第 5 回 大阪府高次脳機能障がい地域支援ネットワークと 大阪府高次脳

大阪府障がい者地域医療ネットワーク推進事業関連記事6回シリーズ
第 5 回 大阪府高次脳機能障がい地域支援ネットワークとは?
大阪府高次脳機能障がい地域支援ネットワークとは?
社 会 局 局長 山川智之
社会局担当理事 羽田晋也
広報部 副部長 徳弘宙士
みなさんはこれまでに高次脳機能障がいがあるにも関わらず身体機能が良いために、リ
ハビリテーションを受ける機会を失う症例を経験したことはないでしょうか?また、高次
脳機能障がいが問題となるような患者・利用者の治療、または転院先、退院後の在宅生活
のことで困った経験はないでしょうか?大阪府では高次脳機能障がいのある方のために発
症から在宅・就労までを支援する取り組みがなされています。今号では障がい者地域医療
ネットワークとともに、大阪府で取り組まれている高次脳機能障がい地域支援ネットワー
クについてご紹介します。
1.高次脳機能障がい地域支援ネットワークとは
高次脳機能障がい等の支援が当事者にとって身近な地域において適切に実施されるよ
うに、大阪府高次脳機能障がい支援普及事業の積極的な展開を図ることを目的として、
ネットワークが推進されています。
ネットワーク組織と役割
①地域支援ネットワークの拠点機関を障がい者医療・リハビリテーションセンター(以
下、「リハセンター」という。)として、高次脳機機能障がい者等が身近な地域で継
続的に受けることができるように、地域支援ネットワークを推進します。
②リハセンターは大阪府内8圏域(政令指定都市を含む二次医療圏域)それぞれに協力
医療機関を指定し、各種の支援を行う相談支援機関、就労支援機関、作業所、家族会
などを地域支援協力機関として指定します。
③リハセンターは、各圏域において協力医療機関、地域支援協力機関及び、援護の主体
である市町村などを構成メンバーとする地域支援ネットワーク会議を主催し、圏域の
支援体制を整備するとともに支援普及のための研修や事例検討、情報交換等を行い地
域支援ネットワーク内相互の連携を図ります。
④協力医療機関及び地域支援協力機関は、ネットワーク会議に参画してリハセンターと
情報を共有し、地域支援ネットワーク内相互の連携のもと支援を行います。
※大阪府 HP より 一部改変
URL:http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/6430/.../18%209-1network.ppt
2.高次脳機能障がい地域支援ネットワークの取り組み
大阪府では平成 24 年度に知事重点事業として府内二次医療圏域の 4 圏域で
(豊能、
三島、
南河内、堺)高次脳機能障がい者を受け入れるグループホーム等を整備しました。
また、平成 25 年度からは、府内 8 つの二次医療圏域で(豊能、三島、北河内、中河内、
南河内、泉州、堺、大阪市)高次脳機能障がい支援の中核的拠点を定め、地域支援ネット
ワークの更なる拡充に取り組まれています。
今号でご紹介しました高次脳機能障がい地域支援ネットワークは、行政とリハセンター
が中心となっている事業であります。しかし、第 2 回で紹介しました「障がい者医療・高
次脳機能障がい協力医療機関等実態調査事業」では高次脳機能障がいに関わるリハビリテ
ーションスタッフは作業療法士、言語聴覚士のみの記載となっており、理学療法士の名称
は記載されていません。私たち理学療法士も高次脳機能障がい者と関わる機会が多く、こ
のような結果となっていることを真摯に受け止め、高次脳機能障がいに対する理学療法士
の関わりを示していく必要があると考えます。
まずは私たち理学療法士が高次脳機能障がいに十分に関わっていることを示さなければ
ならないように思います。そのためにも、大阪府が取り組んでいる高次脳機能障がい地域
支援ネットワークを理解し、さらにはネットワークを有効活用して高次脳機能障がい者に
発症から在宅・就労まで切れ目のない支援に理学療法士が関わりを持つことが大切である
と考えます。