2004) 連SMBHと銀河構造 - mass density - Merritt (2006) 三連SMBHと銀河構造 - mass density - Iwasawa et al. (2007) 三連SMBHと銀河構造 - velocity dispersion - Iwasawa et al. (2007) 三連SMBHと銀河構造 - 速度空間の異方性 radial tanigential Iwasawa et al. (2007) ここまでのまとめ • SMBH合体は銀河の星の位相空間に多 くの情報を残す • loss cone depletion • 密度分布 • 速度分散分布 • 速度分布の異方性 JASMINEでなにをすべきか • Loss cone depletion / 速度異方性 • 視線速度がわからないのでJASMINEだけで はできない • 密度分布 • 赤色巨星しか見てない • 元の形がわからない(コア?カスプ?) 速度分散分布は? • 接戦速度の精度: • Region 1: 380m/s • Region 2: 2km/s • 星の数 • 10 deg (3 3 deg ) 4 -2 2 けっこういけるんじゃないかと期待 方法 - モデル設定 5 ρ [M /pc3・(Mgal/1011M )-2] • 銀河バルジ • 初期分布 : Hernquist model • 粒子数 : N=5 10 • 中心3D速度分散:300km/s • SMBH • 銀河質量の0.01% 10 • 中心から銀河のビリアル半径の1/3内 (Tanikawa, • SMBH自体の進化:5体程合体 Umemura 2010 in submitted) 銀河の密度分布 SMBH ビリアル半径 r [kpc・(Mgal/1011M )] N体シミュレーションで進化を追った 結果 中心SMBH周りのケプラー速度 接戦速度分散[km/s] 3D 半径[kpc] 2D 半径[kpc] もし初期分布がカスプならば特徴的な速度分散分布 運が良ければ - Hyper-velocity stars v [km/s] v θ 銀河中心 θ [radian] 中心から逃げる方向に高速な星 まとめ • 過去にSMBHの合体したならば、銀河構造に その痕跡が残る • JASMINEで発見できる最も有望な痕跡は速度 分散分布にあるだろう • 運が良ければ、Hyper-velocity starが見つか るかもしれない
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