メキシコ湾大水深の古第三系石油開発に道を拓く - JOGMEC 石油・天然

JOGMEC ヒューストン事務所
[email protected]
佐藤 隆一
アナリシス
メキシコ湾大水深の古第三系石油開発に道を拓く
~超大水深・大深度掘削のジャック2号井成功のインパクト~
はじめに
2006年9月5日、米国メジャーのシェブロン
ミシシッピ州
(Chevron)は「メキシコ湾大水深のジャック2号井に
おけるテストで日量6,000バレル以上の出油に成功した」
と発表した。ジャック2号井は、ニューオーリンズの南
ルイジアナ州
テキサス州
ニューオーリンズ
ヒューストン
5,0
00
フィート(8,588m)の大深度掘削井である。
ジャック油田を含めた古第三系プレイ*2の可採埋蔵量
は、将来的に30億〜150億バレルに達する可能性がある
Kaskida
Silvertip
Tobago
Tiger
Gotcha
Great White Trident
Jack
Cascade
Chinook
Stones
St.Malo
古第三系プレイエリア
と報道されている。現在の米国の残存確認可採埋蔵量が
214億バレル、このうち米国メキシコ湾が41億バレルで
50
0 50mile
50
0
50km
図1 メキシコ湾の古第三系プレイ位置図
ンシャルを持つかが分かる。
一方、メキシコ領メキシコ湾の大水深に
海底面
水深
(ft)
更新統
キシコ国営石油会社ぺメックス(Pemex)
1万
古第三系油田
鮮新統
によると、原油換算で293億バレルもの資
2万
岩塩
源量が期待されている。
米国メキシコ湾の超大水深および隣国メ
キシコ領メキシコ湾の大水深は、いまだ大
ft
出所:MMS他より作成
あるのと比べると、古第三系プレイがいかに巨大なポテ
は広大な未探鉱エリアが残されており、メ
t
2,134m)の超大水深 *1 に位置し、掘削深度2万8,175
0f
00
1,
約270マイル(約430km)沖合の水深約7,000フィート(約
アラバマ州
新第三系プレイ
中新統
岩塩
古第三系プレイ
3万
出所:デボンエナジーに加筆
規模な探鉱ポテンシャルを有しており、そ
の探鉱・開発の成否は巨大消費国である米
図2 古第三系プレイ概念図
国にとって大きな鍵を握っていると言えよう。
本稿では、米国メキシコ湾の古第三系プレイのポテンシャルおよびメキシコ領メキシコ湾のポテンシャルをまと
め、最後にメキシコ湾全体の展開について考察することとしたい。なお、米国メキシコ湾の基礎資料として、探鉱
開発史、埋蔵量、探鉱開発状況などを付記するので、ご参照いただきたい。
1. ジャック2号井の成功をはじめとする古第三系プレイのポテンシャル
(1)米国メキシコ湾における古第三系プレイ
一方、古第三系プレイは未開発であることから、生産量
メキシコ湾の主要貯留層は中新統(Miocene)以浅の
はゼロとなっている。
地層であり、累計生産量の99%を産出している(表1)。
古第三系プレイの探鉱エリアは、メキシコ湾の超大水
*1:米国内務省鉱物管理局(MMS:Minerals Management Service)にしたがい、水深1,000フィート(305m)以深を大水深(Deepwater)、同5,000
フィート(1,524m)以深を超大水深(Ultra Deepwater)として扱う。
*2:古第三系プレイとは、古第三系暁新統〜始新統Wilcox層のタービダイト成砂岩を貯留岩とする探鉱プレイで、探鉱エリアはメキシコ湾の超大
水深に東西に広がる(図1、図2)。これまでにジャックを含めて12油田が発見されている。なお、探鉱プレイとは、石油ガス鉱床成立のため
に必要な条件としての根源岩から石油ガスの生成、移動および貯留岩への集積のメカニズムが類似した探鉱対象のまとまりである(探鉱プロス
ペクトはプレイの中の一つひとつの試掘対象構造、リードは試掘レベル(プロスペクト)に達しない探鉱対象構造を意味する)。
41 石油・天然ガスレビュー
アナリシス
深に東西に広がっており(図1)
、これまで12油田(表2)
が発見されている。12油田のオペレーターはシェブロン
表1 メキシコ湾における炭化水素の時代別累計生産量
が6油田と最も多く、BHP、BP、トタール(Total)、シェ
ル(Shell)等が続いている。
パートナーとしてはデボンエナジー
(Devon Energy)、
完新統(Holocene)
0
更新統(Pleistocene)
13,759
33
鮮新統(Pliocene)
10,755
25
中新統(Miocene)
17,236
41
49
0
0
0
0
0
白亜系
49
0
ジュラ系
235
1
新第三系
第三系
漸新統(Oligocene)
古第三系 始新統(Eocene)
フィート(約1,524m)以深の超大水深である。
暁新統(Paleocene)
古第三系プレイの貯留岩であるWilcox層は、海底扇
*3
状地に堆積したタービダイト成砂岩 であり、その分布
は米国メキシコ湾大水深から一部メキシコ領にかけての
%
0
第四系
ペトロブラス(Petrobras)、スタトオイル(Statoil)な
ど大水深を重視する会社が参加している。水深は5,000
累計生産量
(油換算百万バレル)
地層時代
出所:デボンエナジーより作成
海底扇状地に広がると推定されている(図3)。Wilcox
層砂岩は、厚いところで数百フィートもの層厚を有して
表2 古第三系発見油田一覧
連続性よく分布しているため貯留岩リスクは小さい。た
だし、貯留岩性状については上位の新第三系のタービダ
発見油田名
鉱区名
オペレーター
水深(ft)
発見年
イト砂岩よりは大深度であるため、圧密を受けて孔隙率
Trident
AC 903
Chevron
9,687
2001
Great White
AC 857
Shell
8,009
2002
Cascade
WR 206
BHP
8,203
2002
Chinook
WR 469
BHP
8,826
2003
St. Malo
WR 678
Chevron
6,900
2003
Tobago
AC 859
Chevron
9,627
2004
Silvertip
AC 815
Chevron
9,226
2004
メキシコ湾は巨大な岩塩の堆積盆地であり、岩塩の流
Tiger
AC 818
Chevron
9,004
2004
動に関連する構造運動は石油・天然ガスのトラップ形成
Jack
WR 759
Chevron
7,000
2004
Stones
WR 508
BP
9,576
2005
という油田成立の大きな要素となっている。岩塩は中生
Gotcha
AC 856
Total
7,600
2006
Kaskida
KC 292
BP
5,860
2006
こうげき
が低くなると考えられる。
(2)メキシコ湾の地質構造および古第三系プレイとの
関連
代に広く浅海域にも広く分布していたが、陸側からの大
量の堆積物の供給により深海側に向かって押し出された
出所:MMSより作成
結果、現在では主に大水深エリアに岩塩が厚く分布して
いる(図4)
。
さらに、岩塩より上位の地層は、基本的に岩塩層を滑
しゅう
り面として深海側に滑動し、大水深エリアには広範な褶
きょく
曲帯が形成されている。また、岩塩自体も、一部で上位
デルタ
層をダイアピル*4として貫き、そこから岩塩シート*4や
キャノピー*4として上位層を覆う複雑な分布形態を形成
している(図2)
。
Tobago
Gotcha
Great White
Cascade
Kaskida
Chinook
Silvertip
Stones
Tiger
Jack St.Malo
Trident
海底扇状地
米国のメキシコ湾大水深における主要構造は、具体的
には①ルイジアナ沖合の東北東-西南西方向のトレンド
をもつミシシッピ海底扇状地褶曲帯(Mississippi Fan
ユカタン・リーフ
Fold Belt:図4、図5)、②テキサス沖合の東北-南西
方向のトレンドをもつペルディド褶曲帯(Perdido Fold
Belt:図4、図6)、③それらを覆う岩塩シート、キャノ
ピーおよびダイアピルの存在(図4)で特徴付けられる。
古第三系プレイは、上記褶曲帯周辺に存在しており、
出所:MMSより作成
図3 古第三系(暁新統~始新統)Wilcox層の堆積環境
*3:タービダイト成砂岩とは、浅海域から混濁流により水深の深いところに運ばれ、堆積した砂岩層。図3ではテキサス州周辺のデルタから大陸斜
面を下って、深海のメキシコ湾の海底扇状地に運ばれて堆積した砂岩層で、一般に良好な貯留岩性状を示す。
*4:岩塩は地層深部から流動して、上位の地層を貫いて分布するが、その分布形態によりダイアピル、シート、キャノピーなどと呼ばれている。下
位層から上位層を貫いて垂直的に分布するものをダイアピル、地層に沿って水平に広く分布するものをシート、下から貫いて屋根のように覆う
ものをキャノピーと呼んでいる。
2007.1 Vol.41 No.1 42
メキシコ湾大水深の古第三系石油開発に道を拓く 〜超大水深・大深度掘削のジャック2号井成功のインパクト〜
①ルイジアナ沖合のジャックを含む油田群はミシシッピ
に実施されたテストでは、古第三系のWilcox層より日
海底扇状地褶曲帯南西部に属し、②テキサス沖合のグ
量6,000バレル以上の出油が確認されている。
レートホワイトを含む油田群はペルディド褶曲帯に属す
ジャックプロスペクト(P41の*2を参照)には、
る。古第三系の発見油田は、いずれも岩塩シート近傍ま
2004年にジャック1号井が最初に掘削され、そこで有効
たは岩塩シートやキャノピーの下の構造となっている
層厚350フィート以上の油層を確認している。続いて
(図4)
。
2005年にジャック2号井が掘削され、2006年のテストに
一方、メキシコ領については、北部に米国から連続す
より前述の成果が確認された。
るペルディド褶曲帯の構造トレンドが存在する。また、
将来的には、評価井のジャック3号井が2007年第3四
その南方では構造トレンドが南北方向に変わり、長大な
半期に掘削される計画で、埋蔵量の検討および開発計画
メキシカンリッジ褶曲帯(Mexican Ridge Fold Belt:図4)
の立案がなされる予定である(図7)。
が生成されている。メキシコ領の岩塩については、南に
一般に新規発見油田は埋蔵量推定に関連する情報に乏
向かって分布が狭まり、メキシカンリッジ褶曲帯では存
しいが、ジャックの場合は、25%の権益を保有するデボ
在しなくなる(図4)
。
ンエナジーがジャックの油層の有効層厚が350フィート
以上と発表している。さらに、同社が権益を保有する古
(3)ジャックの発見と埋蔵量規模
第三系プレイの3油田についても、有効層厚がCascade
ジャック2号井は、ニューオーリンズの南約270マイ
油田で450フィート以上、St.Malo油田で450フィート以
ル(約430km)沖合の水深約7,000フィート(約2,134m)
上、Kaskida油田で約800フィートとしている(表3)
。
の超大水深に位置し、掘削深度2万8,175フィート
現段階における埋蔵量についても、4油田の同社権益
(8,588m)の大深度掘削井である。2006年の第2四半期
分(20〜50%)で期待される埋蔵量を合計3億〜9億バ
A
ミシシッピ州
アラバマ州
中新統∼
上部ジュラ系 1万
ニューオーリンズ
ヒューストン
基盤
1,
0f
t
km
00
ft
出所:Trudgill et al, 1999より作成
A‘
図5 ミシシッピ海底扇状地褶曲帯の断面図
岩塩分布エリア Mississippi Fan Fold Belt
B‘
B
20
0
00
5,0
2,500
更新統∼鮮新統
岩塩
A
水深
(m)
海底面
ミシシッピ海底扇状地褶曲帯
ルイジアナ州
テキサス州
A’
Perdido Fold Belt
715
714
ジャック2号井
2005 評価井掘削
2006 生産テスト
Mexican Ridges Fold Belt
ジャック1号井
2004 試掘成功
768
出所:Trudgill et al, 1999より作成
769
図4 メキシコ湾の主要地質構造と岩塩の分布
B
B’
水深
(m)
ペルディド褶曲帯
海底面
岩塩
完新統∼中新統
下部漸新統∼
上部ジュラ系
岩塩
基盤
20
0
出所:Trudgill et al, 1999より作成
図6 ペルディド褶曲帯の断面図
43 石油・天然ガスレビュー
km
3,300
802
804
803
ジャック3号井
2007 評価井(計画)
1万3,300
注:図の3桁の数字は
0
鉱区番号です
5Km
出所:デボンエナジーホームページより作成
図7 ジャック油田の坑井位置図
アナリシス
り、さらに前述のデボンエナジーの4油田のデータから
表3 デボンエナジーの古第三系発見油田の情報
も数億バレル規模は裏付けられている。
発見油田名
発見年
権益比率
油層の有効層厚
さて、ジャックの成功を受けて、今後の古第三系プレ
Cascade
2002
50%
450ft 以上
イの探鉱活動は加速していくことが予想されるが、仮に
St. Malo
2003
22.50%
450ft 以上
将来的に100のプロスペクトに対して探鉱がなされ、そ
Jack
2004
25%
350ft 以上
の成功確率を40%と想定し、各プロスペクトの埋蔵量を
Kaskida
2006
20%
約800ft
5,000万〜5億バレルとして概算すると、プレイ全体の
(4油田の同社権益分の期待埋蔵量は3億〜9億バレルと公表)
埋蔵量は20億〜200億バレルとなる。すなわち、シェブ
レルと見ていることから、各油田規模は数億バレルの大
ロンの言う「30億〜150億バレル」の値は、想定できる
油田であると推定される。
範囲にあると筆者は考える。
また、一つのプレイで「30億〜150億バレル」のポテ
(4)古第三系プレイの石油ポテンシャル
ンシャルを持つという観測は、メキシコ湾の累計生産量
古第三系プレイの探鉱ポテンシャルについては、シェ
130億バレルに近い値であり、それは現在の米国の残存
ブロンが可採埋蔵量30億〜150億バレルに達する可能性
確認可採埋蔵量の214億バレル、米国メキシコ湾の41億
を指摘している。
バレルと比べても巨大であることが分かる。
古第三系プレイに対する探鉱は、いまだ初期段階であ
しん ぴょう
(5)古第三系プレイの開発
り、シェブロンの言う「30億〜150億バレル」の信憑性
を評価するのは難しいが、デボンエナジーおよびペトロ
古第三系プレイは2001年以降、12の発見油田を数える
ブラスのホームページで公表されているプロスペクト数
が、実際に開発に移行したものはいまだない。これは、
や埋蔵量規模などの情報から、ある程度の幅を推定する
超大水深・大深度掘削という過酷な条件のために技術的
ことはできる。
課題が大きいこととともに、開発コストの高騰が大きな
デボンエナジーおよびペトロブラ
スの情報によると、両社保有鉱区に
ミシシッピ州
は少なくとも合計25プロスペクトが
存在している(図8)。両社の鉱区
ルイジアナ州
テキサス州
面積は、古第三系プレイの探鉱エリ
アラバマ州
ニューオーリンズ
アの数パーセント程度であり、全探
ヒューストン
1,
鉱エリアにはおそらく数百ものプロ
照)が存在すると考えられる。
t
5,0
0f
00
スペクト・リード(P41の*2を参
00
一方、2001年以降の約5年間で古
第三系プレイには試掘井19坑が掘削
1
され、12の油田が発見されている。
3
ft
Kaskida
4
Cascade
13
16 18
2 5
Chinook
14
3 8 4 1215 1719 St.Malo
6
11
1
6
7 9 10 5
2
Jack
その成功確率は63%と驚異的なレベ
ルにある。その理由は①重合前深度
マイグレーション*5等、物探技術(付
デボンエナジーのプロスペクト
記参照)の進歩により構造把握のリ
1
スクが軽減されたこと、②貯留岩リ
3
スクが小さいことなどが考えられ
る。また、発見油田の埋蔵量規模に
ついては、各種報道で数千万バレル
から数億バレル規模が示唆されてお
2
4
5
Canaan
Oceanographer
Merope
Bottle Rocket
Capella
6
7
8
9
10
Sardinia West
Cherry Bomb
Gorgona
Ponza Deep
Propus
ペトロブラスのプロスペクト
11
12
13
14
15
Cypress W
Navi
Azha
MBO
Knik
16
17
18
19
Lewis
Brett
Bastogne
Lacrosse
1
2
3
Aurellan
Flavian
Claudius
4
5
6
Hadrian
Hadrian S
Das Bump
出所:デボンエナジー・ペトロブラスのホームページより作成
図8 下部第三系プレイのプロスペクト位置図
*5:重合前深度マーグレーション(Pre-Stack Depth Migration:PSDM)。石油探鉱における地下の構造把握には一般的に反射法地震探査が用いられ、
通常は水平多層構造を前提とした処理が行われる。しかし、複雑な構造を対象とした場合には、地震波の屈曲を考慮した特殊な処理(PSDM)
を行うことにより、膨大な計算時間を要するものの精度の高い構造把握が可能となる。
2007.1 Vol.41 No.1 44
メキシコ湾大水深の古第三系石油開発に道を拓く 〜超大水深・大深度掘削のジャック2号井成功のインパクト〜
問題になっている。具体的には、1坑あたりの掘削費用
Production Storage and Offloading Unit:洋上浮体式石
が約100億〜150億円(8,000万〜1億2,000万ドル)、海底
油生産・貯蔵・積み出し設備)を用いた開発を行い、
生産システムに720億〜1,800億円(6億〜15億ドル)も
2009年末にファーストオイルを生産する計画である。
の巨費を要すると言われている(デボンエナジー)こと
続いて検討されているのが、シェルによるグレートホ
からも、容易な作業ではない。
ワイト油田(Great White)の開発である。大水深開発
このような状況の下でも、古第三系プレイ開発として
システムは、スパー(Spar、図22)を用いて、超大水
先陣を切ると言われているのが、ペトロブラスのカス
深まで幹線パイプラインを敷設する計画で、開発コスト
ケード油田である。ペトロブラスによると、カスケード
は約4,800億円(約40億ドル)を超えると報道されている。
油田(Cascade)は同社が得意とするFPSO(Floating
2. メキシコ領メキシコ湾の状況
(1)メキシコ領メキシコ湾大水深の探鉱状況
メキシコ領メキシコ湾の大水深海域には広大なフロン
500m
3000m
ティアが広がっており、国営石油会社Pemexが2003年
に開始した試掘キャンペーン以降でも、試掘井はわずか
4坑にとどまっている。これらの坑井はいずれもメキシ
CAXUI
コ湾南部に掘削されており(図9)、2004年にNab-1で上
部白亜系炭酸塩岩から日量1,180バレルの重質油、2006
NOXAL
LEEK
LAKACH
NAB
CHUKTAH
油発見井
ガス発見井
ドライ
試掘予定
年にNoxal-1で鮮新統砂岩から日量950万立方フィートの
ガスの産出を確認している。なお、2003年に掘削された
Chuktah-201および2005年のCaxui-1はドライであった。
Pemexは、引き続き南部においてLakach-1、Leek-1をは
Mexico
出所:Pemexより作成
図9 メキシコの試掘井位置図
じめ複数の試掘を予定している。
地震探鉱の作業も、
米国と比較すると圧倒的に少なく、
3次元震探の面積は、米国の10分の1程度の僅か2万
maximo(2002)
5,558平方キロメートルである(図10)。南部の震探作
Magno(2005)
3,000m
業は、東から①巨大油田カンタレル沖合で重質油を確認
500m
したNab-1周辺のTamil(1997)およびNox-Hux(2003)、
②ガスを確認したNoxal-1周辺のHolok-Alvarado
( 2 0 0 4 )、 ③ L a n k a h u a s a ガ ス 田 沖 合 の L a n k a h u a s a
Profundo(2003)およびShanit(2004)の大きく三つの
震探実施エリアに区分される。
一方、北部には試掘井がないものの、米国国境のペル
ディド褶曲帯(Perdido Fold Belt)においてMaximo
(2002)およびMagno(2005)の3次元震探作業が実施
されている。
(2)メキシコ領メキシコ湾大水深のポテンシャル
Shanit(2004)
Lankahuasa
Profundo(2003)
Holok-Alvarado
(2004)
Nox-Hux
(2003)
Tamil(1997)
Mexico
3次元震探の面積=2万5,558平方キロメートル
出所:Pemexより作成
図10 メキシコ領の3次元地震探鉱位置図
Pemexは、メキシコ湾大水深エリアに未発見資源量
(Prospective Resources)として、原油換算で約293億
ト、南部の3次元震探収録エリア内に18プロスペクト存
バレルのポテンシャルがあると推定している(図11)。
在する(図12)。
探鉱プロスペクト・リードは175以上存在し、試掘許可
これら大水深のプロスペクトの探鉱プレイは、①北部
の下りたものが北部のペルディド褶曲帯に6プロスペク
のペルディド褶曲帯での古第三系砂岩プレイ、②中部か
45 石油・天然ガスレビュー
アナリシス
ら南部にかけてのメキシカンリッジ
億バレル
における第三系砂岩プレイ、③南東部
累計生産量
堆積盆地
のカンタレル沖合の上部白亜系炭酸
塩岩プレイに大別される。
北部のペルディド褶曲帯における
Sabinas
1
0
Burgos
17
11
Tampico-Misantla
古第三系プレイは、メキシコ領での試
Veracruz
掘井はないが、米国側での実績から、
埋蔵量(3P)
62
3
31
16
2
Sureste
構造形態や規模も米国側と類似して
メキシコ湾
0
0
いることから、期待される埋蔵量も大
Yucatan platform
0
0
規模であると見られる。しかし、探鉱
Total
較的狭く、プロスペクト数は限られて
3
195
油田が発見される確率は非常に高い。
エリアが中南部のプレイに比べて比
未発見資源量
8
354
261
17.7
293
3
469
437
538
出所:Pemexより作成
いる。
図11
中部のメキシカンリッジから南部
にかけての第三系砂岩プレイは、プロスペクトおよび
リードの数が大水深プレイの中で最も多く、Noxal-1や
メキシコにおける石油・天然ガスの累計生
産量、埋蔵量(3P*6)、未発見資源量
MAGNANIMO
MAXIMINO
PEP
ALAMINOS
CHACHIQUIN
AFOTICA
3000m
近隣の試掘井で油ガスを確認していることから、高い探
500m
鉱ポテンシャルを有する。しかし、貯留岩の第三系砂岩
は、後背地が近隣の炭酸塩岩が主体であり、さらに小規
模な河川から供給されたものであることを考慮すると、
貯留岩にリスクは存在する。また、構造形成時期が非常
に新しいため、チャージのタイミングに関するリスクも
推定される。実際、Noxal-1ではガスが確認されている
とはいえ、
商業規模ではないという情報もあることから、
今後の探鉱動向を注視する必要がある。
PATINI
TLAHUAN MUKUT NOX-HUX
KALAPU
KAMBAL
NAB-1
KOLULU
ETBAKEL
TASIU KUYAH
TAMIL
LABAY
NEN
CHUKTAH
LAKACH
LEEK
NOXAL
ESLIPUA
CAXUI-1
CAHUAN
Mexico
未許可のプロスペクトとリード
南部の上部白亜系炭酸塩岩プレイはNab-1で油を確認
しており、プロスペクト数も比較的多いことから、非常
に高いポテンシャルを有する。ただし、原油がAPI比重
10°前後と重質であることは本プレイのマイナス面であ
試掘許可の下りたプロスペクト
出所:Pemexより作成
図12 メキシコ領大水深のプロスペクト・リード
る。
る有望なプレイが存在する巨大フロンティアと位置づけ
以上、メキシコ領メキシコ湾大水深は地域ごとに異な
られ、今後の各プレイの探鉱動向に注目する必要がある。
3. 今後の展望
米国メキシコ湾は、過去50年以上にわたって生産実績
び図13、図14)。
を有する米国有数の堆積盆地で、原油130億バレル、天
メキシコ湾大水深における当面の開発としては、ルイ
然ガス150兆立方フィートを生産してきた。
ジアナ沖合の新第三系プレイを中心に複数の開発プロ
1990年代以降、大水深の生産量も急速に拡大し、1999
ジェクトが立ち上がるが、それだけでは2003年にピーク
年には大水深の生産量が浅海を上回った。しかし、2003
を打ったように見える石油生産(2004年および2005年は
年以降大水深の生産量は頭打ちになっている(付記およ
ハリケーンによる生産停止が影響)は、いずれ減退に転
*6:埋蔵量は、
確実に採取可能なレベルの確認埋蔵量
(Proved Reserves)
、
適切な技術・その時点の経済条件で採収されるレベルの推定埋蔵量
(Probable
Reserves)
、
直接確認されていないが将来的に採収される可能性のある予想埋蔵量
(Possible Reserves)
に分類される。3Pとはその頭文字を取っ
たもので、Proved Reserves、Probable Reserves、Possible Reservesの三つを指す。
2007.1 Vol.41 No.1 46
メキシコ湾大水深の古第三系石油開発に道を拓く 〜超大水深・大深度掘削のジャック2号井成功のインパクト〜
じるであろう。
の古第三系プレイに対するチャレンジにおいても成功を
今世紀に入って発見が相次ぐ古第三系プレイは、「30
収めると筆者は考える。
億〜150億バレル(シェブロン)
」規模の巨大な石油ポテ
もう一つ強調したいことは、メキシコ湾超大水深が最
ンシャルを有することから、数年後には生産量を再び増
先端技術を実証する場であり、ここでの次世代プレイに
大させる可能性を秘めている。
挑戦する企業は、世界をリードする技術を獲得できる、
実際に、開発移行を検討しているカスケード油田およ
と見ているという点である。
びグレートホワイト油田等が順調に立ち上がり、周辺油
一方、メキシコ領メキシコ湾大水深には、地域ごとに
田のハブとなる大規模開発システムとして稼働を始める
異なる有望プレイが存在し、合計約293億バレルのポテ
と、日量数十万バレル規模のインパクトとなり、メキシ
ンシャルが期待されるフロンティアが広がる。そのう
コ湾全体の生産量が維持される確率は高い。
ち、北部では米国から連続する古第三系砂岩プレイが存
さらに、古第三系プレイが今後も高い発見確率を保持
在しており、米国同様に非常に高いポテンシャルを有す
し、多数の大規模発見が続くような場合は、メキシコ湾
る。しかし、Pemexは水深の比較的浅いメキシコ湾南
の生産量が新たなピークを迎える可能性もある。
部の試掘を優先しており、北部における古第三系砂岩プ
しかし、超大水深の開発コストの問題、油価の大幅下
レイの油田発見は数年先になると筆者は考える。
落などの経済的リスクに加え、発見確率の低下や追加埋
メキシコ湾中南部の大水深については、カンタレル巨
蔵量の小規模化等のリスクも存在し、超大水深における
大油田と同一タイプの上部白亜系炭酸塩岩プレイ、およ
古第三系プレイの開発がスローダウンする可能性も否定
び第三系砂岩プレイがPemexにより継続的に探鉱され、
できない。
近い将来、ある程度の成果を収めるであろう。ただし、
ただし、原油生産量の減退を続ける米国のなかで、メ
メキシコの場合、技術と資金の両面から外資導入が不可
キシコ湾は約40年もの間100万バレル/日規模の生産を
欠であるため、元エネルギー大臣のカルデロン新大統領
続ける例外的な堆積盆地であり、その源は常に深海側に
が打ち出すエネルギー政策を注視していく必要がある。
かんが
広がるフロンティアであったことを鑑みると、超大水深
付記:米国メキシコ湾の石油開発動向
1. 米国メキシコ湾の探鉱開発史
メキシコ湾沖合における試掘は1938年に開始され、
浅海域を中心に探鉱開発が進み、1971年に原油生産量が
1947年にはカーマギーによる初の海底油田「Ship Shoal
100万バレル/日を超えてピークに達した(図13)。
32油田」が発見され、同年に生産が開始された。以来、
大水深に関しては、1989年のシェルによるマース油田
4
2
2004
2001
1998
1995
1992
1989
1986
1983
1980
1977
1974
1971
0
1968
年
6
1965
2004
2001
1998
1995
1992
1989
1986
1983
1980
1977
1974
1971
1968
1965
1962
1959
1956
1953
1950
1947
0
8
1962
200
10
1959
400
12
1956
600
浅海(1,000ft以浅)の天然ガス生産量
大水深(1,000ft以深)の天然ガス生産量
1953
800
14
1950
1,000
16
1947
浅海(1,000ft以浅 )の原油生産量
大水深(1,000ft以深)の原油生産量
天然ガス生産量
(十億立方フィート/日)
原油生産量(千バレル/日)
1,200
年
出所:MMSより作成
出所:MMSより作成
図13 メキシコ湾浅海および大水深の原油生産量
図14 メキシコ湾浅海および大水深の天然ガス生産量
*7:ロイヤルティー免除法とは、大水深の石油・天然ガス開発を推進するために1995年に制定された法律。連邦政府管轄の海洋鉱区において連邦に
支払うべきロイヤルティーが水深ごとに決められた範囲の生産量まで免除される法律。当初の規定で、例えば800m以深の水深における油ガス
田で、生産量87.5MMboeまで間ロイヤルティーが免除されていた。
47 石油・天然ガスレビュー
アナリシス
など巨大油田の発見を機に注目を浴び、1995年のロイヤ
*7
打ちになり、メキシコ湾全体の原油生産量は減少を始め
ルティー免除法 の制定により、探鉱開発活動が急速に
ているように見える(2004年および2005年はハリケーン
活発化した。メキシコ湾大水深の原油生産量は、同法施
による生産の長期ストップの影響あり)。天然ガス生産
行以降に急激な伸びを示し、2002年には浅海域における
量も原油と似た傾向があるとはいえ、大水深における生
ピークの100万バレル/日に迫るレベルに達した(図13)
。
産割合は原油ほど大きくなっていない(図14)。
しかし、2003年以降は大水深における生産量の伸びも頭
2. 米国メキシコ湾の埋蔵量
1,000 - 1,499 ft
0 - 999 ft
1,500
1,000
1989年のマース油田の発見以降、大水深が浅海を圧倒し
2005
2003
2001
1999
1997
1995
1993
1991
1989
1987
1985
1983
1981
1979
1977
炭化水素の水深別追加発見埋蔵量の推移を見ると、
0
1975
る19兆立方フィートである。
1973
500
1971
存確認可採埋蔵量があり、メキシコ湾は約10%に相当す
2,000
1969
一方、天然ガスは米国全体で193兆立方フィートの残
5,000 - 7,499 ft
1,500 - 4,999 ft
1967
バレルを占める。
2,500
1965
バレルで、そのうちメキシコ湾は約20%に相当する41億
> 7,500 ft
追加埋蔵量
(百万バレル/日)
現在の米国全体の原油の残存確認可採埋蔵量は214億
3,000
年
出所:MMSより作成
メキシコ湾における炭化水素の
図15 水深別追加発見埋蔵量の推移
ており、さらに1998年以降はロイヤルティー免除法施行
の影響で大きく伸びていることが分かる(図15)。
メキシコ湾では、
前項に示したように約40年にわたり、
120
が探鉱による追加発見埋蔵量である。
メキシコ湾での探鉱は、前述のように1990年代以降に
入って大水深に活動の中心が移っており、ロイヤル
ティー免除法の影響が出る1997年以降、年間100坑前後
の試掘井が大水深エリアで掘削されている。
さらに、5,000フィート以深の超大水深および7,500
114
9
100
9
1,500 - 4,999 ft
100
産約130億バレルを達成し、天然ガスも100億立方フィー
80
60
45
48
1
6
30
90
83
17
87
19
81
17
5
38
38
6
8
1 14
3
1
67
44
17
11
16
13
20
74
50
7
74
92
11
13
2
61
40
0
5
10
64 1
20
100
8
1,000 - 1,499 ft
29
試掘井数
トを達成しているが、常にその生産を下支えしてきたの
107
5,000 - 7,499 ft
原油で100万バレル/日レベルの生産を続けて、累計生
ト/日以上の生産を続けて累計生産約150兆立方フィー
116
> 7,500 ft
20
10
8
5
10
43
7
44
10
64
4
1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 年
出所:MMSより作成
図16 メキシコ湾大水深における水深別の試掘井数
フィート以深における試掘の割合も、全体的には増加し
ている(図16)
。
ミシシッピ州
大水深の新規発見トレンドは、当初、ルイジアナ州沖
合が先行し、1990年代以降は深海方向およびテキサス沖
合に発見が広がっている(図17)。5,000フィート以深
ルイジアナ州
ニューオーリンズ
ヒューストン
0f
00
1,
の超大水深の発見に関しては2000年以降のものがほとん
テキサス州
アラバマ州
どである。
t
5,0
00
この超大水深で最近注目を集めているのは、ルイジア
ナ州沖合のジャック周辺の発見トレンド、テキサス沖合
ft
発見年
1975 ∼ 1989
1990 ∼ 1999
2000 ∼ 2003
2004 ∼ 2005
のグレートホワイト周辺の発見トレンドなどの、古第三
系プレイである。
出所:MMSより作成
図17 メキシコ湾大水深における年代別発見トレンド
2007.1 Vol.41 No.1 48
メキシコ湾大水深の古第三系石油開発に道を拓く 〜超大水深・大深度掘削のジャック2号井成功のインパクト〜
3. 米国メキシコ湾大水深における地震探鉱の状況
メキシコ湾大水深における探鉱を成功に導いた一つの
ミシシッピ州
要因として、3次元地震探鉱とイメージング技術の進歩
が挙げられる。
図18は、3次元地震探鉱データの収録地域であり、
ルイジアナ州
ニューオーリンズ
ヒューストン
1,
00
メキシコ湾大水深のリースエリアのほぼ全域をカバーし
テキサス州
アラバマ州
0f
5,0
00
t
ていることが分かる。
ここで重要なことは、収録された地震探鉱データに対
ft
して「重合前深度マイグレーション」という特殊処理が、
広範なエリアで実施されるようになった点である(図19)
。
一般にメキシコ湾で地震探鉱を実施すると、岩塩周辺と
その下位層のイメージングが、弾性波の散乱により極め
て困難となり、最大の探鉱リスクは構造把握にあると認
識されていた。
3 次元地震探鉱エリア
出所:MMSより作成
図18 メキシコ湾大水深における3次元地震探鉱エリア
しかし、近年の「重合前深度マイグレーション」処理
技術の進歩により、岩塩層およびそれより下位の構造の
ミシシッピ州
イメージングが向上し、それに伴い試掘精度が高まった
のである。
図20は、同処理が施されたルイジアナ沖合の地震探
ルイジアナ州
テキサス州
ニューオーリンズ
ヒューストン
5,0
00
t
が容易に把握できることが分かる。
0f
00
1,
鉱断面の実例である。岩塩の下位層が鮮明になり、構造
アラバマ州
ft
重合前深度マイグレーション処理エリア
出所:MMSより作成
メキシコ湾大水深における重合前
図19 深度マイグレーション処理エリア
南東
北西
岩塩
漸新統
Wilcox
白亜系
3miles
出所:Fugro Multi Client Serviceより作成
図20 重合前深度マイグレーション処理の実例
49 石油・天然ガスレビュー
アナリシス
4. 米国メキシコ湾の開発状況
メキシコ湾浅海のパイプラインネットワークは網の目
ミシシッピ州
のように張りめぐらされている(図21)
。大水深への幹
線パイプラインは1990年代後半から敷設され、2000年以
ルイジアナ州
テキサス州
降は5,000フィート以深の超大水深においても、複数の
アラバマ州
ニューオーリンズ
ヒューストン
大水深開発システムは、固定式プラットフォーム
t
0f
00
1,
開発システムの建設が始まっている。
5,0
00
(Fixed Platform)、コンプライアントタワー(Compliant
ft
Tower)
、TLP(Tension Leg Platform)スパー(Spar)、
半潜水型生産施設(Semi-submersible Production
開発システム
スパー
TLP
その他
Unit)、海底生産システム(Subsea System)など多岐
に及んでおり、ここでの開発は、最先端技術の実証の場
浅海のハブシステム
大水深のハブシステム
計画中のハブシステム
主要パイプライン
出所:MMSより作成
となっている(図22)
。
メキシコ湾におけるパイプラインネットワーク
図21 と開発システム
出所:MMS
図22 大水深生産システムの概念図
参考文献
1. MMS, 2006, Deepwater Gulf of Mexico 2006: America's Expanding Frontier
2. Trudgill, B. D., M.G. Rowan, J.C. Fiduk, P. Weimer, P.E. Gale, B.E. Korn, R.L. Phair, W.T. Gafford, G.R. Roberts,
and S.W. Dobbs, 1999, The Perdido Fold Belt, Northwestern Deep Gulf of Mexico, Part 1: Structural Geometry,
Evolution and Regional Implications, AAPG Bulletin, v.81, p.88-113.
3. メキシコ湾関連のウェブ情報:Pemex、Devon Energy、Petrobras、Chevronなど
4. Fugro Multi Client Service社提供、地震探鉱地質断面図
執筆者紹介
佐藤 隆一(さとう りゅういち)
愛知県出身。静岡大学理学部卒業、同大学院修了、理学修士(地球科学)。1990年より石油公団地質調査部・技術部等を経て、現在、
JOGMEC米ヒューストン事務所副所長。石油公団時代は、地質調査部で中国、イエメン、イランの海外地質構造の調査等に従事。
現在はメキシコの国営石油会社Pemexとの構造調査関連業務に携わりながら、メキシコを中心にベネズエラ、ブラジルなどラテン
アメリカ諸国の情報収集を行っている。
2007.1 Vol.41 No.1 50