タイヤ跡を残さない、 残渣物をきれいに埋め込む… 上手な代かき作業

第 8 回
タイヤ跡を残さない、
残渣物をきれいに埋め込む…
上手な代かき作業
ご質問をお待ちしています。
「荒代かきの数日後に本代かき作業をしたがタイヤ跡が消えない。
ざん
さ
ぶつ
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FAXでも受け付けています。どしどしお寄せください。
お送り先
〒541-0048 大阪市中央区瓦町2丁目6番16号
㈱サンライズプロパー ニューインプル編集部 行
TEL:06-6231-6445 FAX:06-6231-6454
残渣物の埋め込みが良くない」
という、福島県相馬郡小高町・
門馬 繁行さんのご質問にお答えします。
▲
代かきハローによる作業は、
2層構造の圃場に仕上がり根の張りが進む、
均平になるので田植え
作業が容易にできる、
水管理が楽にできる、
ロータリに比べて作業回数が少なくてすむなど、
多く
圃場に水が多くて、
代かき作業跡が
見えないときは
どのようにすればよいか
のメリットがあります。
したがって、
作業手順や爪の配列などを確認して、
きれいな代かき作業を行ってください。
トラクタのタイヤ跡が消えない。
タイヤ跡を消す方法は?
①水の量が少ない
②土塊が大きく、
横方向への泥の移動が少ない。
また、後方への吐き出しが多い
●圃場内の水をある程度少なくしてから、
作
業
の
ポ
イ
ン
ト
③代かき作業深さ(耕深)が浅いと、
タイヤ跡に寄せる十分な泥の量を確保できない。
代かきを行います。
●前工程がわかりやすい隣接耕の代かき
を行います。
●ポール等の目印を設けて代かきを
行います。
▲
原
因
サイバーハロー
(小橋工業
(株)
)
ウィングハロー
(松山
(株)
)
④タイヤ跡への土寄せ爪とトラクタのトレッドが合っていない(B図・C図)
。
⑤トラクタのタイヤ跡が広い場合
(前作業の耕うん深さが一定していない、
また砕土・整地が不十分)
①水を増やし、
土を軟らかくすることで、
横方向
稲ワラや麦ワラが多くて、
埋込みできないときはどうすれよいか
A図
への泥の移動を容易にし、
タイヤ跡を埋めや
すくします。
①水の量が多い(ワラが浮いている)
②車速を遅くして土を細かく砕くことでタイヤ
跡への泥の移動を容易にします。
原
因
また、
PTO変速2速で行うことも有効です。
標
準的な作業速度は1.5∼3km/hです。
作
業
の
ポ
イ
ン
ト
③1)
均平板を押さえる機能が付いている場合
②前作業の耕うんでワラが埋込みできていない
③入水後すぐに代かき作業をした
④作業速度が速い
⑤代かき軸の回転速度が速い
B図
は、
多少押さえ気味にして、
土塊の再耕うん
①圃場内の水を少なくしてから作業を行います。
(代かき後の1日の減水深は20∼30mmが理想的と
ができるようにします。
これによって均平板
いわれています。
また、水持の悪い圃場では砕土を十分にしておきます)
の前に泥を一定量溜めることができ、
②代かきの前作業でワラを埋め込むことが理想です。
スキ、
ディスクプラウ、
水田プラウなどで天地返し
タイヤ跡への泥の移動が容易になります。
2)
多少代かき作業の耕深を深くすることで、
タイヤ跡を埋める泥の量を確保することが
C図
できます。
④トラクタのトレッドに合わせて土寄せ爪の付
作
業
の
ポ
イ
ン
ト
を行うか、
ロータリ耕をていねいに行うことが大切です。
多少深めに作業することで、
ワラの入り込む
容積を大きくします。
③入水から一定期間置くことで泥を膨軟にし、稲ワラに水分を吸わせ「浮き」
を防止すると埋込性が
良くなります。
④車速を遅くして土を細かく砕土することで、稲ワラを入りやすくします。
け替えを行います
(A図参照。
B図・C図の場
作業速度は1.5∼3km/hが標準ですが、速すぎると埋め込み性が悪くなります。
合はA図のように爪位置を変えてください)。
⑤代かき軸の回転数が高すぎると、
ワラを後方へ吐き出すため、
PTO回転数を下げて作業を行います。
⑤土寄せ爪の本数を増やし、
タイヤ跡に寄せる
泥の量を多くします。
※図は松山
(株)のハローを参考にしました。
※代かき作業は回数を重ねると、
土が締まり酸素が欠乏して根腐れを起こす原因となります。
少ない作業回数で仕上げることをお勧めします。
※代かきハローは、代かき作業専用爪を使用し、
爪配列も十分考慮されていますので、
代かき作業は専用の代かきハローの使用をお勧めします。