LC Technical Note HPLCによる柑橘類の防カビ剤(防ばい剤)の分析 5 GL Sciences Inc. 今回は、蛍光検出(FL)及び紫外吸収検出(UV)高速液体クロマトグ ラフィー(HPLC)を用いた柑橘類中の防カビ剤の分析をご紹介します。 防カビ剤は、80年代、青果類の長期間保存のために使用されるポス トハーベスト農薬として社会的に大きく取り上げられました。90年代に 入ってからは、輸入割り箸からも検出され問題となっています。現在で も、食品を安全に輸入するために防カビ剤の使用が認められており、 その残留基準が定められています。 防カビ剤分析として衛化第15号通知法に基づき、イマザリル(IMZ)の 個別分析、オルトフェニルフェノール(OPP)、チアベンダゾール(TBZ) およびジフェニル(DP)の3成分一斉分析を行いました。 - 柑橘類における各基準値 - ・イマザリル 個別分析 :5mg/kg - UV検出 ・オルトフェニルフェノール :10mg/kg 一斉分析 ・チアベンダゾール :10mg/kg ・ジフェニル 蛍光検出 :70mg/kg UV検出器によるイマザリル標準液の測定例 IMZ : 0.4mg/L CV=5.5% (N=5) HPLC条件 mAU 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 カラム 溶離液 N 流量 カラム温度 検出 注入量 N CH2 CH O CH2 CH CH2 Cl Cl IMZ 800000 : Inertsil ODS-3 (5μm, 250 x 4.6 mm I.D.) : A) CH3OH B) H2O A/B = 75/25, v/v (gradient mixer) : 1.0 mL/min : 40 ℃ : UV 230 nm : 10 μL y = 72261x - 6118.8 R2 = 1 700000 600000 A rea 500000 400000 300000 200000 100000 0 0 10 Time (min) 0 20 1 2 3 4 5 6 濃度(mg/L) 7 8 9 10 イマザリルの検量線 蛍光検出器によるオルトフェニルフェノール、チアベンダゾール、ジフェニル標準液の測定例 OPP : 0.05mg/L CV =1.5% (N=5) HPLC条件 TBZ : 0.01mg/L CV =1.7% (N=5) カラム CV =1.0% (N=5) 溶離液 60 DP : 0.5mg/L : Inertsil ODS-3 (5μm, 250 x 4.6 mm I.D.) : CH3CN : CH3OH : H2O = 5 : 60 : 35 , v/v 10mM SDSを添加しリン酸でpH2.5 : 1.0 mL/min : 40 ℃ : FL Ex.285nm Em.325nm : 10 μL OH DP OPP FLU 40 流量 カラム温度 検出 注入量 120000000 N OPP y = 2E+08x + 2E+06 R2 = 0.9987 TBZ y = 5E+07x + 14111 R2 = 1 DP y = 1E+07x + 139946 R2 = 1 100000000 S HN 80000000 Area TBZ 20 N 60000000 40000000 0 20000000 0 0 10 20 30 Time (min) 40 0 1 2 3 4 5 濃度(mg/L) 6 7 8 検量線 ※食安輸発第0331002号通知法にある割り箸中のIMZ,OPP,TBZ,DPの各分析法も前処理は変わりますが、上記と同じ分析条件です。 GL Sciences LC Technical Note レモン中のイマザリル 前処理法: 試料 10g 有機層 -5M NaOH水溶液 2mL -無水硫酸ナトリウム 40g 水層 -0.0025M H2SO4水溶液 撹拌 50mL×2回 撹拌 -酢酸エチル 50mL×2回 ホモジナイズ(3min) 水層 遠心分離(3000rpm,5min) 有機層 -5M NaOH水溶液 5mL -酢酸エチル25mL×2回 撹拌 上澄液 残留物 -5%炭酸Na水溶液 50mLで洗浄 有機層 水層 -無水硫酸ナトリウム 10g -減圧乾固 有機層 水層 定容 -メタノール・水(75:25) 5mL -水 50mLで洗浄 HPLC-UV 標準添加試料のクロマトグラム 基準値の1/10以下の濃度で検出が可能であり、良好なクロマトグラムが得られます。 添加濃度 IMZ 2 mAU 4 IMZ : 2.0mg/L (1..0mg/kg) 0 2 4 6 8 Time (min) 10 12 14 GL Sciences LC Technical Note レモン中のオルトフェニルフェノール、チアベンダゾール、ジフェニル 前処理法: 試料 20g -無水酢酸ナトリウム 2g -無水硫酸ナトリウム 30g -酢酸エチル 80mL ホモジナイズ(5min) 遠心分離(2000rpm,10min) 減圧濃縮 酢酸エチル層 残渣 -1-ブタノール 5mL添加 減圧濃縮(40℃以下) -酢酸エチル 80mL ホモジナイズ(5min) 遠心分離(2000rpm,10min) 酢酸エチル層 定容 -移動相で20mLにメスアップ ※必要に応じてろ過 残渣 HPLC-FL 標準添加試料のクロマトグラム 基準値の1/10以下の濃度においても夾雑成分と良好に分離しており、定量が可能です。 OPP : 0.05mg/L (0.05mg/kg) TBZ : 0.01mg/L (0.01mg/kg) DP : 0.5mg/L (0.5mg/kg) DP 0 20 TBZ 40 OPP FLU 60 80 添加濃度 0 10 20 Time (min) 30 40 GL Sciences LC Technical Note 残留農薬分析におけるイマザリル試験法について 食安発第0124001号通知法に準拠した 残留農薬としてのイマザリルの分析法 をご紹介します。 標準液の測定例 IMZ : 5.0mg/L HPLC条件 2.0 IMZ 1.0 0.0 : Inertsil ODS-3 (5μm, 250 x 4.6 mm I.D.) 溶離液 : A) CH3CN B) 10 mM KH2PO4 A/B = 70/30, v/v (gradient mixer) 流量 : 0.7 mL/min カラム温度 : 40 ℃ 検出 : UV 230 nm 注入量 : 10 μL mAU カラム 0 2 4 6 Time (min) 8 10 12 使用装置 1 カラム 4 Inertsil ODS-3 250mm×4.6mm 5μm Cat.No. 5020-01732 2 HPLC装置:GL-7400 シリーズ 番号 品名 1 カラムオーブン 2 UV検出器 3 蛍光検出器 4 キャリアリザーバー 5 オートサンプラー 6 ポンプ 型番 GL-7430 GL-7450 GL-7453 GL-7480 GL-7420 GL-7410 5 3 6 ジーエルサイエンスでは、分析ノウハウときめこまやかなフォローもお付けしたシステム提案を行っております。 お近くの営業所や カスタマーサポートセンター までお気軽にお問い合わせください。 ※尚、各試験法は、変更される場合がありますので、分析の前にご確認されることをお薦めします。 ホームページはこちらから・・・ http://www.gls.co.jp/hplc.html 〒163-1130 東京都新宿区西新宿6丁目22番1号 新宿スクエアタワー30F TEL.03(5323)6611 FAX.03(5323)6622 TEL.03(5323)6611 TEL.06(6357)5060 TEL.024(533)2244 TEL.029(858)3700 TEL.043(248)2441 TEL.048(667)1611 TEL.045(475)1144 TEL.052(931)1761 TEL.082(233)1101 TEL.092(291)5200 FAX.03(5323)6622 FAX.06(6357)4580 FAX.024(536)1518 FAX.029(858)3780 FAX.043(248)2485 FAX.048(667)1656 FAX.045(475)1145 FAX.052(931)1814 FAX.082(233)1110 FAX.092(291)2552 カスタマーサポートセンター T E L . 0 4 ( 2 9 3 4 ) 1 1 0 0 FAX.04(2934)3361 東 大 東 筑 千 北 横 名 広 九 京 営 業 阪 支 北 営 業 波 営 業 葉 営 業 関 東 営 業 浜 営 業 古 屋 営 業 島 営 業 州 営 業 部 店 所 所 所 所 所 所 所 所 ジーエルサイエンス LC テクニカルノート
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