任意の境界形状を評価できるデカルト座標系浅水流モデル と - 土木学会

高松市街地の高潮被害(台風04
高松
市街地の高潮被害(台風0416
16)
)
任意の境界形状を評価できるデカルト座標系浅水流モデル
と下水道を考慮した氾濫統合解析手法 開発
と下水道を考慮した氾濫統合解析手法の開発
広島大学
内田龍彦
研究背景
2004年の高松市街地の主な水害記録
台風
氾濫形態
台風16号(08月30日)
高潮氾濫
(既往最高潮位T.P. 2.46 m)
台風18号(09月07日)
高潮氾濫
台風23号(10月20日)
内水氾濫
(総雨量160 mm)
床上・床下浸水戸数
沿岸都市域では異なる形態の氾濫の危険に晒されている.
氾濫被害軽減
信頼度の高い氾濫解析モデルによる氾濫流の再現・予測
氾濫形態と都市構造の評価(氾濫統合解析)
基礎方程式の解析精度(高精度解析)
15,561
(死者2名)
293
5,600
研究目的
沿岸市街地の高潮氾濫と内水氾濫を同時に解析できる統合解析手法の開発
瀬戸内海
擂鉢谷川
3
6
2
1
高松駅
5
(拡大図)
高松市役所
4
御坊川
詰田川
春日川
ノード(マンホール)
ノ
ド(マンホ ル)
高松市街地の密集する建物群
解析モデルの特徴
・ 地表面氾濫流の解析の高精度化
・ 地表面と下水道の流れの連成解析
リンク(管渠) ①~⑥:ポンプ
モデル化した高松市街地の下水道網
検証
2004年台風16号
高松市の高潮氾濫
新しい地表面流解析モデルの開発
表
市街地の都市構造をデカルト座標系で高精度で表現する浅水流モデル
新しい地表面流解析モデルの開発
従来の氾濫数値解析法(従来のデカルト座標系の問題点)
建物(流下阻害物)
道路
従来のデカルト座標系における格子分割のイメージとその問題点
市街地氾濫流は建物群や道路網の影響を強く受けるため,それらを
市街地氾濫流は建物群や道路網の影響を強く受けるため それらを
適切に評価することが重要であるが,従来のデカルト座標系モデルで
は小さな計算メッシュを用いてもそれらの形状が適切に評価できない.
新しい地表面流解析モデルの開発
従来の氾濫数値解析法(都市構造を評価する種々のモデルの長所と短所)
格子系
(座標系)
街路ネット
ワ クモデル
ワークモデル
建物及び
び街路の評
価能力
非構造格子
モデル
簡易
格子生成
成及び計算
データの
の整備
一般座標系
モデル
良
数値流体
体解析的精度
もしくは計
計算効率
デカルト座標
系モデル
系
デル
特徴
良
長所短評
短所短評
例
格子生成など計算データの
整備が極めて容易.
整備
極め 容易
建物や街路の影響を
考慮するのが困難.
考慮する
困難
岩佐ら,1980
末次ら,1998
主要な街路を表現することが
可能.
街路網の形状によっ
ては主要街路を表現
できない.
福岡・川島ら
1998
複雑な地形,境界形状を表
現することが可能.
格子生成に時間と労
力を要する.
重枝・秋山ら
2001
密集市街地において複雑な
格子生成にかなりの
街路網を評価することが可能 時間と労力が必要.
街路網を評価することが可能.
時間と労力が必要
川池・井上ら
2002
参考:川池ら,都市域の氾濫解析モデルの開発,土木学会論文集,No.698/II-58,2002.
新しい地表面流解析モデルの開発
氾濫流解析における計算データ作成の例とレーザプロファイラによる三次元データ
地盤高デ タ(標高)
地盤高データ(標高)
地物情報データ(建物群,道路,河川など)
航空写真(樹木など)
計算メッシュデータ
高精度の3Dレーザスキャナ(LISA)による河川と
その周囲の三次元座標データ(DSM)
(
)
氾濫流解析における計算データ作成の例
近年
リモ トセンシング技術は急速に発達しており 氾濫計算などに求められる計算メッ
近年,リモートセンシング技術は急速に発達しており,氾濫計算などに求められる計算メッ
シュよりも詳細なデータを取得することも可能となってきている.
効率的に地表面の状況を評価でき,計算データの書き換えに対応できる解析手法
の開発が求められる.
の開発が求められる
新しい地表面流解析モデルの開発
目的
氾濫域データ整備が簡便であるデカルト座標
系を用いつつ,複雑な都市構造を境界適合
座標系のように捉え 氾濫流を高精度に計算
座標系のように捉え,氾濫流を高精度に計算
できないだろうか?
計算格子内の物理量およびパラメータの分布を考慮する
計算格子内の物理量および ラメ タの分布を考慮する
ことによって,
流れの変化点と複雑な都市構造などの流れに影響を与える
条件をデ
条件をデカルト座標系で高精度に表現できる
座標系 高精度 表
き
二次元浅水流解法を開発する.
新しい地表面流解析モデルの開発
解析法のイメージと解析方法の概略
ij + 1
δxij
U yij
i −1 j
全ての変数を各格子の値,線平均値,
面平均値で与え,保存型CIP法を応用
して基礎方程式を連立し,解く.
基礎方程式を連立 解く
δyij
H xyij
i +1 j
ij
Vxij
ij − 1
50m
(従来のデカルト座標系)
デカルト座標系でも複雑な都市構
造が表現可能
造が表現可能.
ij + 1
δxij
H yij ,U yij ,Vyij , Fxij
Vij , H xyij
δyij
計算過程に物理量の内挿補間が
不必要.
U xyij , Fxyij
i −1 j
uij ,υij , hij , fij
ij
i +1 j
U y ij ,Vy ij , H y ij , Fy ij
Hyij,Uyij,Vyij,Axi
(本解析法)
50m
質量,運動量の保存性を確保しつ
つ,移流項(発散型)が高精度化.
新しい地表面流解析モデルの開発
基礎方程式(デカルト座標系)~流体占有率を考慮した二次元浅水流方程式
連続式
∂h 1 ∂fu j h
+
=0
∂t f ∂x j
運動方程式
1 ⎛⎜ ∂fui h ∂ffui u j h ⎞⎟
∂ζ τ 0i / ρ 1 ∂hτ ij / ρ
+
= −g
−
+
∂x j ⎟⎠
fh ⎜⎝ ∂t
∂xi
h
fh ∂x j
ij + 1
δx
δxij
不透過の境
界領域
δy
Fxi+1 j ⋅ δy
Fxij ⋅ δy
U yij
Fxyij ⋅ δxδy
Vxij
Fyij ⋅ δx
U yi+1 j
H yij ,U yij ,Vyij , Fxij
Vij , H xyij
δyij
y
U xyij , Fxyij
i −1 j
uij ,υij , hij , fij
ij
i +1 j
U y ij ,Vy ij , H y ij , Fy ij
不透過の境界領域を空隙率で表現したコントロールボリュームと本解析における主要な変数の配置
x
新しい地表面流解析モデルの開発
解析法の検証(一次元ダムブレーク問題に対する格子解像度の影響)
(m)
(m)
1
1
Initial
Exact
Calculated(10sec)
dx=0.2m
dx=1.0m
dx=5.0m
dx=10.0m
0.8
0.6
0.4
Inital ( 0sec)
Exact (10sec)
0.8
Calculated(10sec)
dx= 0.2m
dx= 1.0m
dx= 5.0m
dx=10.0m
0.6
0.2
04
0.4
0
0
20
40
60
80
100 (m)
a) UPWIND解法,Staggered格子系
0.2
(m)
1
Inital ( 0sec)
E
Exact
t (10sec)
(10 )
0.8
0
Calculated(10sec)
dx= 0.2m
dx= 1.0m
dx= 5.0m
dx=10.0m
0.6
0.2
0
20
40
60
80
b) 非保存型CIP解法
20
40
60
80
100(m)
c) 保存型CIP解法(本解析法)
0.4
0
0
100(m)
・ 正の段波波高は正しく評価される.
正の段波波高は正しく評価される
・負の段波先端は正しく評価される.
・粗い格子でも正の段波先端位置が正
しく評価される.
新しい地表面流解析モデルの開発
解析法の検証(市街地街路網の評価に対する格子解像度の影響)
解析条件
一定水深
0.3m
壁面
QU
道路幅 B
QD
計算格子
D=dx=dy
D/B
1.0m
0.1
5.0m
0.5
10 m
1.0
20 m
2.0
10 m
4
4
断面 U
QU (m3/s)
3
2
1
0
断面 D
3
QD (m3/s)
本解析法
D/B=0.1
D/B=0.5
D/B=1
D/B
1.0
0
D/B=2.0
従来法
D/B=0.1
D/B=0.5
本解析法
D/B=0.1
D/B=0.5
D/B=1 0
D/B=1.0
D/B=2.0
従来法
D/B=0.1
D/B=0.5
2
1
0
200
400
600
800
1000
(sec.)
0
0
200
400
600
800
1000
(sec )
(sec.)
新しい地表面流解析モデルの開発
解析法の検証(破堤水理実験結果との比較-家屋がない場合)
Flo
w
固定点
(m)
【計算結果】
6.5
9.0
80
8.0
水位(cm)
水
水位(cm)
水
実験結果
計算結果
8.5
6.0
5.5
5.0
4.5
7.5
7.0
6.5
6.0
5.5
実験結果
計算結果
4.0
5.0
4.5
3.5
4.0
00
0.0
50
5.0
10 0
10.0
時間(秒)
【下流端水位4.0cm】
15 0
15.0
20 0
20.0
00
0.0
50
5.0
10 0
10.0
時間(秒)
【下流端水位6.0cm】
15 0
15.0
20 0
20.0
新しい地表面流解析モデルの開発
解析法の検証(破堤水理実験結果との比較-家屋がある場合)
Flow
固定点
(m)
【計算結果】
65
6.5
6.0
実験結果
5秒後
水位(ccm)
5秒後
5.5
5.0
4.5
4.0
3.5
解析結果
0.0
5.0
10.0
時間(秒)
15.0
20.0
実験結果
計算結果
新しい地表面流解析モデルの開発
まとめ
1) デカルト座標系で任意の境界形状を評価するために,各計算格子の点値,線・面平均値を同時に解くこ
デ
座 系
意 境
を
す
各 算格
値 線
値を 時 解
とができる二次元浅水流の保存型の陽解法を提案した.
2) 従来のCIP解法で課題であった段波先端部で波高が高くなる問題を解決し,従来の解法に比べ少ない
格 点数 段波を表 する とが出来る とを
格子点数で段波を表現することが出来ることを示した.また,計算格子スケールの流れ場や境界条件の
た また 計算格
流れ場 境 条件
変化を捉えることができることを示した.
3) 初期水深によって段波の伝達速度や段波通過後の水位の変動特性が大きく異なる実験結果を,本解
析法は良好に再現する とを示した
析法は良好に再現することを示した.
4) 破堤部に家屋が配置される条件において,実験結果と計算結果を比較し,計算結果は常射流混在場に
建物などの障害物が存在する場においても,時空間的に信頼できることを示した.
本解析法の課題,欠点
計算時間:少なくとも移流項の計算に4倍の計算量.
格子 大きさ 要求される計算格子サイズが空間的に異なる場合
格子の大きさ:要求される計算格子サイズが空間的に異なる場合.
壁面以外の評価法:基礎方程式に陰的に含まれる項の評価(水際など河床形状に関するものと粗度係数)
安定性:移流項が高精度化されるため,数値粘性がほとんど無いこと.
沿岸都市域の統合氾濫解析システムの開発
域 統
解
開発
下水道を考慮した高松市の高潮氾濫解析の例
沿岸都市域の統合氾濫解析システム
降雨
降雨損失(蒸発散)
地表面格子の水量の計算
降雨流出解析モデル
メッシュ法,キネマティックウェーブ法
高潮
地表面流解析モデル
地表面流解析 デ
デカルト座標系,建物占有率,CIP法
窪地貯留
下水道解析モデル
仮想マンホール(ノード),下水道管(リンク),
仮想
ホ
(
),下水道管(リ ク),
スロットモデル,一次元浅水流方程式
PUMP
ポンプ排水
ポ プ排水
降雨損失
(浸透)
地表面流解析モデル
外系からの質量,運動量の流入出の導入
連続式
∂h 1 ∂fu j h
1
+
Qk
=
∑
∂t f ∂x j
fΔxΔy k
外系からの質量,運動量の流入出
(降雨,高潮氾濫水,下水道との水交換‥)
運動方程式
⎞
1 ⎛⎜ ∂fui h ∂ffui u j h
1
∂ζ τ 0i / ρ 1 ∂hτ ij / ρ
⎟
+
−
∑ M k ⎟ = − g ∂x − h + fh ∂x
ΔxΔy k
fh ⎝⎜ ∂t
∂x j
i
j
⎠
ij + 1
δx
δxij
不透過の境
界領域
δy
Fxi+1 j ⋅ δy
Fxij ⋅ δy
U yij
Fxyij ⋅ δxδy
Vxij
Fyij ⋅ δx
U yi+1 j
H yij ,U yij ,Vyij , Fxij
Vij , H xyij
δyij
y
U xyij , Fxyij
i −1 j
uij ,υij , hij , fij
ij
i +1 j
U y ij ,Vy ij , H y ij , Fy ij
不透過の境界領域を空隙率で表現したコントロールボリュームと本解析における主要な変数の配置
x
降雨流出解析モデル
地表面流解析モデルと降雨流出解析モデル
有効雨量(メッシュ貯留分)
降雨
降雨損失(蒸発散)
re:有効雨量,r:降雨強度,f:降雨浸透能,
DS:窪地貯留,E:蒸発散量
地表面流モデル
(浅水流方程式)
雨水流出モデル
降雨損失(窪地貯留)
降雨損失(窪
貯留)
降雨損失(浸透)
re = r − f − DS − E
h1
地盤高
平均地盤高
均地盤高
降雨浸透能
f = f c + ( f 0 − f c )e − kt
fc:初期浸透能,f0:最終浸透能,k:減衰
係数,t:時間
降雨流出解析は地表面流モデルと同じ格子で計算されるが,雨水流出水深h1を設定し,
各解析 取り扱う水深を区別する。
各解析で取り扱う水深を区別する。
降雨流出解析モデル
下水道管内流モデルと降雨流出解析モデル
x
q x = q cos θ
(分布型モデル)
M h
Mesh
□:ノード集水域、
■:地表面格子
q
(流出方法)
①各格子から流出する(最も近い)ノードの方向の算出
y
Node
q y = q sin θ
θ
②流量算定。
③隣接する格子に方向成分与える。
(流量算定式:マニング式)
1 5 3 12
q= h i
n
q:流出流量
n:粗度係数
h :水深
i :勾配
勾
z
x, y
下水道管内流解析モデル
1次元浅水流方程式とスロットモデル
連続式
An
∂hn
+ ∑ Qi = 0
∂t
i
:ノード
:リンク
運動方程式
:計算領域
∂Q ∂ ⎛ Q 2 ⎞
∂H n
Q2
2
⎟⎟ + gAl
+ gnl
=0
+ ⎜⎜
4
∂t ∂x ⎝ Al ⎠
∂x
Al Rl 3
ノード
ノード
(仮想マンホ ル)
(仮想マンホール)
(仮想マンホ ル)
(仮想マンホール)
(連続式)
(運動方程式)
ノ ドとリンクの計算領域の定義
ノードとリンクの計算領域の定義
スロット
管路流
FLOW
開水路流
リンク
リンク
リンク
(下水道管渠)
(下水道管渠)
(下水道管渠)
(管路断面)
下水道管内流解析モデル
下水道管内流モデルと地表面流解析モデル(降雨流出解析モデル)
(下水道から地表面 の流出)
(下水道から地表面への流出)
(地表 から 水道
(地表面から下水道への流入)
流入)
L
H m − Zm
Hn − Hm
下水道管内解析モデルにより計算
ノードで計算された水位から計算さ
れる地表面を超える水量を該当する
格子に与える
格子に与える.
段落ち公式により計算
Qin = μL(H m − Z m ) gh
h = min(H m − Z n , H m − Z m )
Qin:地表面から下水道への流入量,Hm:ノード上
のメッシュ水位,Zm:ノード上のメッシュ地盤高さ,
μ:段落ち係数,L:ノード周長
解析対象
台風0416による高松市街地の高潮災害
(潮位)
夏の大潮と台風による吸い上げが重なり,既
往最潮位を超えるT.P.2.46mを記録
<解析条件>
降
降雨量(mm/hr)
50
40
30
20
10
0
計算時間
(解析時間)
・8/30/21:30~31/01:00
(水際境界条件)
・最小水深hmin=0.05m
(下水道網)
・ポンプ考慮せず
ポンプ考慮せず
(解析パターン)
・下水道網の有無
潮位及び
び偏差(m)
2.0
(海域・河川域)
・観測潮位
天文潮
2.5
1.5
実測潮位
潮位偏差
警戒潮位 +1.82m
通報潮位 +1.52m
1.0
0.5
0.0
12:00
15:00
18:00
21:00
0:00
3:00
6:00
-0.5
時
日時
-1.0
降雨量、潮位及び潮位偏差
(2004年8/30 8/31)
(2004年8/30~8/31)
9:00
12:00
高松市街地のデ タ整備
高松市街地のデータ整備
地表面被覆データの整備
浸透面積率
IA
1
0.5~1.0
0~0
0
0.55
初期浸透能
fc (mm/hr)
1
1
1
Copyright © 2007 ZENRIN
CC
蒸発散量
E (mm/hr)
0.22
0.22
0 22
0.22
窪地貯留
DS (mm/hr)
6
4
2
粗度係数
nr
0.030
0.015
0 015
0.015
N
:道路領域
:非浸水領域
刑務所
操車場
( θ = 100 )
: 80 < θ < 100
: 40 < θ < 80
: 20 < θ < 40
:その他の領域
(θ:建物占有率)
高松市街地のデ タ整備
高松市街地のデータ整備
地盤高データの整備
地盤高デ タ
地盤高データ:
GPS測量
鉄道盛土,
アンダーパス:
アンダ
ス:
地盤高データで考慮
地盤高デ
タで考慮
アンダーパス
西部アンダーパス
沿岸部から内陸部にかけてT.P.2m以下の低地が広く分布し,高潮氾濫流が広
がりやすく,排水しにくいことが分かる.
解析結果
下水道網を考慮する場合としない場合の最大浸水深分布の比較
擂鉢谷川
擂鉢谷川
N
香東川
香東川
御坊川
詰田川
御坊川
春日川
下水道無
浸水面積(km2)
浸
10
下水道有
8
6
4
2
21:00
(8/30)
22:00
23:00
詰田川
本統合解析手法(下水道有)
地表面流解析モデルのみ(下水道無)
0
N
24:00
1:00
(8/31)
春日川
解析結果の比較
氾濫実績と本解析結果の比較
擂鉢谷川
擂鉢谷川
N
香東川
N
香東川
御坊川
詰田川
御坊川
春日川
詰田川
本統合解析手法(下水道有)
地表面流解析モデルのみ(下水道無)
地表面流解析
デル み(下水道無)
香 擂
東 鉢
川 谷
川
御
坊
川
詰
田
川
春
日
川
新
川
実績調査による浸水深分布
j
1.1
1.0
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
:調査範囲外
春日川
結論
まとめと今後の課題
1) 本研究では,沿岸部都市域において高潮による水害の発生防止から被害
の軽減 迅速な復旧までを検討するために 地表面流 下水道流 地表
の軽減,迅速な復旧までを検討するために,地表面流,下水道流,地表
流出を同時に考慮できる統合解析手法を構築した.
2) 本統合解析手法を2004年台風16号による高松市高潮氾濫に適用し,本
手法の妥当性を示すとともに,高潮氾濫解析における統合氾濫解析の必
要性を示した.
3) 今後,2004年台風23号時の内水氾濫に対して本解析手法を適用し,本
手法の検証と有効な被害軽減対策を検討する予定である.
参考文献
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T. Nakamura, R.Tanaka, T. Yabe, and K. Takizawa(2001) Exactly conservative semi-lagrangian scheme for multi-dimensional hyperbolic equations
with directional splitting technique,Journal of Computational Physics, 174, 171–207.
内田龍彦,河原能久,山水綾,渡辺豊,森山学(2007.6):ヘリコプタに搭載した高精度3Dレーザスキャナによる河川の物理環境の計測,河川技術論
文集,Vol. 13, 243-248.
本解析法に関する既発表の論文
内田龍彦,河原能久(2006.2):任意の境界形状を有する二次元浅水流の高精度解析手法の開発,水工学論文集,第50巻,799-804.
内田龍彦,河原能久(2006.9):二次元浅水流の保存型CIP陽解法の開発とその検証,応用力学論文集,Vol.9,917-924.
内田龍彦,河原能久,木梨行宏,伊藤康(2007.2):デカルト座標系を用いた市街地氾濫流シミュレータの構築と竹原市の高潮氾濫への適用,水工
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学論文集,第51巻,517-522.
内田龍彦,見上哲章,河原能久,湧川勝己,幸弘美(2007.6):2004年10月出石川破堤氾濫における洪水の被害調査と氾濫流解析に基づく検討,河
川技術論文集,Vol. 13, 303-308.
内田龍彦,伊藤康,戎忠則,河原能久 (2007.9):破堤氾濫流に関する基礎的実験とその二次元数値解析,応用力学論文集,Vol.10, 911-919.
河原能久,内田龍彦,木梨行宏(2007.10):沿岸都市域における氾濫統合解析手法の開発,海岸工学論文集,第54巻,1331-1335.
※ここでは本内容に関わる主要な参考文献と本解析法に関する既発表の論文のみ列挙している.