本丸 名古屋城本丸御殿復元工事レポート 第 10 号 【屋根工事】玄関(下軒付裏板の施工) 取材日:平成 22 年10月23日(土) 場 所:素屋根内 本丸御殿の玄関復元過程特別公開期間中のこの日、玄関屋根の下軒付の裏板が施工されまし た。軒付裏板は、裏甲の上に取り付ける部材で、その上に軒付板を図のように積重ね、軒先が できあがります。 本丸御殿玄関の軒は二重軒付で、下軒付、上軒付があります。今回は下軒付の裏板の施工の 様子を紹介します。 野垂木 軒 付 下軒付裏板 裏甲 茅負 隅木 飛檐(ひえん)垂木 地垂木 桔木(はねぎ) ■作業内容 軒付裏板は杉を使用します。四角い形に加工した板を裏甲の上に並べ取り付けます。 ずれを防ぐため、裏板の側面に竹合釘を差し込み、板同士を固定していきます。 裏板 竹合釘のほぞ穴 発行:名古屋市市民経済局名古屋城総合事務所 竹合釘 本丸御殿ウェブサイト:http://www.hommaru-palace.city.nagoya.jp 裏板を固定する様子 竹合釘をほぞ穴に差し込む様子 軒の隅部分は、扇状に加工した裏板を使いきれいに納めていきます。 扇状に加工した裏板 桔木 下軒付の裏板 竹合釘で固定し並べた後に、裏板は上から釘でしっかり打ちつけます。 野垂木 隅木 飛檐垂木 職人さんの傍らにあった道具です。鑿(のみ)以外は「へぎ包丁」です。 「へぎ包丁」は、こけ らを割ったり、こけら板を整形するときに使う包丁のような刃物です。今回は隅部分の裏板の調 整加工に使いました。 鑿(のみ) へぎ包丁 ■ 玄関復元過程特別公開 取材日を含め、平成 22 年 10 月 16 日か ら 26 日の 11 日間 玄関復元過程特別公開 を行いました。期間中は、普段は入ることの できない工事中の建物の中から軸組みや小屋 組みの様子を見学いただきました。また、本 丸御殿障壁画復元模写作品「竹林豹虎図」を 展示しました。 玄関の小屋組の様子 玄関復元過程特別公開建物内部の様子
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