(57)【要約】 【課題】 芽胞菌の汚染度合いを少なくし、鮮やかな赤色でかつ

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(57)【 要 約 】
【課題】 芽胞菌の汚染度合いを少なくし、鮮やかな赤色でかつうま味の強い豆板醤の製
造方法、該製造方法により製造された豆板醤、及び、該豆板醤を用いた食品を提供するこ
と。
【解決手段】 豆板醤の製造工程中に、バクテリオシンを存在させ、かつ、除菌された空
気を連続的又は簡潔供給しながら、手入れ時を除き密閉された状態の製麹機内で製麹し、
得られた固体麹にバクテリオシンを添加した諸味の発酵熟成を食塩濃度が制御された状態
で行なう。
【選択図】 なし
(2)
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
麹菌を用いて固体麹を作成し、豆板醤を製造する工程において、1)穀類に麹菌及びバク
テリオシンを添加し、2)除菌された空気を連続的又は間欠供給しながら、手入れ時を除
き密閉された状態の製麹機内で製麹し、3)得られた固体麹に、バクテリオシンおよび固
体麹重量の0∼50倍重量の殺菌された食品素材を混合して諸味を形成し、4)次に、該
諸味を食塩濃度が12%以下に制御された状態で発酵熟成する一段階目の工程と、5)食
塩濃度を0.1%以上に制御して発酵熟成する二段階目の工程を含み、6)一段階目の工
程と二段階目の工程のいずれか若しくは両方の工程で唐辛子を添加することを特徴とする
豆板醤の製造方法。
10
【請求項2】
1段階目の発酵熟成前に固体麹を破砕する工程を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
穀類が大豆及び/又はソラマメである請求項1ないし2記載の方法。
【請求項4】
請求項1ないし3記載の方法で製造された豆板醤。
【請求項5】
請求項4記載の豆板醤を用いた食品。
【請求項6】
食品が、殺菌工程を経る加工食品であることを特徴とする請求項6記載の食品。
20
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豆板醤の製造方法及び豆板醤を利用した食品に関するものである。より詳し
くは、豆板醤の製造工程において、食塩濃度を調整し、かつ、バクテリオシンを利用する
ことによって、芽胞菌による汚染度合いが少なく鮮やかな赤色でうま味の強い豆板醤の製
造方法、該製造方法により製造された豆板醤、及び、該豆板醤を用いた食品に関するもの
である。
【背景技術】
【0002】
30
醤のルーツは中国であると言われている。古来では、大豆、そら豆を主原料とし、必要
に応じて小麦粉を加えて天然発酵させて麹を作製していた。そして、この麹に塩水を加え
たものを壺に入れ、その壷を室外において、日にさらし、夜露を浴びさせることにより発
酵させて醤を製造してきた。
豆 板 醤 ( 豆 辣 醤 、 豆 辣 ラ ー ジ ャ ン 、 そ ら 豆 ラ ー ジ ャ ー と も 言 わ れ る 。 ) は 醤 の 1種 類 で
あり、大豆又はそら豆を主要原料として製造される。
【0003】
豆板醤の製造においては、中国の四川省のピ県が有名である。このピ県産の豆板醤は、
色が黒赤色で、辛味が濃いだけでなく、コク味も濃厚であり、非常に高品質の豆板醤とさ
れている。発酵期間が長期にわたる程、濃厚なコク味が醸し出されるため味を重視する場
40
合には、発酵期間が数年にもわたる豆板醤が使用されている。一方、味よりも鮮やかな赤
色を重視する料理には、発酵期間が3∼6ヵ月程度の豆板醤が使用されている。しかしな
がら、いずれの豆板醤もうま味を補強する目的で、豆板醤にグルタミン酸を添加した多数
のタイプでも流通している。
【0004】
このように豆板醤は、自然発酵法や高温短期間発酵法などいくつかの製造方法が検討さ
れてきた。現在では、自然発酵法は四川省の一部で使用されているが、ほとんどは高温短
期間発酵法が用いられている。
【0005】
自然発酵法は、一般に以下のような製造工程からなる。まず、蒸煮したそら豆に小麦粉
50
(3)
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を混ぜ合わせて、竹ザルに均一に薄めに乗せ、発酵室に置く。室温40℃程度の発酵室で
6∼7日間発酵させることにより、発酵室中の麹菌がそら豆の表面に菌糸を伸ばし、麹が
生じる。麹を陶器製のかめに入れ、食塩水を加え、室外で40∼50日寝かした後、唐辛
子と更に食塩を加え、均一に混合する。更に、室外で3∼5ヵ月貯蔵発酵させ豆板醤を製
造する。しかしながら自然発酵法は、夏は40℃以上、冬は氷点下となりうる、温度調節
のされていない室外でかめを保存することに特徴があり、製品の品質が地域や気候に影響
され、品質のバラツキが多いという問題点がある。
【0006】
高温短期間発酵法は、一般に以下のような製造工程からなる。まず、大豆あるいは脱皮
そら豆を浸漬し、蒸煮し、冷却した後、麹菌を接種し、30∼38℃で数日間通風製麹す
10
ることにより固体麹を作製する。固体麹に、磨砕した塩漬唐辛子、食塩水を加えて諸味を
形成させる。該諸味を発酵槽で40∼55℃で15∼30日間発酵させて豆板醤を製造す
る。高温短期間発酵法は自然発酵法よりも貯蔵発酵時の平均温度が高いのが特徴である。
このように高温で発酵させる製造方法は、発酵サイクルが短縮され設備利用率も向上させ
ることができる為、量産化に適している。しかしながら、コク味といった官能の面では、
伝統的な自然発酵法で製造された豆板醤には及ばないことが多い。
【0007】
ところで、自然発酵法の場合でも、高温短期間発酵法の場合でも静菌目的で食塩が添加
されている。食塩は、麹菌の産生するプロテアーゼ、ペプチダーゼ活性を阻害するため、
諸味の分解が進行しない原因となっている。その為、原料たんぱく質からのグルタミン酸
20
の遊離が進まず、豆板醤のうま味が低い原因ともなっている。
【0008】
しかしながら、豆板醤の製造工程で食塩を添加しないと次のような点により、やはりグ
ルタミン酸の遊離が進行しない。豆板醤の原料には穀類が用いられるが、穀類には芽胞菌
が 存 在 し て い る 。 例 え ば 、 大 豆 に は バ チ ル ス ・ ズ ブ チ リ ス ( Bacillus subtilis) が 、 そ
ら 豆 に は バ チ ル ス ・ セ レ ウ ス ( Bacillus cereus) が 生 息 し て い る こ と が 知 ら れ て い る 。
その為、大豆やそら豆等の穀類を原料に製麹した麹は、通常は芽胞菌に汚染されてしまう
。しかし、麹に生息している芽胞菌は、諸味に添加される食塩によって芽胞を形成するた
め、増殖することができない。そのため豆板醤の品質にはほとんど影響しない。しかしな
がら、諸味の発酵熟成を無塩状態で行なうと芽胞菌が増殖しグルタミン酸の遊離を阻害す
30
る。更には、芽胞菌が増殖するに伴い、腐敗臭のような香気成分が諸味中に産出され、豆
板醤の著しい品質低下を誘発する。
【0009】
また、前述したように自然発酵法或いは高温短期間発酵法などの従来法で豆板醤を製造
する場合は、諸味の調製時に食塩を添加するため、芽胞菌は芽胞を形成し休眠状態で存在
する。その結果、出来上がった豆板醤には多数の芽胞が存在している。ところで一般に加
工食品は、豆板醤と比較して塩分濃度が低く、芽胞菌が増殖しやすい環境にある。そのた
め加工食品において豆板醤を使用する場合は、通常、芽胞を死滅させる条件で豆板醤を殺
菌した後に使用されている。この殺菌工程で、豆板醤の品質が著しく低下してしまうため
、豆板醤を使用した加工食品の品質も改善の余地があるものであった。
40
【0010】
このような従来技術のもと、芽胞菌による汚染の度合いが少なく、鮮やかな赤色でかつ
うま味の強い豆板醤の製造方法が待ち望まれていた。
【0011】
ところで、1992年に食品の微生物制御の手段としてバイオプリザベーションを利用
し よ う と す る 試 み が B. Rayら に よ っ て 提 唱 さ れ た 。 な か で も 、 バ イ オ プ リ ザ バ テ ィ ブ と し
て バ ク テ リ オ シ ン の 利 用 が 試 み ら れ て い る 。 例 え ば 、 ラ ク ト コ ッ カ ス ( Lactococcus) 属
や ラ ク ト バ チ ル ス ( Lactobacillus) 属 に よ っ て 産 生 さ れ る ナ イ シ ン ( ク ラ ス Iに 属 す る ラ
ンチビオティック系のバクテリオシン)は、グラム陽性菌に対して幅広い静菌効果を有す
ることが知られている(非特許文献1参照)。
50
(4)
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【0012】
グ ラ ム 陽 性 菌 に 属 す る 芽 胞 菌 バ チ ル ス ( Bacillus) 属 は 、 ナ イ シ ン に よ っ て 殺 菌 さ れ る
ことが期待できるため、近年、ナイシンを麹の静菌剤として利用することが検討されつつ
ある。例えば、バクテリオシンなどの乳酸醗酵液と水溶性カルシウム又は水溶性マグネシ
ウムを麹の培養過程で添加する事を特徴とする、麹の雑菌阻止方法が知られている(特許
文献1参照)。この方法では、速効性の殺菌効果を有する乳酸醗酵液と効力が持続する塩
化カルシウム等を併用して、麹の雑菌の繁殖を阻止している。
【0013】
しかしながら、この方法は、水溶性カルシウム又は水溶性マグネシウムが必須の構成要
件であるため、水溶性カルシウム又は水溶性マグネシウムの添加量が多いと麹の風味に悪
10
影響を与えてしまうという課題がある。また、当該発明は、酒、味噌、醤油等の中間原料
とする麹を製造することを目的としており、蒸煮した大豆を磨砕した後に麹菌を添加した
製造方法のみが開示されている。しかしながら、豆板醤の製法においてその様な工程をと
ると風味の点で好ましくなく豆板醤の製造に適したものではなかった。
【0014】
麹菌接種と発芽誘導物質の添加を行った後に、乳酸醗酵液等を添加して培養することを
特徴とする麹の製造方法が知られている(特許文献2参照)。この方法では、乳酸醗酵液
がバクテリオシンを含有しても良いとの記載がある。
【0015】
しかしながら、この方法は、芽胞に対する発芽誘導物質であるアラニンを蒸煮後、35
20
℃程度に温度が低下した段階で、或いは種麹と共に添加し、時間差を保って乳酸醗酵液を
添加することで、芽胞菌を減少させることに特徴があるものである。また、当該発明は、
酒、味噌、醤油等の中間原料とする麹を製造することを目的としており、蒸煮した大豆を
磨砕した後に麹菌を添加した製造方法のみが開示されている。しかしながら、豆板醤の製
法においてその様な工程をとると風味の点で好ましくなく豆板醤の製造に適したものでは
なかった。更には、発芽誘導物質を添加して休眠状態の芽胞菌を出芽させ、増殖させる為
、芽胞菌が産生する不必要な成分が豆板醤に含まれる結果となり望ましくなかった。
【0016】
穀類を、ナイシン生産能を有する乳酸菌の存在下で水浸漬し、これを常法により加熱変
性して得られる穀類を麹基質として用いることを特徴とする、微生物汚染の少ない麹の製
30
造方法が知られている(特許文献3参照)。この方法は、麹の原料である穀類の汚染菌の
生育抑制を行うことで、その後の汚染菌の生育も抑制している。
【0017】
しかしながら、この方法は、穀類の汚染菌の生育抑制を行うために、穀類を乳酸菌の存
在下で、長時間(例えば10∼50時間)水浸漬する必要があり、量産化に不都合である
。また、水浸漬温度が15℃以下では、乳酸菌の増殖が緩慢となり、得られた穀類の汚染
菌の生育抑制効果が得にくくなり、反対に、浸漬温度が35℃以上では、穀類の成分が浸
漬水に溶出し、原料利用率が低下すると同時に乳酸菌の生育も抑制される。そのため、こ
の方法では温度管理も必要であるという課題があった。更には、15∼35℃という乳酸
菌の至適温度かつ麹菌非存在下であらかじめ水浸漬するため、乳酸菌の過度の増殖を招き
40
、製麹後の固体麹のpHが低くなるという欠点もあった。
【0018】
米味噌あるいは豆味噌の製法において、その製造工程中にバチルス属細菌の汚染を受け
るという課題を解決する方法として、発酵調味料の原料自体を乳酸醗酵させる、発酵調味
料の製造方法が知られている(特許文献4参照)。
【0019】
しかしながら、この方法は、バチルス属細菌の汚染を防ぐために、原料自体を乳酸醗酵
させている。該発明には、乳酸醗酵に3日間及び24時間かかる旨の開示があるように、
乳酸醗酵の時間が必要であるという課題があり、量産化に不都合である。
【0020】
50
(5)
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このようにバクテリオシン等の食品への利用は、検討されているが、豆板醤の製造にバ
クテリオシンを利用することにより、豆板醤の芽胞菌汚染度合いを少なくし鮮やかな赤色
でかつ、うま味を強くすることで豆板醤の品質を向上させる方法は知られていなかった。
【0021】
【非特許文献1】「食品の非加熱殺菌応用ハンドブック」、発行元:株式会社サイエンス
フォーラム、発行:2001年7月31日、第181頁∼第194頁
【特許文献1】特開2002−369678号公報
【特許文献2】特開2002−330715号公報
【特許文献3】特開2000−116375号公報
【特許文献4】特開平11−075754号公報
10
【特許文献5】特開2001−224359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、芽胞菌の汚染度合いを少なくし、鮮やかな赤色でかつうま味の強い豆板醤の
製造方法、該製造方法により製造された豆板醤、及び、該豆板醤を用いた食品を提供する
ものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明者らは、上記課題を解決するために検討した結果、豆板醤の製造工程中に、バク
20
テリオシンを存在させ、かつ、除菌された空気を連続的又は簡潔供給しながら、手入れ時
を除き密閉された状態の製麹機内で製麹し、得られた固体麹にバクテリオシンを添加した
諸味の発酵熟成を食塩濃度が制御された状態で行なうことによって芽胞菌汚染が少なくう
ま味の強い豆板醤が製造できることを見出した。本発明は以下の内容を包含する。
【0024】
(1)麹菌を用いて固体麹を作成し、豆板醤を製造する工程において、1)穀類に麹菌
及びバクテリオシンを添加し、2)除菌された空気を連続的又は間欠供給しながら、手入
れ時を除き密閉された状態の製麹機内で製麹し、3)得られた固体麹に、バクテリオシン
および固体麹重量の0∼50倍重量の殺菌された食品素材を混合して諸味を形成し、4)
次に、該諸味を食塩濃度が12%以下に制御された状態で発酵熟成する一段階目の工程と
30
、5)食塩濃度を0.1%以上に制御して発酵熟成する二段階目の工程を含み、6)一段
階目の工程と二段階目の工程のいずれか若しくは両方の工程で唐辛子を添加することを特
徴とする豆板醤の製造方法。(2)1段階目の発酵熟成前に固体麹を破砕する工程を含む
請求項1記載の方法。(3)穀類が大豆及び/又はソラマメである請求項1ないし2記載
の方法。(4)請求項1ないし3記載の方法で製造された豆板醤。(5)請求項4記載の
豆板醤を用いた食品。(6)食品が、殺菌工程を経る加工食品であることを特徴とする請
求項6記載の食品。
【発明の効果】
【0025】
本発明の効果として、芽胞菌汚染が少なく鮮やかな赤色で、かつうま味の強い豆板醤の
40
製造方法、該製造方法により製造された豆板醤、及び、該豆板醤を用いた食品を提供する
ことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
本発明において麹原料として使用する穀類は、通常の豆板醤の製造に用いられる原料を
使用することができる。例えば、大豆、そら豆、小麦、米、麦などを用いることが出来る
。必要により、これらの原料を水浸漬処理、蒸煮処理してもよい。穀類は1種類のみ使用
してもよいし、2種類以上併用してもよい。豆板醤らしさを強めるため大豆又はそら豆を
50
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使用することが望ましい。さらに、麹菌の生育を促進するため小麦を併用することも望ま
しい。
【0028】
上記原料に抗菌物質であるバクテリオシン及び麹菌を混合し、除菌された空気を供給で
き、密閉できる製麹機に盛り込む。除菌された空気が供給でき、密閉できる製麹機とは、
製麹機内に除菌された空気を供給する機能を持ち、製麹機内部と外気を遮断できる構造を
持つものであり、例えば回転ドラム式製麹機を挙げることができる。また完全に密閉でき
なくても外気からの微生物の混入を防止できれば良い。構造がシンプルで安価な製麹機と
して、除菌された空気を製麹機内部に供給する構造を持ち、密閉状態が得られる開閉可能
な蓋付の製麹機も例示することができる。空気の除菌方法は0.3μm以上の塵を99.
10
97%以上集塵できるフィルター、例えばHEPAフィルターなどを用いることができる
。尚、製麹機の排風口には外気を遮断するためのフィルターを取り付けることが好ましい
。密閉できない製麹機、例えば円盤回転式製麹機、静地通風式製麹機などは、外気からの
微生物の混入を免れず、品質の低下を招くことがある。通風の方式は特に限定されるもの
ではなく、内部通風方式、表面通風方式などを用いることができる。
【0029】
本発明において、バクテリオシンを添加するとはバクテリオシン含有物を添加するだけ
でなく、バクテリオシン生産菌を添加することでバクテリオシンを存在させることも含ま
れる。バクテリオシン生産菌をあらかじめ最適条件で培養し、バクテリオシンを含有する
培養物として添加することが操作性の観点から望ましい。バクテリオシン種類は、豆板醤
20
の製造工程において汚染菌である芽胞菌を殺菌し、豆板醤が製造可能である限りにおいて
特に制限されない。そのようなバクテリオシンとしてグラム陽性菌に作用するバクテリオ
シンを上げることができる。グラム陽性菌に作用するバクテリオシンとしては、ナイシン
、ラクティシン、ペディオシン、サカシン、ヌカシンなどがあり、中でも、ナイシンは世
界各国で食品添加物として認可されていることから市場の受容性から考えても好ましい。
なお、ナイシンのようにナイシンA、ナイシンZ、ナイシンQなど類縁体を有するものも
あるが、芽胞菌を殺菌できる限りにおいていずれでもかまわない。バクテリオシン生産菌
と し て は 、 ラ ク ト コ ッ カ ス ・ ラ ク テ ィ ス ( Lactococcus lactis) 、 ペ デ ィ オ コ ッ カ ス ・ ペ
ン ト ー サ ス ( Pediococcus pentosaceus) 、 ラ ク ト バ チ ル ス ・ サ ケ イ ( Lacotobacillus sa
kei) 、 ラ ク ト バ チ ル ス ・ ア シ ド フ ィ ラ ス ( Lactobacillus acidophilus) 等 の 乳 酸 菌 、 ビ
30
フ ィ ド バ ク テ リ ウ ム ・ ビ フ ィ ダ ム ( Bifidobacterium bifidum) 等 の ビ フ ィ ズ ス 菌 、 プ ロ
ピ オ ニ バ ク テ リ ウ ム ・ ソ エ ニ ( Propionibacterium thoenii) 等 の プ ロ ピ オ ン 酸 菌 を あ げ
ることができる。バクテリオシンの培養方法が広く確立されている乳酸菌を使用すること
が望ましい。バクテリオシンの至適存在量は、その種類によって異なるが、固体麹作製時
又は固体麹作成時及び諸味作製時に存在し、芽胞菌を殺菌できればよい。その存在量が多
いほど微生物の混入や増殖を防ぐことができるため、効果の観点から存在量が多ければ多
いほど望ましいことは言うまでもない。例えば、ナイシンの場合は、固体麹作製時、望ま
し く は 固 体 麹 作 製 時 及 び 諸 味 作 製 時 に 存 在 し て い れ ば よ い 。 具 体 的 に は 、 そ ら 豆 1 gあ た
り 1 IU以 上 、 望 ま し く は 10IU以 上 、 よ り 望 ま し く は 100IU以 上 、 更 に 望 ま し く は 1,000IU以
上 存 在 し て い れ ば よ い 。 上 限 は 特 に な い が 、 100,000IU以 下 、 望 ま し く は 10,000IU以 下 に
40
制限することが製造コストの観点から望ましい。
【0030】
本発明において使用する麹菌は、通常の豆板醤の製造に用いられるものであればとくに
制 限 さ れ な い 。 一 例 と し て 、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ オ リ ゼ ( Aspergillus oryzae) , ア ス ペ ル
ギ ル ス ・ ソ ヤ ( Aspergillus sojae) ,ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ド ラ ン ス ( Aspergillus nidula
ns) ,ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ニ ガ ー ( Aspergillus niger) ,ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ア ワ モ リ ( Asper
gillus awamori) 等 の ア ス ペ ル ギ ル ス ( Aspergillus) 属 、 リ ゾ パ ス ・ オ リ ゼ ( Rhizopus
oryzae) 、 リ ゾ パ ス ・ オ リ ゴ ス ポ ラ ス ( Rhizopus oligosporus) 等 の リ ゾ パ ス ( Rizopsu
) 属 、 モ ナ ス カ ス ・ ア ン カ ( Monascus anka) , モ ナ ス カ ス ・ プ ル プ レ ウ ス ( Monascus pu
rpureus) 等 の モ ナ ス カ ス ( Monascus) 属 を 挙 げ る こ と が で き る 。 優 良 菌 株 の 育 種 例 の 多
50
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い 、 ア ス ペ ル ギ ル ス ・ オ リ ゼ ( Aspergillus oryaze) や ア ス ペ ル ギ ル ス ・ ソ ヤ ( Aspergil
lus sojae) が 汎 用 性 が 高 く 望 ま し い 。
【0031】
本発明において、製麹とは、穀類とバクテリオシン、及び麹菌の混合物を製麹機内に盛
り込んだ後、手入れ(麹菌の生育を促進するために、製麹機内に盛り込まれた混合物を例
えば10時間毎に15分程度攪拌する工程)の際を除いて、製麹機内を密閉した状態で一
定の温度に制御して培養することを意味する。制御温度は豆板醤が製造できる条件である
限り特に制限されないが、25∼40℃、望ましくは28∼37℃、より望ましくは29
∼34℃の温度に制御して培養することにより高品質の豆板醤を製造することができる。
温度が低すぎると麹菌の増殖度合いが悪く、穀類が十分に分解されず豆板醤の強いうま味
10
が得られず好ましくない。一方、温度が高すぎると原料蛋白質の分解に必要な酵素活性が
低くなり強いうま味が得られず好ましくない。なお、一定の温度に制御するとは、その温
度幅で管理することを意味し、麹菌の発熱等によって一時的に設定温度幅を逸脱してもよ
い。逸脱した場合は、加熱・冷却することによって一定の設定温度幅になるように培養管
理されていればよい。培養期間は、通常の場合と同様に菌糸が穀物原料を覆い固体麹が製
麹される期間とすることができる。使用する麹菌、使用する製麹装置等によって異なるた
め、通常は経験者が製麹中の固体麹を指でさわり水分量などを判断して製麹期間を決定し
ている。一例として、15∼240時間、望ましくは20∼120時間、より望ましくは
30∼72時間、35∼60時間と設定することができる。培養期間が短すぎると、麹菌
が十分に増殖できず、豆板醤の深いコク味が得られない。培養期間が長すぎると、汚染菌
20
を制御するために必要なバクテリオシン量が増大し、コスト増を招きやはり望ましくない
。
【0032】
次に得られた固体麹とバクテリオシンを混合して諸味を形成し、食塩濃度が制御された
状態で発酵熟成する。なお、諸味の作製の前後で固体麹を物理的に破砕してもよい。破砕
度合いは、固体麹が軽くつぶれる状態でもよいし、ペースト状になるまで行なってもよい
。破砕することによって発酵熟成する期間を短縮することができるため、製造コストの観
点から望ましい。また、諸味を形成するとき固体麹重量の0∼50倍重量の殺菌された食
品素材を混合して諸味を形成してもよい。混合する食品素材は、食品の製造に使用できる
ものであり、諸味中の食塩濃度を12重量%以下に調整できる限りにおいて、特に制限さ
30
れない。大豆、そら豆、麦、小麦、米等の穀類、唐辛子などを混合しても良い。これら食
品素材を殺菌する方法は、汚染微生物を殺菌できる限り特に制限されないが、蒸煮や塩蔵
が風味の観点から好ましい。諸味形成時に加える重量の下限は、ゼロすなわち加えないこ
とも含む。また、重量の上限は、固体麹重量の50倍重量まで、望ましくは10倍重量ま
で、より望ましくは5倍重量まで、さらに望ましくは3倍重量までである。この値を超え
ると諸味の1段階目発酵熟成が進行しにくい為、好ましくない。
【0033】
諸味の食塩濃度の制御は、固体麹とバクテリオシンを混合する際に添加する食塩水或い
は食塩量を調節することによって実施することができる。諸味の発酵熟成中の塩分濃度は
12%以下、望ましくは8%以下、より望ましくは5%以下、更に望ましくは2%以下に
40
制御することが必要である。塩分濃度が高すぎると麹菌のプロテアーゼ、ペプチダーゼの
活性を阻害し、原料蛋白質の分解が進まず、豆板醤のうま味が強くならず好ましくない。
【0034】
豆板醤中のグルタミン酸含有量を上昇させる目的の一段階目発酵熟成は20∼50℃、
好ましくは20∼45℃、よりこのましくは25∼37℃に保温し、1∼50日間、好ま
しくは3∼30日間、より好ましくは4∼14日間、更に好ましくは4∼9日間行なう。
温度が20℃未満では蛋白質の分解が十分でなく、強いうま味が得られない。一方、50
℃を越える温度では諸味に含まれる糖とアミノ酸がメイラード反応により褐変して苦味が
発現しやすく、官能的に好ましくない傾向にある。日数についても同様の傾向があり、2
4時間未満であれば蛋白質の分解が十分でなく強いうま味が得られにくい。また、50日
50
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間以上では、二段階目発酵熟成の期間に影響を与えやすい。
【0035】
豆板醤の味をまとめ風味を改善する目的の二段階目発酵熟成では、通常、唐辛子を添加
する。第一段階目発酵熟成で唐辛子を添加しなかった場合は、必ず本工程で唐辛子を添加
する必要がある。本工程における食塩濃度の制御は、食塩水、食塩、或いは塩蔵唐辛子を
添加することなどによって実施することができる。諸味中の塩分濃度は0.1重量%以上
、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上
に制御する必要がある。塩分濃度が低すぎると、唐辛子の味にまとまりがなく好ましくな
い。上限は特にないが、25重量%以下に制御することが望ましい。塩分濃度が高すぎる
と食塩が大幅に析出してしまい、操作性に影響を与える。なお、第一段階目発酵熟成です
10
でに唐辛子を添加しており、かつ食塩濃度が0.1重量%以上の場合は、1段階目発酵に
引き続いてそのまま2段階目発酵熟成を行っても良い。
【0036】
豆板醤の味をまとめる目的で行う2段階目発酵熟成は、20∼50℃、好ましくは20
∼45℃、よりこのましくは25∼37℃に保温し、1∼180日間、好ましくは3∼1
20日間、より好ましくは7∼90日間行う。温度が低すぎると味がまとまらず、高すぎ
るとアミノ酸と糖が反応しすぎて褐変臭が強まる。一方、2段階目発酵熟成期間が短すぎ
ると味がまとまらず好ましくない。期間が長すぎると、アミノ酸と糖が反応しすぎて褐変
臭がして望ましくない。
【0037】
20
本発明において、固体麹に添加混合する唐辛子に限定はなく、一例として、生唐辛子、
塩漬された唐辛子、乾燥唐辛子、唐辛子粉末等が挙げられる。また辣醤とは、唐辛子の発
酵物または調味唐辛子である。
【0038】
本発明の方法で製造された豆板醤は、うま味が非常に強く、さらに芽胞菌が大幅に少な
いため、過度に殺菌する必要がなく、広く加工食品に使用することができる。
【0039】
本発明において、豆板醤を用いた食品とは特に限定はなく、通常の豆板醤と同様に使用
することができる。各種炒め物、各種揚げ物、或いは各種あわせ調味料に使用することが
できる。調理中に加熱工程を経る料理では、豆板醤の風味がより際だち好ましい。具体例
30
の一部として、麻婆豆腐、麻婆春雨、魚香茄子、麻婆茄子、回鍋肉、干焼蝦仁、豆板醤入
り炒り卵などを挙げることができる。
【0040】
本発明において、豆板醤を用いた食品の製造工程において殺菌工程を有するとは、食品
の品質を維持する為に汚染微生物を死滅させる工程を有することを意味する。原料として
の豆板醤をあらかじめ殺菌してから使用してもよいし、豆板醤はあらかじめ殺菌せず出来
上がった食品を殺菌してもよい。或いは、両方を併用してもよい。殺菌方法は、汚染微生
物を死滅させる限りにおいて制限されないが、60℃で30分、70℃で30分、80℃
で10分、90℃で10分等が用いられる。殺菌工程は、目的の品質を達成できる条件で
あればよい。例えば、レトルト食品では、水分活性0.94以上、pH4.6以上の食品
40
では120℃4分の加熱殺菌条件などである。
【0041】
(実施例)
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定
されるものではない。
【実施例1】
【0042】
(実施例1)
(バクテリオシン粉末の調製)
ナ イ シ ン Z を 含 有 す る ラ ク テ ィ ス エ イ ド D L 7 溶 液 ( オ ー ム 乳 業 製 、 ナ イ シ ン 活 性 7,000
50
(9)
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IU/ml)480Lを常法に従い、CPスケールUFモジュール(SAP−3013:
分 画 分 子 量 4,000D a ) を 用 い 、 2 5 L ま で 濃 縮 し 、 次 に B P ス ケ ー ル U F モ ジ ュ ー ル (
S A P − 1 0 1 3 : 分 画 分 子 量 4,000D a ) を 用 い 、 1 5 L ま で 濃 縮 し た 後 、 凍 結 乾 燥 す
る こ と に よ り 、 260万 I U / g の 抗 菌 活 性 を 有 す る ナ イ シ ン Z 粉 末 を 調 製 し た 。 ナ イ シ ン
Z 活 性 は 、 H P L C に よ る 定 量 及 び バ イ オ ア ッ セ イ ( Appl. Microbiol. Biotechnol. (19
96) 45:36-40 A. Ishizaki et al.) に よ り 調 べ た 。
【実施例2】
【0043】
(バクテリオシン乳酸菌培養液の調製)
バ ク テ リ オ シ ン 乳 酸 菌 培 養 液 は 、 ラ ク ト コ ッ カ ス ・ ラ ク テ ィ ス ( Lactococcus lactis)
10
AJ110212 (FERM BP-8552)株 Tioglycolate without glucose培 地 ( Difco製 ) に て 3 7 ℃
で 2 4 時 間 培 養 し 、 そ の 培 養 液 を 5 0 m Lの Y D 培 地 ( 0 . 5 % 酵 母 エ キ ス 、 0 . 5 % 塩
化ナトリウム、3.0%グルコース、1.5%炭酸カルシウム、pH 7.0に調製、坂
口 フ ラ ス コ ) に シ ー ド し て 1 0 0 r p m で 振 と う し 、 約 20時 間 の バ ッ チ 培 養 を 行 っ た ( ナ
イ シ ン 活 性 約 11,000IU/ml) 。 ま れ に 培 養 ロ ッ ト に よ っ て は 、 ナ イ シ ン 活 性 が 11,000IU/ml
にならない場合もあるが、その時は実施例1で調製したナイシンを添加することによって
ナ イ シ ン 活 性 を 11,000IU/mlに な る よ う に 調 製 し た 。
【実施例3】
【0044】
(乳酸菌体の調製)
20
ナ イ シ ン 非 生 産 菌 で あ る ラ ク ト バ チ ル ス ・ サ ケ イ ( Lactobacillus sakei) AJ3158を Tio
glycolate without glucose培 地 ( Difco製 ) に て 3 7 ℃ で 2 4 時 間 培 養 し 、 そ の 培 養 液 を
5 0 m Lの Y D 培 地 ( 0 . 5 % 酵 母 エ キ ス 、 0 . 5 % 塩 化 ナ ト リ ウ ム 、 3 . 0 % グ ル コ ー
ス、1.5%炭酸カルシウム、pH 7.0、坂口フラスコ)にシードして100rpm
で 振 と う し 、 約 20時 間 の バ ッ チ 培 養 を 行 っ た 。 遠 心 分 離 に よ り 、 乳 酸 菌 体 を 回 収 し 、 上 清
を 除 去 し た 。 乳 酸 菌 体 を 生 理 食 塩 水 ( 食 塩 濃 度 0.9%) で 洗 浄 し 、 再 度 遠 心 分 離 に よ り 乳 酸
菌体を集菌して、乳酸菌体を調製した。
【実施例4】
【0045】
(製麹時バクテリオシン添加効果の検証)
30
皮むきしたソラマメ1kgを蒸気釜にて121℃、5分蒸煮した。蒸煮ソラマメ1kg
、実施例2で調製した培養液或いは滅菌水10ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹
)0.1gを滅菌ビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、9
0%RHにて43時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後17
時間後、24時間後、38時間後に行った。1番手入れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発
するようにして製麹した。得られた固体麹800gに、実施例2で調製した培養液300
ml、酵母(ビオック社製、強力味噌用酵母)1.92ml加え混合した後、チョッパー
(株式会社日本キャリア工業社製、ゴールデンチョッパーGM−D)により粉砕、ペース
ト状とした。このペーストをラミネートパウチに1袋につき500gとなるように充填し
た。このパウチを30℃、7日間保温し1段階目発酵熟成を行った後、パウチ500gに
40
対し塩蔵牛角唐辛子を1200g加え混合した。この諸味を30℃、30日間保温し2段
階目発酵熟成を行なった。
出来上がった豆板醤を80℃ウオーターバスに13分間保温し、殺菌して豆板醤の官能
評価を行った。20名からなる専門パネラーにより、うま味を評価した。評価は直接、2
つの対象品をなめることにより比較する2点嗜好法によって行なった。
その結果、20名中19名が製麹時に実施例2で調製した培養液(ナイシン含有)を添
加した豆板醤のうま味が勝っていると評価した(参考:優位水準0.1%以上、統計的官
能 検 査 法 ( 佐 藤 信 著 、 日 科 技 連 出 版 社 、 1 9 8 5 年 初 版 、 ISDN4-8171-9011-6、 3 1 5 頁
)。
【実施例5】
50
(10)
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【0046】
(除菌された空気の検討)
皮むきしたソラマメ1kgを蒸気釜にて121℃、5分蒸煮した。蒸煮ソラマメ1kg
、実施例2で調製した培養液10ml、種麹(ビオック社製、味噌用種麹)0.1gを滅
菌ビニール袋にいれてよく混合し、密閉されるラボ製麹機に盛込み、30℃、90%RH
にて43時間製麹した。製麹中の発酵熱の除熱には、フィルターを通して除菌した空気を
用い製麹中は、手入れの際を除いて、密閉された状態の製麹機内で製麹した。或いは、製
麹中の発熱の除熱に、外気を用いて行い(ラボ製麹機のフィルターをはずして外気を供給
した。)、手入れは製麹開始後10時間毎に2分間行った。各々得られた固体麹800g
に、実施例2で調製した培養液を300ml、酵母(ビオック社製、強力味噌用酵母)1
10
.92ml加えて混合し、チョッパー(株式会社日本キャリア工業社製、ゴールデンチョ
ッパーGM−D)により粉砕、ペースト状とした。このペーストをラミネートパウチに1
袋につき500gとなるように充填した。このパウチを30℃、7日間保温し1段階目発
酵熟成を行った後、パウチ500gに対し塩蔵牛角唐辛子を1200g加え混合した。こ
の諸味を30℃、30日間保温し2段階目発酵熟成を行なった。
出来上がった豆板醤を80℃ウオーターバスに13分間保温し、殺菌して豆板醤の官能
評価を行った。20名からなる専門パネラーにより、実施例4と同様に直なめによりうま
味を評価した。その結果、20名中20名が除菌した空気を用いた豆板醤のうま味が勝っ
ていると評価した(優位水準0.1%以上)。
【実施例6】
20
【0047】
(1段階目発酵熟成における食塩濃度の検討)
皮むきしたソラマメ1kgを蒸気釜にて121℃、5分蒸煮した。蒸煮ソラマメ1kg
、実施例2で調製した培養液10ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.1gを
滅菌ビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにて
43時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、24
時間後、38時間後に行った。1番手入れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発するようにし
て製麹した。得られた固体麹800gに、実施例2で調製した培養液300ml、酵母(
ビオック社製、強力味噌用酵母)1.92ml、及び食塩20g(食塩濃度約1.8%)
或いは200g(食塩濃度約15.4%)加え混合した後、チョッパー(株式会社日本キ
30
ャリア工業社製、ゴールデンチョッパーGM−D)により粉砕、ペースト状とした。この
ペーストをラミネートパウチに1袋につき500gとなるように充填し、このパウチを3
0℃、7日間保温し1段階目発酵熟成を行った。固体麹あたりの唐辛子量及び食塩量を同
じくらいにするために、1段階目発酵熟成時に食塩を20g添加した実験区には、諸味全
量に滅菌唐辛子を1920g、食塩を180g加え混合し、1段階目発酵熟成時に食塩を
200g添加した実験区には、諸味全量に滅菌唐辛子を1920g加え混合した。この諸
味を30℃、30日間保温し2段階目発酵熟成を行なった。
出来上がった豆板醤中の可溶化窒素あたりの遊離グルタミン酸量を測定したところ、食
塩20g添加した実験区では0.65%、食塩200g添加した実験区では0.22%で
あった。更に、出来上がった豆板醤を80℃ウオーターバスに13分間保温し、殺菌して
40
豆板醤の官能評価を行った。20名からなる専門パネラーにより、実施例4と同様に直な
めによりうま味を評価した。
その結果、20名中20名が1段階目発酵熟成時に食塩を20g添加した実験区、すな
わち食塩量を制御して1段階目発酵熟成を行なった豆板醤のうま味が勝っていると評価し
た(優位水準0.1%以上)。
【実施例7】
【0048】
(2段階目発酵熟成における食塩濃度の検討)
皮むきしたソラマメ1kgを蒸気釜にて121℃、5分蒸煮した。蒸煮ソラマメ1kg
、実施例2で調製した培養液10ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.1gを
50
(11)
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滅菌ビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにて
43時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、24
時間後、38時間後に行った。1番手入れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発するようにし
て製麹した。得られた固体麹800gに、実施例2で調製した培養液300ml、酵母(
ビオック社製、強力味噌用酵母)1.92mlを加え混合した後、チョッパー(株式会社
日本キャリア工業社製、ゴールデンチョッパーGM−D)により粉砕、ペースト状とした
。 こ の ペ ー ス ト を ラ ミ ネ ー ト パ ウ チ に 1袋 に つ き 5 0 0 g と な る よ う に 充 填 し 、 こ の パ ウ
チを30℃、7日間保温し1段階目発酵熟成を行った後、パウチ500gに対し滅菌した
唐辛子を1200g(食塩濃度約0%)、或いは滅菌した唐辛子を1200gと食塩を5
0g(食塩濃度約2.8%)混合した。この諸味を30℃、30日間保温し2段階目発酵
10
熟成を行なった。
出来上がった豆板醤を80℃ウオーターバスに13分間保温し、殺菌して豆板醤の官能
評価を行った。20名からなる専門パネラーにより、実施例4と同様に直なめによりうま
味を評価した。
その結果、20名中20名が2段階目発酵熟成時に食塩を添加した豆板醤のうま味が勝
っていると評価した(優位水準0.1%以上)。
また、豆板醤中の食塩濃度をあわせる目的で2段階目発酵熟成時に食塩を添加しなかっ
た実験区に食塩を50g添加して同様に官能評価を実施したが、やはり20名中20名が
2段階目発酵熟成時に食塩を添加した豆板醤のうま味が勝っており、更に味のまとまりが
よく好ましいと評価した(優位水準0.1%以上)。
20
【実施例8】
【0049】
(製麹温度の検討)
皮むきしたソラマメ1kgを蒸気釜にて121℃、5分蒸煮した。蒸煮ソラマメ1kg
、実施例2で調製した培養液10ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.1gを
滅菌ビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、90%RHにして43時
間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。製麹温度は20∼40℃の各条件を検討した
。手入れは製麹開始後17時間後、24時間後、38時間後に行った。1番手入れ後に麹
フタを少しあけ水分が蒸発するようにして製麹した。得られた固体麹800gに、実施例
2で調製した培養液300ml、酵母(ビオック社製、強力味噌用酵母)1.92ml加
30
え混合した後、チョッパー(株式会社日本キャリア工業社製、ゴールデンチョッパーGM
−D)により粉砕、ペースト状とした。このペーストをラミネートパウチに1袋につき5
00gとなるように充填した。このパウチを30℃、7日間保温し1段階目発酵熟成を行
った後、パウチ500gに対し塩蔵牛角唐辛子を1200g加え混合した。この諸味を3
0 ℃ 、 3 0 日 間 保 温 し 2段 階 目 発 酵 熟 成 を 行 な っ た 。
出来上がった豆板醤を80℃ウオーターバスに13分間保温し、殺菌して豆板醤の官能
評価を行った。20名からなる専門パネラーにより、直なめによりうま味を評価した。評
価は5点満点で行い、優位水準1%以上で3点以上となる条件を好ましい温度とした。
判断基準:5点・・・非常に強いうま味を感じ、官能的にも好ましい
4点・・・強いうま味を感じ、官能的にも好ましい
3点・・・うま味を感じ、官能的にも好ましい
2点・・・うま味を感じるが官能的に異風味を感じる
1点・・・うま味をあまり感じないがコントロールよりはうま味を感じる
0点・・・コントロールとして、実施例4でバクテリオシン乳酸菌培養無添加
(ナイシン無添加)で製麹した豆板醤を用いた。
【0050】
40
(12)
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【表1】
【0051】
その結果、製麹温度条件は、20∼40℃でコントロールより好ましいことが判明した
が、25∼35℃の範囲でより好ましいことが判明した。
【実施例9】
10
【0052】
(2段階目発酵熟成温度の検討)
皮むきしたソラマメ1kgを蒸気釜にて121℃、5分蒸煮した。蒸煮ソラマメ1kg
、実施例2で調製した培養液10ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.1gを
滅菌ビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにし
て43時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、2
4時間後、38時間後に行った。1番手入れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発するように
して製麹した。得られた固体麹800gに、実施例2で調製した培養液300ml、酵母
(ビオック社製、強力味噌用酵母)1.92ml加え混合した後、チョッパー(株式会社
日本キャリア工業社製、ゴールデンチョッパーGM−D)により粉砕、ペースト状とした
20
。 こ の ペ ー ス ト を ラ ミ ネ ー ト パ ウ チ に 1袋 に つ き 5 0 0 g と な る よ う に 充 填 し た 。 こ の パ
ウチを20∼50℃の各条件で7日間保温し1段階目発酵熟成を行った後、パウチ500
gに対し塩蔵牛角唐辛子を1200g加え混合した。この諸味を30℃、30日間保温し
2段階目発酵熟成を行なった。
出来上がった豆板醤を80℃ウオーターバスに13分間保温し、殺菌して豆板醤の官能
評価を行った。20名からなる専門パネラーにより、実施例8と同様に直なめによりうま
味を評価した。
【0053】
【表2】
30
【0054】
その結果、1段階目発酵熟成温度は、20∼50℃でコントロールよりも好ましいこと
が判明した。
【実施例10】
【0055】
(1段階目発酵熟成期間の検討)
40
皮むきしたソラマメ1kgを蒸気釜にて121℃、5分蒸煮した。蒸煮ソラマメ1kg
、実施例2で調製した培養液10ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.1gを
滅菌ビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにし
て43時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、2
4 時 間 後 、 3 8 時 間 後 に 行 っ た 。 1番 手 入 れ 後 に 麹 フ タ を 少 し あ け 水 分 が 蒸 発 す る よ う に
して製麹した。得られた固体麹800gに、実施例2で調製した培養液300ml、酵母
(ビオック社製、強力味噌用酵母)1.92ml加え混合した後、チョッパー(株式会社
日本キャリア工業社製、ゴールデンチョッパーGM−D)により粉砕、ペースト状とした
。 こ の ペ ー ス ト を ラ ミ ネ ー ト パ ウ チ に 1袋 に つ き 5 0 0 g と な る よ う に 充 填 し た 。 こ の パ
ウ チ を 3 0 ℃ で 3 ∼ 6 0 日 間 保 温 し 1段 階 目 発 酵 熟 成 を 行 っ た 後 、 パ ウ チ 5 0 0 g に 対 し
50
(13)
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塩蔵牛角唐辛子を1200g加え混合した。この諸味を30℃、30日間保温し2段階目
発酵熟成を行なった。
出来上がった豆板醤を80℃ウオーターバスに13分間保温し、殺菌して豆板醤の官能
評価を行った。20名からなる専門パネラーにより、実施例8と同様に直なめによりうま
味を評価した。
【0056】
【表3】
10
【0057】
その結果、1段階目発酵熟成期間は3日の段階でコントロールより好ましいことが判明
したが、4∼50日間でより好ましいことがわかった。
【実施例11】
【0058】
(2段階目発酵熟成温度の検討)
皮むきしたソラマメ1kgを蒸気釜にて121℃、5分蒸煮した。蒸煮ソラマメ1kg
、実施例2で調製した培養液10ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.1gを
20
滅菌ビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにし
て43時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、2
4時間後、38時間後に行った。1番手入れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発するように
して製麹した。得られた固体麹800gに、実施例2で調製した培養液300ml、酵母
(ビオック社製、強力味噌用酵母)1.92ml加え混合した後、チョッパー(株式会社
日本キャリア工業社製、ゴールデンチョッパーGM−D)により粉砕、ペースト状とした
。このペーストをラミネートパウチに1袋につき500gとなるように充填した。このパ
ウチを30℃で7日間保温し1段階目発酵熟成を行った後、パウチ500gに対し塩蔵牛
角唐辛子を1200g加え混合した。この諸味を20∼50℃、30日間保温し2段階目
発酵熟成を行なった。
30
出来上がった豆板醤を80℃ウオーターバスに13分間保温し、殺菌して豆板醤の官能
評価を行った。20名からなる専門パネラーにより、実施例8と同様に直なめによりうま
味を評価した。
【0059】
【表4】
40
【0060】
その結果、2段階目発酵熟成温度は、20∼50℃でコントロールよりも好ましいこと
が判明し、かつ25∼45℃でより好ましいことが判明した。
【実施例12】
【0061】
(2段階目発酵熟成期間の検討)
皮むきしたソラマメ1kgを蒸気釜にて121℃、5分蒸煮した。蒸煮ソラマメ1kg
、実施例2で調製した培養液10ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.1gを
滅菌ビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにし
て43時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、2
50
(14)
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4時間後、38時間後に行った。1番手入れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発するように
して製麹した。得られた固体麹800gに、実施例2で調製した培養液300ml、酵母
(ビオック社製、強力味噌用酵母)1.92ml加え混合した後、チョッパー(株式会社
日本キャリア工業社製、ゴールデンチョッパーGM−D)により粉砕、ペースト状とした
。 こ の ペ ー ス ト を ラ ミ ネ ー ト パ ウ チ に 1袋 に つ き 5 0 0 g と な る よ う に 充 填 し た 。 こ の パ
ウチを30℃で7日間保温し1段階目発酵熟成を行った後、パウチ500gに対し塩蔵牛
角唐辛子を1200g加え混合した。この諸味を30℃、1∼180日間保温し2段階目
発酵熟成を行なった。
出来上がった豆板醤を80℃ウオーターバスに13分間保温し、殺菌して豆板醤の官能
評価を行った。20名からなる専門パネラーにより、実施例8と同様に直なめによりうま
10
味を評価した。
【0062】
【表5】
【0063】
その結果、1段階目発酵熟成期間は1日の段階でコントロールより好ましいことが判明
20
したが、3∼180日間でより好ましいことがわかった。
【実施例13】
【0064】
(第1段階目発酵と第2段階目発酵の統合検討)
皮むきしたソラマメ1kgを蒸気釜にて121℃、5分蒸煮した。蒸煮ソラマメ1kg
、実施例2で調製した培養液10ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.1gを
滅菌ビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにて
43時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、24
時間後、38時間後に行った。1番手入れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発するようにし
て製麹した。得られた固体麹を用いて以下の2つの条件を検討した。
30
条件1:得られた固体麹800gに、実施例2で調製した培養液300ml、酵母(ビ
オック社製、強力味噌用酵母)1.92ml、食塩35g加え混合した後、チョッパー(
株式会社日本キャリア工業社製、ゴールデンチョッパーGM−D)により粉砕、ペースト
状とした。このペーストをラミネートパウチに1袋につき500gとなるように充填し、
このパウチを30℃、7日間保温し1段階目発酵熟成を行った。諸味全量に滅菌唐辛子を
1920g、食塩を180g加え混合し、この諸味を30℃、30日間保温し2段階目発
酵熟成を行なった。(1段階目発酵熟成:食塩濃度約3.0%、2段階目発酵熟成:食塩
濃度約1.1%)
条件2:得られた固体麹800gに、実施例2で調製した培養液300ml、酵母(ビ
オック社製、強力味噌用酵母)1.92ml、食塩60g(食塩濃度約1.8%)、及び
40
滅菌唐辛子1920gを加え混合した後、チョッパー(株式会社日本キャリア工業社製、
ゴールデンチョッパーGM−D)により粉砕、ペースト状とした。このペーストをラミネ
ートパウチに1袋につき500gとなるように充填し、このパウチを30℃、7日間保温
し1段階目発酵熟成を行った。そのまま引き続き、この諸味を30℃、30日間保温し2
段階目発酵熟成を行なった。(1段階目発酵熟成:食塩濃度約1.1%、2段階目発酵熟
成:食塩濃度約1.1%)
得られた豆板醤の可溶化窒素あたりの遊離グルタミン酸含有量を測定したところ条件1
は0.65%、条件2は0.72%であった。いずれも、実施例19に記載の四川豆板醤
の値を上回っていた。
【実施例14】
50
(15)
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【0065】
(ナイシン添加量の検討)
皮むきしたソラマメ1kgを蒸気釜にて121℃、5分蒸煮した。蒸煮ソラマメ1kg
、ナイシン乳酸菌培養液10ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.1gを滅菌
ビニール袋にいれてよく混合した。なお本検討で用いたナイシン乳酸菌培養液は、実施例
3で調製した菌体を用いて菌体濃度がソラマメ1gあたり10
8
cfuに な る よ う に 調 製 し
、実施例1で調製したナイシン粉末を溶解させることによりナイシン濃度がソラマメ1g
あ た り 0 、 1 0 、 1 0 0 、 1 , 0 0 0 或 い は 1 0 , 0 0 0 IUと な る よ う に 調 製 し た 。 混 合
物を麹フタに移し、30℃、90%RHにて43時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室
槽)。手入れは製麹開始後17時間後、24時間後、38時間後に行った。1番手入れ後
10
に麹フタを少しあけ水分が蒸発するようにして製麹した。得られた固体麹800gに、実
施例2で調製した培養液300ml、酵母(ビオック社製、強力味噌用酵母)1.92m
l、塩蔵唐辛子を1920g加え混合した後、チョッパー(株式会社日本キャリア工業社
製、ゴールデンチョッパーGM−D)により粉砕、ペースト状とした。このペーストをラ
ミネートパウチに1袋につき500gとなるように充填した。このパウチを30℃、7日
間保温し1段階目発酵熟成を行い、そのまま続けて30℃、30日間保温する2段階目発
酵熟成を行なった。
発酵熟成後の豆板醤中の芽胞菌量を測定したところ、製麹時にナイシン濃度無添加区で
は芽胞菌が10
5
コ/g検出されたが、その他の条件では検出されなかった。このことよ
り、製麹時にナイシンが必要であることがわかった。
20
【実施例15】
【0066】
(乾燥ソラマメでの検討)
乾燥ソラマメ1kgに4Lの水を添加し、1晩水で浸漬した後、蒸気釜にて121℃、
5分蒸煮した。蒸煮ソラマメ1kg、実施例2で調製した培養液或いは滅菌水10ml、
種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.1gを滅菌ビニール袋にいれてよく混合した。
混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにて43時間製麹した(二葉科学社製、恒温
恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、24時間後、38時間後に行った。1番手入
れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発するようにして製麹した。得られた固体麹800gに
、実施例2で調製した培養液300ml、酵母(ビオック社製、強力味噌用酵母)1.9
30
2ml加え混合した後、チョッパー(株式会社日本キャリア工業社製、ゴールデンチョッ
パーGM−D)により粉砕、ペースト状とした。このペーストをラミネートパウチに1袋
につき500gとなるように充填した。このパウチを30℃、7日間保温し1段階目発酵
熟成を行った後、パウチ500gに対し塩蔵牛角唐辛子を1200g加え混合した。この
諸味を30℃、30日間保温し2段階目発酵熟成を行なった。
出来上がった豆板醤を80℃ウオーターバスに13分間保温し、殺菌して豆板醤の官能
評価を行った。20名からなる専門パネラーにより、実施例4と同様に直なめによりうま
味を評価した。
その結果、20名中19名が製麹時にナイシンを添加した豆板醤のうま味が勝っている
と評価した(優位水準0.1%以上)。このことから乾燥ソラマメを用いた検討でも、好
40
ましい結果が得られることが判明した。
【実施例16】
【0067】
(大豆での検討)
大豆1kgに600gの水を添加し、室温で3時間吸水させた後、蒸気釜にて114℃
、40分蒸煮した。蒸煮大豆1kg、実施例2で調製した培養液或いは滅菌水10ml、
種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.1gを滅菌ビニール袋にいれてよく混合した。
混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにて43時間製麹した(二葉科学社製、恒温
恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、24時間後、38時間後に行った。1番手入
れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発するようにして製麹した。得られた固体麹800gに
50
(16)
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、実施例2で調製した培養液300ml、酵母(ビオック社製、強力味噌用酵母)1.9
2ml加え混合した後、チョッパー(株式会社日本キャリア工業社製、ゴールデンチョッ
パーGM−D)により粉砕、ペースト状とした。このペーストをラミネートパウチに1袋
につき500gとなるように充填した。このパウチを30℃、7日間保温し1段階目発酵
熟成を行った後、パウチ500gに対し塩蔵牛角唐辛子を1200g加え混合した。この
諸味を30℃、30日間保温し2段階目発酵熟成を行なった。
出来上がった豆板醤を80℃ウオーターバスに13分間保温し、殺菌して豆板醤の官能
評価を行った。20名からなる専門パネラーにより、実施例4と同様に直なめによりうま
味を評価した。
その結果、20名中19名が製麹時にナイシンを添加した豆板醤のうま味が勝っている
10
と評価した(優位水準0.1%以上)。このことから大豆を用いた検討でも、好ましい結
果が得られることが判明した。
【実施例17】
【0068】
(大豆、ソラマメ混合状態での検討)
皮むきしたソラマメ0.5kgを蒸気釜にて121℃、5分蒸煮した。また、大豆0.5
kgに300gの水を添加し、室温にて3時間吸水させた後、蒸気釜にて114℃、40
分蒸煮した。蒸煮ソラマメ、蒸煮大豆各0.5kg、実施例2で調製した培養液或いは滅
菌水10ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.1gを滅菌ビニール袋にいれて
よく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにて43時間製麹した(二葉
20
科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、24時間後、38時間後に行
った。1番手入れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発するようにして製麹した。得られた固
体麹800gに、実施例2で調製した培養液300ml、酵母(ビオック社製、強力味噌
用酵母)1.92ml加え混合した後、チョッパー(株式会社日本キャリア工業社製、ゴ
ールデンチョッパーGM−D)により粉砕、ペースト状とした。このペーストをラミネー
トパウチに1袋につき500gとなるように充填した。このパウチを30℃、7日間保温
し1段階目発酵熟成を行った後、パウチ500gに対し塩蔵牛角唐辛子を1200g加え
混 合 し た 。 こ の 諸 味 を 3 0 ℃ 、 3 0 日 間 保 温 し 2段 階 目 発 酵 熟 成 を 行 な っ た 。
出来上がった豆板醤を80℃ウオーターバスに13分間保温し、殺菌して豆板醤の官能
評価を行った。20名からなる専門パネラーにより、実施例4と同様に直なめによりうま
30
味を評価した。
その結果、20名中19名が製麹時にナイシンを添加した豆板醤のうま味が勝っている
と評価した(優位水準0.1%以上)。このことから大豆、そら豆を用いた検討でも、好
ましい結果が得られることが判明した。
【実施例18】
【0069】
(唐辛子の種類の検討)
皮むきしたソラマメ1kgを蒸気釜にて121℃、5分蒸煮した。蒸煮ソラマメ1kg
、実施例2で調製した培養液或いは滅菌水を10ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種
麹)0.1gを滅菌ビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、
40
90%RHにて43時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後1
7時間後、24時間後、38時間後に行った。1番手入れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸
発するようにして製麹した。得られた固体麹800gに、実施例2で調製した培養液30
0ml、酵母(ビオック社製、強力味噌用酵母)1.92ml、及び食塩20g(食塩濃
度約1.8%)加え混合した後、チョッパー(株式会社日本キャリア工業社製、ゴールデ
ンチョッパーGM−D)により粉砕、ペースト状とした。このペーストをラミネートパウ
チに1袋につき500gとなるように充填し、このパウチを30℃、7日間保温し1段階
目発酵熟成を行った。諸味全量に滅菌唐辛子を1920g、食塩を180g加え混合した
。この諸味を30℃、30日間保温し2段階目発酵熟成を行なった。滅菌唐辛子は牛角型
唐辛子又は羊角型唐辛子又は天鷹椒又は朝天椒を用いた。
50
(17)
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出来上がった豆板醤を80℃ウオーターバスに13分間保温し、殺菌して豆板醤の官能
評価を行った。20名からなる専門パネラーにより、実施例4と同様に直なめによりうま
味を評価した。
その結果、製麹時にナイシンを添加した豆板醤のうま味が勝っていた(2点嗜好法で評
価。牛角型唐辛子の場合:20名中19名が製麹時に実施例2で調製した培養液(ナイシ
ン含有)を添加した豆板醤を好ましいと評価した。優位水準0.1%以上。羊角型唐辛子
の場合:20名中18名が製麹時に実施例2で調製した培養液(ナイシン含有)を添加し
た豆板醤を好ましいと評価した。優位水準0.1%以上。天鷹椒の場合:20名中17名
が製麹時に実施例2で調製した培養液(ナイシン含有)を添加した豆板醤を好ましいと評
価した。優位水準1%以上。朝天椒の場合:20名中18名が製麹時に実施例2で調製し
10
た培養液(ナイシン含有)を添加した豆板醤を好ましいと評価した。優位水準0.1%以
上)。
この結果より、特に唐辛子の種類によらず製麹時ナイシン等のバクテリオシン添加の効
果があることがわかった。
【実施例19】
【0070】
(四川豆板醤との比較)
皮むきしたソラマメ1kgを蒸気釜にて121℃、5分蒸煮した。蒸煮ソラマメ1kg
、実施例2で調製した培養液10ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.1gを
滅菌ビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにて
20
43時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、24
時間後、38時間後に行った。1番手入れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発するようにし
て製麹した。得られた固体麹800gに、実施例2で調製した培養液300ml、酵母(
ビオック社製、強力味噌用酵母)1.92ml加え混合した後、チョッパー(株式会社日
本キャリア工業社製、ゴールデンチョッパーGM−D)により粉砕、ペースト状とした。
このペーストをラミネートパウチに1袋につき500gとなるように充填した。このパウ
チ を 3 0 ℃ 、 7 日 間 保 温 し 1段 階 目 発 酵 熟 成 を 行 っ た 後 、 パ ウ チ 5 0 0 g に 対 し 塩 蔵 牛 角
唐辛子を1200g加え混合した。この諸味を30℃、30日間保温し2段階目発酵熟成
を行なった。
出来上がった試作豆板醤、購入した半年もの四川豆板醤(商品タイプ名:ピーシェント
30
ーバン、ブランド名:娟城 豆瓣醤。四川省ピ県豆板股分有限公司製。本発明において「
半年もの豆板醤」は、特に限定がなければこの豆板醤を意味する)、及び購入した3年も
の豆板醤(商品タイプ名:ピーシェントーバン、ブランド名:娟城 豆瓣醤。四川省ピ県
豆板股分有限公司製。本発明において「3年もの豆板醤」は、特に限定がなければこの豆
板醤を意味する)の理化学分析を行った。その結果を表6に示す。
【0071】
【表6】
40
【0072】
その結果は、色度は、試作豆板醤がもっとも赤色に近かった。また、半年もの豆板醤及
び3年もの豆板醤からは芽胞菌が検出されたが、試作豆板醤からは検出されなかった。
また、試作豆板醤を80℃ウオーターバスに13分間保温し、殺菌して豆板醤の官能評
価を行った。20名からなる専門パネラーにより、直なめによりうま味を評価した。
50
(18)
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評価基準:5点・・・非常に強いうま味を感じ、官能的にも好ましい。
4点・・・強いうま味を感じ、官能的にも好ましい
3点・・・うま味を感じ、官能的にも好ましい
2点・・・うま味を感じるが官能的に異風味を感じる
1点・・・うま味をあまり感じない
その結果を表7に示す。
【0073】
【表7】
10
【0074】
その結果、試作豆板醤のうま味が最も強いことがわかった。
【実施例20】
【0075】
(メニュー系での評価 ∼麻婆豆腐)
実施例19で作製した試作豆板醤、半年もの豆板醤、及び3年もの豆板醤を用いて、麻
20
婆豆腐を試作した。レシピ:材料 豆腐400g、豚ひき肉80g、長ネギ30g、しょ
うが15g、にんにく3g、豆板醤10g、醤油大さじ1、砂糖小さじ1、酒小さじ1、
鶏がらスープ150g、油大さじ1、片栗粉大さじ1(水65gで溶く)、山椒適量。作
り方:しょうが、にんにく、長ネギはあらかじめみじん切りにした。豆腐は2センチ角の
賽の目に切った。フライパンに油を入れ、中火で加熱し、ひき肉を軽く炒め、弱火にして
、しょうが、にんにく、豆板醤を入れさらに炒めた。スープ、調味料(醤油、砂糖、酒)
を加えた後、豆腐を加え、弱火で煮た。豆腐に火が通ったら長ねぎを入れ、水溶き片栗粉
を入れ一煮立ちさせ、とろみをつけた。
豆板醤は可溶化窒素が同じになる分量添加した。また、メニューに添加する食塩量を調
整して、いずれの豆板醤を用いた場合でもメニュー中の塩分濃度が同一になるように調整
30
した。
出来上がった、麻婆豆腐のうま味を20名の専門パネラーにて実施例19と同様に評価
した。その結果を表8に示す。
【0076】
【表8】
40
【0077】
その結果試作豆板醤使用品はうま味において最も好ましいことがわかった。
【実施例21】
【0078】
(メニュー系での評価 ∼麻婆春雨)
実施例19で作製した試作豆板醤、半年もの豆板醤、及び3年もの豆板醤を用いて、麻
婆春雨を試作した。レシピ:材料 牛薄切り肉 300g、春雨 100g、長ねぎ 1
カップ、にんにく 適量、しょうが 適量、鶏がらスープの素 小さじ1、湯 カップ1
、豆板醤 大さじ1と1/2、サラダ油 適量、ゴマ油適量。 作り方:牛肉は食べやす
50
(19)
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い大きさに切り、醤油・酒・胡椒・ゴマ油少々えで下味をつけた。春雨は熱湯で2,3分
固めに茹でて水にさらし、食べやすい長さに切った。ネギは荒みじん、ニンニクとショウ
ガはみじん切りに刻んだ。フライパンにサラダ油を熱し、牛肉を炒める。肉の色が変わっ
たら春雨を加えて混ぜ、鶏がらスープの素を溶かしたお湯を加えた。煮立ったところへ、
豆板醤を加えて混ぜ、仕上げにゴマ油をまわしかけた。豆板醤は可溶化窒素が同じになる
分量添加した。また、メニューに添加する食塩量を調整して、いずれの豆板醤を用いた場
合でもメニュー中の塩分濃度が同一になるように調整した。
出来上がった、麻婆春雨のうま味を20名の専門パネラーにて実施例19と同様に評価
した。その結果を表9に示す。
【0079】
10
【表9】
【0080】
その結果試作豆板醤使用品はうま味において最も好ましいことがわかった。
20
【実施例22】
【0081】
(メニュー系での評価 ∼麻婆茄子)
実施例19で作製した試作豆板醤、半年もの豆板醤、及び3年もの豆板醤を用いて、麻
婆茄子を試作した。レシピ:材料 なす 6本、豚ひき肉 120g、コーン油 少々、
合わせ調味料A(酒 小さじ2、胡椒 少々)、B(ねぎ 1/4本、しょうが 2/3
片分、にんにく1片(各微塵切り))、豆板醤 小さじ1と1/2、合わせ調味料B(水
カップ2/3、鶏がらスープ 小さじ1、しょうゆ 大さじ1と1/2、酒 大さじ2
、砂糖 小さじ2、胡椒 少々)、水溶き片栗粉(片栗粉 大さじ1、水 大さじ1)、
ごま油 小さじ2。 作り方:なすは縦8等分に切った。豚ひき肉は合わせ調味料Aで下
30
味をつけた。中華なべに油を適量熱し、豚ひき肉、Bを入れて炒め、パラパラになったら
なすを加えて更に炒めた。豆板醤を入れてサッと炒め、Cを加えて、煮込んだ。水溶き片
栗粉でトロミをつけ、ごま油を加え、仕上げた。豆板醤は可溶化窒素が同じになる分量添
加した。また、メニューに添加する食塩量を調整して、いずれの豆板醤を用いた場合でも
メニュー中の塩分濃度が同一になるように調整した。
出来上がった、麻婆茄子のうま味を20名の専門パネラーにて実施例19と同様に評価
した。その結果を表10に示す。
【0082】
【表10】
40
【0083】
その結果試作豆板醤使用品はうま味において最も好ましいことがわかった。
【実施例23】
【0084】
50
(20)
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(メニュー系での評価 ∼魚香茄子)
実施例19で作製した試作豆板醤、半年もの豆板醤、及び3年もの豆板醤を用いて、魚
香茄子を試作した。レシピ:材料 茄子250g、豚モモ肉 50g、卵白 1個分、泡
椒 6g、豆板醤 30g、にんにく 4g、ネギ 4.5g、サラダ油 20g、酒 8g、砂糖 6g、水 6g、水溶き片栗粉 6g、醤油 14g、ゴマ油 4.8g。
作り方:豚モモ肉は棒状にカットした後、塩を加えてよく混ぜた後、卵白で和えて低温の
油で揚げた。茄子は棒状にカットし、低温の油でじっくり揚げた。ネギは千切りにした。
弱火でネギ、にんにく、泡菜を炒める。香りがでたら豆板醤を炒めた。下ごしらえをした
肉、茄子、水、酒、醤油、砂糖を加え、さらに炒めた。水溶き片栗粉を加え、とろみ付け
をし、最後にゴマ油をまわしいれた。豆板醤は可溶化窒素が同じになる分量添加した。ま
10
た、メニューに添加する食塩量を調整して、いずれの豆板醤を用いた場合でもメニュー中
の塩分濃度が同一になるように調整した。
出来上がった、魚香茄子のうま味を20名の専門パネラーにて実施例19と同様に評価
した。その結果を表11に示す。
【0085】
【表11】
20
【0086】
その結果試作豆板醤使用品はうま味において最も好ましいことがわかった。
【実施例24】
【0087】
(麻棒豆腐の殺菌条件の検討:一定殺菌条件下での芽胞菌数の比較)
実施例20で調理した麻婆豆腐を各々レトルトパウチに150g加えて、120℃で4
分間加熱殺菌した。その結果、試作豆板醤を使用した麻婆豆腐からは芽胞菌は検出されな
かったが、半年もの豆板醤及び3年もの豆板醤を使用した麻婆豆腐からでは完全殺菌でき
30
なかった。
【実施例25】
【0088】
(麻棒豆腐の殺菌条件の検討:芽胞菌が検出されない殺菌条件)
実施例20で調理した麻婆豆腐を各々レトルトパウチに150g加えて120℃で加熱
殺菌した。完全殺菌できた条件は各々本発明の豆板醤は120℃で4分、半年ものは12
0℃で12分以上、3年もので120℃で12分以上であった。芽胞菌が検出されない条
件で殺菌した麻婆豆腐のうま味を20名の専門パネラーにて評価した結果、全員に試作豆
板醤が好まれた。
【実施例26】
【0089】
(殺菌された豆板醤を使用した麻棒豆腐の比較)
半年もの豆板醤及び3年もの豆板醤を各々レトルトパウチに150g加えて120℃で
殺菌した。完全殺菌できた条件は半年もの、3年もの共、120℃で12分以上であった
。次に実施例19で試作した実質的に殺菌状態にある豆板醤及び殺菌した半年もの豆板醤
、及び殺菌した3年もの豆板醤を用いて実施例20と同様に麻婆豆腐を調理した。麻婆豆
腐のうま味を20名の専門パネラーにて評価した結果、全員に試作豆板醤が好まれた。
40
(21)
フロントページの続き
Fターム(参考) 4B047 LB07 LG03 LG18 LG40 LG47 LG56 LP19
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