47 玉原高原のブナ林

千葉県森林インストラクター会
㊼ 玉原高原
関東有数の広大さと美しさで知られる玉原高原のブナの森と小尾瀬と呼ばれる玉原湿原
【概要】関東有数の規模と美しさで知られる玉原高原のブナの森は、今から 70 年以上前までは人
の手が入っていた森。その後、自然観察教育林として管理され、もとの美しい天然林に回復しつつ
あります。玉原高原に生育する高等植物の数は約 600 種、その中に多数の日本固有種、特に雪深い
地域に特徴的な「日本海要素の植物」が見られる森林です。日本海型の気象条件下にあり特に日本
海要素の植物が見られるのが特徴。
【森林の特徴と見所】
玉原高原は、沼田市の北部にあり、武尊山(ほた
かさん、2158m)の西の山麓に位置し、東に勝俣山
(かのまたやま、1637m)、西に尼ガ禿山(あまがは
げさん、1466m)の諸峰に囲まれた標高 1100~
1600m の扇型に広がる緩斜面の高原。面積は約
900ha、その中に約 4ha の玉原湿原を有し、ブナ、
ミズナラ等を主とする広葉樹林が広がる。
関東有数の規模と美しさで知られる玉原高原の
ブナの森は、今から 70 年以上まえまで人の手が加
えられていたが、その後、自然観察教育林として
管理されてきた結果、もとの天然林に回復しつつ
ある。この地域は、地理的には太平洋側と思われ
がちだが、日本海型の気候条件にあり、積雪も 3m
内外と深く、冷温帯に属している。そのためブナ
は、太平洋側のもの(箱根、筑波山、高尾山のブナ
など)に比べ葉の大きく葉質の薄い“オオバブナ”
と呼ばれるタイプ。玉原に生育する高等植物の数
は約 600 種、その内、木本が 31%、草本が 69%で、
その中に多数の日本固有種、特に「日本海要素の
植物」が見られるのが特徴である。
玉原湿原は、
玉原高原のブナ林に囲まれた約 4ha
の湿原で、植生の珍しさから尾瀬にたとえられ「小
尾瀬」と呼ばれています。小さな湿原であるが植
物相は豊富で、春先のミズバショウをはじめ約 90
種の湿生植物が生育している。この湿原の一部に
はヨシやハイイヌツゲが生えている場所がある
が、これは湿原の乾燥化が進んでいる証拠であり、
今後さらに遷移が進み、樹木が侵入し、湿原が森
林に移り変わると考えられている。
【歴史文化】
玉原高原は、藩政時代は入会地であり、明治時
代に官有林になった後も入会地として萱場などに
利用されていた。明治 42 年(1909)に玉原林道が開
設されて植林が始まり、昭和 4 年(1929)から昭
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和 19 年(1944)までの間、森林伐採作業がおこな
われていた。昭和 17 年(1942)には軍用馬の牧場
が湿原周辺につくられたが、昭和 20 年(1945)以来、
森林は自然放置されてきた。現在は国有林の水源
涵養保安林として保護され、元の森林の姿を取り
戻しつつある。
➄
➃
➅
➂
➆
➇
➁
➀
【コース紹介】
センターハウス①を出発起点とし、少し歩いた
ところの野鳥案内板②より「探鳥路」をブナ平まで
上る。途中ブナの森の動植物を観察しながら、シ
ナノキの案内板の側のブナ地蔵③や岩を抱くアオ
ダモ④、長沢三角点⑤を経由して⑥の分岐点に至
り、その分岐点より左に道をとり玉原湿原の分岐
千葉県森林インストラクター会
点⑦まで下る。この分岐点より山側寄りの木道と
湿原の中の木道に分岐するが、どちらも湿原を観
察しながら湿原の出口付近で合流する。湿原から
は自然環境センター⑧を経由してセンターハウス
①に戻る。コース距離約 4.3km、観察時間も含み
4~5 時間の行程。
玉原湿原
コースで見られる主な植物等
【木本類】
高木類:ブナ、ミズナラ、ミズメ、ダケカンバ、トチ
ノキ、コシアブラ、ホオノキ、イタヤカエデ、ウリハ
センターハウス
ダカエデ、ハリギリ、シナノキ、リョウブ、ナナカマ
ド、アズキナシ、オオヤマザクラ、キハダ、クロベ等
低木類:タムシバ、ムシカリ、ヤマウルシ、オオバク
ロモジ、コマユミ、ミヤマナラ、ツノハシバミ、オオ
ツリバナ等
日本海要素の植物:ウスバサイシン、マルバフユイチ
ゴ、ニシキゴロモ、カラスシキミ、クロヅル、タムシ
バ、エゾアジサイ、ヒメモチ、ハイイヌツゲ、エゾユ
ズリハ、ツルシキミ、タニウツギ、オオバクロモジ、
チシマザザ等
探鳥路上り口
【一言メモ】
◆センターハウス(0278-23-9507)
:
駐車場・トイレ施設、食堂、売店を備える。木曜日
定休、営業期間は 4 月下旬~11 月中旬(要電話確
認)
◆玉原自然環境センター:
湿原の入口にあり、館内には写真パネル展示、トイ
野外講座企画のための情報
ブナ平
FS 指数:2B
水平距離:4.3km
登高 195m
トイレ:センターハウス、玉原自然環境センター
昼食場所候補:ブナ平(ブナ地蔵付近)
安全確保上の留意点:長沢三角点を過ぎた下り道
近隣の見所:リンゴ園、地産物販売所
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