成 功 事 例 集 2009 通信回線 応用地質株式会社 高品質のTV会議システムで 全社の技術ノウハウを共有し、 交通費や移動時間を大幅に削減 導入の狙い 打ち合わせのための交通費や移動時間 の削減、コミュニケーションの円滑化 導入システム TV会議システム 『Polycom HDX 7002』 ×3台、 『Polycom HDX 4002』 ×9台 導入効果 時間や労力をかけずに技術者同士の コミュニケーションを深めることで、 社内リソースの有効活用を実現 人と自然の調和を図り、安全と安心を技術で支えて社会に貢献していくことを理念としている USER PROFILE 応用地質株式会社 ● 業種:建設コンサルタント ● 事業内容:建設コンサルタント事業、地 質調査、環境調査、測量、地滑りなどの 対策工事、各種計測機器の開発・製造・販 売など ● 従業員数:約1,100名 (グループ企業全体 約2,000名) TV会議システムの活 用で著しいコスト削減 を果たした応用地質株 式会社 2008年12月取材 12 応用地質株式会社は、地盤に関わる総合建設コンサルタント事業と機器事 業を展開しており、高度経済成長期には、鉄道や高速道路などの社会基盤の 整備に大きく貢献した。現在は、災害対策や環境対策などの幅広い見地か ら、公共事業で培った技術ノウハウを民間事業にも積極的に活かしている。 同社では、経営層のトップダウンにより、ハイビジョン対応のTV会議システ ムを全国の主要拠点に導入。それにより、打ち合わせのための交通費や移動 時間を大幅に削減し、時間や労力をかけずに組織間のコミュニケーションを 深めることに成功している。 トンネルを掘ったり、山を削ったり 地盤に関わるコンサルタントとして 日本の社会基盤整備に貢献 するので地質調査が不可欠になる。 また、関西国際空港のように、海を埋 応用地質株式会社は、1957年の め立てて施設を建設する際にも同社 設立後、 「地質工学の創造」を企業理 の技術ノウハウが必要とされた。さ 念として掲げ、地質調査を中心とした らに身近なものでは、東京タワーや 総合建設コンサルタント事業を展開 横浜ランドマークタワー、レインボー し、日本の社会基盤整備に大きく貢献 ブリッジ、本州四国連絡橋などの建設 してきた。 時にも地盤を調べ、建設のためのコ 鉄道や高速道路を建設する際には、 ンサルティングを行ってきた。近年で ●応用地質株式会社 は、築地市場の移転先として検討さ れている豊洲の土壌汚染の調査も実 施している。 経営層のトップダウンで TV会議の導入を推進 「最近は、施設を安全かつ経済的 同社は、全国に事業所を有してい に建設することに加え、環境に配慮 る。今回、社内の打ち合わせの効率 することも強く求められています。 化を図るためにTV会議システムを新 また阪神・淡路大震災以降は、地震 たに導入することになった。 災害対策面も重要視されるようにな 「これまでは技術ノウハウなどを共 ってきました。そういった需要にも 有するために、東京本社やつくばの 十分に対応できる技術と経験を当社 技術本部などに頻繁に集まって打ち は蓄積しています。このような防災 合わせを行っていました。しかし、そ 分野では、東海地震が起きた場合の の度に交通費や移動時間がかさむの 津波予測を行うシミュレーションを で、そのコストを節減することが大き 行 っ た り 、民 間 企 業 に 対 して は 、 な狙いでした」と香川氏は今回の導入 BCP支援などの災害リスクに関わ 目的について語る。 るアドバイザリー業務や地震計の提 他社の事例などを通じて、TV会議 供なども行っています」と広報部長 システムを導入すれば、間違いなく の川地 真人氏は近年の事業展開を 交通費などのコストを削減できると 語る。 認識していた経営層からも早期の導 同社は、このように幅広い見地か 入について強い要請があったとい ら建設コンサルティング事業を展開 う。まさにトップダウンでTV会議シ しており、長年公共事業で培った技 ステムの導入を推進することになっ 術ノウハウを民間事業にも積極的に たのだ。 活かしている。 「環境分野では、土壌 そんな折、他のシステムについてさ 汚染やアスベスト、PCB(ポリ塩化ビ まざまな提案を受けていた大塚商会 フェニル)などの環境対策の需要が今 から、TV会議システムのセミナーの案 後も増加すると考えています。会計 内を受け取り、それに参加することに 基準が改正され、今後は、そうした対 した。その場で、ポリコム社のTV会議 策費用を財務諸表に引当金として計 システムのデモを見て好印象を受けた 上を義務付けられるからです。当社 という。しかし、実際に自社のネットワ では、そうした対策にどのくらいの費 ーク上で使ってみないと本当の善し悪 用がかかるのかなど、具体的な対応 しは判断できないと考え、同社のイン 策をアドバイスすることができます」 トラネット上でテスト運用する運びにな と総務部長の香川 眞一氏は同社のア った。 「大塚商会の営業担当者が、時 ドバンテージを語る。 をおかずに実機を手配して対応してく また同社は、自社やグループ企業 れたので、とてもありがたかったです を通じて、安心・安全をキーワードに ね」 と香川氏は大塚商会の対応の早さ 各種計測機器・ソフトウェアの開発・製 を高く評価する。 造なども手がけており、グループ全体 で多様なニーズに応えている。 広報部長 川地 真人氏 「当社は、安心・安全をキーワードに幅広 い見地から総合的な建設コンサルティン グ事業を展開しています。今回のTV会 議システムの導入で、全国に展開する組 織間のコミュニケーションが深まることは 大きなメリットです」 総務部長 香川 眞一氏 「トップダウンによって、TV会議システム の導入が急ピッチで進展しました。経営 層は、交通費の削減によるコストダウン や移動時間削減による効率化を期待し ています」 実際には、他のメーカーの製品も 導入の候補に挙がっており、比較検討 13 成 功 事 例 集 2009 通信回線 していた。そのうちの1社の製品は、 支社、関西支社、 四国支社、九州支 同社のグループ企業で先に導入して 社など主要9拠点に導入している。 いたものだったが、それも同社のイン いずれも、ハイビジョン対応のTV会 トラネット上でテスト運用し、最終的 議システムだ。 にどちらを選ぶか判断することにな ったのだ。 総務部 グループリーダー 佐藤 百彦氏 「今回、TV会議システムの効果は十分実 感できています。大塚商会さんは通信分 野も得意なので、今後も良きパートナー として、電話を含めたコミュニケーション の進め方について、業務改善やコスト削 減につながる効果的な提案に期待して います」 「ハイビジョン映像は、本当に精細 できれいだと実感しました。人の表 「当社のイントラネットにつないで 情もリアルに映るので、将来的に人 みると、別のメーカーの製品は、その 事面接もTV会議システムを使って行 会社でデモを見たときのような通信 えるのではないかと考えたのです」と 品質には至らず、ちょっと違和感を覚 香川氏は将来を見据えた選択をして えたのです。一方、ポリコムの製品は、 いる。 ハイビジョン対応なので多少価格は 同社では、以前から全国の拠点を 高かったのですが、非常に臨場感が フレームリレーで結んだイントラネッ ありクリアな映像でした。どうせ導 トを構築し、基幹系のデータベースや 入するならば、品質が良い方が利用 情報系のワークフローシステムを運 も進むだろうと判断し、大塚商会さ 用していた。今回は、その既存の通信 んが提案してくれたポリコムのTV会 インフラを活用することで、新たな通 議システムを導入することに決めた 信費用を発生させずにTV会議システ のです。また、当社では、多地点を結 ムの早期導入を実現している。 んで打ち合わせをする機会が増える TV会議システムの利用にあたって と想定していたので、多地点接続が は、TV会議システムを使った社内研 簡単に行えることもポリコムの製品 修も事前に実施している。 「社内でオ を選定した大きな決め手となりまし リジナルのマニュアルを作成して全国 た」と香川氏はTV会議システムの選 の拠点に配布し、それを見ながらリモ 定の様子を語る。 コンの操作方法などの説明をTV会議 システムで行ったのです。TV会議だと、 拠点名 導入システム その場で質問と回答ができるので、参 人の表情がリアルに伝わる ハイビジョン対応機を選定 加者にも理解しやすかったと好評で 市ヶ谷本社 『Polycom HDX 7002』 東京本社 『Polycom HDX 7002』 多地点サーバー『RMX 2000』 浦和オフィス 『Polycom HDX 4002』 のTV会議システムを比較検討し、同 T V 会 議 シ ス テムを 導 入した 当 初 東北支社 『Polycom HDX 4002』 年6月に大塚商会が提案したポリコ は、若干のトラブルも発生したが、機 九州支社 『Polycom HDX 4002』 ムの製品を導入することを決定。7 器の入れ替えなどで問題を迅速に解 新潟支社 『Polycom HDX 4002』 月から順次導入し、8月から本格的 決している。また多地点で会議を行 札幌支社 『Polycom HDX 4002』 な運用を開始した。具体的には、 う場合、どこの拠点の映像なのか一 中部支社 『Polycom HDX 4002』 『Polycom HDX 7002』を東京都 目でわかりやすくするために、TV会 関西支社 『Polycom HDX 4002』 千代田区の本社とさいたま市北区の 議の映像が映る場所のホワイトボード 中国事業部 『Polycom HDX 4002』 東京本社、つくば市の技術本部の3 に「東京本社」などの拠点名を書いた 四国支社 『Polycom HDX 4002』 拠 点 に 導 入 。『 P o l y c o m H D X 紙を張ったり、席札を作ったりして独 つくばオフィス 『Polycom HDX 7002』 4002』を札幌支社、東北支社、中部 自の工夫を施している。 14 このように2008年3月から数社 すね」 と総務部 グループリーダーの佐 藤 百彦氏は語る。 ●応用地質株式会社 国に点在する技術者のさまざまなノ 交通費や移動時間を大幅削減 社内のリソース活用にも貢献 本格的な運用がスタートしたTV会 議システムは、まさにフル活用されて ウハウを有機的に活用できるように なり、以前よりも技術的な課題も解 決しやすくなったという。 また、TV会議システムは、新人研 いる。利用シーンとして最も多いのは、 修や社内研修の効率化にも貢献して 社内の打ち合わせだという。具体的 いる。例えば、災害が起きたときに には、毎週月曜日に12拠点をつない 社員の安否確認を携帯メールで行う で営業会議を行っているほか、営業と 仕組みを構築した際も、その説明会を 技術が一体となって営業戦略を練る TV会議システムで実施したことで、 会議にもTV会議システムが効果的に 集合研修を行う手間や時間を大幅に 活用されている。 削減できたという。 さらに、全国に展開している技術 高画質で高音質のTV会議システムを選んだことで、会 議の場を共有しているというリアリティがあるという 同社では、このようにTV会議シス 者を案件ごとにアサインする際にも、 テムを有効活用することにより、目 TV会議システムが大変役立っている に見える大幅なコスト削減を実現し という。 ている。 「TV会議システムを使わず 「案件によっては、資格や経験のあ に、従来のように出張して打ち合わ る専門技術者に協力を要請する必要 せを行った場合の交通費と移動時間 があります。以前は、それを技術本 を算出したところ、導入後わずか4 部でとりまとめ、資格や経験があり、 カ月で交通費を1,800万円、移動時 なおかつ仕事に時間の余裕のある人 間を3,700時間も削減することが を選んでアサインしていたので、非 できました。TV会議システムに要 常に時間と手間がかかっていたので した費用の約8割をペイできた計算 す。いくつもの拠点に電話をかけた になります。実際には、移動に伴う り、メールを送ったりして、該当する 人件費などもかかるので、それ以上 技術者を探すこともありました。場 の投資対効果をもたらしています。 合によっては、技術者の派遣のため そのうえ、時間や労力をかけずに拠 に、わざわざ出張することもあった 点間のコミュニケーションが以前よ のです。でも今は、TV会議システム り も 確 実 に 深 ま って い る の で、T V で主要な拠点を結び、技術者の顔を 会議システムの導入メリットは極め 見ながら、その場で有資格者や仕事 て大きいといえますね」と佐藤氏は が空いている人を相談・確認して協力 語る。 を要請することができるので、全国 同 社 で は 、将 来 的 に T V 会 議 シ ス に点在している社内のリソースを効 テムがポータブルになれば、現場の 率的に活用できるようになったので 映 像 を 映 して 各 拠 点 に い る 技 術 者 す」と佐藤氏はTV会議システムの導 と一緒に対応・検討ができると期待 入メリットを語る。 を寄せている。今後もTV会議シス さらに、技術者同士が各拠点に居 テム を 有 効 な コ ミ ュ ニ ケー シ ョン ながらにしてFace to Faceで打ち合 手段として積極的に活用していく考 わせが行えるようになったことで、全 えだ。 応用地質株式会社のホームページ http://www.oyo.co.jp/ 15
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