2006年9月 No.11 信太山ネイチャークラブ バッタのオリンピックの開会前に出場選手のバッタ探しから始めます 9月に入り、朝夕はだいぶん凌ぎやすくり さて、9月のネーチャークラブは、恒例と ました。夜、外に出てみると虫の名を特定で なった「バッタのオリンピック」です。今年 きないくらい色々な虫たちの大合唱です。虫 は第3回目。まだ残暑厳しい9月2日(土) の鳴き声を聞き分けられたら、秋の夜はもっ 虫かごと補虫網を持って子どもたちがふるさ と楽しいものになるでしょうね。 と館に集まってきます。今月は昨年参加して 信太の森の鏡池史跡公園 信太の森ふるさと館 〒594-0004 和泉市王子町914-1 TEL&FAX 0725-45-0605 E-mail:[email protected] いた高石の中学生も4名参加してくれました。 子ども17名、指導員を含む大人10名、総 勢27名が参加しました。 ①キキョウ ②ナデシコ ③オミナエシ ④クズ ⑤フジバカマ ⑥ハギ ⑦ススキ ナデシコとフジバカマ以外は信太丘陵 にもありますが、キキョウとオミナエシ は絶滅が心配されています。 惣ケ池に着くと、子どもの一人が早速面白 いガの幼虫を捕まえてきました。頭が黒ネコ に似た幼虫です。 ふるさと館を出ると鏡池を囲むように植え はぎ てあるハギの花が満開です。萩は「秋の七草」 の一つ。ヤマトシジミやイチモンジセセリ、 ミツバチはこの花が好きなんですね。よくそ の花の回りで飛び交っているのを見かけます。 いつものとおり鏡池の歩道を通って観察し ながらのスタートです。鏡池の対岸にはシリ ふち ブカガシがもう花をつけていました。池の淵 トビモンオオエダシャク(ガの幼虫) に植えてあるウバメガシはもう実をつけてい るのですが、シリブカガシは今花を咲かせて ペットにしたくなるようなこの幼虫は、調 来年の秋に実をつけるのです。歩道沿いには べたところトビモンオオエダシャクというガ ヒメジオン、メドハギ、ヨウシュウヤマゴボ の幼虫であることがわかりました。 ウが花をつけ、アキノノゲシがもうすぐ咲く ぞ!と花芽を伸ばしていました。 ギンヤンマが水面すれすれに飛んでいる惣 惣ケ池までの道中、エノコログサで鼻ひげ ケ池を右回りにコースをとり、オリンピック を作ったり、ヘクソカズラの花を鼻の頭にく 出場選手のバッタを探しながら上の貯水池広 っつけて遊びながら歩きます。 場まで行きます。 惣ケ池をめぐるコースでは、夏の花ツユク サが咲いていました。鮮やかな青い花びらに 長いおしべを突き出しているさまは、暑い中 にあって一腹の清涼感を与えてくれます。昔 はこのツユクサの花から青い汁を取り、染物 の下絵を描くのに使われていたそうですが、 今でも一部の地域で作られているそうです。 花田先生からオリンピックのルール説明が あり、一人が三回までと決めて競技のはじま りです。 今年の出場選手はショウリョウバッタとク ルマバッタモドキが多く出場。昨年優勝した トノサマバッタが少なかったようです。 貯水池西側の広場でバッタ探しを始めます。 おやおや?水面にカモらしい鳥が一羽泳いで います。双眼鏡で見ると、毎冬この貯水池に 渡ってくるキンクロハジロでした。この暑い 時期になぜ? 一羽だけ傷ついて北の国へ帰 オーッ!これはよく飛んだぞ れなかったのでしょうか。 草が少なく、草丈が低いこの広場ではバッ タが少なかったので池の東側の広場と惣ケ池 今年はバッタに各自が好きな名前をつけて 飛ばすことにしました。 湿地の上の丘陵部へ移動してクルマバッタや ショウリョウバッタなどを捕まえました。 みんなが付けた名前は、ぴよん きらら くら り 丘陵でバッタ捕りを終え、惣ケ池公園のグ ランドに集合してバッタのオリンピックの開 催です。バッタのオリンピックは、段ボール 箱の上に選手のバッタを乗せ、手で段ボール。 しょう もっちょ ホーリー 中年太 たろう マッチョ ーター ナナちゃん そらまめ 砲丸1号 るる アベック パー子 チ るな などなど。楽しい名前ですね。 子どもたちの意気込みに反してバッタはな かなか飛んでくれません。真っすぐ飛んだの は数匹で最長距離は“もっちょ”の 33m。 飛ぶというより、箱の上から下に落ちたと いう感じのものから、飛んで飛んで飛びすぎ て住宅の庭辺りまで最長を飛んで測定不能と なったクルマバッタの“くら”までさまざま。 競技を終えて、ふるさと館に戻って、花田 先生から競技成績が発表されました。 競技の結果は、1位(くら:39.7m/安藤 君)2位(もっちょ:33.1m/柳君)3位(無 段ボール箱をポンとたたいてやると、バッ タはビックリして飛び立ちます。その飛んだ 距離を測って競います。今年の優勝は誰のバ ッタか。 名:27.4m/安藤君)そしてブービー(パー 子:40Cm/土江君)となり、それぞれに島 崎指導員が作った“木っくん”の賞が授与さ れ、バッタのオリンピックは閉会しました。 和泉市のセミ 例年、お盆前後から鳴きだすツクツクホウシの鳴き声を今年は8月6日に信太山キャン プ場で聞き、お盆の頃にはいなくなるニイニイゼミを9月10日にききました。今年のセ ミはおかしいぞ。と感じるのは私だけでしょうか。 ところで、みなさんは和泉市に何種類のセミがいるかご存知ですか。 和泉市にはハルゼミ、ニイニイゼミ、クマゼミ、アブラゼミ、ツクツクホウシ、ミンミ ンゼミ(信太丘陵にもたまにいます)、横山以南の山手にいるヒグラシ、三国山のエゾハ ルゼミを加えると8種類になります。昨年、SNC の惣ケ池湿地での観察会でチッチゼミ ではないかと思われる抜け殻をみつけましたが、チッチゼミが確認できれば9種類という ことになります。誰かチッチゼミを見つけたら教えてくださいね。 さて、この夏島崎指導員がセミの抜け殻調査に参加されました。どれくらい採集できた のかを聞いたところ、ニイニイゼミ(10)アブラゼミ(2)ツクツクホウシ(2)ミン ミンゼミ(2)ヒグラシゼミ(2)クマゼミ(多数)ということでした。温暖化の影響な のかクマゼミが増えているようですね。 ☆ 9月例会:観察記録 ◎バッタ類・・○マダラバッタ ○クルマバッタ ○クルマバッタモドキ ○トノサマバッタ ○ショウリョウバッタ ○ショウリョウバッタモド ○ ヒシバッタ ○キリギリス ○ホシササキリ ○エンマコオロギ ○オオカマキリ ○チョウセンカマキリ ◎チョウ類・・○イチモンジセセリ ○チャバネセセリ ○ツバメシジミ ○ヤマトシジミ ○ ナミアゲハ ○アオスジアゲハ ○ムラサキツバメ ○コミスジチョウ ○ジャノメチョウ ○キタキチョウ ◎トンボ・・・○ギンヤンマ ○ウスバキトンボ ◎その他の生き物・・○ニホンアカガエル ○カナヘビ ○ミシシッピーアカミミガメ ○コガネグモ ツクツクホウシ ◎セミ・・・・○アブラゼミ ○ツクツクホウシ ○クマゼミ ◎野鳥・・・・○キンクロハジロ(カモ) ○メジロ ○コジュケイ ○ヒヨドリ ○キジバト ◎植物(咲いていた花) ・・○ハギ(木) ○メタラ(木) ○シリブカガシ(木) ○ コガンピ(木)○ヘクソカズラ ○ヒメジオン ○アメリカヒツジグサ(ス イレン)○ツユクサ ○オシロイバナ ○クズ ○オトギリソウ ○ シナガワハギ ○メドハギ ○ヨウシュウヤマゴボウ ☆キキョウ ☆オミナエシ *☆印はバッタを捕っていた場所のすぐ近くの藪の中で咲いていました。
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