トキイロヒラタケの生理活性物質の検索で商品化への基盤研究 [PDF

トキイロヒラタケの生理活性物質の検索で商品化への基盤研究
3. 成果及び事業化の見通し
2. 当該年度の実施内容
1. 背景・目的
トキイロヒラタケ
Pleurotus salmoneostramineus L.Vassは椎茸と
1.トキイロヒラタケの3種類の種菌を用いて
栽培実験を行なった。
同じヒラタケの仲間で、初夏から秋にかけて広葉
樹の枯れ木に発生する食用キノコである。βグ
ルカンや食物繊維を多く含み、またポリフェノー
ルをはじめとする機能性成分も多く含んでいるこ
とがわかっているが、その機能性の基となる有効
成分の構造に関する情報はほとんどない。また、
発生から2日目
H13株 菌種
2.トキイロヒラタケに含まれるβグルカン
量の定量を行った。
トキイロヒラタケは他のきのこと比較すると収量が
半分ほどしかなく、野生ではほとんどみられない
総グルカン(%)
総グルカン(%)
α -グルカンなど(%)
グルカンなど(%)
β -グルカン(%)
グルカン(%)
ため大変希少なものである。本研究では、トキイ
トキイロヒラタケ粉末
28.6±
28.6± 1.67
0.34±
0.34± 0.04
28.3±
28.3± 1.07
ロヒラタケの菌株を栽培してその違いを調べるこ
濃縮液(
濃縮液 (S1)
S1)
8.76±
8.76± 0.76
1.24±
1.24± 0.12
7.53±
7.53± 0.88
と、含まれているβグルカン量の測定すること、メ
ラニン合成抑制活性物質を分離分析し、その構
造を決定することを目標に行った。強い活性物
質を分離し、その機能性を明確にすることが出来
岡山理科大学・益岡典芳
3.メラニン合成抑制活性の指標となるチロ
シナーゼ (EC 1.14.18.1) 活性阻害を測定して、
活性化合物を分離した。機器分析を行い構
造決定する。
ると、新商品、更に県特産品の開発に役だつと
考えている。
トキイロヒラタケの機能性はβグ
ルカンとメラニン合成抑制作用で
ある。βグルカンが豊富に含まれ
ることから抗癌作用ならびにマク
ロファージの活性化などの作用が
期待できる。メラニン合成抑制作
用は、アルブチンと同じくらい極
めて強力で、細胞毒性がほとんど
みられないことは注目される。
トキイロヒラタケに含まれる生
理活性物質の構造と作用メカニズ
ムを明確にすることで、食用きの
こであるトキイロヒラタケを使っ
た新商品「食べる美白サプリメン
ト」の開発を目指している。特に、
本研究による細胞毒性がほとんど
見られないメラニン合成抑制作用
を持つ生理活性物質の分離と構造
決定は、トキイロヒラタケの商品
化だけでなく、更に、新商品の開
発、県特産品の開発の基盤を新た
に創ることが出来ると考えている。
天然のトキイロヒラタケ
美容系サプリメント
(βeauty) 試供品
http://inflab.nagaokaut.ac.jp/kinoko/kinok
o2/202.html
C1のクロマトグラム