BE-LHDL ロサルヒド配合錠 LD「FFP」の 生物学的同等性に関する資料 1.溶出挙動の類似性 ……………………………………………2 2.試験成績概要 ……………………………………………4 (1)有効性(生物学的同等性)の評価 ………………………………………………4 (2)安全性の評価 ………………………………………………7 3.まとめ ……………………………………………7 富士フイルムファーマ株式会社 -1- ロサルヒド配合錠 LD「FFP」の生物学的同等性に関する資料 1.溶出挙動の類似性 ロサルヒド配合錠 LD「FFP」 (富士フイルムファーマ)及び標準製剤(錠剤、ロサルタンカリウム 50mg・ ヒドロクロロチアジド 12.5mg 配合)のヒトでの生物学的同等性試験に先立ち、溶出挙動により両製剤の 「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」(平成 24 年 2 月 29 類似性を推察した。その結果、 薬食審査発第 0229 第 10 号)に従い判定するとき、いずれの場合においても溶出挙動が類似して 日 いると判定された。 (1)ロサルタンの溶出挙動の類似性 pH4.0 試験液(50rpm)については、標準製剤の溶出にラグ時間があったため、ラグ時間で 溶出曲線を補正し、溶出挙動の類似性を確認した。 【pH1.2、50rpm 】 120 120 100 100 ロサルヒド配合錠LD「FFP」 80 溶出率(%) 溶出率(%) 【pH4.0、50rpm 】 標準製剤(錠剤) 60 40 80 60 ロサルヒド配合錠LD「FFP」 40 標準製剤(錠剤) 20 20 0 0 0 20 40 60 80 時間(min) 100 120 0 140 10 120 120 100 100 80 60 40 ロサルヒド配合錠LD「FFP」 20 標準製剤(錠剤) 0 40 50 60 80 60 40 ロサルヒド配合錠LD「FFP」 20 標準製剤(錠剤) 0 0 5 10 15 20 25 30 時間(min) 35 40 45 50 0 【pH4.0、100rpm 】 rpm 5 10 試験液 120 100 溶出率(%) 30 時間(min) 【水、50rpm 】 溶出率(%) 溶出率(%) 【pH6.8、50rpm 】 20 pH1.2 80 60 40 ロサルヒド配合錠LD「FFP」 20 標準製剤(錠剤) 50 pH4.0 0 0 5 10 15 20 25 30 時間(min) 35 40 45 pH6.8 50 水 100 pH4.0 15 20 25 30 時間(min) 35 40 45 50 判定 標準製剤が規定された試験時間に おける平均溶出率の 1/2 の平均溶出 率を示す適当な時点、及び規定され た試験時間において試験製剤の平 均溶出率が標準製剤の平均溶出率 ±12%の範囲であった。 標準製剤の平均溶出率が 60%及び 85%付近となる適当な 2 時点におい て、試験製剤の平均溶出率が標準製 剤の平均溶出率±15%の範囲であ った。 標準製剤の平均溶出率が 60%及び 85%付近となる適当な 2 時点におい て、試験製剤の平均溶出率が標準製 剤の平均溶出率±15%の範囲にある か、又は f2 関数の値が 42 以上であ った。 (n=12) -2- (2)ヒドロクロロチアジドの溶出挙動の類似性 pH4.0 試験液(50rpm)及び pH4.0(100rpm)については、標準製剤の溶出にラグ時間があ ったため、ラグ時間で溶出曲線を補正し、溶出挙動の類似性を確認した。 【pH1.2、50rpm 】 【pH4.0、50rpm 】 120 120 100 ロサルヒド配合錠LD「FFP」 標準製剤(錠剤) 80 溶出率(%) 溶出率(%) 100 60 40 80 60 ロサルヒド配合錠LD「FFP」 40 標準製剤(錠剤) 20 20 0 0 0 20 40 60 80 時間(min) 100 120 0 140 10 【pH6.8、50rpm 】 100 100 溶出率(%) 120 溶出率(%) 30 40 時間(min) 50 60 【水、50rpm 】 120 80 60 40 ロサルヒド配合錠LD「FFP」 20 標準製剤(錠剤) 80 60 40 ロサルヒド配合錠LD「FFP」 20 標準製剤(錠剤) 0 0 0 5 10 15 20 25 30 時間(min) 35 40 45 0 50 【pH4.0、100rpm 】 rpm 5 10 試験液 120 100 溶出率(%) 20 pH1.2 80 60 ロサルヒド配合錠LD「FFP」 40 標準製剤(錠剤) 50 20 pH4.0 0 0 10 20 30 40 時間(min) 50 60 pH6.8 水 100 pH4.0 15 20 25 30 時間(min) 35 40 45 判定 標準製剤が規定された試験時間に おける平均溶出率の 1/2 の平均溶 出率を示す適当な時点、及び規定 された試験時間において試験製剤 の平均溶出率が標準製剤の平均溶 出率±12%の範囲であった。 標準製剤の平均溶出率が 60%及び 85%付近となる適当な 2 時点にお いて、試験製剤の平均溶出率が標 準製剤の平均溶出率±15%の範囲 にあるか、又は f2 関数の値が 42 以上であった。 15 分における試験製剤の平均溶出 率が標準製剤の平均溶出率±15% の範囲であった。 (n=12) -3- 50 2.試験成績概要 (1)有効性(生物学的同等性)の評価 日本人健康成人男子 30 名に、ロサルヒド配合錠 LD「FFP」及び標準製剤(錠剤)を、それぞれ 1 錠(ロサルタンカリウム 50mg 及びヒロドクロロチアジド 12.5m 配合)絶食時単回経口投与し、7 日 間以上の休薬期間をおいた 2 剤 2 期クロスオーバー法で両製剤の血漿中ロサルタン未変化体、ロサ ルタンカルボン酸体(活性代謝物)及びヒドロクロロチアジド未変化体の濃度を比較検討した。な お、本臨床試験は「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」 (薬食審査発第 0229 第 10 号、 平成 24 年 2 月 29 日一部改正)に従って計画した。主要評価項目は未変化体であるロサルタンとヒ ドロクロロチアジドの血漿中未変化体濃度曲線下面積 AUC0-24 と平均最高血漿中濃度 Cmax とした。 また活性代謝物のロサルタンカルボン酸体濃度を副次評価項目とした。 1)血漿中ロサルタン未変化体濃度推移 比較検討の結果、それぞれの平均血漿中濃度推移は以下に示したとおりで、AUC0-24 はロサルヒド 配合錠 LD「FFP」が 439.0ng・hr/mL で、標準製剤が 446.7ng・hr/mL で平均最高血漿中濃度到達時 間Tmax はそれぞれ 1.8 時間、1.4 時間で、Cmax はそれぞれ 251.1ng/mL、246.6ng/mL と算出された。 得られた薬物動態パラメータをもとに 90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、0~24 時間ま での血漿中濃度曲線下面積 AUC0-24 は log(0.946)~log(1.037)、 Cmax は log(0.875)~log(1.101)であり、 後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドラインが要求する log(0.80)~log(1.25)の範囲内であった。 ① 血漿中ロサルタン未変化体濃度推移 血漿中ロサルタン未変化体濃度(ng/mL) 薬剤名 ロサルヒド配 合錠 LD「FFP」 標準製剤 (錠剤) 時間 (hr) 0 0.33 0.0 ±S.D. 0.0 ±S.D. 0.67 1 1.33 1.67 2 2.5 3 3.5 4 18.8 116.4 145.3 138.7 127.9 98.0 73.4 61.6 41.5 33.0 46.2 146.7 166.8 116.9 86.5 61.0 46.2 40.8 22.0 16.4 0.0 32.6 136.0 150.1 138.7 132.0 101.7 85.2 61.9 43.1 35.8 0.0 86.7 154.1 133.2 92.7 77.2 57.4 66.9 38.2 25.7 23.3 6 8 12 24 26.3 9.7 0.6 0.0 26.1 9.8 2.2 0.0 20.8 8.1 0.3 0.0 13.3 6.5 1.4 0.0 ② 血漿中ロサルタン未変化体濃度パラメータ 薬剤名 ロサルヒド配合錠 LD「FFP」 ±S.D. 標準製剤 (錠剤) ±S.D. AUC0→24 (ng・hr/mL) 439.0 Cmax (ng/mL) 157.7 MRT (hr) 251.1 AUC∞ (ng・hr/mL) 450.1 2.76 0.3733 1.8 2.1 152.7 164.7 1.22 0.1363 1.5 0.6 446.7 246.6 456.9 2.49 0.3555 1.4 2.0 166.0 122.7 164.2 0.82 0.0731 0.8 0.5 -4- kel (hr-1) Tmax (hr) t1/2 (hr) 2)血漿中ヒドロクロロチアジド未変化体濃度推移 比較検討の結果、それぞれの平均血漿中濃度推移は以下に示したとおりで、AUC0-24 はロサルヒド 配合錠 LD「FFP」が 484.9ng・hr/mL で、標準製剤が 486.5ng・hr/mL で平均最高血漿中濃度到達時 間Tmax はそれぞれ 2.8 時間、2.7 時間で、Cmax はそれぞれ 76.1ng/mL、78.1ng/mL と算出された。 得られた薬物動態パラメータをもとに 90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、0~24 時間ま での血漿中濃度曲線下面積 AUC0-24 は log(0.965)~log(1.044)、 Cmax は log(0.921)~log(1.061)であり、 後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドラインが要求する log(0.80)~log(1.25)の範囲内であった。 ① 血漿中ヒドロクロロチアジド未変化体濃度推移 血漿中ヒドロクロロチアジド未変化体濃度(ng/mL) 薬剤名 時間 (hr) 0 ロサルヒド配 合錠 LD「FFP」 0.0 0.1 ±S.D. 0.0 0.5 標準製剤 (錠剤) 0.0 0.6 ±S.D. 0.0 2.2 0.33 0.67 1 1.33 1.67 2 2.5 8.7 24.9 38.6 55.1 61.3 64.7 15.4 26.2 27.8 30.1 27.2 24.9 9.5 28.7 40.9 56.1 61.1 67.2 12.2 26.4 28.8 29.2 26.9 22.0 3 3.5 4 6 8 12 65.2 57.9 52.7 31.5 21.5 12.2 5.3 19.8 12.7 11.4 7.2 5.2 2.8 1.3 68.6 58.7 53.2 29.6 21.3 12.1 5.3 22.8 15.8 12.7 7.7 7.8 3.8 1.7 ② 血漿中ヒドロクロチアジド未変化体濃度パラメータ 薬剤名 ロサルヒド配合錠 LD「FFP」 標準製剤 (錠剤) ±S.D. ±S.D. AUC0→24 (ng・hr/mL) 484.9 Cmax (ng/mL) 80.4 MRT (hr) 7.21 kel (hr-1) 0.0864 Tmax (hr) 76.1 AUC∞ (ng・hr/mL) 548.5 2.8 t1/2 (hr) 8.2 19.3 95.9 0.83 0.0123 1.2 1.2 486.5 78.1 544.2 7.10 0.0867 2.7 8.2 101.3 23.8 118.5 0.74 0.0155 1.3 1.3 -5- 24 3)血漿中ロサルタンカルボン酸体濃度推移 比較検討の結果、それぞれの平均血漿中濃度推移は以下に示したとおりで、血漿中ロサルタンカ ルボン酸体濃度曲線下面積 AUC0-24 はロサルヒド配合錠 LD「FFP」が 3668.4ng・hr/mL で、標準製 剤が 3830.6ng・hr/mL で平均最高血漿中濃度到達時間Tmax はそれぞれ 6.4 時間、3.3 時間で、平均 最高血漿中濃度 Cmax はそれぞれ 512.9ng/mL、543.6ng/mL と算出された。 ① 血漿中ロサルタンカルボン酸体濃度推移 血漿中ロサルタンカルボン酸体 濃度(ng/mL) 800 標準製剤(錠剤) 640 ロサルヒド配合錠LD「FFP」 Maen±S.D., n=30 480 320 160 0 0 4 8 12 16 20 24 時間(hr) 血漿中ロサルタンカルボン酸体濃度(ng/mL) 薬剤名 ロサルヒド配 合錠 LD「FFP」 標準製剤 (錠剤) 時間 (hr) ±S.D. ±S.D. 0 0.33 0.67 1 1.33 1.67 2 2.5 3 3.5 4 6 8 12 24 0.0 0.0 10.3 62.7 135.4 229.4 306.6 374.8 429.9 434.6 426.7 292.6 219.3 110.0 19.7 0.0 0.0 30.0 121.8 178.2 227.3 250.5 232.9 205.9 166.5 139.6 85.9 66.6 38.1 7.0 0.0 0.0 6.9 57.9 143.3 255.5 334.5 429.0 489.2 480.8 468.5 301.5 217.7 109.1 20.5 0.0 0.0 13.8 79.9 160.9 225.6 221.4 216.8 181.3 151.5 127.4 70.4 76.6 38.1 8.8 ② 血漿中ロサルタンカルボン酸体濃度パラメータ 薬剤名 ロサルヒド配合錠 LD「FFP」 標準製剤 (錠剤) ±S.D. ±S.D. AUC0→24 (ng・hr/mL) 3668.4 Cmax (ng/mL) 743.5 MRT (hr) 7.31 kel (hr-1) 0.1505 Tmax (hr) 512.9 AUC∞ (ng・hr/mL) 3826.0 3.6 t1/2 (hr) 4.7 146.6 788.8 1.29 0.0146 1.6 0.5 3830.6 543.6 3948.1 7.09 0.1495 3.3 4.7 864.7 136.2 923.6 0.99 0.0164 1.1 0.5 -6- (2)安全性の評価 1)有害事象 本治験において、自覚症状、医師の診察、生理学的検査及び臨床検査において、薬物に起因する 重篤な副作用及び異常変動と判定された臨床検査項目は認められなかった。 その他、本治験において有害事象は認められなかった。 2)安全性の結論 本治験において有害事象は認められなかったことから、本治験の条件下における治験薬の安全 性は問題ないと判断された。 3.まとめ 健康成人男子を対象として、ロサルヒド配合錠 LD「FFP」と標準製剤の生物学的同等性を未変 化体(ロサルタン・ヒドロクロロチアジド)の血漿中濃度を指標として検討した結果、平均値 の差の 90%信頼区間が、AUC0-24 及び Cmax 共に同等性の判定基準内に入っており、両製剤とも 安全性に特に問題はなかったので両製剤は同等の有用性が期待できるものと考えられた。 2014 年 4 月作成 -7-
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