廃棄超硬合金の完全リサイクル

【 岩手大学 】
所属・職・氏名
研究分野の分類
研究シーズデータ
金 属
工学部 ・ 材料物性工学科 ・ 材料学
助教授
3
中村
満
1.物理・計測 2.化学 3.金属 4.機械 5.電気・電子 6.情報
7.エネルギー・環境 8.建築・土木 9.医療・福祉 10.農水・バイオ
11.食品 12.人文・教育
技術シーズ名
廃棄超硬合金の完全リサイクル
キーワード
超硬合金、リサイクル、錫含浸法、WC 微粉末
シーズの概要
金型及び工具製造業界において頻繁に用いられている超硬合金(WC‐Co 系)は希少金属を主
成分にしているため鉄系材料と比較して数百倍の価格である。しかし、これら超硬合金は使用
後、有料で廃棄しているのが現状である。本技術は岩手大学で開発した錫含浸処理―塩酸洗浄
―物理粉砕及び粒度調整することにより、高純度 WC 微粉末を得ることができた。この粉末を
用いて再生(リサイクル)超硬合金を作成し以下の結果を得た。
1) 一回の錫含浸処理により 100Kg の WC 微粉末が得られた。
2) この WC 粉末と Si 反応法で得られた Co 粉末を用いてリサイクル超硬合金の作成。
3) 市販材と比較して再生超硬合金の物性値 80∼90%が得られた。
4) 金型試作による再生超硬合金の実機耐久試験の結果、10 万回以上の結果を得た。(継続中)
1. 超硬サンプル
2. Sn 含浸試料
3. 洗浄後の試料
4. 粉砕試料(+45μm)
使用済の超硬合金
(WC-Co 系)を簡単な 7
工程の処理により、完
全に市販の超硬合金に
生まれ変わらせること
ができる技術です。
超硬合金のリサイクル
工程
5. リサイクル粉末(−45μm)
6. 還元粉末
7. リサイクル焼結試料
事業化の対象・目標
本技術は高級材料(3∼40,000 円/Kg)の完全なるリサイクルであり、工具、機械加工、金型加
工メーカーに粉末もしくは製品として利用されている。原料は廃棄材を使っているため無料で
あり、応用範囲はかなり広い。
関連特許
関連資料
特開 2000−072430
粉体および粉末冶金 52 巻 5 号 pp.317-321 2005
粉体および粉末冶金 52 巻 5 号 pp.322-326 2005