高病原性鳥インフルエンザ(H24.3.1) Ⅸ 焼埋却班 高病原性鳥インフルエンザ(H24.3.1) Ⅸ 焼埋却班 Ⅸ 焼埋却班 焼埋却班 1 業務の内容 家きんの死体、家きんの卵、糞、飼料等の汚染物品(以下、「死体等」という。)につ いて、ウイルスの散逸防止のため家畜伝染病予防法第 21 条及び第 23 条に基づき、家畜 防疫員の指示により埋却又は焼却を行うとともに、家きん舎内の清掃を実施する。 なお、発生時に埋却地を短時間で決定させるため、家畜防疫員の指示の下、関係機関 と連携し、焼埋却候補予定地を事前にリストアップしておく。 2 実施時期 焼埋却班長が局の緊急連絡網を通じ連絡をうけた時点から、班員を参集し、防疫対応 検討・準備に取りかかる。 作業は原則5日目までに完了、埋却地においては3年間発掘禁止。 3 実施体制 (1)焼埋却班員 班 長 副班長 1名(農村整備課長) 1名(支局農村整備第一課長) チーム編成のモデル(1チームあたり) ①現地グループ 作 業 内 容 所 属 等 人数 農場、運搬での総括(チームリーダー) 家畜防疫員 1名 農場での集積作業管理 班員 1名 農場での集積作業 局外作業員 7名 農場での積込の作業管理 班員 1名 農場での積込補助 局外作業員 2名 農場での死体等の積込 業 者 1名/重機 農場での死体等の積込補助 業 者 1名/重機 農場から埋却地への死体等の運搬作業管理 家畜防疫員 1名 農場から埋却地への死体等の運搬 業 者 2 名/重機 ○1日 24 時間の作業時間とする。 ○従事時間は、4時間を1クールとし、6班/日体制で作業を行う。 ○作業時間は、30 分着がえ、60 分作業、60 分休憩(脱衣、着がえを含む。)60 分作 業、30 分脱衣までを1クールとする。 - 1 - Ⅸ 焼埋却班 ○局外作業員の人員確保及び業務委託契約は指令班に依頼する。 ○業務委託した重機の運転手は、重機1台に2名を配置する。 ②埋却グループ 作 業 内 容 所 属 等 人数 埋却地での総括(チームリーダー) 家畜防疫員 1名 埋却地での掘削、埋却等の作業管理 班員 8名 埋却地でのシート敷設や埋却補助 局外作業員 12 名 埋却地での掘削、埋却 業 者 1名/重機 埋却地での掘削、埋却補助 業 者 1名/重機 ※シート張り作業の場合は、作業員を 10 名増員する。 ○1日 12 時間の作業時間とする。 ○掘削時は2班/日、埋却時は6班/日体制で作業を行う。 ○局外作業員の人員確保及び業務委託契約は指令班に依頼する。 ○業務委託した重機の運転手は、重機1台に2名を配置する。 (2)必要資材 焼埋却に係る必要資材の数量は、発生農場の規模、焼埋却地の状態によって大き く異なるため、種類のみを記載する。 ①現地グループ フレコンバック 防疫衣 ゴミ袋 長靴 粘着テープ N95 マスク 荷造り紐 手袋 ロープ(18mm、200m巻) 極太マジック ビニルロープ 台車 バケツ カメラ 角スコップ 携帯電話 竹ほうき (業務委託) フォークリフト(移動用) クレーン車(積込用) ダンプトラック(10t) 夜間照明設備 - 2 - Ⅸ 焼埋却班 ②埋却グループ テント (着替・休息) ロープ(昇降用) 椅子 笛(ホイッスル) トイレ 極太マジック 消石灰 20kg/袋 ビニールテープ 木製レーキ(トンボ) 土嚢袋 トラロープ 防疫衣 ブルーシート N95 マスク 2 連梯子L=6m 手袋 丸スコップ 長靴 粘着テープ ゴーグル スプレー ヘルメット 50m測量テープ 木槌(杭打用) 測量ポール 測量杭 4.5×4.5×60 測量器(レベル) 測量杭 6.0×6.0×60 測量器(スタッフ) 立て札 草刈機(油含む) ゴーグル(草刈用) 長手鎌 安全靴 カメラ 携帯電話 (業務委託) バックホー(0.8 ㎥以上) ダンプトラック(10t) クレーン車 夜間照明設備 4 実施方法 ○ 事前準備 (1)焼埋却候補予定地の選定 埋却地については、家畜防疫員の指示の下、原則として、当該家きんの所有者が 確保することとなるが、家きんの所有者の埋却地等の事前確保が十分でない場合等 に備え、市町、関係機関及び関係団体と連携し、利用可能な公有地の決定を行うと ともに、焼却施設が利用可能な場合には、焼却施設をリストアップし、あらかじめ 発生時の利用について焼却施設及び焼却施設の所在地を管轄する地方公共団体と調 整する。 - 3 - Ⅸ ○ 焼埋却班 発生時 (1)建設業者との作業内容打合せ 「家畜伝染病等発生時における支援活動業務に関する協定」に基づき選定された 建設業者と焼埋却作業に係る作業内容の確認、埋却場所の現地確認等を行う。主な 確認事項は下記のとおり。 ①作業計画、作業者名簿、資材・機材の種類・数量及び保管場所 ②埋却溝の掘削位置、重機の配置、死体等搬入の動線 ③作業の安全確保上の留意事項 ④まん延防止に関する留意事項(バイオセキュリティ) ⑤緊急時の連絡先を含めて事故等の起きた際の対応 ⑥詳細な天気予報 ※埋却作業の進捗は、天候によって大きく左右されるため、作業前に天候に関する情報 (特に降水量に関する詳細な予報)を確認しておく。 (2)埋却候補地の現地確認 埋却候補地については、以前に家保、市町、農場所有者(農場管理者)等により リストアップした候補予定地について、再度、土木技術の専門的見地から現地確認 を行う。なお、防疫対策マニュアル第5の2の(3)に該当し県畜産課から指示が あった場合は、第5の3の(2)の遺伝子検査の結果が出るまで(検体が家畜病性 鑑定所に到着してから4時間程度)に実施する。 (3)現地グループの活動 家きん舎での作業は、①家きん卵、残存飼料、家きん糞の搬出、②死体等の焼埋 却場所などへの運搬、③家きん舎の清掃順に進められる。 ①搬出作業 評価班の評価後、家きんの卵、糞、飼料を家きん舎外に搬出し、フレコンバックに 投入する。 ア 家きん卵の搬出 (ア)評価及び殺処分の作業が終了後、コンテナ(段ボール)に詰められた家きん卵 を、ビニール袋に投入する。 (イ)ビニール袋をフレコンバックに投入する。 イ 残存飼料の搬出 (ア)家きん舎内は、スコップで樋の中の餌を回収し、ポリ袋をセットしたポリバケ ツに投入する。 - 4 - Ⅸ 焼埋却班 (イ)また家きん舎内の自動給餌機内にある飼料は、回収に併せ農場関係者協力のも と飼料タンクの底のスクリュー(オーガー)を外し、排出調節蓋を調整し、ポリ 袋をセットしたポリバケツに回収し、袋をフレコンバックに投入する(あるいは 直接フレコンバックに投入する)。 ウ 家きん糞の搬出 (ア)機械の使える場合は、回収に併せ農場関係者協力のもと糞の除去装置の付いた マルチローダを利用して、家きんの糞をすくい上げ、家きん舎外へ搬出しフレコ ンバックへ投入する。機械の入らない家きん舎の場合、あるいは家きんの糞が柔 らかく機械では搬出できない場合、スコップ等を使って搬出する。 (イ)高床式では、できる限り機械を活用し、 (ア)の方法に準じて早期の排出に努め る。 (ウ)残存糞量と埋却穴の容量から、埋却が困難な場合は、石灰によるシールも考慮 する必要がある。 エ 以上の作業実績については、1クール終了毎にグループリーダーが現地防疫作業 統括者及び班長に報告し、班長が対策本部に報告する。 ②焼埋却場所などへの運搬 焼埋却場所が発生農場に隣接している場合には、死体等は直ちに重機で運搬して焼 埋却するが、焼埋却場所が離れている場合には、ウイルス散逸を防ぐための措置を講 じた上で、トラックへ積み込んで運ぶ。 ア 評価班の評価後(認識番号の入ったもの)、仮置き場に集積された死体等を重機 によりトラックに搭載する。 イ 運搬物が漏洩・飛散しないよう、床及び側面をシートで覆い、さらに運搬物を積 載後、上部もシートで覆う等の措置を講じる。 ウ 原則として、他の農場の付近を通行せず、かつ、他の畜産関係車両が利用しない 移動ルートを設定し、さらに、消毒班が消毒ポイントにおいて車両を十分消毒する。 エ 焼埋却場所までは家畜防疫員が同行する。 ③家きん舎の清掃 ア 搬出作業終了後、終了した家きん舎毎に清掃作業にとりかかる。 イ 家きん舎内の清掃は、上部から下部へ、農場の奥から出口に向かって行う。 ウ ほうき等を用い、消毒効果を低減させる糞や塵埃等は隅々まで除去する。 エ 家きん舎周囲についても同様に清掃を行う。 (4)埋却グループの活動 埋却は、①埋却地での試掘、②防疫フェンス・仮設テントの設置(支援活動班が設 - 5 - Ⅸ 焼埋却班 置)、③埋却溝の掘削、④消石灰の散布、⑤ブルーシートの敷設、⑥敷設したブルーシ ート内面への消石灰散布、⑦死体等の搬入及び投入、⑧投入した死体等への消石灰散 布、⑨埋め戻し、⑩埋め戻した土及び周辺への消石灰散布、⑪立て看板の設置の順に 進められる。 詳しい手順は、別添1「家畜伝染病発生に伴う埋却工事事務要領」により行い、雨 天における作業については、別添2「雨天作業時の留意事項」を参照のこと。 (5)焼却処理 焼却は、①焼却施設の確保、②死体等の焼却、③焼却施設の出入口から原料投入場 所までの消毒の順に進める。 ①処理施設の確保 ア 処理能力のほか、死体等を詰めた容器の置場の有無及びその一時保管能力、搬入 口、施設内移動通路、容器の材質・重量・大きさの制限を確認し、焼却施設を指令 班が選定する。 イ 「死体等の発生農場外への搬出と処理施設への運搬」と「処理施設への緊急搬入」 の作業が必要であることから、発生農場と処理施設との間及び処理施設周辺の家き ん飼養施設の分布状況、その間の道路の交通事情等を考慮してバイオセキュリティ 上の安全を確保できる運搬経路が見込めること、この業務に併せ指令班は周辺住民 等(場合によっては施設従業員を含む。)の理解を得ることに留意する。 ウ 適当な埋却地が確保できず、焼却施設の処理能力も限られる場合、県と国で協議 の上、国の移動式焼却炉を利用することができる。 ②死体等の焼却 処理そのものは焼却施設に委ねることになるが、バイオセキュリティ等の観点から 次の措置を講じる。 ア 焼却施設の出入口に消毒ポイントを設置する。 イ 運搬車両から原料搬入口までブルーシートを敷く。 ウ 焼却施設内への搬入の際は、他の物と接触することがないよう隔離して蔵置する。 エ 死体等は焼却炉へ直接又は直接つながる投入場所に投入する(ピットやバンカと 呼ばれるゴミ溜めのような場所への投入は避ける)。 ③焼却施設の出入口から原料投入場所までの消毒 焼却の完了後、設備及び資材の消毒、施設内への搬入口から死体等の投入場所まで の経路の消毒を消毒班と協力して行う。 なお、消毒が終了するまで、家畜防疫員が立会う。 - 6 - Ⅸ 焼埋却班 別添1 家畜伝染病発生に伴う埋却工事事務要領 1 埋却地の選定 (1)埋却地の選定 ① 地形図データや事前調査を参考に、埋却地を選定する。 ② 埋却地は、農場内に確保することを基本とするが、不可能な場合は近隣の土地を 選定する。 ③ 市町畜産担当課に埋却地の選定の協力を依頼する。 (2)選定条件 別紙「鶏舎別埋却場所調査票」を参考に、選定条件の抽出・整理を行う。 ① 埋却地の必要面積は、20a/最大約 35,000 羽を目安とする。 1埋却溝の面積は 10aであるが、掘削土の一時集積を考慮した場合に 1 埋却溝 の必要面積を 20aとする。 ② 埋却地の地理条件 ア 平坦地が望ましい。 イ 周辺に渓流や井戸、家屋がないこと。 ウ 少なくとも4tトラック程度の重機搬入道が確保できること。 エ 市町公衆衛生担当課等や制限行為担当課との事前協議。 オ 埋却工法の一次判断 農場主、土木技術者及び市町職員等と埋却工法について、次の事項に留意して 協議・判断する。 ・ 全ての汚染物品を埋めるスペースがあるか。 ・ 岩、出水等の場合の余裕スペースがあるか。 ・ 仮設道を設置する必要があるか。 ・ 排水対策を講じる必要があるか。 カ 農場・埋却地の周辺状況や河川、渓流、制限行為範囲等の概略の把握は、愛媛 県森林GIS閲覧システム(http://ifgissv/efgis/)を参考にする。 キ 仮排水の設置、観測溝の設置場所については、下流の集落、井戸等の有無に応 じて、湧水の有無や地質や地形を考慮して決定する。場合により、農村整備課及 び地質コンサル等の意見も聴取すると良い。 ③ 埋却工事の決定及び埋却工法の二次判断 地形、羽数、糞量及び鶏舎構造等により、農場と県の体制で埋却作業が実施で きるか、農場主及び請負業者等と協議し、埋却工事の方針を決定する。 条件不利と判断した場合は、必要に応じて県防疫対策本部と協議の上、国等か らの人的支援等を検討する。 - 7 - Ⅸ 焼埋却班 (3)埋却溝の形状条件 十分な敷地が確保されている場合で、最大約 35,000 羽を1溝で処分する場合を想定 しており、現地の状況や埋却数により適宜変更すること。 ア 埋却深(4.5m) 埋却深は、コンテナバック3段、土被り2.4mにより、4.5mが望ましい が、敷地面積によりコンテナバック段数や土被り(最低1m)を低減すること。 イ 埋却幅(底幅4.0m、上幅11.2m) ・ 埋却溝の掘削幅は、底幅4mを確保した場合で、両側からの汚染物質投入を行 うとすると、バックホウ(0.7m 級)のバケットが到達する範囲により、地表面で1 1~12mまでとなる。 ・ 敷地に余裕があり、埋却溝の両長辺から投入が可能である場合には、埋却溝の 掘削幅を広げることは可能であるが、埋却物上端でビニールシートの綴じ代が十 分に確保される必要がある。 標準断面図で、シート周辺長は 16.8m<18.0m=綴じ代 1.2m ・ 敷地幅や作業スペース、土質、投入機械(クレーン使用の検討)を考慮して、適 宜変更すること。 ・ 掘削勾配は8分を標準とするが、土質により安全確保を第一に決定すること。 ウ 埋却延長(底35m) ・ 埋却溝の長辺はビニールシートの長さと埋却物の上端で綴じ代が生じる長さと 勘案し、長辺50mのビニールシートでは、埋却延長は、底で最大35mとなる。 上辺=35m+4.5×0.8×2+4.0×2=50.2m エ 最小敷地面積(1,000 ㎡(1反)) ・ 上記ア~ウ、及び地表面に4mの作業幅を確保するとして、 1溝当たりの最小面積は、20m×50m=1,000 ㎡(1反) これは、ビニールシート 縦長 50m×幅 18m×厚み 0.35mm の場合 可能な限りビニールシートは継がない。1溝1シート オ 1溝当たりの埋却可能個数 ・ 最大規格の1溝当たりの埋設可能個数は、542 個≒35,000 羽規模/1溝。 ○ 約 1.3 万羽規模(コンテナバック 200 個)/シート ○ 初発地点で1年間除糞を行っていない場合で、家きん 66 羽分の(死体+卵+糞+飼 料等)/1コンテナバック カ その他 ・ 埋却溝の掘削は、法面の安定性、投入作業、埋め戻し作業の効率化等の観点か ら、埋却地の主傾斜に対し直角方向に行うこと。 ・ 埋却溝底面幅、掘削深度及び法面勾配は、地山の土質に応じたものとする。 ・ 掘削土は、土圧軽減のため、速やかに仮置きを行い、敷地に余裕がない場合は、 仮置き場に運搬する。 ・ 標準断面は、あくまで参考であるため、埋却地の地形、面積、土質を考慮して、 請負業者と協議し、最終的な断面を決定する。 なお、敷地の地形条件により、盛土を行う場合は、更に敷地が必要となるだけ でなく、十分な締固めや法面保護を行う必要がある。 - 8 - Ⅸ ・ 焼埋却班 標準断面図(参考) 消石灰 消石灰 ビニールシート上底面に 0.3m の埋め戻し ・ 標準平面図(参考) 【注意事項】 1 掘削は主傾斜に対しに垂直方向を長辺とすること 2 掘削法面は土質条件により標準勾配を維持すること 3 湧水、岩帯の露出等があった場合は安全な工法を適用すること 4 降雨や湧水に備えて、溝短辺側に、仮排水やポンプが設置できる釜場を設けておく必 要がある。 5 追跡調査用観測溝の設置箇所については、家畜防疫員と協議して決定しておくこと。 - 9 - Ⅸ 焼埋却班 2 工事請負契約の締結 (1)請負業者の選定 土木部や市町と相談しつつ、近隣の土木業者を選定する。 (2)選定の目安 ① 人員・機械手配能力・・・迅速に対応できるか。 ② 現地形を熟知しているか。 ③ 会社を挙げての対応が可能か。 ④ 県道や市町村道の維持管理契約を締結している業者か。 (3)工事の作業分担 農 農場+県+関係機関 場 埋却地 業 者 農場+県+関係機関 業 者 ・掘削範囲の選定 断面決定 ・刈り払い ・土のう製作 ・汚染物品の詰め込み ・刈り払い、抜根、廃根 産廃処理 死亡家禽・処分家禽 ・仮排水溝掘削 卵・糞・飼料・その他 ・埋却溝掘削 ・仮置き場までの運搬 ・積み込み補助 仮置き運搬含む ・石灰均し ・石灰投入※2 ・シート張り ・シート投入 (土のう設置) ・積み込み ・汚染物品投入※2 ・埋却地までの運搬 ・荷下ろし ・荷下ろし補助 ・シート閉じ (土のう設置) ・土砂均し補助 ・埋戻し ・石灰均し ・石灰投入※2 ・土砂均し ・埋戻し・余盛り ・ロープ囲い、立て札建 て (4)積 算 ① 請負業者との選定と併せて、早期に概算積算を行う。 ② 積算は、土地改良工事積算基準に準ずる。 ③ 別添に、埋却溝1溝当たり≒35,000 羽を想定した積算例を示すが、仮置き場運搬、 排水ポンプの設置、刈り払いが必要な場合である。 - 10 - Ⅸ 焼埋却班 3 埋却手順 1.掘 削 ・事前に、農場主、業者、市町担当者等と掘削場所等を 協議し、掘削範囲に木杭等を設置し、昇降用のハシゴを 6箇所程度設置する。 ・湧水等があった場合には、仮排水路設置の検討を行う。 ・ 法面の安定に注意する。【法面崩壊監視要員1名必 要】 2.埋却溝底面石灰散布 ・埋却溝の底面に消石灰を5cm の厚さに敷き詰める。 ・石灰散布は、コンテナバック1袋当たり 20 ㎡ の散布 が可能である。 消石灰 ・ 袋の口切り作業者はヘルメット、ゴーグル及びマス クを着用し、バックホウバケットにより埋却溝底面に降 下する。 (生石灰の場合) ・20cm 以上の土で均一に被覆後、放熱のため1晩放置す る。最低でも2時間放置後、底面の温度計測を行う。長 靴が焼けるので緊急脱出用ロープを準備し、バックホウ による機械作業とし、人力による敷き均しは行わない。 3.ビニールシート張り ・最低必要人員は 15 名である。 (端点確保要員(5 名×2 端点)+展開要員 5 名) <ビニールシートの展開方法> ・埋却溝の上端辺中央部にバックホウで梱包シートを設 ビニールシート底面に0.3m の埋め戻し 置する。 ・蛇腹に畳んである方向を長辺とする。 ・埋却溝上端に沿って短辺を展開する。 ・ビニールシートの上辺の2端点を確保する。 ・下辺の2端点を各3人が埋却溝両端に沿って展開する。 ・展開5m毎に左右2名が確保する。土のうを1~2m 毎に設置する。 ・破れたら、補修もしくは張り替えを検討する。 (汚濁水が浸透しないように留意する。 ) ・底面に0.3m程度、全面の埋め戻しを行う。 (ビニ ールシートの保護目的のため) - 11 - Ⅸ 焼埋却班 4.汚染物品の投入 ・ 石灰コンテナバックに付属しているフック吊下げ用 ロープを利用し、8m程度のロープを作成する。 ・ロープによりコンテナバックをバックホウバケットの フックに吊り下げ、投入、積み込みを行う。 ・投入各段のバックホウの逆サイドへの投入はブランコ 様の反動により実施する。 ・フック外し要員1名及びコンテナバック誘導要員2名 は、ヘルメット及びマスクを着用しバケットで降下する。 (慣れるまでは、業者に任せた方がいいが、金額の問題 有り) ・作業要員に対し、ビニールシートを破損しないよう事 前に注意を行う。 ・写真撮影、掘削状況、各段の投入数量カウント、作業 開始、終了時間等の作業進捗把握を行い、適宜、本部に 報告する。 ・連続作業時間は 1 時間を目安とする。(ヘルメット着 用) 5.覆土 ・投入数量を最終カウントするとともに、シートの状態 等を確認する。 ・シートを上部で、雨水が内部に浸透しないよ 消石灰 うに、重ね代を十分に確保するとともに、土の うで3箇所程度、1~2m間隔で設置していく。 ・その上を1m程度、覆土を行い、消石灰を5cm 程度散 布し、地表面まで埋戻す。 6.仕上げ ・50cm 程度の盛土を行った後、周囲をロープで囲むと ともに、看板を立てる。 ・最後に、農場主、市町担当者ともに、現地確 認を行うこと。 消石灰 ・看板の内容は、下記事項を記載すること。 ○埋却した死体又は物品にかかる病名及び埋却物の 種類 ○埋却した年月日及び発掘禁止期間(3年間) (看板の例) ○その他必要な事項 発 掘 禁 止 埋 却 物 : 鶏、鶏糞、鶏卵、飼料等 病 名 : 高病原性鳥インフルエンザ 埋却年月日 : 平成20年11月11日 発掘禁止期間 : 3年間 愛 媛 県 - 12 - Ⅸ 焼埋却班 4 追加工事発生時の確認 (1)市町等からの要望 市町若しくは請負業者、家畜防疫担当等の関係者から工事内容への要望があった場合 は、対策本部に対しその可否を確認する。 (2)工事内容の基本事項 ア 家畜伝染病予防法の基準を満たした措置 汚染物質を埋却し、ビニールシートで覆い、上下に石灰を挟み、2m程度の覆土 を実施する等、家畜伝染病予防法に定める埋却基準を遵守すること。 イ 住民の意向尊重 埋却に係る住民意向を最大限に考慮すること。 5 労働安全衛生法上の留意事項 (1)フックの掛け外しは、原則、玉掛けの資格が必要である。 (2)詰め込みが主作業となる場合は、レッカー車による作業とする。 6 現場監理の留意事項 (1)降雨、雪等を考慮し、記録紙及び記録手段を持参する。 (2)作業従事者は、防疫服の前後にスプレー等で名前を及び班名を記入する。 (3)土木業者の消毒及び防疫措置を優先的に配慮する。 (4)業務内容の正確性を担保するため、随時記録を整理する。 (5)各作業の指示の伝達、調査及び記録等に人員を配置する。(埋却溝当たり1名) (6)各日の作業開始前に家畜防疫担当、土木業者を交え当日の日程を打合せる。 (7)安全作業を最優先事項とし、安全に支障があると判断した場合は強行しない。 7 工事の完了確認 市町及び現地対策本部長の現地確認後の完成検査をもって、完了とする。 8 事故発生時の対応 (1)法面崩壊 連絡は、救急、警察及び県防疫対策本部の順で行う。 法面崩壊の場合は、2重事故の可能性が高いため、救助は慎重に行う。 (2)その他の事故 救命救急措置を実施し、救急、警察及び県防疫対策本部の順で連絡する。 9 その他の留意事項 (1)10,000 羽以上規模の鶏舎構造の事前把握 ア 発生時の糞搬出手順の想定 ケージ分解、搬出による小型ホイルローダーの鶏舎内糞運搬作業の可否 イ 鶏舎構造上不可能である場合は、鶏舎壁面・屋根破壊の可否 ウ 袋詰めスペースの確認 (2)埋却場所 ア 場内スペースの確認 イ 隣接地の土地所有者確認。直近の市町有地の地形・面積 - 13 - Ⅸ (3)農場及び埋却地への進入道路の確認 ア 有効道路幅員 イ 重機運搬に係る台車の進入を想定 ウ 埋却に矢板工を適用せざるを得なくなることを想定 (4)作業従事者の消毒及び休憩所の確認 (5)埋却不能な場合の想定 (6)埋却完了後、定期的に水質調査を行う必要がある。 - 14 - 焼埋却班 Ⅸ 焼埋却班 別添2 雨天作業時の留意事項 降雨の程度にもよるが、雨天時には、作業現場がぬかるむことなどによって作業効率が 悪くなるのみならず、埋却溝へ水が溜まる、埋却溝の法面が崩落するリスクが高くなるな どの問題が生じ、作業者の安全やバイオセキュリティの確保が難しくなる。 雨が降ってきたときには、天気予報や埋却溝の状況(土質、作業の進捗等)、さらに作業 者の安全やバイオセキュリティの確保を十分に考慮し、各班のリーダーで協議して、埋却 作業の開始、継続、中断、再開を判断する。 ①作業前の状況確認 降雨に関する詳細な予報を入手し、埋却地の状況を確認した上で、埋却作業の実施、 あるいは中止を決める。なお、作業を行う場合は、敷鉄板や砂利等を準備する必要が あるかを事前に確認する。 ②工程毎の対応 ア 埋却溝の掘削 (ア)雨が降っている、あるいは、降雨が予想される場合、埋却溝の掘削は、必要最 小限で止める。 (イ)やむを得ず掘削する場合、長い埋却溝を掘削できる埋却地であっても、途中に 掘削しない箇所(約5mの幅)を設け、短い溝(長さが30m程度)が連続する 形で掘削する。 (短い溝にすることによって、比較的容易に排水できるようになる 上、重機等を埋却溝の反対側に移動させることも容易になる。) (ウ)埋却溝毎に、雨水が溜まったときにポンプで排水するための釜場を掘削してお く。 (エ)地形的に雨水が流入しやすい場合には、土堰堤や小排水溝を設ける。 (オ)埋却溝の法面が崩落しやすくなりますので、十分に注意しながら作業を進める。 (カ)重機等の作業場所において割れ目が生じた場合は、崩落のおそれがあるので、 その場から直ちに重機を移動し、必要に応じて雨水が入らないようブルーシート で覆う。 イ 埋却溝の管理 (ア)かなりの降雨が予想される場合、埋却溝は掘削しない。掘削した埋却溝は埋却 溝に雨水が入らないようブルーシートで覆う。 (イ)埋却溝に雨水が溜まってしまった場合、死体等の配置前に釜場以外には水が残 - 15 - Ⅸ 焼埋却班 らない程度にまでポンプで排水する。 (水位が低くても埋却溝に水が残っている場 合、埋め戻しを進めるにつれて雨水が押しやられ、水位が上昇して死体等が浮い てしまうことがある。) (ウ)ポンプでの排水が難しい場合は、吸水材としておが屑を投入することも有効で ある。 (エ)死体等を埋却溝に配置した後に水が溜まってしまった場合、この貯留水はウイ ルスで汚染している可能性があるため、地表に排水してはいけない。 (自然に水が 引くのを待つか、おが屑等を吸着剤として投入する。) (オ)車両や重機等を安全に移動し、埋却溝の崩落を防ぐため、必要に応じて、鉄板 を敷設したり、砂利を敷きつめる。なお、鉄板の利用に当たっては、重機等の滑 りにも注意しなければならない。 ウ 埋め戻し 雨天の場合、埋却物を投入しない。死体等を埋却溝に投入した場合、埋め戻しま で行わないと埋却溝に雨が溜まってしまうため、特段の問題が生じない限り、埋却 物を投入しない。 エ 作業の中断 作業者の安全とバイオセキュリティの確保を最優先に考えた上で、以下の①によ り作業中断の是非を判断する。 (ア)判断要素 ・降雨予報 ・足場の状況(埋却溝が崩落するリスク、車両や重機のスリップ) ・埋却溝への雨水の溜まり方 ・作業の進捗状況(特に、死体等の投入状況) (イ)雨水の流入防止 埋却作業を中断する場合、土堰堤や小排水溝の設置、ブルーシートによる埋却 溝の被覆等により、雨水の流入を防止する。 - 16 -
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