コンクリートの一長一短 コンクリートの一長一短 - 九州コンクリート製品協会

九州コンクリート製品協会技術講習会
コンクリートの一長一短
平成18年11月28日
九州共立大学 教授 牧角 龍憲
ひびわれは短所か長所か?
・Q5-03 製品の形状によっては、クラックなどが入る。
A-03 クラックの発生は原因により多岐に渡ります。
膨張収縮ひび割れ、沈下ひび割れ、温度ひび
割れ等製品の形状、構造等の検討を行い、夫
々クラック対策を施しましょう。
・ひびわれが教えてく
れること
コンクリートの変形パターン
軸変形
縦に縮めば横
に拡がる
曲げ変形
上側は縮んで
下側は伸びる
せん断変形
ずれるが、外
枠の伸び縮み
はない。
せん断変形による引張は?
せん断変形
ひ
び
わ
れ
ずれるが、外枠の
伸び縮みはない。
要素内の変形:
主応力
斜引張応力
点圧縮力による引張は?
ひびわれ
局所圧縮力による引張は?
ひびわれ
演習問題Ⅰ-1
図中にひびわれを記入せよ
(1)柱に剛結したはり
(2)両端の柱部地盤が
沈下した壁
微細なひびわれ
モルタル
骨材
変形に差
微細ひびわれ
微細なひびわれ
応力
③
④
塑性
③
①
②
① 弾性
ひずみ
②
④
微細なひびわれと強度
④
ひびわれの成長
横方向の拘束
大きな横変形
耐力・靭性増加
短繊維補強の効果とは?
ひびわれ
短繊維の特長
短繊維= 引張抵抗
径が極小→付着良好
新素材→強度>鉄筋
短繊維補強の効果とは?
体積混入率=0.5%
径10μm、長さ30mmの炭素繊維(強度2000N/mm2 )
配向率40%とすると
単位面積あたりの引張抵抗
=0.005×0.4×2000N
=4N/mm2
コンクリートの引張強度:
2∼4 N/mm2
鉄筋腐食対策と対処技術
● 鉄筋の発錆を防ぐには
鉄筋を配置しない
のも一つの方法
構造部材の機能として
鉄筋が必要かどうか?
構造物は数千年の歴史
鉄筋はたかだか100数十年
鉄筋は配置しなくて良いのか?
コンクリートは引張に弱い⇔鉄筋が必要
コンクリートの
引張強度
2∼4N/mm2
=2000∼4000 kN/m2
=200∼400 tonf/m2
コンクリートだけで大丈夫か?
曲げを受けるはりの試算
b
h/L=
h
L
1/10∼1/15
M =ωL2/8=γbh・L2/8
σ下縁 = 6M/bh2 = 6/8× γbh・L2/ bh2
=3/4×γL×L/h
=3/4×2.3(tf/m3)×10×L =17L tf/m2
曲げを受けるはり部材の場合
仮定1:活荷重を含めた総曲げモーメントは
自重による曲げモーメントの2倍
仮定2:ひび割れが発生する時の曲げ強度は
引張強度の1.5倍
σ下縁 =17L tf/m2×2=34L tf/m2
曲げ強度= 200∼400 ×1.5=300∼600 tonf/m2
スパンL=8m∼17m:ひびわれがない
鉄筋の必要性は何か?
収縮による引張変形(応力)
・
コンクリートは縮んでいるのに、何故
ひびわれが入るのか?
・
引張変形はどのようにして生じるか?
・
温度が高くなると膨張するのに何故
収縮ひびわれか
コンクリートの収縮変形と拘束
自由収縮
柱による拘束
基礎による拘束
自由収縮
柱による拘束
基礎による拘束
温度ひびわれとは 熱・温度・変形
水和熱
水
和
熱
温度
温
度
時間
コンクリート
熱
が
た
ま
る
熱
が
逃
げ
る
膨
張
量
中心部
表層部
ひずみ差
温度勾配によるひびわれ
外部拘束による温度ひびわれ
温
度
収縮
膨張
時間
引張応力
引 張強 度
ひび わ れ発 生
時間
基礎による拘束
引 張 ひ ず み
クリープ
弾性ひずみ
時間
引張応力
引 張 強度
引張限界応力
ひ びわれ 発 生
時間
材齢2週間∼2ヶ月の期間が危険
ひ
び
わ
れ
発
生
弾性係数
乾燥収縮
大
制
御
クリープ
引張強度
11月26日(日)コンクリート技士試験問題より
主任技士試験問題より
Q5-03 製品の形状によっては、
クラックなどが入る。
100×10-6=10-4
コンクリートのひび割れの目安
1m× 10-4=1000mm/10000
=0.1mm
長さ1mのものが0.1mm引っ張
られるとひび割れが入る
高強度は長所か短所か?
セメント硬化時の自己収縮:
富配合(
高強度)コンクリートほど大きくなる
⇒100∼600×10-6
×変断面部で自己収縮が拘束されると
ひび割れが発生する。
形状が大きくなる程入りやすい。
☆型枠のボルトをちょっと緩めればよい