www.swcc.co.jp/ はじめに 隅々まで張りめぐらされたケーブルが日々の生活と生産活動を支えています。近年のオフィスの OA 化、 ビルのインテリジェント化が進む都市構造の変化に伴い、電線・ケーブル、電気・情報機器をネズミがかじ る事による被害、いわゆる咬害*が重大な事故、甚大な経済的損失をもたらし、その事前防護策の必要性が 益々増大しています。小動物による電気事故の比率を示しますが、ねずみの咬害が半数以上を示しています。 そのような状況において電線・ケーブルの防鼠対策を施す事が必至となり、弊社では防鼠対策ケーブルとし て唐辛子の辛味成分であるカプサイシン類をマイクロカプセル化した食品成分を使用した防鼠ケーブルを開 発し、お客様に納入しております。ケーブル仕様としては普通シースタイプ以外に次の 2 種類の難燃防鼠ケ ーブルも開発しております。 *ネズミは門歯を磨耗させて、伸びるのを防ぐ生理的欲求があり、ケーブル被覆をかじる。食糧としてケーブル被覆かじるわけではな い。またネズミは餌を求めて移動の際、ケーブルが通行障害となる場合があり、それを排除しようとしてケーブル被覆をかじる。 図1 小動物による電気事故種類別比 ハト・カラス 10% ネズミ 60% 小鳥 5% ヤモリ 5% ヘビ 10% ネコ 10% ▲ねずみが電線を噛んでいる状況(写真:イカリ消毒 谷川氏提供) 概 要 1 難燃防鼠ケーブルについて 一般のケーブルは、火災時に炎の伝搬物となるケースが考えられますが、当社の難燃防鼠ケーブル は難燃性能及び防鼠効果をかねそなえた構造となっています。 2 ハロゲンフリー難燃防鼠ケーブルについて 一般及び難燃ケーブルには、ハロゲン元素が含まれており、火災の際に有害である塩化水素ガスを 発生します。また発煙量も多く、消火活動の障害となる場合があります。弊社のハロゲンフリー難燃 防鼠ケーブルは難燃性能、ハロゲンフリー性能及び防鼠性能を兼ね備えた構造となっています。 使用する材料 弊社で開発した難燃防鼠ケーブル及びハロゲンフリー難燃防鼠ケーブルに使用している材料を以下に示し ます。 表1 ケーブル記号及び使用材料 項 目 ケーブル種類 ケーブル記号 絶縁材料 FPM-VV/FPM-CVV ビニル FPM-CV/FPM-CCV 架橋ポリエチレン 難燃防鼠ビニル 難燃防鼠ケーブル ハロゲンフリー 難燃防鼠ケーブル シース材料 NHM-CE/NHM-CCE 架橋ポリエチレン ハロゲンフリー難燃防鼠ポリエチレン (注)FP : Flame Protection M : Mouse NH: Non Halogen 防鼠ケーブルの特長 電線・ケーブルに鼠害があると想定される箇所には防鼠対策を施すケースがあります。現在、防鼠対策と してはケーブル部に金属被等を施す事によって機械的に保護する場合と防鼠剤を添加した塗料を塗布する等 がありますが、弊社の防鼠ケーブルはシースに防鼠剤を練り込んだタイプで防鼠性能を有しており、かつ用 途に合わせて下記特長を兼ね備えた理想的なケーブルです。 難燃防鼠ケーブル及びハロゲンフリー難燃防鼠ケーブルの 両方に適合する特長 1 防鼠剤として食品成分を使用しています。 食品成分である唐辛子の辛味成分の刺激性により防鼠を 行っています。 2 各種ネズミに咬害防止効果があります。 ネズミはマウス以外にクマネズミ、ドブネズミがいますが、 ネズミの種類に限らず咬害防止効果があります。 ▲唐辛子の辛味成分マイクロカプセル 表2 各種ネズミへの咬害防止効果 試 マウス(ハツカネズミ) ラット(クマネズミ) ラット(ドブネズミ) 料 一般ケーブル 防鼠ケーブル 一般ケーブル 防鼠ケーブル 一般ケーブル 防鼠ケーブル 1 +++ − + − ++ + 2 +++ − − − ++ − 3 +++ − ++ − +++ − 4 +++ − +++ + ++ − 5 +++ − ++ − +++ − 6 +++ − ++ − +++ + 目視評価基準:−:無傷または試し噛み傷、+ ∼ +++:咬害有り(+ が多い程、被害度合大) 3 構造寸法は一般のケーブルと同等です。 構造寸法は一般品と同等であります。 4 長期間の咬害防止効果があります。 図2 経年使用に対する有効成分濃度 室内の経年使用において有効成分濃度は保 持されており、オフィスビル内等では長期 間の咬害防止効果が期待できます。 5 延焼しません。 過酷な垂直トレイ燃焼試験(IEEE std.383、 IEC 60332-3 及び JIS C 3521)に合格 します。従って、ケーブルによる火災の延 焼が防げます。 1.0 有 効 成 分 濃 度 ︵ % ︶ 室内 0.1 0 6 12 18 24 30 36 42 48 54 60 66 72 78 暴露期間(月) 防鼠性、難燃性およびノンハロゲン性の評価試験 1 防鼠性試験 難燃防鼠及びハロゲンフリー難燃防鼠ケーブルに適用される。 ●日本に住むネズミの中で、電線・ケーブルに被害を与える最もどう猛なラットを水とえさと共に かごに入れ、2 晩後のケーブルのかじり状況を観察しました。 ○難燃防鼠及びハロゲンフリー難燃防鼠ケーブルは非防鼠ケーブルに比べて良好な防鼠性能を示し ています。 ラットに対する防鼠効力試験 試料名:600V M-CV-22mm2 ラットに対する防鼠効力試験 無添加 ▲試験状況写真 2 ▲試験結果ケーブルサンプル 垂直トレイ燃焼試験 難燃防鼠及びハロゲンフリー難燃防鼠ケー ブルに適用される。 ●垂直トレイ燃焼試験は、グループ布設ケー ブルの難燃性を評価する試験であり、代表 的試験規格として IEEE std.383 がありま す。 ○難燃性防鼠及びハロゲンフリー難燃性防鼠 ケーブルは共にトレイの上端まで延焼する ことなく合格します。 (注) IEEE std.383 IEEE Standard for type of class 1E electric cables field splices and connections for nuclear power generating station ▲非難燃ケーブル ▲ハロゲンフリー難燃防鼠ケーブル 1 付 表 特性 用途 ケーブル記号 ケーブル品名 断面構造 防鼠性試験 600V ビニル絶縁 垂直トレイ ハロゲンガス 発煙量試験 pH試験 燃焼試験 発生量試験 (例: 3心) 600V FPM-VV 難燃防鼠ビニルシース ケーブル 電力用 導体 絶縁体 600V 架橋ポリエチレン絶縁 600V FPM-CV 難燃防鼠ビニルシース ケーブル 介在 合格 合格 テープ シース 600V 架橋ポリエチレン絶縁 600V NHM-CE ハロゲンフリー難燃防鼠 合格 合格 合格 合格 合格 合格 ポリエチレンシースケーブル FPM-CVV 制御用ビニル絶縁 難燃防鼠ビニルシース ケーブル 導体 絶縁体 制御用 FPM-CCV NHM-CCE 介在 制御用架橋ポリエチレン絶縁 難燃防鼠ビニルシース ケーブル テープ 合格 合格 シース 制御用架橋ポリエチレン絶縁 ハロゲンフリー難燃防鼠 ポリエチレンシースケーブル (注)FP:Flame Protection/M:Mouse/NH:Non Halogen 1)電力用ケーブル ●例:FPM-CV, NHM-CE 導体 線心数 1 公称 断面積 Ý 2 3.5 5.5 8 14 22 38 2 3.5 5.5 2 8 14 22 38 2 3.5 5.5 3 8 14 22 38 2 3.5 5.5 4 8 14 22 38 構成 外径 絶縁体 厚さ 本/Ù Ù Ù 7/0.6 7/0.8 7/1.0 7/1.2 1.8 2.4 3.0 3.6 3.4 4.4 5.5 7.3 1.8 2.4 3.0 3.6 3.4 4.4 5.5 7.3 1.8 2.4 3.0 3.6 3.4 4.4 5.5 7.3 1.8 2.4 3.0 3.6 3.4 4.4 5.5 7.3 円形圧縮 7/0.6 7/0.8 7/1.0 7/1.2 円形圧縮 7/0.6 7/0.8 7/1.0 7/1.2 円形圧縮 7/0.6 7/0.8 7/1.0 7/1.2 円形圧縮 シース 厚さ Ù 0.8 1.0 1.5 1.2 0.8 1.0 1.2 1.5 1.6 0.8 1.0 1.2 1.5 1.7 0.8 1.5 1.0 1.2 1.6 1.8 仕上り 外径 (約) Ù 6.4 7.0 8.0 8.6 8.4 9.4 11.0 13.0 10.5 11.5 13.5 15.0 14.5 16.5 19.5 24 11.0 12.5 14.5 16.0 15.5 17.5 21 25 12.0 13.5 16.0 17.0 16.5 19.0 23 28 概算質量 è/Ü ビニル シース ポリエチレン シース 60 80 115 50 70 90 135 120 200 290 455 120 165 235 300 290 435 635 1020 150 210 300 385 380 585 860 1410 180 260 370 485 480 745 1120 1830 180 265 430 100 145 210 270 260 405 595 965 130 185 270 355 350 550 820 1350 160 230 340 450 445 705 1070 1760 2)制御用ケーブル ●例:FPM-CCV, NHM-CCE 導体 線心数 2 3 4 5 6 7 8 10 12 15 20 30 公称 断面積 Ý 1.25 2 3.5 5.5 8 14 22 1.25 2 3.5 5.5 8 14 22 1.25 2 3.5 5.5 8 14 22 1.25 2 3.5 5.5 8 14 1.25 2 3.5 5.5 8 14 1.25 2 3.5 5.5 8 1.25 2 3.5 5.5 8 1.25 2 3.5 5.5 8 1.25 2 3.5 5.5 8 1.25 2 3.5 5.5 8 1.25 2 3.5 1.25 2 3.5 外径 絶縁体 厚さ シース 厚さ 本/Ù Ù Ù Ù 7/0.45 7/0.6 7/0.8 7/1.0 7/1.2 1.35 1.8 2.4 3.0 3.6 4.4 5.5 1.35 1.8 2.4 3.0 3.6 4.4 5.5 1.35 1.8 2.4 3.0 3.6 4.4 5.5 1.35 1.8 2.4 3.0 3.6 4.4 1.35 1.8 2.4 3.0 3.6 4.4 1.35 1.8 2.4 3.0 3.6 1.35 1.8 2.4 3.0 3.6 1.35 1.8 2.4 3.0 3.6 1.35 1.8 2.4 3.0 3.6 1.35 1.8 2.4 3.0 3.6 1.35 1.8 2.4 1.35 1.8 2.4 構成 円形圧縮 7/0.45 7/0.6 7/0.8 7/1.0 7/1.2 円形圧縮 7/0.45 7/0.6 7/0.8 7/1.0 7/1.2 円形圧縮 7/0.45 7/0.6 7/0.8 7/1.0 7/1.2 円形圧縮 7/0.45 7/0.6 7/0.8 7/1.0 7/1.2 円形圧縮 7/0.45 7/0.6 7/0.8 7/1.0 7/1.2 7/0.45 7/0.6 7/0.8 7/1.0 7/1.2 7/0.45 7/0.6 7/0.8 7/1.0 7/1.2 7/0.45 7/0.6 7/0.8 7/1.0 7/1.2 7/0.45 7/0.6 7/0.8 7/1.0 7/1.2 7/0.45 7/0.6 7/0.8 7/0.45 7/0.6 7/0.8 0.8 1.5 1.0 1.2 0.8 1.5 1.0 1.2 0.8 1.5 1.0 1.2 1.6 0.8 1.5 1.0 0.8 1.5 1.0 0.8 1.5 1.0 0.8 1.0 0.8 1.0 1.5 1.6 1.5 1.7 0.8 1.5 1.0 1.6 1.7 0.8 1.0 0.8 0.8 1.5 1.6 1.7 1.8 1.5 1.6 1.6 1.7 1.8 仕上り 外径 (約) Ù è/Ü 9.5 10.5 11.5 13.5 15.0 16.5 19.5 10.0 11.0 12.5 14.5 15.5 17.5 21 10.5 12.0 13.5 15.5 17.0 19.0 23 11.5 13.0 14.5 17.0 18.5 21 12.5 14.0 15.5 18.5 21 23 12.5 14.0 15.5 18.5 21 13.0 15.0 17.0 20 22 15.0 17.0 19.5 24 27 16.0 17.5 20 25 27 17.0 19.0 22 27 30 19.0 21 25 23 26 30 110 140 180 250 310 420 620 120 160 220 320 400 570 840 150 200 270 400 500 720 1090 170 240 330 470 610 880 200 270 380 550 720 1050 210 290 420 600 800 230 320 470 680 900 290 400 580 870 1160 320 450 670 1000 1350 380 540 800 1220 1650 480 680 1040 690 1010 1550 概算 質量 産 業 電 線 営 業 部 〒105-6012 東 京 都 港 区 虎 ノ 門 4-3-1(城 山 ト ラ ス ト タ ワ ー) ( 0 3 )5 4 0 4 - 6 9 7 2 電機産業システム営業部 〒105-6012 東 京 都 港 区 虎 ノ 門 4-3-1(城 山 ト ラ ス ト タ ワ ー) ( 0 3 )5 4 0 4 - 6 9 6 9 関 中 北 東 中 九 北 四 沖 〒530-0004 〒450-0003 〒060-0034 〒980-0811 〒730-0036 〒810-0004 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