新 形 式 外 燃 機 関 の 開 発 -試作第1号エンジンの試験-

新 形式 外 燃 機 関 の開 発
-試作第1号エンジンの試験-
横浜製機㈱
関根宗平
須藤俊美
寺田聡里
NPO 日本スターリングエンジン普及協会 小井田幾夫、海法俊光、鶴野省三
1.はじめに
工場や焼却炉からの排熱や未利用バイオマス、
環を確実にすることで圧力差の拡大とメカニカ
ルロスの縮小に取り組む。
また太陽光などを熱源とする外燃機関の実用化
が期待されている。これに応えるものとしてスタ
ーリングエンジンがあるが、エンジン本体と加熱
器・冷却器が一体構造であるため、エンジン性能
確保の観点から加熱器・冷却器の容積は可能な限
り小さく、燃焼器もコンパクトに設計されなけれ
ばならない。そのため多様な熱源の対応や、設置
する場所に制限があり、コストの関係からも普及
が進んでいない。これらの問題を解決するものと
図1 試作 1 号エンジン
して、基本的にはスターリングサイクルエンジン
ではあるが、新形式外燃機関の開発を始めた。こ
こでは、試作 1 号機(図 1)の作動原理検証のた
めの運転状況について述べる。
2.新形式外燃機関の概要
新形式外燃機関は、図2に示すように、大きく
分けて圧力発生部と出力発生部から構成される。
圧力発生部では、弁の開閉で加熱器と圧力差発生
器が導通し作動ガスをブロワで循環させること
により等容加熱を行い、冷却器と圧力差発生器と
のガス循環により等容冷却を行う。これを交互に
行うことで圧力差を発生させる。出力発生部では、
図2 新形式外燃機関構造原理図
この圧力差をピストンで出力に変える。
表1 運転状況
3.運転状況
項
目
実験値
熱媒温度(℃)
290
は表 1 に示す通りである。なお、加熱器の加熱は
加熱器出口温度(℃)
225
熱媒加熱器によって行った。
冷却器出口温度(℃)
30
運転試験結果として、自立運転時の主要な性能
4.まとめ
運転試験の結果、自立運転でき作動原理が確認
された。今後は、出力の増大を図るため、ガス循
加熱器圧力(MPa)
1.15
冷却器圧力(MPa)
0.97
エンジン回転数(rpm)
72