Page 1 Page 2 湯川先生と宇宙との出合いと して, 基研創立以前にあっ

KURENAI : Kyoto University Research Information Repository
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宇宙論と基礎物理学(基礎物理学の方向-湯川秀樹博士追
悼シンポジウム-)
佐藤, 文隆
物性研究 (1982), 38(4): 49-56
1982-07-20
http://hdl.handle.net/2433/90746
Right
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Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
宇 宙 論 と基 礎 物 理 学
京大 ・基研
§1
"湯 川
佐
藤
文
隆
"と "宇 宙 "
湯川先生 と宇宙 との出合 い として,基研創立以前 にあった二つの出来事 にふれたいと思い ます。
ve
y会議 に出席の旅 で したが,ヨー ロッパに戦争が迫
先生 が初 めて欧米に出 られたのは 1939年で, Sol
4日にニュー ヨー クに上陸 し, 10月13
ったためこの会議 自体 は中止にな りました.
1
)帰国の途中, 9月 1
日にサ ンフランシスコか ら離れ るまでの一 ケ月余 りにアメ リカ各地の大学 を訪問 し, 10月末 日本 に帰 国
しま した。この機会 に核物理学が宇宙 の物理学 と関連 しつつある当時の状況 に印象づけられたよ うに思 え
ます。当日
も 表 1に示 したよ うに量子力学 と核物理の勃興 は宇宙 の研究 に新 しい境地 を開 きつつあ り,予
定 されていた Sol
ve
y会議 で もそれが一つのテーマで した。
2)
表1 年
表
1925 量子力学
1926
量子統計 「白色矯星」 ・
1928
α崩壊,Di
r
a
c方程式
1929
湯
1935
川
中間子論
1939 欧米訪問
1932
「
Cha
ndr
a
s
e
khar質量」
中性子発見
1933
「
超新星 か ら中性子星-」
193
6
「中性子星の理論」
1938
「
熱核反応」
1
939
「
相対論的 中性子星」
「重力崩壊 とブラ ックホール」
19
41
1945
宇宙物理教室講座 の兼担
1955
基研天体核研究会
「
星か らのニュー トリノ損失」
も う一つの …出合い '
'は偶然 にお こった ものです。敗戦 の年 の 10月,京大理学部宇宙物理 学教 室 の荒
3) そのため,湯川先生が しば らくその講座 を兼担す ることになったの
木 俊馬教 授 が急 に辞職 しま した 。
であ ります。その頃,湯川研究室 に入 った林忠四郎先生は研究室 として元荒木教授室 をあてがわれ,湯川
先生 に も宇宙の研究 をすすめ られ た とい う.
4
)また, Sol
ve
y会議 に提出 されていた天体核の論文が研究室
のゼ ミで使 われた りしていた とい うことである。この出来事は,先 に述べた印象 を基研創設の頃 まで持続
させ る中継点 として重要 な役割 を果 したのでないか と思 う。
1953年 に基研が スター トして, 早川幸男先生が就任 し,湯川先生 の発案で武谷三男先生や早川先生 を
-p49-
プロモー ターに して第-回の天体核 の研究会が開かれ るのは 1
955年 の 2月であ りま した。 宇宙線 の研究
が起源 の問題 を通 して,宇宙物理 に傾 きつつあった頃でもあ ります。 この前後 のことについては当事者 の
証言 が多 くあるのでここで繰 り返す ことは省略 します㌔)
以上 の経埠 をふ まえて 「
湯川 と宇宙」 とい うもの を自己流 に総括す る と次のようになると思 います。 ま
0年代 "の物 理 が いか に素早 く宇宙 a
j
研究 に新 しい概念 を持込んだか を改 めて認
ず, いわゆる "黄金 の 3
識す る必要があ ります。当時持込 まれた新概念 が 3
0-40年 して宇宙物理 としての一つの大 きな分野 に成
長 しているわけで, その種 の多 くは理論物理屋が播 いた ものである。す なわ ち, こ うい うこ とは基礎物理
学 の重要な役 目なのである。そ うした大 きな流れ を湯川先生が肌 で感ず る機会 を得,それ を基研の中に正
しく植 えつ け られ た といえる と思 います。
§2
基研 と宇宙
基研 での宇宙関係 の研究 テーマ の変遷 は表 2に示 してある。 スター ト時 はいわゆる天体核物理が中心 で
あったが, ある分野 は大 き く成長 して基研 でのテーマか らはずれていき,現在 では宇宙論 や一般相対論 が
中心 になってい る。高密度物質や重 力理論 のよ うに宇宙 か らの興味 で始 った もので もその後 の研究 の推移
で, よ り基礎的問題 に変った もの もある。 (重 力理論,高密度物質,等 )今後 のことについては現状 の延
長上 に考 え るほかないが,次 のよ うな二 つの面 で基研 と宇宙 とは縁が切れ ないであろ う。
∽ 基礎物理 の進展 が宇宙 の研究に新局面 を開 く。
(
。
) 宇宙 を基礎 に物理 の法則 が ある。
(
伽ま"黄金 の 30年代 '
'が一つの模範 である し,最近 の 「GUT理論 と宇宙初期」 もその一例 である。
(
p
)
は重力理論,特 に量子重力 などを通 して宇宙 を抜 きに物理学 を考 え られ な くなるか も知れ ない とい うこと
である。
表 2 基研と宇宙
\
マ
ズ
ラ
化 プ
進 体
の 天
成
質
物
\
系
陽
太
星
形
の
星
子
川
■ー
■
u
質
-p50-
物
/
密
(重力 を含 む統一理論 )
度 -
高
(
ビッグバ ンと素粒子
1980年代
性
論
/
1970年代
星
の
晩 期
天体 ニ ュー トリノ
中
対
,
相
星
一 般
,蘇
/
源 起
0
/
ビ ッ グバ ン と銀 河
起 線
素 宙
1960年代
Q
S
銀 河,
元 宇-
1950年代
と 惑 星
\
§ 3 Hubbl
e膨張 とBi
gBang宇宙
以下 では宇宙論 の最近 の問題点 にっいてふれ る。 1929年 の Hubbl
eの膨張宇宙 の発見 は必 らず Lも宇
ns
t
e
i
n方程式 に基 づ
宙初期 が高密度 だ とい うこ との発見 だとは受取 られ ていなかった。宇宙項 を含 む Ei
く宇宙 モデルに引 きづ られ ていたか らである。宇宙項がなければ密度無限大か ら膨張 が始 まることは知 ら
れていたが, そのことを真 に受 けて考 えよ うとしなかった。 1948年 の Ga
mow の Bi
gBa
ng元素起源論
の大 きな意義 は初 めて密度 が 1
030 も上 まわ る状態 にまで このモ デ /
レを外挿 して考 えた ところに あ る。
S
.Weinbergが指摘 してい るよ うに,理論物理学者 は自分 の書 いている方程式 の威 力 を しば しば過 少評
㌘
価 している )Ga
mow の大担 さは見習 うべ きものであろ う。 実際密度 が高 かったことを直接確 かめたの
が 1965年の 3K頼射 の発見 であ り, 一様,等方 といった数学的単純化 をしな くて も特異点 が避 け られな
いことが証 明 されたのは 196
0年代の後半 であった。 (Ha
wki
ng,Pe
nros
e
,Li
f
s
hi
t
zKhal
a
t
oni
kov,
e
t
c
)
0
宇宙膨張 は膨張 f
ac
t
ora(
i
)とComovi
ng座標 xで記述 され る。原点
r
故に
(
x- o)か らの距離 は
- a(
i
)I
V-メ-;
I-Hr, H… ;
/
a。
(
1)
Doppl
e
r効果 よ り
L
-重
i-
L
1,
I
, ,,1
日.
J二
cAt
)yAリン ㌻ y-.
- ユCヱa (
∴
(
2
)
a(
i
)
I
/(
i
)
-C
OnS
t。
以上 は ki
ne
ma
t
i
c
sであるが α(
≠
)
の関数形 をきめ るには Ei
ns
t
e
i
n方程式 による dynami
c
sできまる。輯
では,Pl
a
nc
k単位 を用い ると大体
射宇宙 (βr>>‰ )、
1
(
3)
- ∼ T4
t2
となる. 1s
ecで T- 1Me
Vである。
全 ての r
adi
a
t
i
onのエ ネル ギー が(
2
)
の よ うに a 1に比例 して過 去 で大 き くな るとい うこ とは温 度 が
T∝a(
i
)-1で高か ったことを意味す る。 したがって現在 a(t
。)x。- 101
01y の ところの点 は GUT 相
転移 T- 1
01
5G。
Vの時 は
3K
・
-1c
m
a(tGUT)x0- 101
01
y
101
5Ge
V
の ところにあった。
1c
mの ところか ら光 が直進 してきて も何故 10
1
0年 もやって くるのに時間がかかるかに疑問 を持 つ方は図
1の説 明 を参照 されたい。 また,膨張 によって同 じ体積 (
Comdvi
ngVol
ume) にあ る物 質 のエ ネル ギ
-が
E∼ pra3-
与
a
3
⊥
α
α
-p51-
図1
0点 (3- 0)とともに動 く系 (i,t
r)と A 点 (I- x
A)とともに動 く系
(
∠′,∬′)の間の変換 (一般座標変換 )
x′
-.
r - a(
i
)xA ,t′-、t
●
α
A 点での li
ght coneを o系でみると
1
c生
dt- ± 1十
手
X
A 。 これを図示すればO
上
し
a(
tl)xA
a(
t2)xA
と1く ま2
故に光は図のようにいったん遠方にいって再び近づ く。
のよ うに減 る。 これ は "減 少 '
'とい うよ り, 座 標系 をそ う見 え るよ うに変 えてい くとい って もよい。 宇 宙
f
i
ni
t
eにき ま り,そ の特殊 な系 につ いて温度 を
黒 体福射 が等 方的 にみ える座 標 系 とい うのは各 点 で一 つ de
ent
z不 変性 は破 れ てい る。
定義 してい るか らこ うい うこ とにな るので あ る。Lor
§4
ニ ュー トリノ天体 の形成 7)
相 互作用 の大統一 理論 (
GUT)は考 え るェ ネル ギー領 域 を 1015Ge
Vまで大 き くした 。 1974年以前 で は
(
3
)
の式 は分 っていて も誰 も T- 1Ge
V以上 に さか のぼ って考 え なか った。 しか し,最 近 で は Pl
a
nc
kェネ
019 Ge
Vまで抵抗 な しに考 え るよ うにな った。 GUTが持 ち込 む新 しい概 念 と宇 宙 の 方 で要 求 さ
ル ギー 1
れ て い る現象 の リス トは表 3の よ うであ り, お互 いに関連 づ け る多 くの研 究 が され てい る。 GUTに よ る
バ リオ ン数 生 成説 は この分野全 体 の活性 化 に大 きな役 割 を果 した 。以 下 で は私 のや ってい るニ ュー トリノ
ー
p
52-
表3
GUT と bi
g bang
GUT
bi
gba
ng
元素
ge
ne
r
a
t
i
on
q-1対称性
bar
yon数 生成
(陽子崩壊 )
L
'質量
密
度 分 布
数 +Mpc以上一様
それ以下デ コボ コ
等
方
相転移
(:i
R
n.
o
p
r
.
fe
R)
性
H
Vac
uum〟
βVa
cuum
aX
I
O
n
宇宙項小 さい
CP破れ
e
ne
r
g
y
超
対
称
f
l
a
t
ne
s
s
(地平線 ≪ 曲率半径 )
性
天体 の形成 について述 べ る。
Vのあた りで他 の成分 との平衡 が成立 しな くな り,そ
〝も高温 ・
・高密 では熱平衡 にあったが, T- 1Me
の時 にあった黒体編射 ニ ュー トリノは全 て 自由ニ ュー トリノにな り,膨張 とともにエネルギー を減 らして
い く。 自由 なのになぜ ェ ネルギーが減 るか とい う間えの答 えは赤方変移 と本質的 に同 じである。質量 を持
≪ Cとして Lorentz変換 よ り
つ粒子 の場合 は次 のよ うにな る。 V
空)
〟 uAt)-p(
p,
-p(
1-‡)
-p(
1一旦
11
・
.
・ pa =const・
ともか く運動量 pが a
1で減少
し, ある ところで nonr
e
l
a
t
i
vi
s
t
i
cな速度 にな るo yの質量 はまだよ く
分 って いないが 1e
V以 上 な ら,宇宙の平均質量密度 では核子 のそれ よ りL
/のそれ の方が勝 って くる。核子
数密 度 は- 10-7c
m-3だが yは一種類 で 110血 3もあ り, 7
nv/7
n
N<< 1で も勝 って くるわ けで ある.
el
a
t
i
vi
s
t
i
cに な った γは重 力 にゆ らぎが
以下, そ うい うリの質量 が優越 している宇宙 を考 え る。 nonr
re
l
aになる時刻 t
nrでの地平 線 の大 き さよ
あれ ばそれ に把 え られ て凝集 しは じめる。その大 きさは nonり少 し小 さい程度 となる。そ して これ を現在 の時点 に引 き延 ば したのが大 きさ (平均 間隔 )とな る。それ
は次の よ うに与 え られ る.(
3
)
より
mv∼
tnr
-"
∴
r- tnr謡
- tn肯
-p53-
-
lo
To- 3K, joE
まその ピー ク波長, T
pl- 1
019 GeVは Pl
anckェ ネル ギー .
7花
〃- 10e
V オー ダー とす
ると
γ=
101
9Ge
V
1
0
10-1c
m - 102MPC。
eV
これ は超銀 河 団 の大 きさであ る 30MPCの スケー ル を与 えてい る.微視 的量 7
nリが急 に天文 的 量 に変 る と
ころがお も しろい。
実際 の銀 河 の分布 は図 2の よ うに細胞状 にな ってい る と考 え られ てい る。
8) 平板状 の超銀 河用 に囲 まれ
て大 きな間隙 (ho
l
e又 は Voi
d)が あるO こ うい う構造 の特徴的長 さは
7n
vと結 びつ いて決 ってい る. ニ
ュー トリノ天体 の質量 に
n
p
f
一
一
7
M∼ 一 言
7
nl
/
図 2 銀河は図のような斜線の領域 に分布すると考えられ る。この図は二次元の場合の数値計算の例で
あ り,現実のものではない。
- p54-
で決 ってい る。半径 が小 さく縮 まない理 由は 〃が Col
l
i
si
onl
e
s
s粒子 であるか らである。この性質 のため
上 の長 さ以下 のゆ らぎは Phas
emi
xi
ng で消 されて しま う。 (La
nda
u dampi
ng)
7
nリは超銀河団 と関係 している と考 え られ るが,天体構造 の もう一つの重要な単位 であ る個 々の銀 河 が
何 で決 ったかについては先天説 と後天説 の二つの考 え方がある。銀河内での星 の形成 は誰 で も後天的 だ と
GUT時 )まで さかのぼる先天説 を皆考 えている。銀河
思 うし,超銀河団発生 のゆ らぎの原因は相 当過去 (
は どち らに入 るのかの分れ 目にあた るO先天説 な らバ リオ ン数 の非一様 を考 えるのが自然 であろ う。非一
様形成 の原因 としては s
of
tCP Vi
ol
at
i
o
nと非-様 な膨張宇宙 モデルの 2通 りある。 これ とは別 に G
UT
相転移時 の地平線 を越 えるスケールでのランダム さがェネルギー密度 のゆ らぎ発生 を引 きおこす とい う考
え もある。銀河 が分布 してい る現在 の宇宙 の天体的構造 の起源 は遠 く OUT相転 移時 の高 エ ネルギー現象
にあるのか も知れ ないO
§5 宇宙 の中での物理
かって Mac
hらの経験主義者 は自然科学 は 「
経験 の関係」 のみ を記述 すべ きであると主張 した。Mac
h
はそれ を徹底 さしてNe
wt
on慣 性系 の先験性 を批判 し,慣性系 は宇宙の星 々に対 して 相対的 に決 っている
h の徹底 さが逆 に と
とい う考 えを述べ た。原子 さえ見 よ うとせず,宇宙論 を も徹底的 に嫌 っていた Mac
てつ もなく s
pe
c
ul
a
t
i
veな思考 に導 いたわけである。 この考 えは宇宙 の構造 が局所的物理法則 を規定 して
いるとい う発想 を述べた もので,慣性系 の問題 に限 らず こ うい う考え方全体 が現在 は Mac
h原理 と呼ばれ
p
)
の原型 である。
てい る。 これが §2で述べた(
1937年 に Di
r
a
cが唱 えた l
a
rgenumbe
r仮説 もこの Mac
h原理 の-種 である。例 えば
C
2′
/
H lnN(C/H)
■
l
■
′C
2c
2
∼
G
7
nN 7
ne
% ∼ 1040
3]
e /me
といった関係 に注意す る。月1まHubb
l
e定数,三項 目は Hubbl
e半径 内の核子数である。Di
r
ac は こ う
い うl
ar
genumber間の関係は偶然 ではな く,時間が変 って も成立す る と考 える。その結 果, H11∝ i
のよ うに変化するか ら,例 えば重力定数 Gが t
-1 のよ うに減 少す るか も知れ ない。
「
経験 の関係 」を堅苦 しくとれば我 々の物理 は この宇宙 のこの場所での今 の時期の ものである。 しか し
まず場所的 には一様性 を前提 に どこで も一緒 だ と考 えるo これ をコペルニクス原理 あるいは宇宙原理 と呼
c
uum の相
んでい る。時間的 に もビッグ†
ヾン初期 の研究 はある種 の経験 を我 々に与 えてい る。 GUTの Va
転 移 のよ うに確 かに時代 によって相互作用 の様子 も変 って くるが,我 々はその時 は超越 して不変 な法則 を
知 っている。残 るは "この宇宙 "とい う枠 を変 えれば局所物理法則の内の どの部分が変るのかである。種
々な物理 "定数 '
'とい うの も実 は今の宇宙 での経験 なわけで, そ うい う経験 を越 えて も不変 に止 まる原理
や定数 は何 か とい う問題 である。量子重力や重 力 を含む統一理論 ではこ うした宇宙論 との絡 みあいが,本
質的 になる と考 え られ ている。地球物理 は地球 とい う偶然的存在 を対象 としてあるよ うに,物理 も我 々の
宇宙 とい う存在 での偶然的法則性 であることには変わ りない。宇宙 と基礎物理 の関係 はある意味 で本質 で
ある。
- p55-
文献 と注
1)
sol
ve
y会議 は 10月 22- 29日に予定 されていたが, 湯 川 は 9月初 め と末 に あ る別 の会 議 で
の講演依頼 が各 々 Pa
ul
i及 び He
i
s
e
nbe
r
gか らきていた。湯川 はベル リン滞在 中の 8月 25日に,
ナチ スのポー ラン ド侵攻 が迫 って,多 くの在独 日本人 とともに ドイツを立退 いた。第二次大戦 の開
極微
戦 日は歴史 の本 では 9月 3日になってい る。 この時 のことについては, 「欧米紀行」 (湯川 「
の世界」岩波書店, 1942年 )に くわ しい。
2)
sol
ve
y会議 のテーマは Hpr
obl
e
msofe
l
e
me
nt
a
r
y pa
r
t
i
c
l
e
sa
nd t
he
i
rmut
ua
li
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e
r
a
c
t
i
ons
H
であった.予定 され て いた講 演 の一 つ に We
i
z
左
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ke
rHa
s
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r
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Me
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onf
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e
son phys
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c
s
り(
D.Re
i
de
l
pr
ope
r
t
i
e
sofpa
r
t
i
c
l
e
s
"がある.J.
Pub.1975)参照 。
上の 「
欧米紀行」 には特 に宇宙 の ことにつ いてはふれてないが,単行本 に載 るに際 しての「
追記」
に 「尚最近 の著 しい傾向 は,核物理学が一方 では天体物理 や地球物理 に応用 され ると共 に,他方 で
は医療 や生物 学のみ な らず,化学や冶金等応用方面 の研究 に も盛 んに使 はれ出 したこ とである。」
と記 している。
3)
荒木教授 は戦争 中 「
大 日本言論報国会」 の役 員 など していたため感ず るところあって辞表 を提出
した。当時 まだ 4
8才 で あ った。
4)
この辺 の事情 は 「自然」 1980年 8月号, 26に くわ しい。
5) 例 えば早川幸男 「自然
湯川追悼特集 号」 1
981年 11月
6)
S.ワインバー グ 「宇宙創成
は じめの三分間」 (ダイヤモン ド社 ), 1
67- 168p.
7)
H・Sa
t
o,Dor
os
hbe
i
r
i
c
he
ta
l"lot
h Te
xa
sSympos
i
um"Ann Ne
w Yor
k Ac
a
de
my(
1982)
佐藤文隆 科学 (岩波 )1982年 7月号
8) A.L.Me
l
ot
t
,Mont
h,Not
i
c
e R.A.S.
ー p56-