平成24年度 特許出願技術動向調査 -磁性材料-

平成24年度 特許出願技術動向調査
-磁性材料-
平成25年4月
特許庁
問い合わせ先
特許庁総務部企画調査課 技術動向班
電話:03-3581-1101(内線2155)
調査期間:
特許文献:
優先権主張年(PCT/パリ
ルートおよび国内優先権)
2000年~ 2010年
非特許文献: 発行年
調査対象:
2000年~2011年
日本特許文献を含むファミリー : 約5,800件
外国特許文献のみのファミリー : 約2,100件
非特許文献
使用DB:
特許文献
: 約8,000件
: Derwent World Patents Index1
(WPI)
非特許文献 : JSTPlus2
1:トムソン サイエンティフィック リミテッドの登録商標
2:独立行政法人科学技術振興機構の登録商標
1
目次
1.調査対象技術
2.特許出願動向
3.研究開発動向
4.市場動向
2
1.調査対象技術
応用産業
用途
・磁石用
・磁気記録用
情報・通信
(HDD/DVD/磁気テープ)
・磁気ヘッド用
・複写・プリンタ用
(磁性トナー)
金属・合金系
硬質磁性材料
磁性材料
・炭素鋼
・アルニコ磁石
軟質磁性材料
製造技術
・薄膜
・シート
・粒子/粉末
・バルク 等
・各種モータ用
[鉄窒化物]
[ソフトフェライト]
[複合軟質磁性材料]
・MnZn系
・NiZn系
・CuZn系
[焼結技術]
・迅速焼結
・粒界制御焼結
・温度傾斜焼結
・マイクロ波用
(電子レンジ)
・圧粉磁心* 等
*金属磁性粉末に樹脂などの
バインダーを混合して成形したもの
[表面処理(被膜形成)技術]
・電気めっき/化学めっき/溶融めっき等
・絶縁膜/耐腐蝕膜等
・無機材料/有機材料
・有機系/無機系
・熱可塑性高分子系/
熱硬化性高分子系
・プラスチック系/ゴム系
産業用ほか
(FA・ロボット等)
[ボンド磁石]
・フェライトゴム磁石
・希土類ゴム磁石
・フェライトプラスチック磁石
・希土類プラスチック磁石
原材料
・結晶/アモルファス
・単結晶/多結晶
(焼結体 )
[磁性体の形状]
医療
(MRI等)
複合磁性材料
[ハードフェライト]
結合剤
磁性体の構造
[磁性体の形態]
[成形技術]
・プレス成形
・射出成形
・磁場中成形
・変圧器の
鉄心・コア用
・バリウムフェライト
・ストロンチウムフェライト
・鉄 ・電磁鋼板(ケイ素鋼)
・パーマロイ(Fe-Ni)
・スーパーマロイ
・センダスト
・パーメンジュール(Fe-Co)
・アモルファス金属
・ナノ結晶磁性合金
[粉末形成技術]
・機械的方法
・化学的方法
・アトマイズ(噴霧)法
家電
(エアコン等)
無機化合物系
[希土類磁石]
・サマリウムコバルト系
・ネオジム鉄ボロン系
・サマリウム鉄窒素系
[ナノコンポジット磁石]
今回の調査対象範囲
・種類別磁性材料、
磁性材料の製造技
術、原材料、結合
剤、磁性体の構造
等の技術について
調査した。
・磁性材料の用途、
課題についても調
査、分析した。
エネルギー
(風力発電等)
自動車
(HEV/EV)
[着磁技術]
・静磁場による着磁
・パルス磁場による着磁
・ フェライト ・鉄
・ その他原材料
・レアアース
(Nd, Dy, Sm等)
次世代新規磁石
(省Dy,脱Dy/省Nd,脱Nd)
課題
1.磁気特性の向上(高保磁力、高透磁率、高飽和磁束密度等)
2.原料調達リスクの低減(Dy使用量の低減、Nd使用量の低減、レアアースのフリー化等)
3.耐久性の向上(耐熱性、機械的強度、耐湿性等)
4.磁気記録特性の向上(高密度記録、高繰り返し記録等)
5.製造技術の向上(製造コストの低減、生産性の向上、製造の容易性等)
6.その他の課題
3
2.特許出願動向
-出願人国籍別出願件数推移と出願比率-
・調査期間を通して特許出願件数は、日本が約3/4を占めている。
・日本からの出願は漸減傾向、特に2008年の減少が大きい。
・2005年以降、中国からの出願が増加している。
【出願人国籍別出願件数比率(優先権主張年2000~2010年)】
1,600
中国籍
1,047件
欧州国籍 8.6%
912件
7.5%
韓国籍
253件
2.1%
米国籍
566件
4.6%
日本国籍
9,294件
76.2%
合計
12,193件
1,453
1,337
1,400
その他
121件
1.0%
【出願人国籍別出願件数推移】
1,235
1,200
出
願
件
数
1,247
1,163
1,089
1,082
1,124
910
1,000
885
800
668
600
400
200
0
2000
2001
日本
2002
米国
2003
2004
2005
2006
出願年(優先権主張年)
欧州
中国
2007
韓国
2008
2009
その他
2010
合計
注:2009年以降はデータベース収録の遅れ、
PCT出願の各国移行のずれ等で、全データを
反映していない可能性がある
4
2.特許出願動向
-出願人国別-出願人国籍別出願件数収支-
【出願人国別-出願人国籍別出願件数収支】
日本への出願
5,792件
中国籍
韓国籍
欧州国籍 8件
33件
0.1%
112件
0.6%
1.9%
米国籍
89件
1.5%
その他
19件
0.3%
日本国籍
5,531件
95.5%
中国籍
31件
1.7%
欧州国籍
188件
10.3%
米国籍
233件
12.8%
112件
89件
米国への出願
1,827件
欧州への出願
1,631件
韓国籍
38件
2.1% その他
54件
3.0%
8件
33件
1,283件
韓国籍
23件
1.4%
中国籍
9件
0.6%
982件
欧州国籍
467件
28.6%
127件
日本国籍
1,283件
70.2%
188件
31件
日本国籍
982件
60.2%
米国籍
127件
7.8%
38件
その他
23件
1.4%
9件
23件
・日本国籍出願人の出願
収支は何れの国にも支
出(日本からの出願)
が収入(日本への出
願)より圧倒的に多い。
・日本国籍出願人は、中
国 以 外 の 米 欧 韓 でも過
半 数 の 特 許 を 出 願して
いる。
・米国、欧州間での収支
は近接している。
・中国籍出願人は自国へ
の出願が大部分であり、
国外への出願は少ない。
71件
65件
中国への出願
2,113件
560件
938件
韓国籍
23件
1.1%
その他
19件
0.9%
74件
日本国籍
938件
44.4%
5件
23件
中国籍
994件
47.0%
52件
中国籍
5件
0.6%
韓国籍
136件
16.4%
欧州国籍
71件
8.6%
米国籍
52件
6.3%
欧州国籍
74件
3.5%
米国籍
65件
3.1%
その他
6件
0.7%
韓国への出願
830件
日本国籍
560件
67.5%
5
2.特許出願動向
-日米欧中韓の出願人属性比率-
【日米欧中韓の出願人属性比率】
日本
研究機関
104件
1.1%
大学
67件
0.7%
個人
22件
0.2%
共同出願
689件
7.4%
企業
8,412件
90.5%
合計
9,294件
個人
研究機関 14件
共同出願
11件
2.5%
30件
1.9%
5.3%
大学
48件
8.5%
企業
463件
81.8%
合計
566件
大学
355件
33.9%
合計
1,047件
研究機関
55件
6.0%
大学
7件
0.8%
合計
912件
個人
11件
1.2%
共同出願
68件
7.5%
企業
771件
84.5%
韓国
中国
個人
87件
8.3%
研究機関
68件
6.5%
欧州
米国
共同出願
88件
8.4%
企業
449件
42.9%
個人
14件
5.5%
研究機関
44件
17.4%
大学
24件
9.5%
合計
253件
共同出願
12件
4.7%
企業
159件
62.8%
・日米欧は、企業からの出願が
大部分。
・中国は大学からの出願も多く、
企業からの出願は半数以下。
・韓国は、研究機関からの出願が
多いことが特徴的。
6
2.特許出願動向
-技術区分別-出願人国籍別出願件数-
【技術区分別-出願人国籍別出願件数】
中分類
種
類
3,193
1A・硬質磁性材料/
永久磁石
1B・軟質磁性材料
3,345
1C・複合磁性材料
2,854
162
256
174
2A・希少原料使用量低減
2C・生産性
課
題
・
目
的
70
26
114
31
10
99
206
44
22
89
178
108
5
20
2G・熱的特性
509
41
2H・電気特性
996
2I・機械的特性
973
283
439
487
139
84
48
109
48
39
17
63
76
60
7
7
11
1
6
17
14
666
81
94
55
35
10
2L・性能安定性
1,216
79
44
85
21
3
7,746
3A・原料調製方法
83
1
109
2,727
3C・焼結・固化方法
3,470
139
3F・製造工程の構成
8
772
885
220
110
307
256
87
25
40
3D・成形品処理方法
4A・磁性材料の形状
6
453
3,112
3B・成形方法
1
3
48
38
2K・性能特性
179
261
377
368
217
74
32
88
29
20
15
8
4
41
87
12
31
554
239
3,086
365
163
60
32
161
43
25
3,048
113
5A・アンテナ
288
2,151
11
13
4
107
75
42
40
1,734
98
73
59
24
25
504
59
107
75
10
10
26
32
20
24
38
50
7
5F・磁気記録
763
5G・磁気センサ
245
5H・スピーカ・マイク
85
5I・電磁加熱
14
119
8
4B・磁性材料の形態
5B・各種モータ
5C・高周波遮断・
電磁波吸収
5D・磁石
用
途
56
227
35
6,411
3G・熱処理
構
造
23
104
2F・磁気特性
2M・回収・再生方法
解
決
方
法
・
手
段
32
146
1
1,545
233
51
360
57
2D・構造特性
2J・安全性・快適性
481
274
2
223
1,002
1,260
2B・コスト
175
488
3
3
9
24
1
5
161
6
43
10
5K・複写・プリンタ
5L・アイソレータ・サーキュ
レータ
5L・アイソレータ・
サーキュレータ
5N・マイクロ波
158
11
22
4
4
5
8
2
47
33
71
113
99
8
4
日本
米国
9
4
欧州
中国
出願人国籍
9
6
5J・弁・スイッチ
1,428
3
・出願人国籍により出願件数の
多寡の違いがあるが、中国以外
の日米欧韓は[硬質磁性材料]よ
りも [軟質磁性材料]の出願件数
が多い。
・日米欧中韓何れの国も、磁気
特性を課題・目的にした出願が
多い。
・解決方法・手段及び構造の出願
件数比率は、何れの国も同様の
パターンを示している。
・日米韓は、各種モータを用途
にした出願が多く、欧中は磁石
を用途にした出願が多い。
3
3
2
1
韓国
その他
7
2.特許出願動向-技術区分別(種類別)-出願人国籍別出願件数推移-
【硬質磁性材料/磁石-出願人国籍別出願件数推移】
600
600
500
453
397
400
出
願 300
件
数
200
【軟質磁性材料-出願人国籍別出願件数推移】
413
優先権主張
2000-2010年
437
379
526
534
優先権主張
2000-2010年
483
500
439
430
419
396
368
335
558
400
300
313
280
354
363
出
願 300
件
数
200
305
230
100
100
0
0
2000
2001
2002
2003
2005
2006
2007
2008
2009
2010
米国
欧州
中国
2000
2001
2002
韓国
その他
合計
日本
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
出願年(優先権主張年)
出願人国籍
出願年(優先権主張年)
出願人国籍
日本
2004
米国
欧州
中国
韓国
その他
合計
【複合磁性材料-出願人国籍別出願件数推移】
600
優先権主張
2000-2010年
567
500
431
384
400
出
願 300
件
数
200
308
381
316
271
302
253
280
162
100
0
2000
2001
2002
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
出願年(優先権主張年)
出願人国籍
日本
2003
米国
欧州
中国
韓国
その他
・何れの全体件数推移も件数の多い日本国
籍出願人の件数推移を反映している。
・硬質磁性材料は2007~2008年で減少し
たがその後ほぼ横ばいで推移。
・軟質磁性材料は、減少傾向を示す。
・複合磁性材料は、2000年代当初減少した
が、その後ほぼ横ばいで推移。
合計
注:2009年以降はデータベース収録の遅れ、PCT出願の各国移行の
ずれ等で、全データを反映していない可能性がある
8
2.特許出願動向-日本と中国の硬質磁性材料/磁石の種類別出願件数推移-
・日本国籍出願人の出願件数は多くの硬質磁性材料で減少傾向にあり、相対的にネ
オジム磁石に出願が集中。
・中国籍出願人の出願件数は少ないが、ネオジム磁石やフェライト磁石で増加傾向。
【硬質磁性材料/磁石の種類別出願件数推移】
日本国籍出願人
1A00・硬質磁性材料/
永久磁石
6
19
1A10・炭素鋼
37
24
7
7
1A20・窒化鉄
8
1A30・アルニコ磁石
1
16
39
15
1
21
22
4
13
2
4
9
1
中国籍出願人
6
3
5
9
1
4
9
21
29
40
25
15
18
13
6
14
1A4a・希土類元素-鉄合金
43
25
41
24
14
38
11
9
10
13
1A50・希土類-コバルト磁石
12
18
22
9
1A5a・サマリウムコバルト
(SmCo)磁石
63
40
35
5
26
15
15
1A60・希土類-鉄族ボロン磁石
57
85
20
78
21
76
1A6a・ネオジム鉄ボロン
(Nd-Fe-B)磁石
205
167
198
144
241
1A70・希土類-鉄族-窒素磁
石
35
26
5
26
1A7a・サマリウム鉄窒素
(Sm-Fe-N)磁石
73
46
82
50
22
29
18
5
6
1
3
27
19
4
11
27
11
6
183
216
195
133
136
23
10
61
33
27
15
22
3
35
7
1A90・フェライト磁石
59
41
22
49
40
32
24
38
16
19
1A9a・Baフェライト
7
48
21
28
24
9
12
13
14
7
1A9b・Srフェライト
17
49
29
40
45
34
19
33
14
9
19
8
2005
2006
5
2000
2001
1
2002
2003
2
3
2004
4
出願年(優先権主張年)
2007
2
2
4
1
4
1
1
1
2
1
2
5
3
1
8
2
1
2
1
1
1
1
2
3
1
3
4
1
2
1
1
9
1
1
2009
4
10
23
23
43
42
1
4
3
3
3
4
43
1
2
3
2
3
1
2
4
1
4
2
2
1
1
2
2
5
1
5
6
1
2
3
2
1
33
5
5
2
1
3
12
4
2
3
1
2
3
2
2
4
5
4
2
1
18
5
3
9
1
4
1
3
2
11
4
9
1
2008
1
2
1
2
1
3
1
2
3
2
1
166
20
6
4
10
4
1A80・ナノコンポジット磁石
1A9c・Caフェライト
3
20
2
2
3
1A8a・異方性ナノコンポジット
磁石
4
6
7
2
2
2
1
34
12
1
1
1
5
1
2
1A40・Fe基硬磁性合金
3
4
11
9
11
28
2
3
9
25
1
2
48
3
24
9
7
12
2008
2009
4
4
2010
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
出願年(優先権主張年)
2007
注:2009年以降はデータベ
ース収録の遅れ、PCT出願の
各国移行のずれ等で、全デ
ータを反映していない可能
性がある
2010
9
2.特許出願動向-日本と中国の軟質磁性材料の種類別出願件数推移-
・日本国籍出願人は、特定の磁性材料に集中せず広く出願。
多くの磁性材料で出願件数が漸減傾向にあるが、方向性電磁鋼板は2005年以降
ほぼ横ばいで推移。
・中国国籍出願人はMn-Znフェライトやアモルファス金属等に集中して出願。
【軟質磁性材料の種類別出願件数推移】
日本国籍出願人
1B00・軟質磁性材料
1B10・鉄(鋼)
3
22
27
46
25
43
59
37
6
30
27
71
42
77
62
43
70
26
34
32
6
4
5
15
31
31
34
52
44
1B1a・B含有Fe
1B20・電磁鋼板(ケイ素鋼)
中国籍出願人
1
29
1
6
10
7
7
25
15
18
1B2a・方向性電磁鋼板
90
101
71
32
50
51
69
38
47
52
61
1B2b・無方向性電磁鋼板
60
44
41
45
58
36
21
20
33
32
23
1B30・ナノ結晶磁性合金
9
9
5
2
8
7
8
11
8
6
1
1B3a・Fe基ナノ結晶磁性材
21
23
20
11
18
7
20
14
1B40・ソフトフェライト
63
79
59
49
62
58
48
53
19
10
5
1B4a・MnZnフェライト
62
63
60
66
63
30
37
32
28
26
14
2
1
1
1
2
5
4
4
1
7
50
37
60
27
18
29
24
4
12
14
22
18
5
5
18
10
4
6
1B50・パーマロイ(Fe-Ni)
35
23
30
58
70
30
33
31
17
5
3
1
3
1
1B80・パーメンジュール(FeCo)
3
1B90・アモルファス金属
43
1B9a・金属ガラス合金
14
2000
2
7
13
4
24
21
64
24
17
29
24
12
13
23
34
29
16
22
5
6
5
27
25
35
33
21
1
2001
9
2002
17
2003
2004
1
2005
61
43
34
12
10
11
2006
2007
2008
出願年(優先権主張年)
2
1
1
1
1
1
1
1
3
1
5
2
1
1
2
1
1
1
7
3
17
1
1
3
2
2
3
1
2
1
5
3
17
11
24
26
13
11
10
5
10
23
11
2
1
2
3
11
20
31
2
4
5
2
2
37
2
5
5
18
1
1
1
4
28
3
2
15
51
10
1
1
1B4b・NiZnフェライト
1B70・センダスト(Al-Si-Fe)
1
5
1B4c・CuZnフェライト
1B60・スーパーマロイ(MoNi-Fe)
1
2
29
3
1
2
2
2
1
3
2009
1
1
10
2
4
1
2010
2000
2001
2
4
2002
3
7
3
4
1
2003
10
7
1
2004
2005
2006
出願年(優先権主張年)
2007
3
4
15
8
1
2008
2
2009
1
2010
注:2009年以降はデータ
ベース収録の遅れ、PCT出
願の各国移行のずれ等で
、全データを反映してい
ない可能性がある
10
2.特許出願動向
-ネオジム磁石の登録件数推移予測-
・ネオジム磁石の基本特許は日立金属が米国で保有(2014年7月権利満了)。
・日本国籍出願人は、2014年以降も国外で600件程度の権利を保有。米国での
登録が最も多く、中国、欧州と続く。
・今後新たに権利登録を行わなければ2021年にほぼ半減。
【ネオジム磁石に関する日本国籍出願人の2014年7月以降の登録件数推移予測】
600
550
500
450
400
存 350
続
件 300
数
250
200
150
100
50
0
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
年
2021
2022
2023
出願先国
米国
欧州
中国
韓国
2024
2025
2026
今後新たに権利登録を行われない場合を想定
出願年(優先権主張年)1994-2010年
11
3.研究開発動向-研究者所属機関国籍別発表件数推移と発表件数比率-
・発表件数は漸減傾向。特に、2000年代後半で日米国籍による発表件数が低下。
・欧州及びその他(日米欧中韓以外の国籍)は、横ばいかやや漸減傾向。
・国籍別の論文発表件数比率は、欧州が30.8%でトップであり、その他は21.1%
と割合が高い。
・日米中国籍による発表件数比率は、13%~15%でほぼ横並び。
【研究者所属機関国籍別発表件数比率】
【研究者所属機関国籍別発表件数推移】
400
その他
633件
21.1%
韓国籍
154件
5.1%
日本国籍
420件
14.0%
米国籍
410件
13.7%
中国籍
460件
15.3%
合計
3,003件
391
334
論文発表年
2000-2011年
320
279
300
発
表
200
件
数
269
282
278
203
186
179
153
129
100
欧州国籍
926件
30.8%
0
2000
2001
2002
2003
2004
2006
2007
2008
2009
2010
2011
論文発表年
出願人国籍
日本
2005
米国
欧州
中国
韓国
その他
合計
12
3.研究開発動向-技術区分別-研究者所属機関国籍別発表件数-
【技術区分別-研究者所属機関国籍別発表件数】
中分類
種
類
課
題
・
目
的
1A・硬質磁性材料/
永久磁石
1B・軟質磁性材料
156
176
268
250
1C・複合磁性材料
34
1
2B・コスト
構
造
199
107
260
60
404
18
1
1
13
6
5
8
3
2C・生産性
10
2
22
23
36
5
2D・構造特性
6
16
18
11
2F・磁気特性
362
365
819
420
2G・熱的特性
43
40
111
57
2H・電気特性
36
54
130
73
27
67
2I・機械的特性
21
2J・安全性・快適性
24
64
7
40
2L・性能安定性
15
2M・回収・再生方法
11
14
6
6
22
28
2
9
2
545
359
83
51
18
3C・焼結・固化方法
39
34
74
54
21
3D・成形品処理方法
79
88
210
131
4A・磁性材料の形状
182
184
4B・磁性材料の形態
131
110
108
3
188
200
1
5
17
4
8
16
5
7
5
10
49
9
2
26
7
11
38
99
2
9
30
12
70
241
33
203
・何れの国籍による発表件数も、
[硬質磁性材料]より [軟質磁
性材料]が多い。
・論文は構造に関する発表が多
く、 特許出願と異なる傾向。
・用途は[磁気記録]や[磁気セン
サ]に関する発表が多く、特
許出願と異なる傾向。
1
20
57
75
148
50
13
5G・磁気センサ
475
24
297
1
5B・各種モータ
5C・高周波遮断・
電磁波吸収
5D・磁石
5F・磁気記録
15
49
373
17
1
44
17
34
4
228
4
24
2
51
15
87
118
32
22
252
10
19
11
3B・成形方法
3G・熱処理
8
566
3A・原料調製方法
3F・製造工程の構成
47
4
141
47
3
5A・アンテナ
用
途
35
222
660
19
2A・希少原料使用量低減
2K・性能特性
解
決
方
法
・
手
段
250
1
4
3
10
10
4
5
19
4
11
5H・スピーカ・マイク
1
5I・電磁加熱
5J・弁・スイッチ
5K・複写・プリンタ
5L・アイソレータ・サーキュ
レータ
5M・変圧器・安定器
2
1
1
5
5N・マイクロ波
5
3
日本
14
1
1
6
米国
欧州
中国
研究者所属機関国籍
10
1
2
韓国
その他
13
3.研究開発動向-技術区分別(種類別)-研究者所属機関国籍別発表件数推移-
【軟質磁性材料-研究者所属国籍別発表件数推移】
【硬質磁性材料/磁石-研究者所属国籍別発表件数推移】
250
200
論文発表年
2000-2011年
154
150
221
223
209
235
論文発表年
2000-2011年
206
200
200
130
110
発
表 100
件
数
148
108
89
75
発 150
表
件
数 100
83
64
58
65
63
117
116
107
89
78
39
50
50
0
0
2000
2001
2002
2003
2004
米国
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2000
2001
2002
2003
2004
論文発表年
研究者所属機関国籍
日本
2005
中国
韓国
その他
合計
日本
米国
2006
2007
2008
2009
2010
2011
論文発表年
研究者所属機関国籍
欧州
2005
欧州
中国
韓国
その他
合計
【複合磁性材料-研究者所属国籍別発表件数推移】
30
26
25
25
論文発表年
2000-2011年
23
20
17
17
16
発
表
15
件
数
10
16
15
13
12
8
3
5
0
2000
2001
2002
2003
2004
米国
2006
2007
2008
2009
2010
2011
論文発表年
研究者所属機関国籍
日本
2005
・硬質磁性材料の発表件数は、穏やかな
減少傾向。
・軟質磁性材料は、2008年まではおおむ
ね100件~250件で推移。それ以降は減
少傾向。
・複合磁性材料は、2004年から2006年に
かけて発表件数のピークがあったが、
近年は減少傾向。
欧州
中国
韓国
その他
合計
14
4.市場動向
-硬質磁性材料の市場-
【各種硬質磁性材料の地域別生産量(2007年)】
焼結磁石(単位トン)
アルニコ
磁石
フェライト
磁石
ボンド磁石(単位トン)
Nd磁石
Ndボンド
磁石
フレキシブル
フェライト
日本
300
32,700
10,100
600
3,970
中国
2,000
370,000
16,900
3,200
東南アジア
800
21,600
米国
300
20,000
欧州
600
18,000
その他
800
40,000
合計
4,000
502,300
27,800
リジッド
フェライト
合計
9,800
生産
比率(%)
57,470
8.0
64,000
4,950 461,050
63.8
1,000
10,700
6,800
40,900
5.7
160
26,500
3,800
50,760
7.0
150
41,000
1,300
61,850
8.6
170
9,000
900
50,070
6.9
5,280
155,170
27,550 722,100
出典:まぐね3(11),p525(2008)
【ネオジム磁石の応用産業別世界需要予測】
・ネオジム磁石の生産量が急
増し、売上高でフェライト
磁石を逆転し、その差が開
きつつある。
・ネオジム磁石の生産は、中
国と日本で大半を占めてい
る。
・フェライト磁石も中国の生
産が74%、日系の海外生産
を含めると日本は16%を占
め2国で90%を占める。
【硬質磁性材料の材料別世界市場推移予測(金額ベース)】
10
18000
16000
8
風力発電
情報通信
エレベータ
家電
自動車
万トン
6
4
2
売上高(百万ドル)
14000
12000
10000
Nd磁石
フェライト磁石
硬質磁性材料合計
8000
6000
4000
2000
0
2010
2015(予測)
2020(予測)
年
出典:日経ナレッジバンク2011/12/01(出所 三菱総合研究所調べ)
0
1985
1990
1995
2000
2005
年
2010
(見込み)
2015
(予測)
2020
(予測)
15
出典:Adv. Mater. & Proc. August 2009 p27を基に編集
4.市場動向
-軟質磁性材料の市場-
【軟質磁性材料の世界の種類別生産比率】
約1,000万トン/年(2007年)
アモルファス金属
7%
電磁鋼板
95%
圧粉磁心
5%
その他
5%
ソフトフェライト
86%
パーマロイ
2%
出典:三菱化学テクノリサーチで各種資料を集計して作成
・軟質磁性材料の生産量の大部分は電磁
鋼板。国内生産の約半分は、輸出に向
けられている。
高品質の方向性電磁鋼板は、日本が世
界の30%以上のシェアを保持。
・ソフトフェライトは、国内メーカーの
海外移転などで国内生産は以前に比べ
て減少。
【国内電磁鋼板の生産、輸出入量推移】
【ソフトフェライトの国内売上高推移】
700
600
2,000
500
1,500
生産量
輸出
輸入
1,000
売上高(億円)
生産量、輸出入量(千トン)
2,500
400
300
200
500
100
0
2008
2009
2010
年
2011
0
2000 2001 2002
2008 2009 2010 2011
年
出典:経済産業省生産統計及び財務省関税局資料
出典:JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)/電子材料生産実績
16