酒田最上川庄内砂丘大山川今の庄内の農の豊かさを支えているのかもしれません。水とメロン栽培菊池常俊さんきくちつねとし山形県庄内総合支庁産業経済部農村計画課農林技監（兼）農村計画課長 1952年山形県最上町に生まれる。1975年岩手大学農学部卒業後、山形県農林水産部に奉職。以来農業土木職員として農業基盤整備を担当。特に庄内平野の土地改良事業の最盛期に現場職員として、圃場整備をはじめ各種事業に従事。その後事業計画を担当し、山形県農林水産部農山漁村計画課長を経て現職。まな人の努力があって実現されたもちろん品種改良など、さまざ通常の地下水位は２〜３ c 程度で水していると言っていましたが、かな、と思います。ある、と言っても過言ではないの利用できたから今のメロン栽培が層があって、そこの帯水層の水を砂丘の上に黒っぽい土壌の不透水用がキーポイントになります。古んは、８ c の井戸からポンプで揚ります。メロン栽培者の本間栄さ丘に水が上がってくる現象が起こ００ a を超えると、次の年には砂ともあります。年間降水量が２０砂丘なのに、水が多くて困るこしときてく合っ北にれ時古造庄たかに放て流てに赤あて代砂に内。ら縄水被しい向川たいに丘な砂、文路害てまかとるた、とっ丘そ時をがいすっいとと砂新てをう代つ出た。てういい丘砂い語いのくるのも貫川うわ全丘るるう遺りのでと流はこれ体がと上こ跡まですもし、と、が形いとがし、がとて鶴でそ広成わでが出た砂、は酒岡すれ葉されはわて。丘氾最田の。が樹れて、かきそを濫上ま南水縄でるいりたの貫が川でかの文覆間ままことい多にいら利期わのす。帯がたくさん見られます。ように、庄内平野の外縁には湿地いう説もあります。その表われの中で湧いているのではないか、と屈で、月山の伏流水の一部が海のいているのですが、遊佐と同じ理われています。水は砂丘の端で湧るから牡蠣がおいしく育つ、とい海山の伏流水が海の中に湧いてい遊佐は岩牡蠣が有名ですが、鳥海中の湧水かった、ということです。右上の地図：国土地理院基盤地図情報(縮尺レベル25000)「山形」及び、国土交通省国土数値情報「河川データ（平成19年）、土地利用細分メッシュデータ（平成21年）、農業地域データ（平成23年）」より編集部で作図この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の基盤地図情報を使用した。（承認番号　平24情使、第750号）は湿地帯で、ほとんど人が住めな京田川庄内空港の強風のためにクロマツがかしいでいる。 300mの防風林帯の合間に表われた小道。庄内砂丘防風林粘り強く、黙々と働いてきたことの蓄積が、砂丘メロン栽培を可能にし、これを築き、維持してきたのは無名の庄内人です。幾重にも梢を伸ばして、砂と風から庄内平野を守っているのです。青竜寺川何世代にもわたって、営々と植樹されてきたクロマツが砂丘というものと新砂丘の二層構ます c d 田庄せがの、市庄内ん、砂幅を内砂。そ丘 1.5 経砂丘ので〜て丘は存す３鶴は、在。 d 岡飽あく海み地は日質案本、市郡的外一最に遊ゆに知長大至佐ざまいらい標る町ちうれ砂高延かとて丘は長ら古いで 77 34 酒になります。ということは、平場めて平場に集落跡が見られるよういるだけ。平安時代に入って、初は、平野部の周辺部に張りついて住んでいました。庄内の縄文遺跡赤川藤島川原始林のような力強さに圧倒されます。普通の海岸の松林を想像しては、大間違い。実際に防砂・防風林の中を歩いて、海まで出てみました。古砂丘と新砂丘しな水水こ庄たっを層と内。て汲がで砂、み発は丘今上見あにのげさるは畑てれの縄作灌たで文が漑こす時可でとが代能きか、かにるら戦らなよ、後人りう地、がまに下帯水の文化 43『庄内の農力』 2013／2 26 父祖善父五治郎郎が右広衛岡門新が田茨村新（田現（・現酒・田鶴市岡）市を）拓をい、遂疲創年名出げ弊設（は羽たしし安四酒。たた永郎田藩酒４三のの井）郎豪財忠第（商政徳７し。改（代ろ光革た庄う丘にだ内さは携あ藩ぶ諱わり主ろ（り）でうい、の藩）み再命校。な建を致１）を受道７で成け館７、しを５本、田市の佐藤太郎右衛門がいます。本間光丘（１７３３〜１８０１年）ています。有名な人では、現・酒が率先して植樹したことが知られ庄る内こでともが肝きもあ煎いりる（んそので地す方がの、豪族遊）佐なでどもすっ。てよきくた本そ間れ光みつぞ丘おかれのの功歴績史とが言あわりれま丘のそれぞれの地域に、飛砂と闘じて植林にあたりました。長い砂たいと思います。守られていることを忘れないでいな努力によって、今の庄内平野が人も、自家米はつくらないと暮ら漁業をやって生計を立てている安部公房の『砂の女』（この強風は防げないんです。そしてある程度、松の植林が進る人もいます。す。毎年、航空写真で確認してい問題です。そういう人たちの地道やっている人にとっても、切実なしていかれません。近隣で水田をき網漁をやっていた人たちの集落も農業はできません。浜中は地引す本でを状砂周はれあ。当す背態丘辺旧て小れに。負にのの家し説ほ家冬っな中砂なまのどが場てりにをんうモ砂埋の、ま家かだ家デがま北海しをきそとル堆っ西岸た建分ういに積に。てけでうなてしし風捨かててすのったまがてきあい。はてらう吹に分るる代、砂、ほい行けよう々実にとどたくたうち家際埋てでらの砂なにのにも、、がモデルとなりました。６２）浮かべ、砂が動くという印象があ砂丘というと鳥取や浜松を思いういう技術がなければ、ただの砂入れて、土壌改良しています。そ現在の一番の課題は、マツクイ 27 佐藤太郎右衛門（１６９３〜１７６９）況が続いていたんですよ。けやすい。それで堆肥をたくさんくなっている、という話も聞きまに土砂がこなくなって砂丘が小さこれからの砂丘保全上流にダムができたことで、逆戦後すぐのころまでは、そんな状そんなに昔のことではありません。そういう苦労をしていたのは、やはり砂地ですから肥料分が抜すぐに掛けることもできますし。んです。水を掛けたいときには、庄内砂丘の水とメロン栽培いう状態でした。自分たちが食べる分がやっと、と業でしたから、農業とはいっても、水を背負って灌水しながらの農す。水のコントロールがしやすい糖度調整ができるところにありまは、出荷前の数日間、水を断ってメロンを砂地でつくるメリットという小説は、酒田市浜中新潮社１９に非常に苦労しました。ンプもなかったので、水を得るのまだ水の存在もわからなければポになるわけですが、そのときにはてこの地を利用しようということんで飛砂が収まった段階で、初めされています。の後、露地栽培できる品種も開発ました。ハウスは昭和 50 年代、そで、メロンがつくれるようになりように整えられ、品種改良が進んその後、水が充分に確保できるそれぞれの地域の名主が私財を投ようになりましたが、実際には、役〉を定めて植林の指導を行なうが植林の指導監督者である〈植付１７００年代に入って、庄内藩世に名を残しているんです。打って植林した人たちだけが、後はずです。そんな中で私財を投げれなくても自主的に対応していた切実な問題でした。ですから頼ま飛砂防止は、地域住民にとってりますが、それだけの幅がないとつい。防風林は幅３００ c ほどあれました。特に冬場の北西風がきができたときにも、強風が懸念さ地域なんです。ですから庄内空港れてしまう。それほどに風が強いようです。う苦労の時代がずっと続いていたに参加しました。そして、そういですから平場の住人も、植林作業植えなくてはならなかったのです。んでした。なければ、防風林は維持できませけではなくて、ずっと更新し続けメロン栽培とがあります。名もない人たちの働きでくろうとしたということです。ておらず、思わぬ所に水が湧くこ水が湧くメカニズムは解明されメロン栽培を行ないました。地下水位を強制的に下げて翌年の本間光丘は、もう一度防風林をつ再び飛砂がひどくなった。それで使うので、どんどん伐採されて、ところが製塩のための燃料などに砂丘には雑木林はあったそうです。本間光丘が植林する以前にも、あれがないと農業用ハウスが倒さのときに伐採して植え替えます。が壊れてしまうので、適当な大きできるし、倒れると農業用ハウスます。あまり大きくなると日陰がいる松は、個人の管理になってい畑と畑の間の細い道に植わってぼさないようにするために、松をできた砂が平場の水田に被害を及に松を植えるのではなくて、飛ん守るため。砂丘地を利用するため飛砂防止の一番の目的は水田を林が終わったから完成、というわにクロマツを植えつけました。植よって砂をガードした上で、後方の耐性の強い草を植え、それらに汀線側にハマナス、アキグミなど植樹した苗を守るための柵、海岸ップして砂丘を超えて海に排水し、も冠水しました。それでポンプアは、一面水浸し。深い所では１ m す。ところが２０１１年（平成 23 ）林辺５業てに新年振移当田（興住た村延にすっ（享貢るた現２献な。・）しど酒にて、田京き代市田た々）通。赤な植太川ど付郎下の役右流新と衛域田な門の開りは治発、１水や坂７や植野４農ほとんど全滅だということです。ムシの被害です。秋田の海岸線は、今も続く林帯整備す集甚。落大をで形も成、すでるきこるとだにけな海っのた近のくでになんですよ。だから、飛砂被害が沿岸流を押さえるための突堤や、でうせりクすにんまロ。、。すマ人とがツがい、を営う庄植々よ内えとり砂る努も丘だ力、はけし動砂でてかがはきな動なたいきくんよま、ています。そのために病害虫の防除を行なっメロン生産者本間栄さん上：本間栄さんの農業用ハウスで。現在の主力品種のアンデスメロン。右：メロンの後作でトルコキキョウなどの花卉を育てている。左：ミニトマトは息子さんの管理だそうだ。下右：本間さんの農業用ハウスのそばで、今では珍しくなったビニール水田を発見。自家用米をつくっているようだ。下左：県営事業で緊急排水対策を行なっている排水ポンプ。このように民間の人が技術開発されてきました。のを新たにつくるには３年かかる。すが、換金作物として安定するも物の試験栽培に使って、３年で市自分の農地の一部を、新しい作う人たちがいたからこそ、庄内砂そういう努力を絶え間なく行な：取材２０１２年９月 12 日でしょう。こういう特殊な栽培方地を農地として利用するのは無理特色なのかもしれませんね。する、というのは庄内の伝統的なそうです。て、次の作物をリサーチしているだから常にアンテナを張り巡らせうに、と心掛けているそうです。トップクラスのものをつくれるよ場に出せるように、５年経ったらたのです。丘は畑作地帯として維持されてき法も、民間の篤農家によって開発以前、農家の人から聞いた話で水の文化 43『庄内の農力』 2013／2 28 時湯に野キ浜リ温ス泉ト生教ま牧れ師の松社村会介事石業の家講。演庄を内聞中き学、当なりました。しょう。ことです。五十嵐喜広（１８７２〜１９４５年）院七窪分院が大きく発（展現し在のた七の窪は思恩、園日）本の育院児その後、庄内砂丘でメロン栽培究会は自然消滅し、五十嵐も亡くの至上命令もあり、七窪メロン研終わりました。戦時下の食糧増産で不評だったことなどから失敗にで広く栽培されていた品種が東京市場進出を果たしましたが、庄内ったようです。測したりする先見の明がある人だンと花の時代である」と将来を予 20 年代には既に「これからはメロ設をいち早く取り入れたり、昭和松太郎はスプリンクラー灌漑施分で食べる米は自分でつくる」とまだわずかに残っています。「自いう意識が、まだ残っているので：取材２０１２年９月 12 日 29 長、五十嵐喜広の指導があっての今はほとんどなくなりましたが、あってこそと頭が下がります。れました。それができるのも、先人の努力が庄内砂丘の水とメロン栽培ることができます。１９１８年（大正７）までさかのぼ庄内砂丘のメロン栽培の歴史は、を売り出しています。ッドというネーミングで独自品種ルブランドとして、鶴姫と鶴姫レデスメロンに加え、 J A オリジナ１９９８年（平成 10 ）には、アン主流となっています。たアンデスメロンが登場。現在も産量が増加し、念願であった東京歩に増えた、とあります。年々生培面積が、翌年は１２０名で５町そうです。 60 名で５反歩だった栽ました。当時会員数が 60 名だった〈七窪メロン研究会〉が設立され湯野浜、浜中の農家が集まってといいます。種苗登録は、日本初の快挙だったが種苗登録されます。農民による太郎の交配した〈ライフメロン〉す。１９６４年場で１６５品種を試作したそうで行なった樋口たちは、思恩園の農りとあらゆる品種の掛け合わせをそのころの育種学は（、昭ま和 28 さ）にあ手るようになってから、土中にビニて、地下水を汲み上げて灌漑でき戦後になって帯水層が発見されも、山形県農事試験場砂丘試験地ためにビニール水田を開発したのという砂丘農民の想いをかなえる自分で食べる米は自分でつくる」るのが現状です。ことで省力化の足を引っ張っていれた田んぼは、小規模圃場という３００ m × 60 m という時代です。地でした。現在は１区画が 1.8 ha 、 a 区画で、山形は圃場整備の先進かつては 20 a 区画、その後は 30 ようにしたビニール水田がつくらールシートを敷いて水が漏れない営で乗り越えようとしています。庄内は、厳しい状況を大規模経（昭和 39 ）には、松の指導です。今となっては、過去に圃場整備さ１９３１年（昭和６）りをしたそうです。には、西郷、を干して、苦労しながら堆肥づく和 50 年代には、表面に網目のついン産地の地位を確立しました。昭全盛期となり、これで庄内はメロプリンスメロンは昭和 40 年代にちは大変苦労したと聞いています。スメロンより前に取り組んだ人たに出かけて、山に持っていって草わざわざ草が生える湿地に草刈りす。当時の肥料は堆肥ですから、メロンをつくることを勧めたのでツマイモだったため、単価の高い明治以来、砂丘の栽培作物はサ斎藤伝吉の長男松太郎でした。中にメロンの種子を保持していた種改良の先頭に立ったのが、戦時良が不可欠です。このときに、品の進出を目指すためには、品種改「思い切った農業をするために、されました。が１９３６年七窪に設置で、山形県農事試験場砂丘試験地置を要望しました。そうした経緯者が出にくいのです。か。やはり、米単作地帯では後継のも理由の一つではないでしょう合経営で農業所得が多い、というの多さでは庄内の中でも一番。複探り状態。１９５３年（昭和 11 ）ようになっていましたが、プリンろは砂丘のメロン栽培も安定するはプリンスメロンの時代。そのこま年私し。メがたそロメ。のンロ前をンはつづ柿くくとりり米始ををめ始つてめく、たっ四こて十ろい数ロン栽培を奨励しました。の種子を持って帰国。砂丘でのメらロッキーフォードというメロンて、アメリカ・カリフォルニアか楽な暮らしができるようにと考えしたが、ここの人たちが少しでも戦前に一度失敗した東京市場へ販売実績を伸ばしていきました。湯野浜の温泉街や鶴岡の市街地での時代でしたが、生産量を増やし、物も麦類とサツマイモがほとんど食糧不足で、砂丘でつくられる作戦争が終わったとはいえ、まだたため、県に対して指導機関の設ていましたが、技術的に未熟だっの新しい西洋野菜の栽培も手がけメロン以外にもアスパラガスなどが継いでいる農家が多く、後継者この辺りは、 20 〜 30 歳代の若者砂丘に適した作物です。ールすることで味が濃くなるから、当時、七窪メロン研究会では、ています。トマトも水をコントロえ農試る業試験で験場し場砂ょ）丘うが試。あ験っ地て（の現こ・山と形、県と砂丘い地水してチューブで灌水して栽培しミニトマトは、８ m の井戸から揚五十嵐は農家ではありませんでけて植えつけます。砂丘メロンの来歴内（各児キ砂の地をリ丘ちに保ス地に育護トメ独児し教ロ立院たへンしをの入のてつを信先、く契。駆七り機岐者窪、に阜で思鶴育県も恩岡であ園市児伝る）七院道。を窪を活開開に設動設もし中。分た、庄院幼。保管していたメロンの種を譲り受戦してきた背景には、山形県農事また庄内砂丘が先進的農業に挑ウ ha な、どメ、ロ花かン卉きのも後栽作培にしトてルいコまキすキ。ョ私はメロンで 1.2 ha 、田んぼは７篤農家斎藤伝吉が戦争中大切に場主任だった樋口吉雄が、七窪のビニール水田砂丘農家の現状１９４８年（昭和 23 ）思恩園の農