Vol.2, No.25 / 2012年3月30日発行 ! !! % % !"#$%&"''"( 班員からの論文の紹介 ! ! ! 文部科学省科学研究費補助金!新学術領域研究 領域略称「配位プログラム」領域番号 !"#$% 配位プログラミング -分子超構造体の科学と化学素子の創製- ! !V特性が観測され、さらに温度 (T) と抵抗値 (R) との 関係は、variable range hopping 機構よりはむしろ、 nearest-neighbor hopping 機構とよく一致する結果と なった。拡張Hückel法を用いた状態密度計算を行った プルシアンブルー !"#$$−CN−"#$$$% ところ、シアノ基の炭素原子に配位しているFeIIIのt2g軌 道が占有されていないため、この状態が伝導チャネル として機能することが示唆された。したがって、ワイ ドギャップ半導体であるプルシアンブルーが酸化的に ドープされたベルリングリーンにおいては、フェルミ 準位が低下したためにホッピング伝導が生起したとい える。 ベルリングリーン !"#$$$−CN−"#$$$% (A01班 慶大理工 山本崇史) 最新トピックス 前田大光氏が2件の賞を受賞 前田 大光 氏 (立命館大学・A04) が下記2件の賞を受賞 プルシアンブルーの電気伝導 “Electronic Conductivity in Berlin Green and Prussian Blue”, D. M. Pajerowski, T. Watanabe, T. Yamamoto, Y. * Rev. B, 83, 153202-1-4 * * * (2011).* * Einaga, Phys. しました。 * SPP/JPP Young Investigator Awards in 2012 http://www.icpp-spp.org/general/yng_inv_awrds.php * * * * * * * * プルシアンブルーとは、2価および3価の鉄イオンが ChemComm Emerging Investigator Lectureship in 2012 http://blogs.rsc.org/cc/2012/03/05/chemcomm* * & & * * * # シアノ配位子によって架橋された錯体であり、古くか emerging-investigator-lectureship-winner/ ら顔料として利用されてきた。一方で分子磁性の分野 研究成果がNanoscale誌 においては、種々の金属イオンを用いたプルシアンブ の表紙に掲載 ルー類似体を合成することにより、強磁性のみならず 光磁性などのユニークな磁気特性が発現することが報 小松 晃之 氏 (中央大理工・ 告されている。我々は、プルシアンブルーと酸化チタ A04) の本領域での研究に関 ンナノシートの積層薄膜における、酸化チタンナノ 連する論文 (Feature Article) シートのバンドギャップ励起に伴ったプルシアンブ が、英国王立化学会誌 ルーへの電子貯蔵を見出している。この貯蔵電子を外 Nanoscale(2012, 4, 1910) 部に取り出す際には、プルシアンブルーそのものの電 に掲載され、Issue. 6号の表 気伝導性がキーとなることから、実際にプルシアンブ 紙として採択されました。 ルーにおける電気伝導を検討した。 液相合成したプルシアンブルー (PB; FeII–CN–FeIII) お ! よび、その酸化体であるベルリングリーン (BG; FeIII– 新学術領域「配位プログラミング」ニュースレター CN–FeIII) の水懸濁液を金ギャップ電極にキャストした 第2巻・第25号(通算第46号) ! セルを用いて電気伝導性を評価した。BGのIRスペクト 平成24年3月30日発行 ルにおいては 2 つの架橋シアノ基の伸縮振動が観測さ 発行責任者:西原 寛(東京大学大学院 理学系研究科) れ、それぞれのモル吸光係数から、合成したBGの組成 編集責任者:山元公寿(東京工業大学 資源化学研究所) 比は、BG : PB = 1 : 1.2と見積もられた。PBにおいては 良好な電気伝導が観測されなかったことに対して、BG においては種々の温度においてオームの法則に従ったI 54 http://coord-prog.chem.nagoya-u.ac.jp !
© Copyright 2024 ExpyDoc