皮膚の構造(模式図) 表皮 真皮 皮下組織 ①圧力が持続的に加わって皮膚全層が壊死 ②黒色壊死となる ここは乾燥して固化し,硬 く水は通さない(厚さは数 ミリ程度) ここは乾燥していないの で固化せず,柔らかく水 分を含んでいる ここは肉芽面 このあたりを拡大 してみると ②滲出液は壊死組織 と肉芽の間に溜まる ①深部から組織液(滲出液) が分泌される これが「感染源」とな り,創感染が起こる 溜まった浸出液がなくなれば, 創感染の予防・治療になる ここに穴を開けたらどうなるか? 溜まった浸出液は毛細 管現象で移動 ①「穴あきポリ袋+紙おむつ」 で被覆する ②貯留滲出液は 紙おむつが吸収 ③ここは乾燥しな くなるので,軟化 し,親水性になる ④貯留滲出液が減少 ↓ 感染症状は消退 黒色壊死はどうすればいいのか 黒色壊死 ① メスか18G注射針で十字型に切開(深さは数ミリ,長さは2 センチ程度で十分) ② ハサミ,ペアンなどで鈍的に入り口を広げる。柔らかい壊 死組織に達したら,それ以上深くまで広げなくていい。 ③ 出血させない。 ④ 壊死組織をすべて除去する必要はない。 ⑤ その後,「穴あきポリ袋+紙おむつ」で被覆する。 ① 周辺部から白く軟化して融解してくる。 ② 数日で黒色壊死全体が白くやわらかな壊死組織に変化 ③ 周辺部の「肉芽面から遊離・剥離している部分」から少し ずつ除去する。出血を伴うデブリードマンは不要。 ④ この時期になると感染を起こすことは滅多にない。 ⑤ やがて全ての壊死組織が自然に融解してなくなる。 壊死組織がなくなり,深い 陥凹になる 周辺の組織からの毛細血管や結 合組織から肉芽組織が作られる 肉芽が陥凹を埋めるように増生 肉芽が陥凹を埋め,周辺の皮膚との段 差がなくなり,創面全体が平坦になる 創縁が平坦になると,健常皮膚から表皮 が肉芽の上に伸びてくる 上皮化が更に進行 上皮化完了 上皮化に伴い,肉芽 は徐々に正常組織に 置き換わる
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