第11回窒化物半導体応用研究会 CNF-1687 大流量NH3とH2を使用するMOCVD装置向け 環境配慮型排ガス除害装置の紹介 カンケンテクノ株式会社 2011年7月7日 内容 1. 会社概要 2. 除害装置KT1000シリーズについて 3. MOCVD装置向け環境配慮型排ガス除 害装置の紹介 第11回窒化物半導体応用研究会 1 1. 会社概要 第11回窒化物半導体応用研究会 2 会社概要 1978年の創業以来、一貫して「大気関係の環 境保全装置」に取り組んできた、時代に先駆け たベンチャー企業です。 開発から製造、販売、保全ま で一貫したサービスをご提供、 その機動力と柔軟な対応で お客様のニーズにお応えし ます。 代表取締役社長 第11回窒化物半導体応用研究会 今村啓志 3 カンケンテクノ株式会社 ◆ 創業 1978年 関西研熱工業株式会社として創業 1991年 カンケンテクノ株式会社に社名変更 ◆ 従業員数 300名 ◆ 本社所在地 京都府長 岡京市 ◆ 年商 70億 (2010年度) 第11回窒化物半導体応用研究会 4 本社工場 第11回窒化物半導体応用研究会 5 各 所 在 地 ◆ 製造拠点 ◆ 営業所 本社工場(京都) 独自のサポート体制で全 東日本支店(東京) 伏見工場(京都) 世界をカバーしています 新潟事業所(新潟) 魚津工場(富山) 高岡事業所(富山) 大東工場(大阪) 魚津事業所(富山) 石川出張所(石川) 東大阪工場(大阪) 松本事務所(長野) 台南工場(台湾) 高槻営業所(大阪) ◆ サポートセンター 岡山出張所(岡山) 関西出張所(京都・本社) ◆ 海外拠点 関東出張所(東京・東日本支店) Beijin Kanken Techno 千歳出張所(北海道) ・北京・上海・蘇州SC・松江SC・浦東SC 東北出張所(福島) Taiwan Kanken Techno 宇都宮出張所(栃木) ・新竹SC・台南SC(台湾) 浜松出張所(静岡) Kanken Techno Private Limited 三重出張所(三重) ・シンガポールSC・マレーシアSC 長崎出張所(長崎) Kanken Techno Korea 大分出張所(大分) ・安養SC 6 熊本出張所(熊本) シンボルマークに込めた思い Water(水) 4つの環境 3つの理念 Earth(地球) Air(空気) Green(植物) 未来環境を創造する カンケンテクノ ○ 大気環境浄化から先端プロセス開発 ○ 社会的貢献 ○ 先取り企業 第11回窒化物半導体応用研究会 7 2. 除害装置 KT1000シリーズ について 第11回窒化物半導体応用研究会 8 誕生の背景 充填式スクラバー 充填式スクラバー ジェット式スクラバー ジェット式スクラバー スクラバー技術 直接燃焼式脱臭装置 直接燃焼式脱臭装置 乾式NOX処理装置 乾式NOX処理装置 燃焼技術 大気に関わる環境保全装置の 専門メーカーとして様々なシス テム技術を構築、多くのノウハ ウを蓄積しています。 触媒燃焼式脱臭装置 触媒燃焼式脱臭装置 触媒技術 熱交技術 湿式NOX処理装置 湿式NOX処理装置 濃縮燃焼式脱臭装置 濃縮燃焼式脱臭装置 9 KT1000シリーズの発表 従来のスクラバー技術と熱酸 化技術を集大成し、半導体・液 晶業界向けの電気ヒータを採 用した排ガス除害装置を開発 平成5年 電熱式酸化除害装置 KT1000シリーズ 発表 第11回窒化物半導体応用研究会 U.S Pat:No. 5649985 日本特許:No. 2046475 No. 5716428 No. 3016690 No. 6126906 No. 3188830 No. 3215074 No. 3215081 No. 3242875 10 1−3−④ 除害システムの特徴・販売実績 特徴 電気ヒーターが熱源の熱酸化型除害装置 ○安全 ○低ランニングコスト ○低環境負荷 前後にスクラバーを設置 ○ 特許取得で他社にはないシステム ○ 反応促進、高効率除害 販売実績 2011年3月現在 販売台数 4600基 第11回窒化物半導体応用研究会 除害装置業界シェア(2003-9年) 出典:ガストロン・ガスレビュー 2009年 2003年 市場規模 160億円 200億円 燃焼式(10数社) 55.0% 36.5% Kanken 17.5% 29% KA 4.0% NP 12.5% その他 1.0% カンケンテクノ 29% NP 5% IS 3.0% MJ 3.0% KS 4.0% TS 4.5% UK 5.0% SD 6.5% SS 5.5% BEW 11.5% その他 12% カンケンテクノ 17.5% EW 19% NS 6.0% TS 10.0% ES 6.0% ES 8% TN 27% ※燃焼式シェアが減少し、電熱式増加がトレンド傾向に見られます 12 1−3−④ KTシリーズのラインナップについて 製造装置 デポジット CVD SiH4 SiH2Cl2 Si2H6 PH3 NH3 B2H6 TEOS N2O WF6 クリーニング KT1000FA/MFS/MF/MFH/MFT MとFの融合機。300mmCVDライン対応 の高負荷処理装置。省エネ、省スペース KT1000M シラン、ジシラン、ホスフィン などデポ排ガスの除害 KPL-Cシリーズ 高負荷粉塵耐性の 大気圧プラズマ式除害 F2,HF KT1000F NF3除害装置 NF3 KT1000H-mini KT1000Hの小型モデル C2F6 KW100 湿式スクラバー内蔵 各種排ガスの除害 COF2 O3 MOCVD H2 NH3 SiH4 etc Etching イオン注入 Ion Implant AsH3 PH3 BF3 エピタキシャル Epitaxial H2 base SiH2Cl2 HCl KT1000MOC MO-CVD装置用の除害 エッチング SiF4 HBr HCl CF4 SF6 BCl3 etc KC100 触媒によるオゾン除害 2009年4月 にリリース KD101&KD102 吸着剤による排ガス除害 KT1000H C2F6を含むクリーニング排ガス とデポ排ガスとの同時除害 KPL-W&Dシリーズ 大気圧プラズマ式除害 KT1000EP 高濃度H2を含む 排ガスの除害 KT1000EX/EXA CF4を含む各種排ガスの除害 3. MOCVD装置向け環境配慮型 排ガス除害装置の紹介 製品型名:KT1000MOC 第11回窒化物半導体応用研究会 15 KT1000MOC除害装置概要 1. 本装置は、MO-CVD装置で消費される排ガス(有機金属化合物(MO) ガス、SiH4などを含む大容量のNH3とH2を、弊社特許出願中の技術で 水を使わず除害します。 2. 最初にSiH4やMOガスを乾式除害筒で除去し、次にH2とNH3を電気ヒー タ式反応器で熱酸化分解し、最後に触媒にてNH3酸化時に生じるNOxを 処理し、最終排気致します。 (フローにて次ページにて説明) 化石燃料等燃料ガスは一切使用しません。 また、既存の方式とは全く違う画期的除害方式です。 3. 大流量NH3, H2の発熱エネルギーを利用していますので、 処理時は、電気ヒータの出力がゼロが可能、徹底した省エネ機構に なっています。 4. 高濃度のH2やNH3を安全に除害するための、フェールセーフ機構が 備わっています。 第11回窒化物半導体応用研究会 16 MOCVD排ガス処理の決定版 KT1000MOCシリーズ ◇ LED、GaN工程向け除害装置 ◇ 対象ガス:大流量H2、大流量NH3、MO etc ◇ MOCVD大手各メーカー実績あり。 [標準仕様 KT1000MOC] ※ 特許出願中 サイズ:W2300×D1400×H1800mm MAX処理流量: H2 100L/min NH3 60L/min (大型タイプ KT1000MOCAは H2 400L/min NH300L/min ) 処理温度:600∼1100℃ 第11回窒化物半導体応用研究会 17 KT1000MOC フロー 排気ファン 排ガス 排気 F N2 空気 反応ブロワ F ※ 特許出願中 前処理剤 (吸着) 冷却水 冷却ファン F 第11回窒化物半導体応用研究会 電気反応 炉 触媒 熱交換器 18 KT1000MOC ユーティリティー 型式 KT1000MOC KT1000MOCA 最大処理風量 H2 100 SLM H2 400 SLM NH3 300 SLM NH3 60 SLM 処理対象ガス H2、NH3、微少量SiH4、MOガス W(mm) 2300 2700 D(mm) 1400 2100 H(mm) 1800 1800 電気 (AC200V×3φ) 運転容量 2∼8 kW 4∼15 kW 冷却水 運転容量 10L/min 10∼20L/min 窒素 運転容量 5SLM 5SLM 1800 kg 2500 kg 外形寸法 用力 本体重量 ※水素、アンモニアガスの導入信号を戴くことにより、より省エネ効果があります。 ※水素、アンモニアガスの導入信号を戴くことにより、より省エネ効果があります。 KT1000MOC 特徴 ◎ 低ランニングコスト・低環境負荷 燃料ガス、中和薬液不要。CO2排液なし。 ◎ 徹底した省エネ機構 排ガスのNH3, H2のエネルギーを利用。 ◎ 小フットプリント・高安全性 室内での直近処理が可能。 ◎ 1台で2台のMOCVD装置の処理可能。 流量に合わせた納入実績あり。 (MOCAタイプ) ※ 特許出願中 第11回窒化物半導体応用研究会 20 NH3除害の各種除害方式との比較 比較項目 単位 KT1000MOC 水スクラバー 触媒除害 LNG燃焼除害 プロセス スタンバイ プロセス スタンバイ プロセス スタンバイ プロセス スタンバイ 年間電力 MW/年 29.4 128.2 21 21 754 1270 41.7 41.7 燃料使用量 km3/年 0 0 0 0 0 0 25.9 25.9 98% H2SO4 ton/年 0 0 116 0 0 0 0 0 供給水 m3/年 0 0 518 518 0 0 0 0 25%硫安廃水 m3/年 0 0 580 518 0 0 0 0 CO2発生 ton/年 33.3 8.9 426.9 68.5 総コスト 千円/年 552 1768 7081 1692 H2 200SLM、NH3 150SLM、その他ガス プロセス時550SLM、非プロセス時200SLM、プロセス比率50%で計算。 電力CO2発生量 0.422kgCO2/kW、電力 7円/kW、LNG 54円/m3、供給水 98.4円/ton、硫酸 8120円/ton、 21 廃水処理 2000円/m3で計算。 第11回窒化物半導体応用研究会 特徴 (技術的な特許申請内容含む) 【技術的なコンセプト】 • アンモニア排水は発生せず、除害装置でのCO2の発生も無いため、環境に配慮した 除害を行うことが出来ます。 • NH3の酸化反応時に生じるNOxは、反応器の出口に設置した触媒でN2とH2Oに 分解除害します。 • 排水処理コスト不要、消耗品も僅か、従来の最有力処理方式であった触媒式と 触媒式と比較して、イニシャル1/2、ランニングコストを1/3大幅に削減できます。 【安全上のコンセプト】 1. 電気ヒーターを用い、可燃ガスであるH2とNH3を酸化分解処理する為、可燃ガスの流 量が大幅に変動しても、反応器の温度を可燃ガス酸化温度以上に維持でき、酸化反 応が中断する事はありません。 2. 可燃ガスが流れない状態でも、電気ヒーターにより反応器温度を可燃ガスの酸化反応 温度以上に維持できます。この為、失火ということは起こりません。 3. フレームアレスターにより、上記安全仕様を外れるような万一が発生しても フェールセーフとなっています。 ※入口導入管に設置した温度センサーにより、常時入口ガス温度を監視し、入口温度が上昇した場合、 速やかに配管内を緊急希釈する逆火防止安全機構等、各種の安全機構を保持しています。 第11回窒化物半導体応用研究会 22 反応器出口でのNOx濃度 500 NOxは、NH3除 害量の最大で、 1.3%発生する。 450 400 NOx (Reactor OUT) (ppm) 350 H2 0 L/min H2 1 L/min H2 5 L/min H2 10 L/min H2 20 L/min H2 40 L/min 300 250 200 150 100 50 0 0 5 10 15 NH3 Flow Rate (L/min) 20 25 NOx濃度のNH3流量依存性 反応器温度:950゚C、出口総流量:270∼340 L/min 第11回窒化物半導体応用研究会 23 NOx出口濃度 50 NOx Conc. (ppm) 40 30 NOxの出口流量を 3cc/min以下にす ることが可能。 20 10 0 0 5 10 15 NH3 Flow Rate (SLM) 20 25 NOx濃度のNH3流量依存性 反応器温度:950゚C、H2流量:40 L/min、総流量:310∼330 L/min 第11回窒化物半導体応用研究会 25 NH3出口濃度 1 0.9 0.8 NH3 Conc. (ppm) 0.7 0.6 NH3の出口濃度 は検出限界以下 です。 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 0 5 10 15 NH3 Flow RAte (SLM) 20 25 NH3出口濃度のNH3流量依存性 反応器温度:950゚C、H2流量:40 L/min 第11回窒化物半導体応用研究会 26 大流量除害時の出口ガス濃度 KT1000MOC(#09835)_出口ガス濃度推移 50 45 H2: 200 SLM NH3: 150 SLM 40 条件① H2: 300 SLM NH3: 150 SLM 条件② H2: 400 SLM NH3: 150 SLM 条件④ 条件③ 35 30 H2: 0 SLM NH3: 150 SLM 25 20 NO ppm NO2 ppm 出口濃度(ppm・%) 15 NH3 ppm H2 % 10 NOx ppm 5 11:25 11:35 11:45 11:55 12:05 12:15 12:25 12:35 12:45 12:55 測定時刻 13:05 13:15 13:25 13:35 13:45 13:55 14:05 14:15 入口ガス流量,組成が大きく変動しても、出側除害性能は維持される。 第11回窒化物半導体応用研究会 28 各種除害方式との比較 まとめ • KT1000MOCは、可燃ガス除害時は可燃ガスの反応熱の みで持続でき、基本的にファンのみの電力を使用するた め、電力使用量は非常に少ない。 • 電力以外の燃料を使わないため、エネルギーコストが他 方式に比較し少ない。 • 水を使わないため、廃水処理のための設備や費用を必要 としない。 • この為、環境に配慮した除害を低コストで実現できる。 第11回窒化物半導体応用研究会 29 1 まとめ • 排水処理が不要な、大流量H2とNH3のMOCVD装置 の排ガス除害が可能な除害装置、KT1000MOCの概 要とその性能を説明しました。 • 本除害装置は、電気ヒーターを用いた熱分解酸化除 害装置であるため、CO2の発生を極力抑えた除害が 可能となります。 • また、除害に必要な用力は主に電力であり、排水処理 の必要がありませんので、ランニングコストを抑えた除 害が可能となります。 • MO、NH3、H2の除害性能は非常に優れていると同時 に、NOxの発生が極めて少ない除害装置であり、上記 のように、環境に影響を極力与えない除害装置です。 第11回窒化物半導体応用研究会 30 御清聴ありがとう御座いました 発表者:カンケンテクノ株式会社 塚田 勉 e-mail : [email protected] URL : http//www.kanken-techno.co.jp 第11回窒化物半導体応用研究会 31
© Copyright 2024 ExpyDoc