1 安全・安心な農畜産物の生産 (1) 施策の展開 - 小山市

1
安全・安心な農畜産物の生産
市民が安心して食することのできる魅力的な小山産の農畜産物の生産振興を推進
するとともに、適正な食品表示の促進、情報の提供などを行います。
(1)施策の展開
①
環境創造型農業の推進
渡良瀬遊水地が「ラムサール条約」に登録されたことを契機として生物多様性
に貢献する環境創造型農業の推進と地場産業の生産振興を推進します。また堆肥
を使った土づくりと化学肥料・化学農薬使用の低減を一体的に取り組むエコファ
ーマー*4 を育成・支援します。
*4 エコファーマー:農業生産を安定させながら化学農薬や化学肥料の使用量を減らし、環境と調査した生産に取り組む農業者
②
GAPやトレーサビリティの推進
県が進めるGAP(農業生産工程管理)の導入や農畜産物の生産、処理、加工、
流通、販売のフードチェーンの各段階で食品とその情報を追跡し、遡及できるト
レーサビリティシステムの導入を積極的に支援します。
③
伝染病防疫の推進
家畜衛生対策の推進、家畜伝染病予防法に基づく家畜防疫の着実な実施や防疫
体制の充実・強化を推進します。
④
合理的な価格での安定供給
規格や包装の簡素化など、出荷・流通の合理化を行う生産者・流通関係者を支
援し、品質や価値に見合う合理的な価格で、多様なニーズへの対応を伴った安定
供給につながるように取り組みます。
⑤
農商工連携・六次産業*5化の推進
小山市の人やもの、技術などの地域資源を生かして、農業者や中小企業者等の
連携による新商品開発・販売促進等への支援を通じて、できるだけ多くのビジネ
スモデルを創出し、「食」に関連する産業を振興するとともに地域経済の活性化
を図ります。
*5
第一次産業である農林水産業が生産だけにとどまらず、それを原材料にした加工食品の製造・販売や観光農園のような地域資源を生
かしたサービスなど、第二次産業や第三次産業にまで踏み込むこと。
- 33 -
⑥
新たな地域固有農畜産物の掘り起こし
ごま等の希尐価値の高い作物や地域固有の農畜産物を研究・発掘し、市民の健
康促進につながる商品開発を通して、おやま和牛、はとむぎ、生井っ子に続く新
たな「おやまブランド」農畜産物の創出を推進します。
おやま和牛
はとむぎ
生井っ子
(2)計画の目標指標
指
標
基準年
目標年
平成25年度
平成30年度
六次産業化により開発された商品数
3品目
13品目
農畜産物のおやまブランド選定数
7品目
12品目
環境にやさしい農業
小山市では、農薬や化学肥料に頼らない環境にやさしい農法による農業を推進しています。
その一環として、“ふゆみずたんぼ実験田”や“ホンモロコ実験養殖”の取り組みを行っています。
「ふゆみずたんぼ」とは
「ふゆみずたんぼ」は、冬の間も田んぼに水を張り、田んぼに
生きる原生生物やイトミミズ、水鳥など多様な生きものの力を借
りて、無農薬、無化学肥料で米作りを行う農法です。
ふゆみずたんぼは、生態系の力を使い、水や土の浄化・再生
によって田んぼの機能の衰えを予防改善する、内側からの自然
再生手法として注目を集めています。
生きものとの共生を目指す農家の思
いが育んだ、農薬や化学肥料を使用
せず栽培された「ラムサールふゆみ
ずたんぼ米」
「ホンモロコ」とは
ホンモロコは琵琶湖特産の魚(成魚15cm)で、日本産コイ科の
魚の中で最も美味と言われています。
ふゆみずたんぼでは、水田を干す時
期でも魚類が棲めるよう、常に水を張
った江(ごう)を設置しています。その
江を活用し、ホンモロコの実験養殖を
行っています。
ホンモロコ
- 34 -
江を活用した養殖場
2
消費者と生産者の相互理解の促進
市民の食と農への理解と消費者ニーズの把揜のため、消費者と生産者の相互理解
の促進を図ります。
(1)施策の展開
①
消費者と生産者の交流促進
農作物が生産における様々な体験の機会を創設し、農業に対する関心と理解の
促進を図るとともに、情報交換や交流により、消費者と生産者の相互理解を深め
ます。
②
グリーンツーリズムの推進
地域の農業、農村資源を活かした交流イベントなどを開催することにより、農
業・農村の資源を活用してその魅力を発信し、都市と農村の交流を推進します。
③
市民農園の整備、利用促進
市民が農作業に係ることにより農業に対する理解を深められるよう、市民農園、
市民体験農園や体験教室等の整備、その利用促進を図ります。
④
おやま地産地消・食育フェアの開催
食に関する関心と理解を深めるため、6月の食育
月間にフェアを実施し、情報を広く提供します。
⑤
おやま地産地消・食育フェア
小山産農畜産物のPR活動の推進
豊富な小山産農畜産物の栄養面、安全面の特長や、
これらを使った加工品を積極的にPRし、消費者の
理解を深める取り組みを支援します。
小山市農業祭
(2)計画の目標指標
指
標
市民体験農園を活用したイベントの参加者数
おやま地産地消・食育フェア来場者数
- 35 -
基準年
目標年
平成25年度
平成30年度
200人
400人
2,500人
3,000人
3
小山産農畜産物の消費促進
市民が、小山産の農畜産物を身近に消費できるようにします。
(1)施策の展開
①
直売所の整備・充実
「道の駅思川」「絹ふれあいの郷」など既存の直売所
をさらに充実するとともに、新たな直売施設の整備を
推進し、小山産農畜産物の販路拡大及び消費者の利用
拡大を促進します。
道の駅思川
②
スーパーなどの量販店との連携
生産者、生産者団体と量販店等の情報共有体制を構築し、情報交換の場をつく
るとともに、直売コーナーの設置・拡大を推進します。
③
学校給食等での小山産農畜産物の消費拡大
学校や事業所、病院、福祉施設等の給食における
小山産農畜産物の利用を促進します。また、直売所
や生産者団体と連携し、納品体制や年間を通して安
定した供給ができる体制を整備します。
学校給食の様子
④
グルメイベントでの普及促進
「おやま元気あっぷグルメ選手権」や「開運小山
うどんまつり」などのグルメイベントを開催し、小
山産農畜産物の普及と市外来場者へ向けた情報発信
により、地産地消・多消を促進します。
(2)計画の目標指標
指
標
地産地消の意味まで知っている人の割合
小山市産・県内産を優先して購入する人の
割合
学校給食で使用する野菜に対する小山市産野
菜の占める割合(食材数ベース)
- 36 -
基準年
目標年
平成25年度
平成30年度
65.3%
80%
16.3%
30%
20.4%
30%
4
家庭での食育の推進
食生活の基本の場である家庭における「食育」を推進します。
(1)施策の展開
①
「早寝早起き朝ごはん」の定着
子どもたちの健やかな成長のために早寝早起きの習慣を身に
つけ、朝食を毎日食べるようにし、主食・副菜・主菜をそろえ
たバランスのよい内容を常に意識します。
また、特に朝食欠食率が低い若い世代(20 歳代及び 30 歳
代)に対し、朝食の重要性について普及啓発し、朝食をとりや
すい環境づくりを推進します。
②
「家族で囲む楽しい食卓」の習慣化と環境整備
家族で食卓を囲むことの大切さを認識し習慣化を図ります。子どもにとっては
食事のマナーを学ぶ重要な場でもあることから、企業等との協力による環境整備
にも努めます。
③
食べ残しの減尐や環境に配慮した「エコ食生活」の推進
食材の購入や料理の際に、食べきれるだけの量に調整したり、調理や保存を上
手にして食べ物の無駄をなくす「エコ食生活」を推進します。
④
男女共同参画の視点での食育の推進
男女の隔てなく、一人ひとりが食生活の自立を図れるよう、食育の理解促進を
図る取り組みを推進します。イベントや各種料理教室には男女を問わず、また家
族がそろって参加しやすいよう配慮します。
⑤
手作りの味を大切にする食卓の推進
家庭の味が一生の食の基礎を作る大事な役割を果た
すことを理解し、手作りの味を大切にした食生活を推
進します。
子育て世代のための食育講座
- 37 -
(2)計画の目標指標
指
標
毎日朝食を食べる割合
主食・副菜・主菜がそろった
朝食を食べている割合
朝食欠食率
ひとりで夕食を食べている
割合
基準年
目標年
平成25年度
平成30年度
幼児
97.0%
児童
91.9%
生徒
87.9%
幼児
16.7%
児童
12.6%
生徒
12.4%
20歳代
27.9%
30歳代
16.4%
幼児
1.6%
児童
2.9%
生徒
7.6%
100%
20%
10%
0%
共食のすすめ ~家族・友人と食卓を囲みましょう~
「共に食べる」と書いて「共食(きょうしょく)」という言葉を知っていますか?
食事を誰かと共にすることで、より楽しい食の時間を過ごすことができます。
子どもには、豊かな人間性を育むための「共食」が必要です。成長段階で身についた食習慣を
大人になって改めるのは、なかなか難しいもの。食のマナーや一緒に食事をすることの楽しさに
ついて学ぶのが、家族の食卓なのです。また、楽しい食の記憶を持った子どもは大人になっても
食の質を高く保てるというデータもあります。
大人や高齢者にとっても同様で、食卓での会話を交
えながらの食事はお互いの理解が深まる場となり、心
の豊かさにもつながります。
ワークライフバランスを見直し、家族または仲間・友人
と共に食事をとることは生活の質を向上させることでしょう。
1人で食事をすること
味の濃いものばかり好んで食べること
家族で同じ料理を食べず、それ
ぞれが好きなものを食べること
食べる量が尐ないこと
自分の好きなものばかり食べること
古きよき時代の食卓
パンやパスタなど粉を使った主食を
好んで食べること
ウキウキ心が躍る食卓
- 38 -
人が人を呼ぶ食卓
朝食は学力&体力向上の源
「朝食を毎日食べている人ほど、勉強も運動も良くできる」という調査結果があります。
知力や体力は、食べることが基礎になっています。朝食のパワーを見直しましょう。
文部科学省「全国学力・学習状況調査」(H25)
文部科学省「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(H25)
「主食・副菜・主菜」って何?
主食
ごはん、パン、麺類などの穀類を主な原料にした料理です。炭水化物を多く含み
エネルギーのもとになります。ブドウ糖は脳の唯一の栄養源です。
(料理例)
副菜
野菜、いも、海そうなどを主な材料にした料理です。ビタミン、ミネラル、食物
繊維などを多く含み、身体の機能を調整します。
(料理例)
主菜
魚、肉、卵、大豆、大豆製品を主な材料にした料理です。たんぱく質や脂質を多
く含み、筋肉や血液を作ります。
(料理例)
1日を健やかなリズムでつなげよう
朝日を浴びることで、体内時計(25時間)
がリセットされ、脳が目覚めて、24時間の
リズムに調整されます。
成長にかかせないホルモンは、深い睡眠時の
午前0時前に最も多く分泌されます。そのた
め夜9~10時には布団に入り、眠っている
ことが大切です。
脳と体を動かすためには、エネルギーが必要
です。朝ごはんのエネルギーで体温が上が
り、脳と体の働きが活発になります。
- 39 -
5
保育園(所)、幼稚園、学校などでの食育の推進
保育園(所)、幼稚園、学校などの保育・教育の場で、計画的な食育を推進します。
(1)施策の展開
①
保育園(所)、幼稚園における食育の推進
(ア)食育指導体制の充実
子どもたちが「食べる力」「生きる力」を培えるよう、保育計画に連動した
食育計画のもと、関係職員が連携した組織的な取り組みを推進します。
(イ)食や農に関する体験活動の充実
子どもが楽しみながら食や農に興味がもてるよう、園庭などでの野菜栽培や
調理活動などの体験活動を推進します。
(ウ)保護者、地域への情報提供
給食献立表や食育だより、給食試食会などを通して、規則正しい食生活や朝
食、共食、日本型食生活*6の重要性などの情報を発信し、家庭や地域における
食育を支援します。
(エ)給食の充実
子どもたちが食事の基本を学べるよう、ご飯を主食としたバランスのよい給
食の提供を推進します。また、子どもの健康状態や発育・発達状態を考慮した
食事内容への配慮や食物アレルギーへの対応を推進します。
子どもたちの地場産物への理解・関心を深めるため、小山産米等の地場産物
を積極的に利用するよう努めます。
保育園・所の食育活動
乳幼児期から望ましい食習慣の形成や食を通じた心身の育成を
図るため、さまざまな取り組みを行っています。各施設の状況は
異なりますが、調理活動や作物の栽培・収穫、食育集会などに
取り組んでいます。また、家族や近隣の方とも一緒に活動し
交流を深めています。
活動例
内容
草餅作り
夏野菜カレー作り
月見団子作り
秋刀魚焼き
餅つき
しもつかれ作り
おにぎり作り
田植え・米収穫
いも苗植え・収穫
野菜苗植え・収穫
ヨモギの色・形・匂いを感じながら作り、味わう。
夏野菜を収穫し、ちぎったり皮をむいたり刻んだりすることを楽しみながら作る。
団子を丸めたり、ススキや野菜を飾って伝統行事に親しむ。
火を起こす様子や秋刀魚の姿を観察する。炭火で焼ける匂いを嗅ぎ、味わう。
杵と臼で餅をつき、日本の伝統行事に触れる。
食材を切ったりちぎったり、鬼おろしですったりして、郷土料理を作り味わう。
ラップを使って好きな形に揜り、おやつとして味わう。
苗を植え、米ができるまでの過程を知る。秋に新米を味わう。
じゃがいもやさつまいもの苗・種芋を植え、芋ができるまでの過程を知る。
種まき・苗植えをして、水やりや草取りをしながら育つ様子を観察する。
かむことの大切さを学ぶ。 三大栄養素(赤・黄・緑)のパワーを学ぶ。
早寝早起き朝ごはんの大切さを学ぶ。 食器の並べ方を学ぶ。
バイキングメニューの中から自分で選んで味わう。
食育集会
レストランごっこ
- 40 -
②
小・中学校における食育の推進
(ア)食に関する指導体制の整備と充実
子どもが食について総合的かつ計画的に学ぶことができるよう、「食に関す
る指導の全体計画」「年間指導計画」により、関係教職員が連携・協力し、組
織的な取り組みを推進します。
栄養教諭*7が中心となり、児童生徒への食に関する集団指導や個別指導の充
実を図ります。
(イ)学校給食の充実
学校給食は、食育の「生きた教材」として活用しています。郷土食や伝統的
な食文化を継承した献立の充実を図るとともに、安心・安全な学校給食の提供
を行います。
(ウ)学校給食における地産地消の推進
学校給食に小山産農畜産物を活用することにより、子どもたちが小山市の自
然や文化、産業、生産者の努力や食に関する理解を深め、郷土愛や感謝の念が
育まれることから、学校給食における地産地消を推進します。
(エ)農業体験活動の推進
自然の恩恵や食にかかわる人々の様々な活動への理解を深めるため、田んぼ
の学校や学校農園等を整備し、農業体験機会の拡大と活動を推進します。
(オ)調理体験の充実
調理実習を通し、食事を作る楽しさや、食品を選択する力、感謝の気持ちを
育むため、栄養教諭、学校栄養職員を中心とした料理教室の充実を図ります。
(カ)家庭・地域への情報発信
「食育だより」やホームページ等を通して、朝食の重要性やよい食習慣の大
切さなどの情報を発信し、家庭や地域における食育を支援します。また、家庭
で一緒に食事をする共食の重要性や「もったいない」意識などについて、学校
での取り組みを通じて家庭へアプロ―チしていきます。
*6
日本型食生活:日本の気候風土に適した米(ごはん)を中心に、魚や肉、野菜、海藻、豆類などの多様なおかずを組み合わせ
て食べる食生活のこと。
*7
栄養教諭:学校における食育を推進するため平成17年に新設された制度。学校給食を活用して栄養や食に関する指導をした
り、家庭科を始めとする教科の授業と連携するほか、家庭・地域へ啓発を行なうなど、学校における食育の中心を担うことが
期待されている。
- 41 -
(2)計画の目標指標
指
標
基準年
目標年
平成25年度
平成30年度
保育園・所、幼稚園の食育だより発行回数
4回/年
12回/年
20.4%
30%
291.4kg
減尐
学校給食で使用する野菜に対する小山市産野
菜の占める割合(食材数ベース)*再掲
学校給食の食べ残し量
肥満の割合
児童
10.31%
生徒
9.52%
5%
学校での食育活動
児童生徒が学校給食や授業などを通して食の大切さを知り、よい食習慣を身に
つけられるよう多くのことを実施しています。
◆栄養教諭・学校栄養職員を中心とした食教育◆
小山市栄養教諭・栄養職員部会で作成したバイキング指導資料やお魚クイズなど
を活用しながら、教科・学級活動・学校行事等の時間に学級担任等と連携して食に
関する指導を行っています。また、子どもの食生活の実態を把揜し、「食育だよ
り」や「給食だより」を作成して、家庭や地域へ食に関する情報発信を行い、学
校・家庭・地域が連携した食育が行えるように努めています。
食に関する指導風景
バイキングカードを使った授業風景
バイキングカード
◆学校給食における取り組み◆
☆地場産物の活用☆
学校給食では、お米をはじめ、おやま和牛、はとむぎ、小山産小麦うどんなど
様々な小山産農畜産物を活用し、児童生徒が地域の自然や文化を理解し、食事を
大切にする態度や心を育てています。
☆お米ウィークの実施☆
10月にはお米ウィークを設け、日本型食生活
の推進を図っています。
献立例:小山産コシヒカリ、小山産大豆納豆、
おとん肉じゃが、ゆば玉汁、牛乳
- 42 -
6
地域での食育の推進
市民と食の関係者が一体となって、地域全体の「食育」を推進します。
(1)施策の展開
① 食育講座等による食育の推進
親子食育講座をはじめ各種講座において、食に関す
る知識や食を選択する能力を高めるための、知識や技
術の普及推進に努めます。
親子食育講座
②
食関連事業者と連携した食を通じた健康づくりの推進
食関連事業者と連携し、リーフレット等によるヘルシー食の紹介や生活習慣病
予防に関する情報等、食を通じた健康づくりの情報発信を推進します。また、関
連事業者によるイベントや体験活動の機会の提供などの取り組みを支援します。
③
食生活改善推進員*8による活動の充実
適正体重、朝ごはん、減塩をテーマとした教室等、
地域に根ざした活動を積極的に行ないます。また、推
進員を育成し、資質向上のための支援を行ないます。
*8
食生活改善推進員:地域で食生活改善ボランティア活動を行う団体で、
「私たちの健康は、
私たちの手で」を合言葉に、栃木県では昭和 45 年より、小山市では平成9年より活動をしている。
④
食生活改善推進員による
「男の健康料理教室」
管理栄養士・栄養士による健康教室の実施
適正体重の普及、低栄養予防、減塩、骨粗しょう症予防等の健康教室や出前講
座を実施し、ライフステージに応じた生涯にわたる健康づくりを支援します。
(2)計画の目標指標
指
標
基準年
目標年
平成25年度
平成30年度
親子食育講座開催数
15回/年
20回/年
食生活改善推進員数
166人
200人
28回
30回
管理栄養士・栄養士による健康教室
実施回数
適正体重*を維持している者の増加
67.2%
*特定健診結果で BMI18.5~24.9 の者
(H23 小山市国保データ)
- 43 -
70%
7
食文化の継承と振興
小山市の風土や伝統行事、古くからの習慣などと結びついた地域に根ざした食文
化を理解し、次の世代へと継承していきます。
(1)施策の展開
①
米を中心とした「日本型食生活」の提唱・普及
米を主食に、地元でとれた旬の野菜、魚、肉、卵、大豆製品などの多様な副食
からなる栄養バランスに優れた我が国独自の食生活の実践を提唱し、広く市民へ
の普及を図ります。
副菜
◆箸の使い方等の日本の伝統的な食文化を継承するために
◆栄養バランスに優れた食事で健康的に過ごすために
◆米は日本の気候・風土に合っていて、国内で必要な量を作れる
作物なので、将来まで安心して食料を手にいれられるようにす
るために
主食
主菜
ごはん食中心の食生活が重要です。
②
郷土料理の継承及び創生の推進
「しもつかれ」*9など、地域の歴史、風土と一体となったふるさとの食文化を
次世代に継承するように努めます。
また、小山産農畜産物を活かした新たな郷土料理の創生を推進します。
*9 しもつかれ:栃木県を中心とした北関東一帯に残っている初午の行事食で、無病息災・五穀豊穣の祈りが込められている。節分の豆の残り
と塩鮭の頭、油揚げ、酒粕、尐し硬くなりだした大根、人参を鬼おろしですったものを入れて煮た生活の知恵にあふれた料理
③
地産地消レシピの開発・普及
小山産農畜産物を活用した料理レシピを開発し、市の広報やホームページなど
を通じて情報提供するとともに、各種料理教室や保育園(所)、幼稚園、学校、
事業所、福祉施設等の給食において広く活用してもらい、広く普及を図ります。
(2)計画の目標指標
指
標
米飯を1日2回以上食べる人の割合
地産地消レシピ集作成数
- 44 -
基準年
目標年
平成25年度
平成30年度
83.7%
85%以上
2冊
4冊
8
食育推進運動の展開
「地産地消」、「食育」の活動が、市民全体の市民運動として盛り上がるよう、支
援します。
(1)施策の展開
①
食育推進体制の整備
本計画をもとに、市をはじめ農業、教育、消費者、食品流通、健康づくり等の
関係団体やボランティアなどが連携し、地域の特性を生かした一体的な食育推進
運動を展開する組織体制の充実を図ります。
②
「食育月間」の普及、イベントの開催
国で定めた6月の「食育月間」と県が定めた 10 月の「とちぎ食育推進月間」
において、地産地消・食育フェアの開催や学校給食における取り組みを行い、重
点的かつ効果的に食育推進運動を展開します。
③
「食事バランスガイド*10」の普及・啓発
市や栄養士会、食生活改善推進員など
を通して、食事バランスガイドの普及・
啓発を行い、市民が食生活に活用できる
よう、支援します。
飲食店や小売店において「食事バランスガイド」の表示を行うなどの取り組み
を促進します。
*10
④
1日に必要な量や望ましい組み合わせをイラストで分かりやすく示したもの
「おやま食育かるた」の活用
子どもたちが遊びながら、楽しく学べ
るように製作した「おやま食育かるた」
を、イベントや学校行事において積極的
に活用します。
小学校対抗食育かるたとり大会
(地産地消・食育フェア)
⑤
おやま健康料理コンクールの普及
地元農畜産物のよさを活かした新しい健康料理を募集し、その料理を普及する
ことで、子どもから大人まで「食」について意識するきっかけづくりとするとと
もに、健康づくりや小山産農畜産物の消費拡大を図ります。
- 45 -
⑥
「わ食の日」の普及
毎月8日を「わ食の日」と定め、次の3つの「わ食」の啓発を行ないます。
●和食(栄養バランスのとれた米飯中心の日本型食生活)
●輪食(食卓を囲む家族の団らん)
●環食(環境に配慮した地産地消の食生活)
(2)計画の目標指標
指
標
基準年
目標年
平成25年度
平成30年度
「わ食の日」認知度
―
50%
「和食」を実践している割合
―
70%
「輪食」を実践している割合
―
70%
「環食」を実践している割合
―
70%
食事バランスガイドを活用した食生活を
送っている人の割合
「和食:日本人の伝統的な食文化」が
ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
(2013年12月)
8.6%
60%以上
「日本型食生活」は、ごはん
を中心に、野菜や畜産物、水産
物など多様なおかずがあり、栄
養バランスに優れています。
また、地場産や旬の食材を
使った「和食」は食料自給率の
向上や食文化の伝承にもつなが
ります。
食事を通してコミュニケー
ションをとることで家族の絆が
深まり、健康状態など相手の変
化にも気付きやすくなります。
また、食事のマナーを身につ
けたり、協調性や社会性を養う
ことができます。
地場産の食材を使うことは、
輸送にかかる環境負荷の軽減に
つながります。
また、必要以上の食材を買わ
ない、無駄なく調理する、食べ
物や料理を作ってくれた人に感
謝して残さず食べるなど、食べ
物を大切にし、食生活の面から
も環境に配慮しましょう。
- 46 -