「知の知の知の知 」第2071号 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会

い~な
あまみ
中 央
しらさぎ
さくら
大阪+知的障害+地域+おもろい=創造
知の知の知の知
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 2071 号 2014.8.26 発行
==============================================================================
どうして人気?
人間関係よくなる「嫌われる勇気」とは
日本経済新聞 2014 年 8 月 26 日
人間関係の悩みをシンプルに解決し、
“嫌われる勇気”を持ちながら自分らしく生きるた
めの方法と、話題沸騰中の書籍『嫌われる勇気』。取り上げられている「アドラー心理学」
とは何か? なぜ嫌われる勇気なのか? 著者でアドラー心理学の専門家に、人間関係の
問題を解決し、幸せになる秘訣を聞きました。
■「嫌われる勇気」は「幸せになる勇気」と同じ
どきっとするタイトルが目を引く、20~30 代の女性たちにも大人気の書籍『嫌われる勇
気』
。心理学者のアルフレッド・アドラーが提唱する「アドラー心理学」を基に、私たちが
日頃抱えている人間関係の悩みをシンプルに解決し、“嫌われる勇気”を持ちながら自分ら
しく生きるための方法を紹介した本だ。
そもそも私たちは、
「嫌われたくない」と思いながら日々を過ごしている。にもかかわら
ず、嫌われる勇気を持つことを勧めるのはなぜなのだろう。
「アドラー心理学では、嫌われる勇気を持つことこそが、幸せな人生につながると考え
ます」
。そう話すのは、この本の共著者で哲学者の岸見一郎さん。
「周囲の人たちから嫌われないようにするには、常に周りの人の顔色をうかがう必要が
あります。それでは、
“ありのまま”の自分として生きることは難しくなるし、物事の責任
を人のせいにしてしまいかねません」
好かれようと思うと、他人の期待に応えようと振る舞ってしまう。その結果、本来の自
分を出せなかったり、我慢ばかりが続いたりして、ストレスをためてしまいがちだ。そこ
で必要になるのが、嫌われる勇気。
「自分の人生は自分だけのもの。
人の期待に応えるのをやめ、自分
が『人としてこうありたい』と思
える行動を取るよう心がけるだ
けで、自由を実感できる生き方が
できる。自分の素直な気持ちや意
志を貫く勇気。いい換えれば、それは『幸せになる勇気』でもあるのです」
■価値観をハッキリさせることから始めよう
嫌われる勇気を持つために、まず必要なのは「自分にとって譲れないポイント」をハッ
キリさせること。
好きなこと、嫌いなことは何か。どんな振る舞いをしているときの自分に対して「価値
がある」と思えるのか。自分の軸になるものを見極めた上で、その価値観に合った言動を
心がけてみよう。
とはいえ、嫌われる勇気を持つ上で注意しなくてはいけないこともある。それは「自分
の意志をきちんと伝えること」と、
「自分の価値観を周囲の人たちに押しつけて、他人を変
えようとすること」とは違うと理解しておくこと。
「私たちは基本的に、他人を変えることはできません。周りの人たちに自分の価値観を
無理強いしたりすることは、人間関係のトラブルのもとです」
変えられるのは自分だけ。とはいえ、人間関係は相手があって初めて成り立つもの。自
分のものの見方や捉え方を変えることが、日々の言動を変えることにつながる。そして「多
くの場合、自分が変わると周囲の人も変わらざるを得なくなります。アドラー心理学は『勇
気の心理学』です。自分が変わる勇気を持つこと。これだけで、人間関係の悩みは薄らい
でいきますよ」
(写真:宮田昌彦)
~注目の「アドラー心理学」とは~
Q.なぜ今、
「アドラー心理学」なの?
『嫌われる勇気』の大ヒットで一躍有名になった、アドラー心
理学。
「すべての悩みは対人関係の悩みである」とし、人間関係も
人生もシンプルに考え、悩みを消し去るためのヒントを与えてく
れる。ありのままに、自分らしい人生を歩んでいく上で役立つ数
多くの教えが、
「同調」や「共感」を求められるSNS(ソーシャ
ル・ネットワーキング・サービス)時代に疲れた人たちの心をつ
かんでいる。
Q.アルフレッド・アドラーってどんな人?
フロイトやユングと並び称される、
“心理学の3大巨頭”のひと
り。トラウマを否定し、行動の「原因」ではなく「目的」に目を
向けるといった、斬新な理論で知られる。デール・カーネギーの
『人を動かす』
(創元社)やスティーブン・R・コヴィーの『7 つ
の習慣』
(キングベアー出版)など、多くの自己啓発書にも影響を
与えたといわれている。
Q.
「嫌われる勇気」はなぜ必要なの?
人に好かれることにこだわりすぎると、人の期待に応えようと
して他人に振り回されることが増え、人間関係のストレスや悩み
を抱えやすい。嫌われる勇気を持てば、他人の言動に左右されることなく、自分の人生を
自分らしく歩むことができる。
「嫌われる勇気」を持つと、こんなにいいことが
●他人に振り回されずに済む
●人間関係の悩みが減る
●日々の充足感が高まる
「嫌われる勇気」で人間関係を良くする5つのポイント
(1)他人からの評価を気にしない
「周囲の評価を気にする限り、自分よりも他者のことを優先してしまい、心が不安定に
なりがち。人の評価を気にしなくなると、人間関係のストレスはぐっと軽くなります」(岸
見さん)
(2)自分の価値観をハッキリさせる
自分の価値観が揺らいでいる人ほど、周囲に流されてしまいがち。まずは「好きなこと、
嫌いなことは何か」
「どんな行動を取っているときの自分を“好き”と思えるか」を考えて
みよう。
(3)他人を変えようとしない
「嫌われる勇気」が必要とはいえ、自分の素直な気持ちを伝えることと、わがままを言
って人を動かすこととは違う。
「自分の意志を尊重すると同時に、相手を尊重することも大
切です」
(4)
「今、ここ」を大切にする
「目の前のことに一所懸命に打ち込んでいる人は、人間関係に悩む余裕すらないもの。
今できることに真剣に、丁寧に取り組むことで、不要な感情を手放すことができます」
(5)自分と他人とを比較しない
「劣等感とは、周囲の人と自分とを比較することから生まれる『対人関係の悩み』です。
比較をし続ける限り、他人の言動や行動が気になってしまい、“嫌われる勇気”も発動しに
くくなります」
この人に聞きました
岸見一郎さん 哲学者。56 年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科
博士課程満期退学。専門の哲学と並行して、アドラー心理学を研究。執
筆・講演活動のほか、カウンセリングも手がける。共著『嫌われる勇気』
(ダイヤモンド社)がベストセラーに。
(日経WOMAN 瀬戸久美子)
生活困窮者支援で基金設立 埼玉
NHK ニュース 2014 年 8 月 26 日
埼玉県の福祉施設などで作る社会福祉法
人が、生活に困っている人に食品や衣服な
どを支給して支援する基金を設けることに
なりました。
この基金は、
「彩(さい)の国あんしんセ
ーフティネット事業」という名称で、埼玉
県内の特別養護老人ホームや障害者支援施
設など、900余りの施設が参加する社会福祉法人「社会貢献活動推進協議会」が設けま
す。
事業には、このうちの200余りの施設が参加する予定で、それぞれ入所者数に応じて
資金を出すということです。
具体的には、専門の相談員が生活に困っている人から話しを聞き、食品や衣服などを支
給するほか、電気やガスの料金を支払うなど、1世帯10万円を上限に支援するというこ
とです。
事業は、生活保護は受けていないものの、それに準ずるレベルで生活に困っている人を
素早く支援することが目的で、相談を受けた翌日には支援するかどうか決めたいとしてい
ます。
「社会貢献活動推進協議会」の野溝守さんは「高齢者やシングルマザーなど、生活保護
を受けていなくても困っている人は多い。生活の立て直しまで、継続的に支援したい」と
話しています。
この事業は、9月1日から始まります。
問い合わせは、埼玉県の「社会貢献活動推進協議会」、電話048・822・1191番
で受け付けています。
障害者スポーツ 指導員養成急げ
中日新聞 2014 年 8 月 26 日
障害者スポーツについて学ぶ受講生たち=い
しかわ特別支援学校で
東京パラ五輪念頭 金沢で講習始まる
日本障がい者スポーツ協会公認の初
級スポーツ指導員養成講習会(北陸中日
新聞など後援)が、金沢市南森本町のい
しかわ特別支援学校で始まった。十一月
まで座学の講義や実技を通して障害者スポーツへの理解を深め、指導員の資格認定を目指
す。
県障害者スポーツ指導者協議会によると、競技だけでなく健康づくりや人生の楽しみの
ためにスポーツに取り組む障害者が増加。また二〇二〇年の東京パラリンピックに向けて
障害者スポーツの機運が高まるとみられ、指導者の育成が求められている。
講習会には教員や施設職員、学生ら十六人が参加。大学教授や県リハビリテーションセ
ンターの医師らが登壇し、このうち県障害保健福祉課の担当者は障害者差別解消法や県の
障害者プランの概要を説明した。
講習会は一九九七年から毎年開かれ、これまで四百五十人が指導員の認定を受けた。
(小室亜希子)
南砺で児童ら制作
力強い書でマイバッグ
中日新聞 2014 年 8 月 26 日
紙袋に文字を書きマイバッグを作る児童たち=南砺市八塚で
墨で文字を書いてマイバッグを作る教室が二十五
日、南砺市八塚の八塚公民館であり、小学生や障害者
約二十人が参加した。
地元の障害者支援施設「花椿(はなつばき)かがや
き」と八塚地区児童クラブが、障害者と地域住民が触
れ合う場をつくろうと企画。金沢市の前衛書グループ
「玄土社」の大塚智子さん(南砺市福光)ら三人が講師を務めた。
参加者は大塚さんらの手本を見ながら、用意された紙袋に「希望」「春夏秋冬」などと力
強く書写。学校や施設では習ったことのない象形文字や甲骨文字にも挑戦し、図や記号を
書くように自在に筆を動かした。最後に絵の具で色を付け、自分だけのバッグを完成させ
た。 (近藤統義)
デイサービスは在宅継続に効果
認知症高齢者、生協調査
共同通信 2014 年 8 月 25 日
医療や福祉事業を行う全国の生協が加盟する「日本医療福祉生活協同組合連合会」が2
年間にわたって認知症の高齢者の生活実態を調べたところ、施設に通って介護を受けるデ
イサービスを利用した方が、自宅で生活を続けられる傾向にあるとの結果がまとまった。
斉藤恵子理事は「デイサービスに通うことで生活リズムが整う効果があるのではないか。
介護する側の家族らにとって負担が軽くなるメリットもある」と話している。
同連合会は2012~13年度、全国の加盟事業所の利用者から認知症の症状がある人
を抽出し、3474人のサービス利用状況を追跡調査した。
精神障害者、就職急増も半数離職
雇用義務化で企業は対応模索
SANKEIBIZ
2014 年 8 月 26 日
精神障害を抱えながら大阪市のシステム会社で働く中田智之さん=
7月
鬱病や統合失調症など精神障害を抱えて働く人が10年
前と比べて8倍以上に急増している。一方、体調が優れず仕
事に行けなくなり、1年以内に辞めてしまう人は半数余り。
精神障害者を定着させるために、企業には態勢を整えて受け
入れる「雇う力」が求められるようになってきた。法改正で
2018年度から雇用が義務付けられ、さらなる増加も見込まれる中、支援機関や企業は
模索を続ける。
◆NPO法人が支援
「病気の自覚がなかった。だんだんとしんどくなって起きられなくなった」。7月、兵庫
県姫路市の講演会。中田智之さん(40)=大阪府豊中市=が、統合失調症に苦しみ始め
た20代からの日々を振り返った。
東京で海外の不動産情報を提供する会社を友人と立ち上げ、職場に寝袋を持ち込んでひ
たすら働いた。周囲に悪口を言われていると感じ、
「何でそんなこと言うんだ」と詰め寄る
ように。家族に連れられて訪ねたクリニックで病名を告げられた。
家でボーッと過ごした。無職でいることを恥ずかしく感じ、アルバイトを始めたが、半
年もすると朝起きられなくなった。
「自分一人でもう一度働こうと思っても無理なんやな」
。
数年後、NPO法人「大阪精神障害者就労支援ネットワーク(JSN)」に出合った。
JSNが大阪府内に構える4事業所には仕事に就けない約100人が毎日通い、ビジネ
スマナーの講習やチームごとの手作業など訓練に励む。最初は週に数日から始めて徐々に
体を慣らし、数カ月の企業実習を経て就職につなげるサイクルだ。
JSNの支援で仕事を得た人の8割は1年後も続けており、ハローワークを通じて職に
就いた場合の約2倍。金塚たかし統括所長は「この定着率をもっと高めたい」と力を込め
る。
◆管理ソフトで成果
中田さんはJSNに1年2カ月通い、12年に大阪市のシステム会社「奥進システム」
に入った。実体験をもとに、周囲の人にも日常生活の問題点や調子の波を知ってもらい、
企業側の配慮も得られやすくする管理ソフト「SPIS」を開発した。
「健康状態が気にな
る」といった生活面や「作業時の報告ができたか」など仕事面のチェック項目を自由に選
び、毎日記録してグラフ化する。ソフトを使って中田さん自身が、週の初めがしんどくな
ることに気付けた。
大阪府は今年度、障害者の雇用支援事業にSPISを採用。50社に提供する。担当者
は「雇用管理に生かし、受け入れる態勢を整えてほしい。支援者の数を増やして対応して
も限界がある」と話す。
同様の取り組みを独自に進める企業もある。衣服や雑貨などを取り扱う店舗を全国展開、
約4000人の社員のうち精神障害者が140人以上いる良品計画(東京)だ。本人の希
望に配慮しながら勤務日数を調整し、体調や生活リズムを専用シートに記入させる。5、
6人の精神障害者が働く大阪・難波の店舗では定期的に支援機関も交えて面談し、不調の
兆しをつかむようにしているという。
【用語解説】精神障害者の雇用義務化 企業が一定の割合以上の障害者を雇うよう義務付
けられている法定雇用率について、2018年4月から精神障害者も対象に加えるよう定
めた改正障害者雇用促進法が昨年6月に成立した。法定雇用率が1.8%から2.0%に
引き上げられ、今後も上がる見通しであることから、企業が雇用率を達成するために精神
障害者の雇用が進むとみられている。
郵便局、移転先は廃校舎 夕張市、要望へ「市民交流の場に」
北海道新聞 2014 年 8 月 26 日
夕張市が郵便局の入居を要望する旧緑小=夕張市沼ノ沢
【夕張】鈴木直道夕張市長は29日、日本郵便北海
道支社(札幌)の佐藤恭市支社長を訪ね、夕張市沼ノ
沢の沼ノ沢郵便局を、近くの旧緑小に移転するよう要
望する。建物の一部はNPO法人が障害者スポーツの
拠点として活用しており、市は郵便局の入居で住民の
交流機能を高める狙いで、来春にも実現したい考えだ。
日本郵便本社(東京)によると廃校への郵便局移転は全国で例がないという。
移転について夕張市は「実現すれば、住民が気軽に集まるようになる。コミュニティー
再生や防災機能の充実にもつなげたい」と期待している。
島津製作所会長、石川知事表敬=ライフサイエンス分野で意見交換
時事通信 2014 年 8 月 25 日
意見交換する谷本知事(右)と服部会長=25日午後、石川県庁
島津製作所の服部重彦会長は25日、石川県庁を訪れ、
谷本正憲知事を表敬した。医療機器を扱う同社と県は、子
どもの発達障害の有無を診断する脳磁計の開発に関わる事
業で協力したことがあり、この日もライフサイエンス分野
について意見交換した。
社説:サービスの技能を競える国に
日本経済新聞 2014 年 8 月 26 日
接客など対人サービス分野を中心に、身につけた技能のレベルを判定する制度を充実さ
せるべきだ――。職業能力開発のあり方を議論する厚生労働省の有識者研究会がそんな中
間報告をまとめた。
提言を歓迎したい。職業能力を評価する仕組みが整えば技能を磨く励みになる。サービ
ス分野で評価制度が広がれば、製造業に比べて低いこの分野の生産性の上昇につながる。
国は民間企業・団体の協力を得て具体化してほしい。
対人サービスは接客、商品販売や苦情対応など範囲が広い。それらの技術は、流通や教
育、健康・生活支援ビジネスなどサービス業全体の基盤となる技能だ。
報告では業界団体などが主体になり、業界ごとに、技能をレベルに応じて段階的に認定
する制度をつくるべきだとした。業種によって仕事の内容や求められる技能は異なり、そ
れらをよく知っている民間が制度設計の中心になるのは妥当だ。人材の採用や人事に活用
しやすい制度が期待できよう。
現在ある職業能力の評価制度は国による技能検定制度が代表的で半世紀を超える歴史が
ある。金属加工や機械組み立てなど、主にものづくりの分野から成り、日本の製造業の発
展を下支えしてきた。
だが産業構造が変化し、サービス産業の国内総生産(GDP)や就業者数に占める割合
はそれぞれ約7割にのぼっている。能力評価制度も経済のサービス化に対応した仕組みを
つくる必要がある。
サービス産業の労働生産性は長期にわたり低迷している。内閣府によれば非製造業全体
の生産性上昇率は 1990 年代、2000 年代とマイナスだ。働く人1人あたりの付加価値を高
めていかなくてはならない。能力評価制度を整え技能向上を後押しすれば非正規労働者の
処遇改善にもつながる。
職業訓練も充実させるときだ。能力評価制度ができれば必要な技能が段階ごとにはっき
りするため、訓練内容を決めやすくなる。経済のサービス化に合わせ公共職業訓練を刷新
する好機としたい。
社説:難病支援―氷水かぶりに学びたい
朝日新聞 2014 年 8 月 26 日
マイクロソフトのビル・ゲイツ氏、サッカー・ブラジル代表のネイマール選手、ノーベ
ル賞学者の山中伸弥京大教授……。世界の著名人が、次々に氷水を頭からかぶっている。
あまりの猛暑だから、ではない。難病患者への支援を行動で表す慈善活動「アイス・バ
ケツ・チャレンジ」である。
映像がネットで公開され、関心が一気に地球規模で伝わった。「面白半分なのはどうか」
といった声もあるが、その広がり方は示唆に富んでいる。元々は7月末に米国の筋萎縮性
側索硬化症(ALS)患者の呼びかけで始まったとされる。
参加した人は、次に加わってもらいたい誰かを指名する。指名された人は、氷水をかぶ
るか、100ドル(約1万円)をALSの研究支援に寄付するか、どちらかを選ぶ。もち
ろん、両方をしてもいい。
ネットを通じ、米国内、次に英語圏、そして日本など非英語圏へと瞬く間に広がった。
米ALS協会に7月末から8月24日までに届いた寄付は、7020万ドル(約73億
円)と前年同期の30倍近くに達した。初めて寄付した人が130万人にものぼり、さら
に増えている。
日本ALS協会にも先週1週間で通常の1年分に匹敵する1千万円以上が集まった。
ネット社会の瞬発力を示したといえよう。
ALSは運動をつかさどる神経がおかされ、全身の筋肉が萎縮する。五感や知力はその
ままなのに、身動きはおろか、最後は自力で呼吸もできなくなる。治療法はまだない。
日本には推定で約9千人の患者がいる。厚生労働省が特定疾患(難病)に指定している。
大リーグのルー・ゲーリッグ選手や、車いすの宇宙物理学者スティーブン・ホーキング
博士らもかかり、難病の中では比較的知名度が高いほうだ。それでもネットには「初めて
知った」との書き込みが多い。
むろん、参加を拒む人もいる。難病は特定疾患だけで130もあるのだから、むしろ自
然な反応でもある。
とはいえ、ユニークで注目に値する啓発法であることは間違いない。これで難病につい
て知れば、かけがえのない命や人生を考える契機ともなろう。
日本でも寄付税制が拡充された。日本ALS協会はまだだが、患者支援団体などが公益
法人や認定NPO法人になれば、個人や法人の寄付金は税金が優遇される。
官製ではない、民間の寄付文化を力強く育てていきたい。
社説:不登校増加 兆候逃さず相談相手に
北海道新聞 2014 年 8 月 25 日
減り続けてきた小中学生の不登校が6年ぶりに増加に転じた。
文部科学省の学校基本調査(速報)で、2013年度は前年度より7千人増えて12万
人になった。
道内も4千人を超えた。夏休み明けは特に不登校になりやすいとされる。学校と保護者、
教育委員会が連携して児童生徒の兆候を見逃さず、不安に寄り添う努力が欠かせない。
「脱ゆとり教育」で学習負担が増している。影響はないのか。文科省には増加の背景を
分析し、対応策の立案を急いでもらいたい。
一時的に学校に通えなくても居場所や学習機会が確保され、進路に支障が出ない体制づ
くりも一層進めなくてはならない。
不登校の原因は、いじめや学校・家庭での人間関係、学業不振など各人それぞれで異な
る。
何より大事なのは、友達や親、教師が行動や言動からサインを察知し、悩みに耳を傾け
ることだ。
不登校経験者の追跡調査では、3人に1人が「生活リズムの乱れがあった」と振り返っ
ている。
特にゲームやスマートフォンに夜更けまで興じることのないよう学級内や家庭であらか
じめルールを設けておくことが望ましい。
教師の目配りが効く少人数学級化は、不登校の減少にも有効とされる。市町村にとって
財源の捻出が大変なことは分かるが、実現に努力してほしい。
子どもが不登校になった場合、登校を促すばかりが解決になると限らない。フリースク
ールや教育委員会の適応指導教室に通っても条件を満たせば出席扱いになる。
保護者は選択肢が複数あることを念頭に置いて、子ども本位の環境づくりを心がけるべ
きだ。
問題は経営難からフリースクールの閉鎖が相次いでいることだ。もともと、空白の地域
もある。札幌市や福岡県などにならい、道や市町村には助成を求めたい。
不登校経験者の進学率は1990年代から大幅に高まった。とはいえ、追跡調査では高
校進学率の85%に対し、大学は19%とまだまだ低い。高校時代のサポートも手厚くし
ていくことが大事だ。
文科省が過去に行ったアンケートでは、中学卒業時に不登校だった人の4割が「不登校
の経験はマイナスではなかった」と答えた。
つまずきをむしろバネに、前向きに生きようとする人が相当数いることを教育界も経済
界も受け止め、支えていくべきだ。
多少の回り道が将来の可能性を狭める社会であってはならない。
社説:不登校/兵庫の取り組みに磨きを
神戸新聞 2014 年 8 月 25 日
5年続けて減っていた小中学生の不登校が、増加に転じた。
2013年度は11万9617人を数え、前年度より約7千人増えた。中学生では37
人に1人、小学生は276人に1人が不登校という計算になる。病気や経済的な理由以外
で学校を年間30日以上欠席した子どもの人数を調べた文部科学省の学校基本調査の結果
だ。
兵庫県内でも、不登校の小中学生は131人増の5058人と2年ぶりに前年度を上回
った。
「不登校の一歩手前の子どもも増えている」との学校関係者の指摘もある。長期的な視
点で問題を捉えることが重要だ。欠席が目立ってきたら、原因を速やかにつかみ、対応し
ていく仕組みを整えたい。
増加の背景などについては、近く公表される別の調査の分析を待たねばならないが、兵
庫県立但馬やまびこの郷(さと)が実施したアンケートが参考になる。宿泊体験活動や相
談活動などを通じて不登校の子どもや保護者を支援する施設だ。利用経験者の約200人
が回答した。
それによると、学校を休み始めたきっかけは「友人関係」「いじめ」「先生との関係」「部
活動での問題」が上位を占める。人間関係の問題が不登校につながったとみられるケース
が多い。
出席状況については、小学校高学年から欠席が増え、不登校の兆候が表れ始めている。
不登校などが顕在化しやすい「中1ギャップ」が指摘されているが、早い段階からの対応
が不可欠だろう。
登校できなかった時期に必要とした支援については「心のケア」が最も多く、
「学習指導」
「関係機関の紹介」
「仲間との交流」が続く。多角的な支援が求められる。
兵庫には「やまびこの郷」をはじめ県内に50ある適応指導教室など学校復帰を支える
施設が整う。大震災などを契機にスクールカウンセラーの配置も進み、
全公立中と110の小学校で相談などに当たっている。そうした先進的
な支援網が連携を強め、信頼される存在になれば、より力強い支えとな
るはずだ。
「やまびこの郷」のアンケートに、ある不登校経験者はこう記してい
る。
「一番大切なのは、心を開いて話せる人に出会えること」。子どもが
そんな人間関係をつくれるよう、寄り添う支援を充実させたい。
月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も
大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行