HP シンクライアントが選ばれる理由 - Hewlett Packard

HP シンクライアントが選ばれる理由
日本国内及び世界で No.1 の実績を持つ HP シンクライアント。
その特長や仕組み、導入のメリットを詳しくご紹介します。
目次
はじめに ............................................................................................................................................. 2
第 1 章 繋がるシンクライアント .............................................................................................................. 3
「繋がるシンクライアント」で様々なニーズに対応 .................................................................................... 3
1-1 複数のソリューション対応で管理負担とコスト増を回避 ..................................................................... 3
1-2 クライアント仮想化+クラウドのハイブリッド環境にも適用可能 ........................................................... 4
1-3 部門別シンクライアントの使い方提案 ............................................................................................ 5
第 2 章 安心のシンクライアント .............................................................................................................. 6
さまざまなニーズに応える安心のシンクライアント ................................................................................... 6
2-1 ユーザーニーズやシステムの変化に柔軟に応えるシンクライアント ..................................................... 6
2-2 標準装備のセキュリティ機能で安全に利用 ..................................................................................... 7
2-3 最新のソフトウェアや各種ドライバーを無償で提供........................................................................... 8
2-4 最新の技術と価格性能比で市場をリードする HP シンクライアント....................................................... 9
2-5 豊富な導入実績と 3 年連続シェア No.1 ...................................................................................... 10
2-6 長期間安心して使える製品保証とサポート ................................................................................... 11
2-7 環境に配慮した HP シンクライアント ............................................................................................ 11
第 3 章 統制されたシンクライアント ...................................................................................................... 12
シンクライアントの効果的で安全な運用を実現する様々なツール ............................................................ 12
3-1 シンクライアントの運用管理の考え方と HP の提案 ........................................................................ 12
3-2 HP Device Manager を使った容易な初期展開(準備中).................................................................. 14
3-3 HP Device Manager の有効活用で運用工数の削減(準備中) .......................................................... 14
3-4 HP Smart Client Service で管理者不在のスマートクライアント運用(準備中) ....................................... 14
3-5 利用シーンに合わせた管理ツールの組み合わせ提案(準備中) ........................................................ 14
はじめに
セキュリティ面での有用性はもちろん、管理の向上や運用コストの削減、ビジネス継続性などの
課題解決に大きな効果が出るクライアント仮想化ソリューションは今や企業のクライアントのあり
方の 1 つとしてその地位を築きつつあります。また昨今の節電対策、災害対策としても注目を集
めています。
HP シンクライアントはこの分野において、日本国内はもちろん世界でも No.1 のシェアを獲得し
ています。いち早くこの業界へ製品を投入し、世界初のデュアルコアを搭載したモデルをリリース
したり、環境評価基準を定める EPEAT で最も優れた Gold 認定を世界で初めて受賞するなど、業
界のリーダーシップを発揮してきました。
本書では、HP シンクライアントがなぜ選ばれ続けているのか、その理由を分かりやすく説明し、
製品の特長や考え方を解説しています。これからシンクライアントを検討される方はもちろん、既
に導入いただいた方にも、より深く HP シンクライアントを理解し、活用いただくことで、お客様のビ
ジネスへ貢献できることを願います。
第 1 章 繋がるシンクライアント
「繋がるシンクライアント」で様々なニーズに対応
企業のニーズや環境によって、シンクライアントに要求される OS の種類や機能は異なります。
クライアント仮想化環境への接続端末、特定アプリケーションの利用など PC の機能の一部を代
替えする専用端末、パブリック・クラウドも含めた Web アプリケーションの利用端末など、それぞ
れの用途に適した機種を選ぶのはコスト的にも管理的にも大きな負担です。HP のシンクライアン
トなら、用途に応じてシンクライアントに搭載する OS を選べるだけでなく、将来的なニーズや環境
の変化に応じて OS を変更できます。クライアント仮想化の方式ごとに個別のシンクライアントを購
入する必要が無いため、効率的にシンクライアントを導入できると同時に、長期的な資産の活用と、
投資金額の削減につながります。
【図 1 変化する端末へのニーズに応える HP シンクライアント】
1-1 複数のソリューション対応で管理負担とコスト増を回避
HP シンクライアントには、Citrix XenDesktop や Microsoft VDI、VMware View で実現する VDI 方
式、Citrix XenApp、Microsoft Remote Desktop Service で実現する SBC 方式、仮想化されない
物理ハードウェアへ接続する Blade WS 方式など、主要なクライアント仮想化環境に接続するた
めの複数のソフトウェアが出荷状態でインストールされています。
設定工数を削減し、短時間で導入できるのはもちろんの事、導入時期の違いによって異なる仮
想化方式が混在するような場合でも、1 種類の HP シンクライアントを方式に合わせてカスタマイ
ズできるため、多様なクライアント環境にありがちな、管理の複雑化やコストの増加を避ける事が
可能です。
【図 1-1 主要なクライアント仮想化方式に全て対応】
1-2 クライアント仮想化+クラウドのハイブリッド環境にも適用可能
HP シンクライアントは 1 台でクライアント仮想化環境と、Web 上で提供される様々なサービスを
利用するパブリック・クラウドを同時に利用することが可能です。HP シンクライアントの OS として
選択可能な Windows Embedded や HP ThinPro は、インターネットに接続するためのブラウザを
標準搭載しています。このため、クラウド仮想化環境に接続する用途だけではなく、端末から直接
インターネットにアクセスし、SaaS※1 や DaaS※2 などのパブリック・クラウドサービスを利用できるク
ラウド端末としても利用出来ます。
デュアルコア CPU や高性能なグラフィックアクセラレーターを搭載したモデルもラインナップして
います。将来、HTML5 や JAVA などで開発されたリッチな Web アプリケーション利用が主流とな
り、端末側に高い性能が要求された場合でも十分なパフォーマンスを発揮することが出来ます。
注記:
※1 SaaS (Software as a Service):ソフトウェアが実行する処理をネットワーク経由でサービスとして提供する
コンピューターシステムのこと。
※2 DaaS (Desktop as a Service): Microsoft Baseline Security Analyzer 2.2 は、Microsoft の Web サイト
(http://www.microsoft.com) から入手できます。
1-3 部門別シンクライアントの使い方提案
同じ企業でも、部門ごとにクライアントに対する要件やその運用は異なります。
例えば、プリセールスや営業部門の PC は Microsoft Office と Web 利用が中心、申請ベースで
USB ストレージデバイスや周辺機器の利用を認めているとします。このようなクライアント環境をシ
ンクライアントで実現するために必要な機能を満たすのは、柔軟性の高い WES OS を搭載したシ
ンクライアントです。
一方、工場やコールセンターでは Office は使わず、特定のアプリケーションだけを利用し、USB
などの周辺機器は一切利用しない場合、適するシンクライアントは、クライアント仮想化環境へ接
続するたけのシンプルな機能を持るゼロクライアントやスマートクライアントが適しています。また
このような拠点には IT の専任管理者が不在の場合が多く、管理不要なゼロクライアントはこの面
でも適しています。
HP では、部門別、ニーズ別に合わせてシンクライアントを選ぶ事を提案します。将来的に用途が
変わっても変更可能であるのに加え、(2-1 「ユーザーニーズやシステムの変化に柔軟に応えるシ
ンクライアント」参照)異なるハードウェアや OS を一元管理する、HP Device Manager という管理
ツールで管理者の負担を大きく削減することが可能です。
【表 1-2 HP シンクライアント部門別提案例】
部門
現状の PC
シンクライアントに求めら
れる要件
HP の提案
プリセールス・
営業
・MS Office や Web 利用が中
心
・接続ソフトウェア(ICA や
PCoIP など)の更新を迅速
に実施したい
製品:HP t5570e Thin
Client
・ウィルス対策、HDD 暗号化実
施
・申請ベースで USB ストレージデ
バイス、周辺機器利用
工場・コールセ
ンター
・特定のアプリケーションのみ利
用
・厳しいセキュリティ設定で周辺
機器の利用不可
・要請に応じて周辺機器を
使いたい
・使い勝手やレスポンスを
変えたくない
・繋がるだけの単機能
・端末は全て同じ設定
・管理者不在で運用したい
・PC は壊れるまで使う
開発
・柔軟性の高い WES OS 搭
載
・Windows Firewall セキュリ
ティを利用
・一般 OA に十分な性能
製品:HP t5565z Smart
Client
・接続するのみのシンプル機
能(設定ファイルは 1 つだけ)
・N/W 経由で設定の自動化
・ユーザーが自分で PC のチュー
ニング実施
・周辺機器を自由に使いた
い
製品:HP t610 Plus Thin
Client
・セキュリティより生産性と効率
性を重視
・4 画面のディスプレイを使
いたい
・大容量 SSD を搭載し、自由
度の高い利用が可能
・高負荷アプリケーションを資料
・高スペックでないと処理
出来ない
・オンボードグラフィックス搭
載
・デュアルコア APU 搭載の高
速処理
注記:
最新の製品情報は HP Web サイト (http://www.hp.com/jp/thinclient ) でご確認ください。
第 2 章 安心のシンクライアント
さまざまなニーズに応える安心のシンクライアント
HP はシンクライアントの導入に際してお客様が抱く疑問や不安の声に対し的確なソリューション
を用意しています。Citrix や Microsoft、VMware などの複数の仮想化方式に対応できるのはもち
ろんのこと、用途や環境、要求されるセキュリティレベルに応じて端末の OS を Windows
Embedded Standard、HP Smart Zero、HP ThinPro から選択したり、これを後から柔軟に変更す
ることも出来ます。
ファイアウォールなどの各種セキュリティ機能も標準で搭載し、シンクライアント導入の重要な要
件の 1 つである安全性にも十分に配慮しています。もちろん導入後のアップデートやサポート体
制も万全で、あらゆる面から安心して利用することが出来ます。
2-1 ユーザーニーズやシステムの変化に柔軟に応えるシンクライアント
HP シンクライアントは、共通のハードウェアプラットフォームで複数の OS に対応しています。
ハードウェアの管理を統一できるに加え、業務やユーザーの用途に合わせて利用する OS を柔軟
に選べます。
例えば、同じ仮想化環境へ接続するシンクライアントでも、業務でスキャナやペンタブレットを使
いたいデザイン部門のユーザーにはそれら周辺機器のドライバーを簡単にインストールできる
Windows Embedded 搭載の機種が最適です。一方、シンプルに仮想化環境へ接続するだけで
良い事務業務が中心のユーザーには接続するだけの機能に限定したスマートクライアントが最適
です。HP のシンクライアントは Windows Embedded 搭載のシンクライアントを後からスマートクラ
イアント化する事ができるため、用途の変化や人数の変動に応じて別の機種を新たに購入したり、
ニーズに合わなくなった端末を廃棄したりする無駄を避ける事ができます。
また、将来的にはアプリケーションの Web 化が更に進み、ブラウザ自体の機能拡張や Web 周
辺技術の取り込みが必要になることが予想されます。このような変化に対しても HP シンクライア
ントなら必要な機能に応じて OS を選んだり、購入済みのシンクライアントの OS を入れ替える事
で柔軟に対応していくことが可能です。HP シンクライアントを選択すれば、変化に合わせて OS を
入れ替え、「リユース」することにより、1 つのハードウェアを買い換える事なく、長期的な資産の活
用と保護を実現します。
【表 2-1 t610 OS 入れ替えマトリックス】
t610 OS 入れ替えマトリックス
From
WES
HP ThinPro
HP Smart Zero
WES
NA
✕
✕
TO
HP ThinPro
○
NA
○
HP Smart Zero
○
○
NA
HP シンクライアント OS の種類と特長
・Windows Embedded Standard
使い慣れた Windows と同じユーザーインターフェースを持つ「Windows Embedded Standard 2009」または
「Windows Embedded Standard 7」を選択すれば、自社の環境に合わせて柔軟に機能をカスタマイズできるうえ、
スキャナやプリンタなどの Windows 向けの豊富なデバイスもそのまま活用できます。ブラウザは Internet
Explorer が標準搭載されており、クラウド端末として活用することも可能です。
・HP Smart Zero
「HP Smart Zero」は、公開されている API がなく、必要最低限のファームウェアのみが実装されたシンプルで軽
い HP の独自 OS です。スマートクライアントやゼロクライアントに搭載されます。しかしながら、Citrix や Microsoft、
VMware、いずれかの仮想化方式でしか接続できない単純なゼロクライアントではなく、1 台で複数のクライアント
仮想化方式に対応することが出来る、「スマート」で「マルチ」なゼロクライアントです。
・HP ThinPro
Linux をベースに HP が独自設計した「HP ThinPro」は、ウィルスや不正アクセスなどの外部からの脅威にされれ
る機会を減らす事で、安心して利用できます。またブラウザに FireFox を搭載しており、Web アクセスにも使えます。
【図 2-1 HP シンクライアント起動時の画面イメージ】
2-2 標準装備のセキュリティ機能で安全に利用
HP シンクライアントには、外部からの不正アクセス、内部からの情報漏洩など、実際の環境で想
定されるセキュリティ被害を複数の側面から防止するためのセキュリティ機能が標準で搭載されて
います。シンクライアントから利用するデータの重要性や利用者の権限、利用環境などに合わせ
て、最適なハードウェアと OS、セキュリティ機能を組み合わせて利用することが出来ます。
ハードウェアレベルのセキュリティ機能
外部からの乗っ取りや情報漏洩を防止
基本的に端末に情報を残さないシンクライアントであっても、盗難や紛失に対する備えを欠かすことはできません。
HP では、シンクライアント初となる米国 NIST のセキュリティガイドラインに準拠した UEFI ベースの BIOS と TPM を
搭載したシンクライアントをラインナップします。これにより、BIOS レベルでの改ざんの検知、端末の認証、ストレー
ジの暗号化などをハードウェアレベルでサポートし、外部からの乗っ取りやデータ改ざんなどの被害からシンクライ
アントを保護します。
対応機種:
TPM 搭載機種は Web サイト (http://www.hp.com/jp/thinclient ) でご確認ください。
OS レベルのセキュリティ機能
セキュリティ対策が容易な専用 OS を選択可能
用途や設置場所に応じて、セキュリティのレベルを変更したいときは、シンクライアントのセキュリティ機能を OS
レベルで検討することが重要です。
たとえば、Linux をベースにした HP の独自 OS「HP ThinPro」は Windows ベースの OS と設計そのものが異なる
ため、ウイルスや不正アクセスなどの外部からの脅威にさらされる機会そのものを尐なくすることができ、セキュリ
ティ対策にかかる管理の手間やコストを削減できます。
また、公開された API がなく、HP 独自のファームウェアによって構成される「HP Smart Zero」を利用すれば、外部
からの攻撃を受け付ける余地がほとんどないため、セキュリティ上の危険にさらされる心配も限りなく低くなります。
ドライバーやアプリケーションレベルのセキュリティ機能
自動初期化でメンテナンスフリーに
教育現場向けの端末や不特定多数の来場者に提供する公衆端末、複数の人が利用する共有端末では、前の
利用者の設定やデータが次の利用者に参照されることは避けなければなりません。Windows Embedded
Standard を搭載した HP シンクライアントでは、「Enhanced Write Filter(EWF)」により、ボリューム単位でディスク
への書き込みをブロックすることで、端末を再起動するだけで、自動的にシンクライアントの設定やデータを起動時
の状態に戻すことができます。万が一、シンクライアントに不正なソフトウェアが侵入した場合でも再起動時に消し
去ることができます。
ログファイルなど一部のファイルの書き込みを許可
EWF はシンクライアントの情報をすべてクリアすることが可能ですが、セキュリティや障害対策などの観点から動
作中のイベントやログなど、特定の情報の記録が必要なケースもあります。このようなときは、特定のファイルへの
書き込みを許可する「File Based Write Filter(FBWF)」を利用します。この機能は Windows Embedded Standard
を搭載した HP シンクライアントで利用可能です。指定したファイルのみ情報が更新され、それ以外のファイルは起
動時の状態に戻すことができます。
注意:
EWF と FBWF を同時に利用することはできません。
外部からの不正アクセスを遮断するファイアウォール
HP シンクライアントには、悪意のある第三者や不正なソフトウェアからの通信を遮断できるファイアウォール機能
が標準で搭載されています。これにより利用中の情報を不正に取得されたり、端末を乗っ取られたりする危険性を
低くすることができます。
【表 2-2 HP シンクライアント OS 別ファイアウォール】
OS
Windows Embedded Standard 2009
Windows Embedded Standard 7
機能名称
Symantec Endpoint Protection
Windows Firewall
デバイスの不正使用をドライバーレベルで制御
利用環境によっては、情報漏洩の防止のために USB ストレージの利用を制限する必要があるものの、スキャナ
やプリンタなどの他の USB デバイスを利用する必要があるため、USB ポートを BIOS レベルで制限する事ができ
ない場合があります。このようなケースでも、HP シンクライアントなら柔軟な対応が可能です。専用の管理ツール
「USB ストレージセキュリティオプション」を使って USB デバイスの利用をドライバレーベルで制御できるため、他の
デバイスに影響することなく、USB ストレージの利用を制限できます。
2-3 最新のソフトウェアや各種ドライバーを無償で提供
Citrix や Microsoft、VMware といった仮想化ベンダーの目覚しい技術革新をいち早く社内に取
り入れ、そのメリットを自社のビジネスで享受するためには、タイムリーなソフトウェアのバージョン
アップが欠かせません。HP では製品にプリインストールされている各ベンダーの接続ソフトウェア
を HP Web サイトに UP しています。お客様はそれをダウンロードして自社の環境へいち早くご導
入いただけます。
お客様の用途によってはシンクライアントに.net や DirectX アプリケーションをインストールする
必要があったり、シンクライアントにスキャナや Web カメラを取り付けて使いたい、等のニーズが
あります。HP シンクライアントではこのようなニーズに応えるため、アプリケーションやドライバーも
Web サイトで提供しています。必要に応じてダウンロードし、業務に合わせたシンクライアント環
境を手軽に準備することが可能です。
これら Web サイトで提供しているソフトウェアやアプリケーション、ドライバーは全て無償でご利
用いただけます。HP シンクライアントで動作を確認済みですので、検証に時間をかけることなく、
迅速、かつ安心してご利用いただけます。
【図 2-3 HP サポートセンター ドライバー、ソフトウェア、ファームウェアのダンロードサイト】
2-4 最新の技術と価格性能比で市場をリードするHPシンクライアント
HP は、シンクライアントの世界に常に革新をもたらしてきたリーディングカンパニーです。ワール
ドワイドにビジネスを展開する PC ベンダーとしてのスケールメリットを活かした部材調達力により、
低コストでシンクライアントを提供することを可能にしただけでなく、世界 No.1 の PC 弁だおとして
の技術力を活かし、既存の“常識”にとらわれない革新的な技術を採用したシンクライアントを次々
にリリースしてきました。
標準 2GB の搭載メモリ、2048×1536 ドットの画面解像度への対応、グラフィック機能を統合し
た高性能デュアルコア APU の採用、PCI Express カードスロットの搭載、TPM/NIST 対応 BIOS サ
ポート、Active Thermal Management(過熱自動検知)など、シンクライアント初となる数々のハー
ドウェア技術を世界に先駆けて投入してきました。
OS やソフトウェアの面でも、最新バージョンを迅速かつ無償で提供し続けるのはもちろんのこと、
用途に合わせて OS を入れ替えたり、1 台のシンクライアントで複数のクライアント仮想化方式に
対応するといった、他に類を見ない画期的な仕組みを採用しています。
異なる機種、異なる OS が混在した環境でも、迅速な展開と統合的な管理のための数々のツー
ルを無償で提供するなど、導入や運用管理の観点で、シンクライアントに付加価値を提供するの
も HP ならではの特長です。多様化と急激な進化が進むクライアント仮想化の世界に於いて、常に
最新のテクノロジーとお客様のメリットを追求してきたのが HP です。
価格情報 HP プロダクトセレクション「ThinClient &POS」参照
http://h50146.www5.hp.com/doc/catalog/general/
【図 2-4 HP シンクライアントリーダーシップ】
解説:
APU:AMD 社の半導体製品の種類の一つで、CPU と GPU の機能を一つのチップに集積した統合プロセッサ。
コンピュータ全体ではチップ数を削減できるため、同じ機能なら低コスト・低消費電力が実現できるほか、CPU と
GPU がプロセッサ内部で直接通信できるため、同世代製品の組み合わせよりもグラフィックス処理、ビデオ処
理が高性能となる。
2-5 豊富な導入実績と3年連続シェアNo.1
HP シンクライアントの実力の高さは、国内シンクライアント出荷台数 No.1 という豊富な導入実
績からも明らかです。専用設計による高い信頼性と従来のシンクライアントの概念にとらわれない
高いパフォーマンス、多様なクライアント仮想化方式への対応、管理負担を軽減することを第 1 に
考えられ使いやすく高機能な無償の管理ツールの提供といった特長は、様々な業種の企業から
実際の導入という形で評価されています。
シンクライアント導入の目的は、セキュリティの
向上、管理性の向上、運用コストの削減、ビジ
ネス継続性の確保など、導入企業によって様々
です。HP ではこのようなお客様のニーズを常に
分析し、業種や用途を問わず、あらゆる環境に
適用可能な複数のハードウェア、OS、ソフトウェ
ア、管理 t-るを豊富に容易し、しかも常に最新
のテクノロジーに対応できるように進化させ続け
ています。HP のシンクライアントなら、複雑かつ
スピーディな変化がもとめられる中でも、あらゆ
るビジネスの発展に対して貢献することが出来
ます。
【2-5 日本国内 HP シンクライアント出荷台数シェア No.1】
HP シンクライアント導入事例 http://h50146.www5.hp.com/products/thinclient/case_studies/
2-6 長期間安心して使える製品保証とサポート
HP シンクライアントなら、万が一ハードウェアが故障したときでも業務への影響を最小限に留め
る事ができます。デスクトップシンクライアントの場合、標準の保証期間は 3 年間と長く設定されて
おり、この期間内に故障した場合はお客様に良品を先にお届けした後に、故障品を修理すること
ができます。モバイルシンクライアントはグローバルで活躍する企業ユーザーのニーズに応える事
ができるグローバルワランティに適応しています。保証期間は 1 年間となる引き取り修理を提供し
ている上、世界 160 カ国、65,000 人を超えるエキスパートによるサポート体制、10 万拠点を超
えるサービスパートナーネットワークを備え、ワールドワイドでのサポートを受ける事が可能です。
さらに有償のサポートサービス「HP Care Pack」に加入することで 5 年までの保守契約の延長や
オンサイト修理に対応させることも可能です。
【図 2-6 HP シンクライアント標準保証】
2-7 環境に配慮したHPシンクライアント
HP シンクライアントは省電力やエコ活動など、お客様の環境保護活動に貢献します。HP シンクラ
イアントの平均消費電力は 12W 以下と低く抑えられており、ほぼ全ての製品がアメリカ環境保護
局推進の省電力プログラム「Energy Star」の認証を取得しています。全国的に電力削減の取り組
みが進む中、導入台数が多く利用時間が長いクライアントの消費電力を削減することは大きな効
果を出すことができます。
また、リサイクル可能な部材の採用を積極的に取り入れています。特にプラスチックのりサイク
ル率は 20%以上と高く、素材や製品寿命などの環境標準基準を定めた EPEAT において 75%以
上という高い基準に適合した Gold 適合にも準拠しています。
さらに、BFR/PVC を使っていないため廃棄する場合にも有害物質を出さず、環境に配慮された
シンクライアントです。
解説:
Energy Star :PC やディスプレイなどのオフィス機器の消費電力を削減する目的で策定された国際的なエネ
ルギー基準のこと。http://www.energystar.gov/
EPEAT:Electronic Products Environmental Assessment Tools の略。PC などの電子機器が環境に与える影
響を判断するための評価基準のこと。http://www.epeat.net/
BFR/PVC:ポリ塩化ビニル(PVC)、臭素系難燃剤(BFR)を使っていません。 ポリ塩化ビニルは、不適切な処
分により有害な物質が生じるリスクが指摘されています。また、ポリ塩化ビニルの可塑剤、安定剤として使用
される物質の一部には、環境面および人体への影響が懸念されているものがあります。 臭素系難燃剤の中
には、人体への影響が懸念されているものや、環境中に残留したり生体内に蓄積性を持つものがあります。
第 3 章 統制されたシンクライアント
シンクライアントの効果的で安全な運用を実現する様々なツール
シンクライアントの導入後の運用は、PC のようにセキュリティファイルのアップデートやこまめな
パッチの適用は必要ありません。また、操作ログやアクセスログはシンクライアントで取得するも
のではなく、接続先である仮想化されたクライアント側で取得するため、ログ管理なども必要ありま
せん。
しかし、仮想化されたクライアントやデータセンターの各種サーバーには、重要な企業情報があ
り、アクセス元であるシンクライアントが正しい状態にないと、不正アクセスによる情報漏洩やデー
タ改ざんなどの重大な事故に繋がる危険性があります。また、企業資産であるシンクライアントの
状態を把握し、常に最新の状態に置く事で業務の生産性を上げる活動は企業としての責務である
と考えます。HP はシンクライアントを正しく統制し、運用することで導入の効果を最大化するため
の便利で有用なツールを数多く提供しています。
3-1 シンクライアントの運用管理の考え方とHPの提案
HP シンクライアントの OS は、Microsoft Embedded Standard や Linux OS がベースとなってい
ますが、シンクライアント専用に機能を組み込み、カスタマイズして HP から提供しています。従っ
て Microsoft や Linux が提供しているセキュリティパッチや、QFE をお客様自身で適用する必要は
ありません。HP は、シンクライアントに必要なセキュリティ機能を精査し、イメージに組み込み、
Web サイトで提供します。そしてこのイメージを更新し最新の状態を保つ事を推奨しています。
また、HP シンクライアントは HDD がないためデータを保存することは出来ず、Citrix や
Microsoft、VMware などの仮想化環境へ画面転送プロトコルを使って接続するだけに利用されま
す。シンクライアントのファイアウォール機能で通信を画面転送プロトコルに絞るなどの対策をす
れば、シンクライアントに対する不正なアクセスを防ぐ事ができます。万が一シンクライアント自身
が攻撃されたり乗っ取られても重要なデータは一切ありません。よって一般的な PC のようにセ
キュリテイ対策ソフトを HP シンクライアントにインストールする必要はなく、決められた接続先へ接
続するだけですので、シンクライアント側で、操作やアクセスのログを取得する意味もありません。
以上のことから、HP シンクライアントには PC のように Microsoft のセキュリティパッチや QFE を
適用させる必要もなく、セキュリテイ対策ソフトのこまめなアップデートやログの管理など負担の大
きい運用は必要ありません。
解説:
イメージ :シンクライアントやスマートクライントの OS に必要なソフトウェアがプリインストールされ圧縮されて
いるパッケージのこと。Web サイトからダウンロード可能。また USB メモリへ展開して、コピーすることも可能。
QFE:ソフトウェアの問題を修正するために応急的に作成される修正プログラムのこと。
一方、HP は常に最新のソフトウェアやセキュリティ対策を組み込んだイメージを Web サイトで提
供し、その利用を推奨しています。Citrix や Microsoft、VMware の技術革新も目覚ましく、1 年間
で何度もバージョアップしたソフトウェアをリリースしています。最新の技術を取り入れることでユー
ザーへのレスポンスが改善され、機能の拡張による業務効率の UP を実現するため、タイムリー
な適用が必要です。
またシンクライアント自身にセキュリティ対策が不要でも、重要な企業情報にアクセスする端末とし
てどう設定されているか、どのバージョンを使っているかなどを把握し、必要に応じて設定を更新・
変更し適切な状態に置き、統制する事は企業の責務です。
HP ではこのような目的を実現するために、3 つの便利なツールを無償で提供しています。お客
様の管理運用のニーズに合わせて柔軟に組み合わせて利用することで、管理者に負担をかけず、
HP シンクライアントを理想的な状態で活用いただけます。
シンクライアント管理ツールの種類と特長
・HP Device Manager
全ての HP シンクライアント、スマートクライアントを集中管理するソフトウェアです。任意のサーバーにインストー
ルし、ネットワーク経由でシンクライアントを管理します。同じ企業でも部門ごとに導入するシンクライアントが異な
るため、管理者は複数の異なる OS、ハードウェアの混在環境を運用する必要があります。HP Device Manager
は全てのシンクライアント、スマートクライアントをサポートし、離れた場所から一元管理することが出来るため、こ
のような混在環境における管理者の負担を大きく軽減する事が可能です。
1 台 1 台のシンクライアントのバージョンや設定を変更したり、ソフトウェアのバージョンアップが出来るのはもち
ろんの事、グループ別や OS 別の一斉管理も可能なため、より効率的に運用することが出来ます。
更に、初期導入時のシンクライアントセットアップ時間を大幅に短縮することが可能です。シンクライアント 1 台の
セットアップにかかる時間は標準的な設定で 20 分前後ですが、100 台のシンクライアントを手動でセットアップし
ようとすると数日かかり、現実的ではありません。HP Device Manager を使えば、1 台のセットアップ済みのシンク
ライアントのイメージをコピーし、未設定のシンクライアント複数台に対し、同時にそのイメージを配信することがで
きるため、たった数時間の作業に短縮することが可能です。
HP Device Manager を使えば、初期導入時の工数と時間を削減し、導入後のシンクライアントの状態をいつでも
素早く確認し、最新のソフトウェアをタイムリーに展開することができるため、シンクライアントを常にあるべき姿で
運用することが可能です。
解説:
標準な設定 :イメージをセットアップし、最新ソフトウェアの適用と、接続先の情報の入力までにかかるおおよ
その時間。
・HP Smart Client Service
HP Smart Client Service は HP t5565z Smart Client などの HP スマートクライアントの設定や展開を簡単にする
便利なソフトウェアです。HP Smart Client Service をインストールしたコンピューターとスマートクライアントが同一
セグメントにある場合、スマートクライアントは起動と同時に HP Smart Client Service を検出し自身の設定ファイル
をダウンロードします。読み込んだ設定ファイルの内容に従って自動的に仮想化環境へ接続します。管理者は予
め設定ファイルを HP Smart Client Service がインストールされたコンピューターに準備しておくだけで済み、端末
本体への設定作業が不要な事から、スマートクライアントの運用を半自動化することが可能です。
スマートクライアントは起動時に必ず HP Smart Client Service に更新すべき情報が無いか確認しますので、管
理者は 1 台 1 台のスマートクライアントの設定をいちいち確認する必要はなく、HP Smart Client Service にある設
定ファイルを確認する作業だけで済むため、簡単にスマートクライアントをあるべき姿で運用することが可能です。
・HP Easy Tools
HP Easy Tools は WES OS、HP ThinPro OS が搭載されたシンクライアントにプリインストールされている、端末
本体の設定を容易にするソフトウェアです。
ウィザード形式で HP シンクライアントのほぼ全ての設定を行う事ができるため、初期セットアップの時間を短縮
すると同時にミスのない正確な設定を可能にします。各種設定に加え、イメージの更新や、ソフトウェアのバージョ
ンアップはもちろんの事、自身の設定済みのイメージをコピーし、USB メモリに保存したり、FTP サーバーへ送信す
ることも可能です。例えば HP Easy Tools で作成した設定済みのイメージを FTP サーバーへアップロードし、そのイ
メージファイルを使って HP Device Manager から他の未設定のシンクライアントへ展開する、といった使い方も可
能です。
注記:
HP Easy Tools はシンクライアントにプリインストールされている ほか、Web サイトでもダウンロードできるよう
になっている。
3-2 HP Device Managerを使った容易な初期展開(準備中)
HP Device Manager は HP の Web サイトから無償でダウンロード可能です。(HP Device
Manager DL サイト)
3-3 HP Device Managerの有効活用で運用工数の削減(準備中)
3-4 HP Smart Client Serviceで管理者不在のスマートクライアント運用
(準備中)
3-5 利用シーンに合わせた管理ツールの組み合わせ提案(準備中)
© Copyright 2012 Hewlett-Packard Development Company, L.P. 本書の内容は、将来予告なく変更されることがありま
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2012 年 6 月作成