研究の動向 - 西海区水産研究所

西海ブロック水産研究及び水産業情報 (県水産試験場等)
No.62 平成20年11月(平成20年7月~9月分)
水
産
資
源
関
係
西海区水産研究所
水産海洋・漁場環境保全関係
水
産
増
養
殖
関
係
その他(水産利用加工、
水産経済関係、災害等)
山口県
*7月アカムツ調査、8月メダイ調査、い
わし抄網LED 集魚灯試験、7~9月間伐
材魚礁調査を行った。
*7~9月各月沖合定線観測を行った。
赤潮の発 生 状 況 は 、 7/23~8/8に響灘及び
油谷湾で カ レ ニ ア ミ キ モ ト イ が 発 生 し
たが、漁業被害は見られなかった。
*キジハタ種苗生産試験を7/10~8/26にかけ
て実施し、全長27㎜の種苗115,725尾(生残率
12.4%)を生産した。引き続き中間育成し、全
長50~60㎜の種苗約3.5万尾を県下各地に放流
した。
*タチウオ(水分、灰分、粗脂
肪)の成分分析を実施した。
漁協婦人部を対象にスルメイカの
加工品開発を実施した。
福岡県
*筑前海:マダイの幼魚分布調査、アジ等
の浮き魚資源を対象とした漁獲物調査、ケ
ンサキイカ産卵場調査、トラフグの人工種
苗放流(7~8月標識漁含む)、トラフグ
漁獲物調査、イカナゴ資源調査。
*有明海:タイラギ調査、アサリ調査、サ
ルボウ調査、ガザミ調査、食用クラゲ調
査、その他魚介類漁獲状況調査。
*豊前海:アサリ資源量調査、小型底びき
網調査、ナルトビエイ調査。
*内水面:小石原川・佐田川資源調査。
*筑前海:浅海・沿岸・沖合定線調査、漁
場環境保全事業(漁場環境調査、赤潮発生
監視調査、貝毒発生監視調査)、水質監視
調査。
*有明海:浅海定線調査、漁場環境保全事業
(漁場環境調査、赤潮発生監視調査、貝毒発
生監視調査)、水質監視調査、エチゼンク
ラゲの分布調査。
*豊前海:新漁業管理制度推進情報提供事
業調査(旧浅海定線調査)、漁場保全調
査、赤潮・貝毒調査。
*内水面:矢部川・筑後川の水質調査。
*筑前海:アマノリのDNA解析、中間育成ク *筑前海:アサリ加工試験、水産
ルマエビのPAV検査、KHV検査、磯根資源調
物加工体験教室。
査、カキ養殖調査、アコヤガイ養殖調査。
*有明海:ノリの品種判別試験、ノリの優良
形質選抜法の開発、ノリの室内培養による品種
評価法の開発試験、河川水由来の栄養塩の有効
利用技術の開発調査。
*豊前海:カキ養殖調査。
*内水面:ハヤの資源回復試験。
佐賀県
*玄海:資源評価調査。
*有明:アゲマキ天然発生調査、タイラギ
生息状況調査、漁獲物動向調査(市場調
査)。
*玄海:温排水影響調査、藻場ライン調査
(仮屋)、赤潮・貝毒調査、漁場環境調査
(玄海一円)、生物モニタリング調査(仮
屋湾)、地球温暖化影響評価調査(海洋調
査及び聞き取り調査)。
*有明:浅海定線調査、沖合モニタリング
調査、漁場環境モニタリング調査(底質、
マクロベントス)、漁場環境調査(感潮
域)、貧酸素水塊漁業被害防止対策調査分
析、赤潮調査、貝毒調査、エチゼンクラゲ
生態調査。
*玄海:クルマエビ、トラフグの放流、ク
ルマエビ追跡調査、カサゴ、クエの放流、
カサゴ、オニオコゼ、クエの追跡調査、ア
カガイ養殖試験(伊万里湾)、貝毒(PSP)
HPLC分析、養殖日誌記帳調査、アカウニ、
ナマコの種苗生産試験、稚ナマコの減耗防
止開発試験。
*有明:カキ天然採苗試験、マガキ、イワ
ガキシングルシード篭垂下養殖試験、シカ
メガキ篭垂下養殖試験、サルボウ浮遊幼
生、付着稚貝調査、サルボウ漁場利用実態
調査、アゲマキ放流技術開発試験、アゲマ
キの囲繞提を使用した底質改善試験、ガザ
ミ放流追跡調査、壺状菌(海水、泥)の検
出調査、スミノリ原因細菌のモニタリング
調査。
研
究
の
動
向
*玄海:加工品開発、販売支援
「燻製赤貝」(鹿島市女性部)。
西海ブロック水産研究及び水産業情報 (県水産試験場等)
No.62 平成20年11月(平成20年7月~9月分)
水
長崎県
研
究
の
動
向
産
資
源
関
係
*アマダイ調査(対馬:7~9月)、トビ
ウオ調査(五島:7~9月、北松:7~9
月、対馬:7~9月)、トビウオ船びき網
試験(五島:9月)、アジ・サバ調査(西
彼:7月)、カタクチイワシ調査(橘湾:
7月)。
西海区水産研究所
水産海洋・漁場環境保全関係
*沿岸定線調査(五島灘、西沖:7~9
月)、浅海定線調査(有明海:7~9
月)、クラゲ調査(五島、対馬:8、9
月)、クラゲ幼生調査(有明海:7、8
月)、赤潮調査(諫早湾:7、8月、大村
湾:7、9月、伊万里湾:8、9月、薄香
湾:7、8、9月)、貝毒調査(対馬地区
:7、8、9月、島原地区:7、8、9
月)、干潟域環境・アサリ調査(小長井町
:7、8、9月)、有明海浮遊物調査(9
月)。
水
産
増
養
殖
関
係
*標識放流:トラフグ7月(有明海他7cm
、91,850尾)、ガザミ:8月(有明海C6~
C7、5,000尾)。
*追跡調査:放流トラフグ(9月)、放流ガ
ザミ(8~9月)、放流クエ(7月)。
*天然資源、漁獲実態調査:トラフグ当歳魚
調査(9月)、オニオコゼ漁獲物調査(7~
9月)、ガザミ漁獲物調査(7~9月)。
*種苗生産、中間育成:
クエ、マハタ:5月にホルモン処理によっ
て採卵し、種苗生産試験を開始、7月下旬に
はクエ稚魚25,300尾マハタ稚魚500尾を生産し
た。
カワハギ:5月上旬に陸上水槽内自然産卵
で受精卵を確保し、種苗生産試験を開始し、
7月下旬に稚魚1,200尾を生産した。
クロマグロ:7月下旬に(独)水産総合研
究センター奄美栽培漁業センターから譲与さ
れた受精卵を用いて種苗生産予備試験を実施
し、8月21日に稚魚935尾を生産した。生産し
た稚魚は直ちに五島市まで輸送試験と現地で
の養殖試験に供した。
アカアマダイ:9月下旬から対馬市上対馬
町において、天然漁獲物からの採卵試験を開
始した。
*トリガイ種苗生産後の中間育成試験、ク
マサルボウ種苗生産試験・中間育成試験、
タイラギ種苗生産試験、タイラギ生息状況
調査(諫早湾)、藻場調査(9月から秋季
調査)、ベコ病の実態調査(シスト調査
等)、マハタのウイルス性疾病対策試験、ト
ラフグに対するオキシテトラサイクリン効能
試験、マハタ適正栄養要求試験、電解ろ過水
槽の実用化試験。
その他(水産利用加工、
水産経済関係、災害等)
*加工技術など指導(7~9月)
:技術相談29件153人(内施設利
用8件43人)、研修会6回101
人、巡回指導2回18人、来訪者
153人。
*研究技術開発:発酵技術を利用
した水産加工新製品の開発、イカ
肉の高度有効利用技術の開発、長
崎県産魚を原料とした機能性醗酵
食品(さかな味噌)の開発、塩干
品高品質化原料調査研究事業。
西海ブロック水産研究及び水産業情報 (県水産試験場等)
No.62 平成20年11月(平成20年7月~9月分)
水
研
産
資
源
関
係
西海区水産研究所
水産海洋・漁場環境保全関係
産
増
養
殖
関
係
その他(水産利用加工、
水産経済関係、災害等)
熊本県
*マダイ・ヒラメ・クルマエビの放流魚混
獲率調査、カタクチイワシ資源量調査、卵
稚仔調査・稚魚調査、藻場関係調査、アサ
リ干潟調査、タイラギ資源モニタリング調
査。
*有害プランクトン等モニタリング調査、
浅海・内湾定線調査、浦湾(養殖漁場)調
査。
*持続的養殖生産推進事業、養殖魚介類生
産安定対策事業、環境適応型ノリ養殖対策
試験、海面養殖ゼロエミッション推進事
業。
*水産物付加価値向上事業、水産
物安全安心確保推進事業。
大分県
*魚市場調査、立体的魚礁効果調査、標本
船調査、タチウオ資源調査、アジ・サバ生
態調査、アサリ資源調査、カニカゴ目合拡
大試験。
*沿岸・浅海定線調査、赤潮・貝毒調査、
磯焼回復試験、ナルトビエイ生態調査、ミ
ズクラゲ生態調査、河川環境保全調査、濁
水影響試験。
*耐病性アコヤガイ・ヒラマサ・カワハギ
・マハタアサリ・イワガキ・イタボガキ種
苗生産試験、ヒジキ増養殖試験、アワビ・
クルマエビ・カサゴ・トラフグ・アサリ・
マコガレイ放流効果調査、イワガキ・ミル
クイ養殖試験、ブリ・カワハギ餌料試験、
ヒラメ・海藻・アワビ複合養殖現地試験、
ヒラメ健康管理技術開発、ドジョウ稚魚生
産供給及び生産技術指導、スッポン種苗生
産、県産アマゴ春採卵技術開発、アユ放流
試験・親魚養成、ホンモロコ飼育試験、コ
イヘルペスウイルス病(KHV)検査、淡
水魚養殖漁家巡回指導。
*ブリ肉質評価試験。
宮崎県
*主要浮魚類資源調査、資源回復計画関連
調査等。
*沿岸定線調査、沖合定線調査。
*赤潮プランクトン定期調査:大分県境北
浦湾で1回/月実施。赤潮の発生なし。
*カサゴの放流効果調査:平成12年から毎
年標識放流を行っている海域での標識放流
カサゴの追跡調査(結果混獲率5.6%)。
*種苗生産:カワハギ種苗生産試験。
*養殖関係: カタクチイワシ等による養殖
飼料開発試験。
*水産加工利用:鮮度低下の早い
魚種の鮮度保持試験、九州・沖縄
地域食品流通・加工研究会の開
催。
*魚礁効果調査技術開発。
鹿児島県
*漁海況週報の発行:第2262~2273報。
*200カイリ水域内漁業資源調査:アジ、
サバ、イワシ等の精密測定、カタクチイワ
シ、マイワシ等の卵稚仔調査等。
*ヨコワ調査:7/1~11、奄振調査事業に
よるヨコワ調査を実施。奄美北部海域を探
索したが採捕なし。
*マチ類保護区漁獲調査:7/11、8/26及び
9/10に周年保護区の屋久新曽根における漁
獲調査を実施。7/11はハマダイ1尾、8/26
*沖合定線海洋観測:8、9月各1回実
施。
*表面水温は、全海域月平均で7月はやや
高め、8月はかなり高め、9月(中旬ま
で)は各海域の旬平均で平年並み~やや高
めで推移。
*黒潮北縁域(佐多岬~笠利埼間)は、離
接岸を繰り返しながら月平均では7月は平
均的な位置、8月は接岸、9月は離岸傾向
で推移。種子島東の黒潮流軸位置は7、8
*カンパチ種苗生産試験:8/25で本年度の
種苗生産試験を終了。計4ラウンドで84千
尾(全長36~58mm)を生産。過去2番目の
成績。
*スジアラ種苗生産試験:7/4から本年度の
種苗生産試験を開始。9/2に1ラウンド目の
種苗を計数。26,750尾(平均全長約4cm)
が生残。9月末現在中間育成中。
*サバヒー種苗生産試験:8/20、約30万粒
のサバヒ-の受精卵を採卵し今年度のサバ
*研修視察等の受け入れ状況:7
~9月、40団体、291人。
*開放型実験棟(水産加工利用
棟)の運用:7~9月、延べ21団
体、45人利用。
*HPのアクセス件数:7~9月、
107,108件(対前年比104%)。
究
の
動
向
水
西海ブロック水産研究及び水産業情報 (県水産試験場等)
No.62 平成20年11月(平成20年7月~9月分)
水
鹿児島県
研
究
沖縄県
の
動
向
産
資
源
関
係
西海区水産研究所
水産海洋・漁場環境保全関係
水
産
増
養
殖
関
係
はアオダイ6尾、オオヒメ1尾、9/10はア
オダイ20尾を漁獲。7/10~11周年保護区の
沖永良部島北部のファーゾネの漁獲調査を
実施。魚探反応はあるものの漁獲なし。
*メバチ、キハダの標識放流:8/1~3、奄
美大島沖合で標識放流を実施。標識尾数は
メバチ78尾(尾叉長49~64cm)、キハダ17
7尾(32~69cm)。標識は、ダートタグ及
びアーカイバルタグ。
*マチ類(アオダイ、ヒメダイ、オオヒ
メ)の標識放流:8/22~26、種子島南で標
識放流を実施。標識尾数はアオダイ112尾
(尾叉長21~40cm)、ヒメダイ5尾(尾叉
長26~36cm)、オオヒメ1尾(尾叉長46
cm)。標識は、ダートタグ。
月は離岸傾向、9月は概ね平均的な位置で
推移。
*赤潮プランクトン定期調査:鹿児島湾-
7月1回、9月1回実施。八代海-7月3
回、8月4回、9月2回実施。八代海で8
月中旬から9月初旬にかけてシャトネラ
マリーナ赤潮が発生。8/19に赤潮注意報、
8/21に赤潮警報を発令(9/3警報解除)。
ブリ当歳魚4,200尾が斃死し約120万円の被
害。また、鹿児島湾では9月初旬から貧酸
素水塊が発生。9月末現在も継続中。
*藻場造成試験(調査):笠沙、指宿市岩
本、奄美大島の藻場調査や藻場造成を指
導。
ヒーの種苗生産試験を開始。20トン水槽で
の生産は不調。1トンパンラント水槽4面
の飼育では約36千尾(全長平均17.2mm)を
取り上げ、9月末現在中間育成中。
*モクズガニの放流効果調査:8月1回、
9月3回、放流効果調査を実施。放流後約
3年半で甲長約7cmに成長していることを
把握。
*特になし
*特になし
*タマカイ成熟研究:7/25タマカイ親魚に
GnRHaを処理。翌々日に産卵があったが未受
精卵であった。8月上旬生簀飼育のタマカ
イ親魚で自然放精を確認したが、産卵行動
は観察できなかった。
*魚病試験:8月よりチャイロマルハタの
イリドウイルスワクチン臨床試験開始。ま
た、9月より天然魚のVNN感染状況調査
を実施した。
*シャコガイ種苗生産:
ヒレナシジャコ
5-15mm 稚貝110千個体
5mm以下稚貝160千個体
ヒレジャコ
5-15mm 稚貝159千個体
5mm以下稚貝110千個体
ヒメジャコ
5-25mm 稚貝158千個体
5mm 以下 稚貝50千個体
シラナミ
5-15mm
稚貝54千個体
その他(水産利用加工、
水産経済関係、災害等)
*特になし
西海ブロック水産研究及び水産業情報 (県水産試験場等)
No.62 平成20年11月(平成20年7月~9月分)
水
沖縄県
研
究
の
動
向
産
資
源
関
係
西海区水産研究所
水産海洋・漁場環境保全関係
水
産
増
養
殖
関
係
*養殖用ヤイトハタ種苗生産:6月30日~
8月1日に、平均全長65㎜種苗を125千尾配
付。
*魚病発生状況:石垣支所内のヤイトハタ
・チャイロマルハタ二次飼育において7月
上旬からウィルス性神経壊死症が発生し、
飼育魚の約20%が減耗した後、約3週間で本
症は終息した。また、石垣島魚類養殖場
で、7月上旬にヤイトハタにVNNが発症し
た。
沖縄県栽培漁業センター
*スギ:7月上中旬から生産を開始。17.7万
尾(TL140mm)を生産。9月上旬までに養殖
用種苗8.7万尾を出荷。
*ヤイトハタ:8月下旬までに養殖用種苗と
して1.7万尾(TL99-113mm)を生産・出荷。
*タイワンガザミ:7月に2回種苗生産を行
い、計7万尾の稚ガニ(C3~4)を生産。8月
上旬までに放流用種苗として出荷。
*タカセガイ:8月上旬に250万粒採卵、飼
育中。
*シラヒゲウニ:7月上旬に採卵、幼生飼育
を開始。8月上旬232万個の八腕後期幼生を
採苗。11月中旬、取上・放流予定。
*ヒメジャコ:3月生産分は8mmサイズで10
万個、5mmサイズで8万個体を飼育中で、順
次出荷予定。7~8月採卵分は1mmサイズで
約60万個飼育中。
*ナマコ類:6月中旬にハネジナマコの卵を
176万粒採卵し、幼生飼育を開始。7月上中
旬ドリオラリア幼生を計26万個採苗して飼育
中。イシナマコは37万個の幼生を収容して飼
育継続中。
その他(水産利用加工、
水産経済関係、災害等)